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シナリオ詳細

厄払いSHOOT2020秋全国大会

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 厄払い、というのにも様々な種類がある。たとえばそれは神殿への参拝だったり、集めた木の実を焼くことだったり、お守りを身に着けたり。儀式めいたあれやそれやが本物であるかどうかなどは関係ない。やることに意味があり、そうして目に見えない「厄」を祓うーーそれが、厄払いだ。
 そして、これもまた、厄払いのひとつである。
たとえ何故かそこに実況と解説、計測員が存在したとしても。

●全国大会
「さて、本日も始まりました厄払いチャンピオンシップ! 実況、解説はこのクカイお兄さん。解説はこの神殿の神官、ザンギ殿になります」
 晴れ渡る秋の空。石造りの神殿の前に用意されたのは素焼きの人形が大量に詰まった箱。そして仮設の実況席。
 パイプ椅子に折りたたみの机。スタンドマイクの置かれたそこにさも当然といった具合で着席するのは『故障済の精密機械』白雲クカイ。またその横に座るのは線の細い三十路くらいの男神官……ザンギと呼ばれた人物だった。

「ルール……コホン。厄払いの儀式の手順は簡単! まずは素焼きの人形に厄を移します。つまり手にとってあれやこれやの愚痴……つまりは心のもやもやとかストレスを人形に込める!」
「この人形ですが手で握り込めるくらいの大きさになります。、必要に応じて大小揃えておりますから安心してください。どなたでも投げるのは可能でしょう」
「解説ありがとうございます、ザンギさん。そして人形に思いと厄を込めたら……思い切り投げましょう!」
「この神殿の儀式場はすべて石で出来ています。落とすだけでも割れますがどうせなら気持ちよく投げたほうが良い、とただ割るところからどんどん儀式が進化し、今では飛距離を競うまでになりました」
「なるほど、こんなところにも歴史があるんですねぇ。なお投げましたあとはスコアを提示します。目指せロングスコア! それではルールはおわかりになったでしょう。ということで、厄除け、スタート!」

 え、これ始まるの?


NMコメント

秋です、膝毛です。厄払いしましょう。
なおこのラリーは一章で終わる予定です。のんびり厄払いしましょ!

●目的
厄払いです。
人形を手に取る→思いを込める→投げる
以上です。思い思いに思いを込めて投げてください。

●世界
豊穣風の建物などが見える和風世界。
ただし木造よりも石造建築が主流。

●スコア算出
基本的にはランダムに投げる角度(90度まで)や速度を決定しますが、角度やパワーにこだわりたい方はどこかに書いておくと参考にします。

●サンプルプレイング
厄払い……思いね。そういえば闇市、引いたけど売却価格の合計が2000も行かなかったわ。パンツはパンツでもおっさんのパンツなんか!いらないのよ!!!!投擲角度は45度、あらん限りの思いを込めて投げるわ!!!おっさんのパンツはごめんよ!!!!!!!

  • 厄払いSHOOT2020秋全国大会完了
  • NM名玻璃ムシロ
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年09月27日 20時49分
  • 章数1章
  • 総採用数4人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

星影 向日葵(p3p008750)
遠い約束

「個人的に『厄込め』っていう行為が気になってて参加してみたくて。あるよね、身代わり人形みたいなの」

 最初に箱からそれを取ったのは『天色に想い馳せ』隠岐奈 朝顔(p3p008750)だった。素焼きの人形、それをふたつの指で抓み、持ち上げる。
「……これ、お土産にお持ち帰り……は駄目ですよね」
「とのことですが解説のザンギさん、如何でしょうか」
「うーん、オッケーです。ただし素焼きの焼き物ですし割れやすいのでお気をつけください」
 少女の呟きにも実況解説が入ってしまうのはこの大会の運命(さだめ)か。スピーカーからの音声を聞き流しながら少女はその人形に思いを込める。

 私には大切な人がいて。その大切な人の大切な人。彼らはなんで揃いも揃って魔種とか、神使にとって敵……いずれ敵対する存在なんですか?
 大切な人はその人達を大切にしてて、信じてて。
 彼らに裏切られた時、大切な人の気持が容易に想像できて……本当、どんな拷問なのか!

 思い、悲しみ、苦しみ。そして――祈り。朝顔のそれが込められた人形は淡く色づく。琥珀の色を纏った素焼きの人形は、えいという掛け声とともに澄み切った青い空へと舞い上がる。
「いやあ、距離もですが高さも出ましたね」
 小気味よくパリン、と音を立てて割れた人形の破片はふわりと空へ溶けていく。
 厄除けが境界の向こうまで届くのか定かではなくとも――その思いはきっと、あなたと共に。

 スコア:285

成否

成功


第1章 第2節

チェルシー・ミストルフィン(p3p007243)
トリックコントローラー

 かつ、とヒールの音が響く。『魅惑の魔剣』チェルシー・ミストルフィンは颯爽と現れるとそのままのいきおいでスッと素焼きの人形を手に取る。
「おおっと、人形を迷わず手にとった! そして、何かを念じている!」
「いやあ、そのまま割れそうなくらいに強く握りしめられていますね」
 実況解説も右から左。目を伏せ、両手で強く人形を握りしめるチェルシーが人形に込めるは厄……もとい、魂の叫びだった。彼女の生き方、そう、『スタイル』である。
 思い描くは魅惑の魔剣、その名の通りの自分自身を演出しようと試行錯誤をした日々のこと――
 色々武器を変えてみたり! ポーズを取ってみたり、名前をつけてみたり……それでも。

「私なりのかっこよさが決まらないのよ! 特に【魅了】! スキルが二つしか無いじゃない!!」

 魅惑の魔剣なのに! あとすでに戦い方それぞれに象徴する人がいて! 被るのよ! と、もはや念を超えて声に出ているが、お構いなしだ。握りしめる人形からビキッとヒビが入ったような音がしたがきっと気のせいだろう。そういうことにしておけ。

「これは熱が入る、好記録が期待できそうですね」
「ええ、かなりの『念』もこもっています」

「ええい、というか次の依頼までに強くならないとかなりやべーわ!!」

 角度はきれいに四五度。叫びとともに投擲された人形はきれいな弧を描き――粉微塵になった。

「いやあ……芸術点が高い投擲でした」

 スコア:403

成否

成功


第1章 第3節

八重 慧(p3p008813)
歪角ノ夜叉

「俺の知ってる厄祓いと違う」

 今までの投擲を見てきたのだろう。少しばかり減った箱の中身を手に取りながら、『歪角ノ夜叉』八重 慧はぼそりと呟いた。
 祖国――カムイグラでの厄祓い。それと途中まで似ているものがあると思っていたが、人形をぶん投げないし、ましてや実況解説やらスコアやらつけられない。というか厄祓いのスコアってなんだ。
 戸惑いはしたものの、今は祖国の危機である。気合を入れ直すようにキッ、と前を向き直す。

 視線は斜め四五度に。

 彼が思い返すは、都と故郷との温度差。
 故郷は種族関係なく皆一緒にニコニコお茶をしていたものだった。そもそも、自分を拾ってくれた「主さん」もおおらかなものだった。
 しかし、都はどうだ。やれぶぶ漬けやらなんやら、あれやこれやの都しぐさ。自分も幾度遠回しな嫌味を言われたか。それでも、自分は主様に恥じないように生きるのだ。
 ホンット、都の方だと迫害してくるタイプのお方が多くなるっすねぇ! と心中でごちる。
 しかし、

「俺もちゃんと種族関係なく、どんなタイプだろうがなんだろうが助けたりしますからね!」

 首洗って待ってろってんですよ、と叫びながら投げ飛ばした人形はキラァン、とホシに……もとい弧を描き地面に当たり砕ける。

「ああ、思い切りぶん投げると思ってたより気持ちスッとするっすね」
 なるほど厄払いっすわ、と言う彼の顔は今日の空のように晴れやかな物だった。

 スコア:392

成否

成功


第1章 第4節

望月 凛太郎(p3p009109)
誰がための光

 青空のもとスピーカーから響く軽妙な実況中継と堅実な解説、ホワイトボードに書かれているスコア。
「俺ぜったい厄祓いってこういうのじゃないと思う」
 『キトゥン・ブルー』望月 凛太郎がそう思うのも当然のことである。厄除けってもうちょっと神社とかで祈祷とかなんかそういうのじゃなかったか? なんて思っている彼にもスッと差し出される素焼きの人形。エッこれ俺もやるの? なんて思っている間にもピッチャーボックスへ。厄祓いのピッチャーボックスってなんだよ。
「厄、厄ね……」
 なんかあったか、思い返す。
 学校が終わってスーパーのタイムセールに間に合うように全力で走ったら目の前で終了したとか。電車のドアが目の前で閉まって発車した(そのせいで遅刻した)とか? あーあとは鳥に糞をかけられたり何ならそいつが目の前に降りてきてカーとひと鳴きしてから飛び去っていったとか……そういうののことかい?
 思い出したら悲しくなってきた。というかわりと不幸が積み重なってた気がする。

「俺が何をしたっていうんだちくしょうーーーーーーーーーーー!」

 日差しを浴びてキラリと輝く涙。凛太郎の草野球で鍛えられた肩から投げられた人形は低い角度ながらもその勢いでかなりの距離を飛び、地面に叩きつけられる。

「あの角度からよくこのスコアが出ましたね。やはり野球経験が生きたのでしょうか」
「でしょうね、かなりの速度が出ていたようでした」

 スコア:350

成否

成功


第1章 第5節

 ――その後も、人形の詰まった箱が空になるまでこの『厄祓い』は続いた。
「でも、結局スコアが出たのはあの方々のものでしたね」
 解説のザンギさんがスコアボードを片付けながら実況の『故障済の精密機器』白雲クカイに声をかける。
「そうでしたねー」
 やっぱり特異運命座標君たちはスゴイスコアだった、とつぶやく。え、何か今言いましたか? とザンギが言うが「いや、聞き間違いですよ」とニコニコと受け流した。

「スコア、もとい飛距離。いやあ……よく飛んだよね」

 明らかに三百から四百メートル先に砕け、跡がついた石の床。
 夕日に照らされる跡を見て、きっと厄も随分落ちたものだろうな、と男は微笑んだ。日が落ちようとも、やがて朝日が昇る。其のときにはまた爽やかな風が吹き渡り、厄なんてものはどこまでも遠くへ消え去っていくだろう。

「汝らが道に、幸あらんことを」

 日が、暮れる。

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