シナリオ詳細
<傾月の京>月下に踊る鏡と蛇
オープニング
●
しっとりとした静けさが辺り一面を包んでいた。
カムイグラ、高天京――その中央部に存在するここは高天御所。
帝の居城でもあるここは場所的にも政治的にも中枢といえる。
広く取られた空間内に満ちる静謐な空気はその殆どが豊穣の景色を体現するかのような独特な風景を持つ。
御苑に配置された寝殿造の建物の一つ、主建築たる寝殿を前に、人影が立っていた。
秋の名月に照らされた逆光に染め上げられた影――その数、十や二十にあらず。
三桁は下らぬその威容、その全てが八百万で構成され、微動だにしない。
まもなく、音もなしに神殿の奥から偉丈夫が姿を現した。
片の目に鏡を持つその男は、片手に握る武骨な大薙刀をカン、と音を立てて起こす。
合わせるように、威容の全てが揃って跪いた。
これだけでも、彼らが非常によく訓練された者達であることは明白だった。
「――さて。今宵、貴様らをこれほどの数集めたのは言うまでもない」
音を合図とするかのようにして、秋の静寂を破るように男が声を発した。
「見よ、空を。美しく満ち足る月であろう。
今宵、御所において重要な儀式が執り行われる。
――それを邪魔しようと考える愚か者たちがいるという情報がある」
淡々と告げる言葉にも、眼下の者達からの動揺はない。
「聞け、我ら刑部省の精鋭たちよ。獄吏、警邏、部署はあれど、
貴様らは刑部省の精鋭、私の最も信頼しうる者達である。
故に――刑部卿、近衛 長政の名に置いて命を下す」
再び石突きをカン、と叩きつけ、鋭い眼光で眼下を見下ろした。
「招かれていないにもかかわらず、宮中に潜入しするばかりか、
儀式を邪魔せんとする奴らを一人残らず捕縛せよ。
彼らは許可なく御所に踏み込んだ罪人である!」
寝殿と中庭全てに響き渡る堂々たる声に応じ――鬨の声が上がる。
その声を後ろに、長政が寝殿の中へと戻っていく。
神殿の内側を歩む長政がふいに立ち止まる。
「……来たか」
地を這って姿を現したのは、下半身が蛇の男だ。
蛇眼は深く金色に輝き、その肉体からは嫉妬の気配が濃密に漂っている。
「お招きありがとうございます、長政様。
再戦の機会を頂き誠に感謝いたしております」
蛇のように大きな口を開いた蛇の男――呪蛇刑部はだらりと長い蛇の舌を垂らす。
「あれは恐らく、神使を案内して田北門を通るだろう。
獄吏からいくつか貸してやる。諸共に捕らえるがいい」
「はい、はい――承知いたしております! 感謝いたします!」
平伏する呪蛇刑部を横目に、長政はその場を後にして消えていった。
●
「悍ましい魔の気配……」
露出を少なくした武人風の男――各務 征四郎 義紹はぽつりとつぶやく。
『けがれの巫女』つづりが感知したという。
その場所は高天京の中心、高天御所――その宮中たる高天宮の内裏。
これまでも呪詛は高天京を中心に蔓延していた。
特異運命座標による対処によって、幾分かはその被害を軽減されたが、それでも被害は大きい。
蔓延する呪詛でさえ被害を及ぼしているのだ。
巫女姫らの呪詛が及ぼす影響はどれほどになるのか、計り知れるものではない。
「今、刑部省は戦力を宮中に集中させているようだ。
宮中警護の人材だけではなく、獄吏を中心に、異常なまで多く。
恐らくはだが、彼らはその呪詛の計画の警護のために動いているのだろう」
男は君達を真っすぐに見据えた。
義紹の言葉を聞いた『月下美人』久住・舞花(p3p005056)はまっすぐに彼の方を向いた。
「刑部省全体が怪しいということでしょう」
「うむ……現在の刑部省、近衛 長政は天香長胤の名の一文字を受けて改名したという噂もある。
それらを踏まえるなら、刑部省全体――単一個人はともかく、大多数は君達にとっては敵であることに相違はないだろう」
「私はこの戦力の幾らかを請け負おうと思う。
恐らくは、向かってくる敵は近衛 長政の子飼いを含む強力な敵ではあろう。
私が刑部省の御所にまで案内しよう。手伝ってほしい」
刀に手をかけて、義紹が真っすぐにイレギュラーズを見据えた。
- <傾月の京>月下に踊る鏡と蛇完了
- GM名春野紅葉
- 種別EX
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2020年10月05日 22時51分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●
真円を描く鮮やかな色をした月が空に浮かんでいる。
怪しい月光は御苑を照らし出していた。
御苑の一角――外縁部よりやや内側。イレギュラーズは各務 征四郎 義紹の案内の下、手早くそこに到達していた。
壮麗なる鉄城門と、3~4mほどの高さを持った塀――そして、たった今その城門を開け放ち現れるは魔の気配を色濃く放つ男だった。
「おや、醜い蛇如きが何の御用でしょう。僕達は貴方の相手などしている暇などないのですが」
その姿を見た『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)はくるりとステッキを回しながら、敢えて挑発的に笑う。
「過去の報告書を読んでますよ。貴方は各務様を狙った上で返り討ちにあって、今はこき使われて、僕達の相手ですか」
その挑発に、少しばかり敵が幻を意識したように見えた。
「んー。政治とか難しいことは分からない」
靴の踵を地面にとんとんと鳴らした『絶望を砕く者』ルアナ・テルフォード(p3p000291)は、そのまま静かに剣を取る。
「けれど、魔種やら肉腫やらがいいものじゃないってことは分かるから」
真っすぐに敵を見据え、剣を構える横で、『知識の蒐集者』グレイシア=オルトバーン(p3p000111)が煙管をふぅ、と吹いた。
「何、難しく考える事は無い……アレは敵で、倒さねばならぬのだ」
「うん、そうだね、おじさま」
剣を握る手に、力が入る。
「えぇ、悲劇を起こさせるわけにはいかない。強敵が待っていようと、私達で必ず打ち破りましょう」
淡い輝きを月光に反射させる水晶剣を抜いた『舞蝶刃』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)は、静かにその剣を敵に向ける。
「魔種……しかもこんなに派手に動くなんて……」
月下に映える美しき肢体を晒す『Ende-r-Kindheit』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)は静かに言葉をつぶやきながら、2本の曲刀を構えた。
「刑部省の兵か……流石に素通りはさせてくれんか」
弓に矢を番えようとする義紹の声に『月下美人』久住・舞花(p3p005056)は声をかける。
「一応聞いておきます。彼らは貴方の元同僚という事になりますが……容赦は不要ですか?」
「当然。あれでも精鋭、容赦などしてたらこちらの負けもあり得よう」
矢を番えて構えを取る男の目はまっすぐに敵を見ている。
舞花自身、刀に手をかけて走り出した。
「例え今の神威神楽の在り方が一つの平穏の形だとしても
犠牲や差別を強いる在り様は間違っております。
そしてそれは、今の政でなくなろうと、すぐに無くなることはありますまい」
静かに告げる『帰心人心』彼岸会 無量(p3p007169)は第三の眼を以って敵を見据えて呟いた。
それが長らくそうあれかしと続いた慣習である以上、上がどうなろうがそう簡単に変えられるものではない。
だが、それでも。
「私は祈らねばならない。願わねばならない。求めなければならない。
自ら足蹴にして来た弱き者達、その者達はもう戻らねど、此れが食材の一歩となることを願って進まねばならない」
その瞳は敵を見通すように静かに開く。
「ほう刑部は敵に着いたか。連携の取れた武人集団ということだが……油断はしないようにせねばな」
立ち止まった『章姫と一緒』黒影 鬼灯(p3p007949)は、すぅ、と影に溶けるように姿をくらませた。
(『暦』だって負けていないのだわ! 私たちだって強いんだから!)
章殿も今回ばかりは声を発さず答える。
(……民を守るべき刑部省が民を傷つける側につくか
きっと何か考えはあるのだろうが、自分にとっては認められない)
居並ぶ敵を見据えて『誰かの為の墓守』グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)
「それに。どのような考えがあろうが民を傷つけることは不正義だろう。
そしてそれに従うだけのお前達もまぎれもない不正義だ。
だから、こんな馬鹿げたことは止めさせてもらう」
(私の亡き夫は策を建てるのが大好きでしたが、攻めるときは正々堂々としていました。
恐らくそれが侍にとって必要だった心構えだったのでしょう)
刀を抜き、『邪妖精斬り』月錆 牧(p3p008765)は前を真っすぐに見据えた。
「私も同様に。真っ向からぶつかりましょう」
その切っ先が月光を反射させて鮮やかに照らし出される。
牧は走りながら手に握る破秀滅吉に己が気を収束させていく。
やがて収束した気を、上段から振り抜いた。
放たれた斬撃はまっすぐに陰陽師を撃ち抜き、光の柱を描いて炸裂する。
サファイアを思わせる美しい瞳を向けたミルヴィは月下にその美しい身体を晒しながら駆け抜ける。
陰陽師めがけて駆け抜けようとしたミルヴィだったが、行く手を槍兵が邪魔をする。
立ち止まったミルヴィはその場でその肢体を大胆に、見せつけ――魅せつけるように激しく躍動し、踊りながら近づき、剣舞と視線を敵に向ける。
それを受けた槍兵達がミルヴィを囲うように槍を手に近づいてくる。
「その連携は弛まぬ努力の結晶だっただろう。その力は民を守るためのものだっただろう。
お前達はただ従うことのみを選んだ。もっと民を見ていたならばお前達に救われる誰かもいただろうに」
グリムは淡々と言葉を告げた。反応を示したのは数人。
その中で、こちらに注意を引けたのは太刀兵2人。
自らに無限の紋章を顕した鬼灯は疾走しながら陰陽師の方へと徐々に近づいていた。
その進行方向から、矢が放たれる。迅速な狙撃が鬼灯の身体を撃ち抜いた。
気配を極力まで押し殺すこと自体には成功している。
だが、ほとんど遮蔽物なく向かう先も一定の、その戦場に置いての隠密は困難と言わざるを得なかった。
鬼灯は籠手で循環させた魔力で『暦』を強化すると、弓兵めがけてそれを放った。
糸はまるで砂塵の嵐が如く吹き荒れ、弓兵へと注がれる。
重ねられた不可視の糸による旋風は弓兵の動きを縛り付けるように叩きつけられた。
「武人さんてことは強いんだよね。お手並み拝見。わたしがお相手するよ!」
ルアナは大剣を天へと掲げて宣誓を告げると、自らに魔術を施した。
この身こそは信念の鎧であると、そう証明する鮮やかな輝きと燐光が身を包む。
上げた宣誓に、片方の弓兵が反応を示す。
グレイシアは方陣の描かれた魔術具を起動させる。
それは鮮やかな魔力を帯びて術式を放ち、状態異常を施された仲間達にその対処法を思い出させる。
(先のは個人的な怨恨なのかと思っていましたが……刑部省の様子からして、彼の抹殺は命令でもあったという事ですか)
思考しながら走り抜けた舞花は仲間たちの間を迂回しながら駆け抜ける。
その眼前に現れたのは、1人の太刀兵だ。
踏み込みと同時に放たれる刺突、それを身のこなしと刃で躱した舞花は、深く踏み込んだ。
放たれた閃雷の一刀が紫電を引いて敵の胴を切り裂く。
鎧に邪魔されて傷は浅い――だが、その衝撃により、身体が大きく傾いた。
その太刀兵の上を通過した矢が遥かな向こうで陰陽師に向けて三本の矢が放たれた。
仲間の動きを待っていた幻が、一気に動き出す。
圧倒的な反応速度で敵陣の最後衛、陰陽師風の2人の下へと走り抜ける。
振るわれたステッキより放たれた光景が陰陽師の片方に触れる――その寸前に動いた影。
「貴方は只各務様に利用されているだけに過ぎません。
貴方は各務様を越えたいのでしょう。ならば、そこをどきなさい!」
割り込んだ影――呪蛇刑部にそう叫ぶ。
「――私がカガミの君に利用されている? くふふふ! 面白い御冗談を!」
幻の奇術を受けた呪蛇刑部の瞳が、殺意に溢れていた。
直後、呪蛇刑部の身体に映える呪蛇が幻の身体に食らいついた。
1度で終わることなく、2度、3度、4度と打ち据える蛇の牙は一つ一つこそさほどの火力ではないが、連撃に体力が削られていく。
アンナは呪蛇の動きが止まる刹那、身体を幻と呪蛇刑部の間に割り込ませた。
「前回は逃げ足が早かったようだけど、今日はどうなのかしら? 主を置いて逃げる薄情者なら困ってしまうわ」
立ちふさがった少女を見下ろす敵の目とかち合う。
「誰の事か存じ上げませんね」
邪眼がきゅう、と細くなっていく。
「大いなる呪いをもってこの國にある種の平穏を齎そうとも、その様な物私は認めません。認められません」
錫杖のようにしゃらんと音を立てて宣誓を上げた無量の向上に、ひきつけられたのは敵の前衛数人だった。
●
魔種に齎された混乱が癒えていく。
幻と呪蛇刑部の反応速度は運の要素を含めて伯仲しているといえた。
あちらの方が速ければ、アンナを振り払った魔種が幻を攻めたて、こちらが速ければ陰陽師を攻撃する。
呪蛇刑部の動きの根幹は陰陽師への壁ですらあった。
高い回避能力は押し殺せる。しかし、齎した混乱と傷は癒えていく。
「精神もこの上なく醜悪で下劣なようですね。誇りの一つもないなんて、お可哀想な方です」
回復役のすぐそばで常に振舞う――いうならば安全圏の一つで戦う男へ、皮肉を込めて幻は言い放つ。
ハットの中から繰り出した奇術の光景が、呪蛇刑部を包み込む。
思い人とのひと時を描き出す奇術に入り込んだのを見ながら、影へと消えていく。
それは一炊の夢、だれもが永劫と思いこむ、消してあり得ざる夢。
我に返った呪蛇刑部が、混乱したように周囲を見渡した。
その様子を見ながら、幻はその場から後退していく。
「誇りなどあるものですか!」
奇術より晴れた刑部が幻に向けて突っ込んでいく。
「これ以上はさせないわ」
アンナはそんな声と共に呪蛇刑部目掛けて踏み込んだ。
鋭い踏み込みから放たれた刺突が空気を切り裂き、炎を帯びて放たれる。
真っすぐに放たれた刺突は、呪蛇刑部の身体を刺し穿ち、鮮やかな紅蓮の薔薇を開く。
それを受けた呪蛇刑部の視線がアンナの方へと注がれる。
無量は第三の眼を開いて遠くの陰陽師を視界に捉えた。
絡みつくようなその視線に充てられた陰陽師の片方が不快感を無量に注ぐ。
牧は気力を刀身に籠めなおすと、再び斬撃を振りぬいた。
削り取るような光の柱が無量の視線に反応した陰陽師へと炸裂する。
剣より放たれた輝きは、鮮やかに爆発するようなものではない。
けれど。静かに牧は刀を構え続けた。
鬼灯は弓兵からの反撃を度々受けながらも、徐々にではあるが陰陽師を射程内に含める位置へと移動をしつつあった。
「なるほど、見事な統率だ。が、俺の部下ほどではないな」
到達しえた鬼灯はそう告げると共に『暦』を動かす。
精密な動きで放たれた魔の糸はまるで魔力を帯びて初めて可視化される。
闇色の輝きを放ちながら陰陽師二人を巻き込み微小の糸が描く一条の輝きに照らされて身動きを阻害される。
舞花も同じように太刀兵の妨害を潜り抜けて陰陽師の下へと到達していた。
だが、その前を遮る影がある。
(呪蛇刑部は、恐らく刑部卿近衛長政に従っている。
……刑部卿は、幾らなんでも正気で巫女姫に全面的に組するのはどうかしている)
後者に関しては、あるいは妖精郷での案件のように『まるで異なる目的の中で一部が合致した』だけにすぎない可能性はある。
――だが、前者に関しては。
「呪蛇刑部、『刑部卿は貴方を認めてくれた』という所ですか?」
アンナの刃を逃れて現れた魔種を見上げて、舞花は静かに問う。
「隠しても意味はありませんしね……えぇ、そうです。
あの男は私にとっては目障り。長政様にとっても、協力しない以上は目障りゆえ!」
「そうですか」
振り抜くは『死牡丹』の技を参考にした遠当ての術。
刀身に『気』を込めて振り抜かれた裂帛の居合は、紫電のスパークを起こしながら突き進む疾風の銀閃。
撃ち抜かれた剣が真っすぐに駆け抜ける。神速の剣撃は、回避行動を取ろうとした呪蛇刑部を捉えて炸裂する。
「くはっ……!」
後退した呪蛇刑部を捉えながら、視線はその後ろ、陰陽師から外さない。
更にその頭上を、三本の矢が飛翔した。矢は、真っすぐに陰陽師へと到達していく。
グリムは自らの傍にアンデッドのなりそこないを召喚すると、振り下ろされた敵の太刀に対する盾として押し込んだ。
そのまま不可視の糸をけしかける。
糸は複数に分かれて殺到し、太刀兵の体に纏わりついていく。
撃ち抜かれた太刀兵は、文字通りのマリオネットのように、ふらふらとグリムの思うままに操られ、地面へと叩きつけられた。
ミルヴィの双眸に昏き光がぼんやりと灯る。
かつて妖剣に呑まれた時の力を解き放つ。
妖しい黒と赤に満ちた双眸が、自身を警戒して囲う2人の槍兵を射抜いた。
刹那――双曲刀が動く。
茜色の軌跡が月光の下に照らされる白の地上を塗り替え。片方を切り刻み。
まるで往時を――妖剣であった頃を取り戻したかのように鮮やかな輝きを放った聖剣がもう片方へと鮮烈な傷口を刻み付ける。
敵の弓兵の動きが変わったことをグレイシアは気づいていた。
鬼灯や舞花、無量といった一部の前衛が陰陽師の下へ到達しつつある状況で、その動きは到達の阻止から相手にとって目障りな者――即ち回復手を務める自身へ向いていた。
「わたしのだいじなおじさまに何するの!!!」
照準を合わせてグレイシアを狙い撃つ弓兵とグレイシアの間に割り込んだルアナが叫ぶ。
放たれた弾丸は当然というべきか、威力の高い一撃で、信念の鎧のその上からもその身を削る。
「おじさまは絶対に倒れさせない。だから安心してね?」
そう言って笑う少女の姿をしたルアナにグレイシアは黙したままで自らにヒールをかける。
(大事な人……か。本来なら、吾輩がルアナを庇いたいところなのだが……)
術式を展開して周囲に温かな光を放つ術式を齎した。
眼前で華奢な身体を晒す少女の想いを無駄にせぬためにも。
●
牧は無量の三眼に魅せられて動き出した陰陽師へと走り抜けた。
迫る陰陽師の前へとたどり着き、割り込むようにして立ちふさがる。
静かに構えた破秀滅吉がじんわりと妖気を帯びる。
導かれるようにあふれ出したそれは、刀身全体を漆黒へと染め上げた。
まるで燃えるように揺らめく妖気を漏らす刀を、思いっきりそいつへと斬り伏せる。
大きく切り開かれた身体に、そいつが苦しそうに呻いた。
鬼灯は再び黒衣の籠手より伸ばした不可視の糸を収束させ、月のように形作る。
形成された魔力を帯びて淡く黒に色を放つ月の輝きが、陰陽師を打ち据える。
不運を呼び寄せる黒き月に照らし出された陰陽師が身体の均衡を崩したところで、舞花は剣を閃かせる。
爆ぜるように打ち出された紫電の太刀が陰陽師の身体を大きく切り裂いたところで、そのまま流れるように剣を握る。
振り抜いた太刀の紫電をそのままに、舞花は次の閃雷の太刀を振り下ろした。
ミルヴィはまだ槍兵と相対していた。1人目は既に倒している。
仲間達の方へと合流しようにも、目の前で槍を振るうこの男が邪魔で進めない。
「アタシはもう躊躇わない。この道が彼方に届いて、悲しみがなくなる日を目指す。だから――」
振るわれる刃は熾烈に、苛烈に。
けれど、その舞自体は驚くべき程に幻想的な美しさを帯びて。
「もっと迅く! 鋭く──!」
斬撃の花吹雪が、その敵を打ち据えていく。
その過酷な舞踏は終わらない。
グリムは足元に赤い魔力の棘を生みだすと、動きの鈍った正面の太刀兵めがけてけしかける。
鎧の隙間を縫うように貫いたその棘が皮膚を貫き、そこからとどまらぬ出血があふれ出す。
「お前達はただ従う事のみを選んだ。
もっと民を見ていたならば、オマエたちに救われる誰かもいただろうに」
魔力による無数の糸を放ったグリムの言葉に対する敵からの返答はない――と、思われた。
「そうだ。我らはただ従うことを選んだ。
我らは兵、我らは駒、兵である我らに己が意思など不要」
そう静かに告げた太刀兵は、グリムの後ろ。切り返された斬撃がグリムの身体に傷を付ける。
天香における冥ほどではないにしろ、刑部卿子飼いの精鋭――身も蓋もない言い方をすれば私兵に等しい彼らに、民を見ていたらば、などという言葉は意味をなさなかった。
最前衛で仲間達のサポートを熟しているグレイシアの――そして、グレイシアへと降り注ぐ矢と魔種の介入を防ぎ続けるルアナの活躍は、それに伴う疲労は激しいものがある。
「はぁ、はぁ……」
息を整えながらも、ルアナが剣を握りなおす。
グレイシアの優先すべき事柄は多く、かといってルアナへのヒールも、自分へのヒールもおろそかにするわけにはいかない。
「痛くなんて、ない!」
パンドラの輝きを迸らせて、ルアナはきっと前を向いた。
その視線の先には、こちらへ矢を放つ弓兵が二人。
温かな光が全身を包み込み、傷を幾つか癒していく。
グレイシアは傷を癒しつつ、その小さな背中に思いを馳せる。
回復役という立場上、少しでも長く戦えるように――沈まずにいなければならない。
個人の想いはどうあれ、目の前で立ちふさがる小さな勇者の背中が倒れるのを見るわけにもいかぬのだ。
幻は再び奇術を披露する。敵の防備を緩ませ、無限の如き淡い夢を齎す奇術が、遂に陰陽師を捉えた。
相手は誰なのか、それは思うべくもない。興味もない。
無限の如き夢の中に揺蕩う陰陽師が、その場に蹲り、プツンと切れた夢に動揺を露にする。
アンナは肩で息をしていた。戦闘開始からどれだけか。
呪蛇刑部の意識はこちらに向きつつある。
流麗なる水晶剣に魔力を込めた。
鮮やかな紅蓮を帯びた剣身をそのままに、アンナは一気に飛び込んだ。
再び開いた鮮やかな紅薔薇。
炸裂した斬撃に、呪蛇刑部が目を開く。
無量は錫杖のようにした朱呑童子切を、再びしゃらんと鳴らしてもう一人の陰陽師に三眼を向けた。
射抜かれた陰陽師が嫌悪に満ちた目をこちらに向けてくる。
「裏切者とその協力者どもよ! まだ終わりはせぬと胸に刻め!」
宣誓の声を上げたのは、一人の槍兵だ。
それに呼応するように動いた太刀兵が、けしかけられるように陰陽師を攻撃するイレギュラーズへと殺到する。
牧は太刀兵の連携を拒むように立っていた。
前線そのものをイレギュラーズが押し上げたことで、放置する予定だった太刀兵達もこちらについている。
握りしめる刀に力が入る。渾身を込めて、己の内にひしめく憎悪を掻き立てた。
鮮やかに刀身を燃やす黒い炎を、静かに構えた。
「貴方にいは関係のない事でしょうが……ごめんなさいね」
まるで一時的に憎悪を刀に吸われたように、心がすっきりとしたように思える。
踏み込みと同時、牧は憎悪の太刀を横薙ぎに叩きつける。
防御を無視する苛烈な斬撃が、真っすぐに太刀兵に入っていく。
舞花は陰陽師を庇うように立つ呪蛇刑部から離れると、牧が一太刀を加えた太刀兵の方へと歩み寄っていた。
未だ立つその男の様子を見れば、前線を押し上げんとしていた時に舞花を邪魔した男だった。
至近の寸前、最後の踏み込みと共に、一気にギアを跳ね上げる。
無茶したが故に全身に走る痛みに構うことなく、舞花は紫電の居合を叩き込んだ。
大きく開いたその隙を穿つように、閃雷の太刀をもう一度叩きこみ、次を狙って構えを取る。
その眼前で、その太刀兵が再び大きくのけぞって、大地に伏した。
「終わりにするよ……」
昏い色の眸で真っすぐに槍兵へと構えを取る。
ミルヴィの攻撃で数多の傷を負ったその槍兵は、それでもまだ、真っすぐにこちらを向いて立っていた。
一度、大きく息を吸って――そのまま槍兵の間合いの内側へ入り込む。
横殴りに対応しようとしたそれを、ミルヴィは浅く屈んで躱すと、そのまま起き上がる勢いに任せて跳びあがった。
着地と同時、刻むは砂漠の赤き月。振り抜きがら空きとなった敵の首筋めがけて、双刀を走らせた。
強烈な斬撃となって首こそ落とせぬも袈裟切りに落としたそのままに、タン、と跳んで重心を使って刺し貫く。
鎧を抜き、血を吐いた男が後退する。そこに走ったのは、無量の剣だった。
変幻自在の大太刀より放たれた複雑な切っ先の動きが、槍を動かさんとしたそいつの獲物を跳ね上げる。
大きく開いた隙に、無量はもう一歩前に踏み込んだ。連続する一撃が、今度こそ槍兵の首を切り落とす。
アンナは水晶剣を構えなおした。
落ち着いて、物語の英霊の生き様を呼び起こす。
集中し、再び鋭い踏み込みを放つ。剣身に纏う紅蓮の焔をそのままに、アンナは連撃を撃つ。
それはまるで蓮華の華のように、、或いは薔薇のように。
熾烈な刺突となって、呪蛇刑部のわき腹から生える蛇を差し穿つ。
キシャァ、という音が、自分の攻撃の手ごたえを教えてくれる。
下がってきていた義紹の剣が、太刀兵に振り下ろされる。
ルアナの前に、太刀兵が立ちふさがっていた。
弓兵からの攻撃は、太刀兵の存在など関係なくルアナに降り注ぐ。
「どこからでもかかってきていいよ。勇者は、負けないんだから」
握りしめる剣に力を籠めて、ルアナは魔力を練り上げる。
生命力に満ちたファルカウの加護厚きその大剣に纏うは正義を標榜する審判の剣。
踏み込んできた敵の三段突きを払いのけ、打ち返すように大剣を振り下ろす。
強烈な一撃が太刀兵の帯びた加護を打ち砕く。
グレイシアは再び術式を展開させた。
恐怖を打ち払うとされるその術式は、致命的な傷を受けたルアナの傷口を癒し、痛みを払う。
鬼灯は陰陽師の方へと近づくと、籠手の魔力を糸に通す。
幾度目かになる黒き月が、掌に浮かび上がる。
月光を示すかのような漆黒の糸が、陰陽師の肉体を貫き、その動きを大いに阻害する。
●
パンドラの箱が開いている。
徐々にだが、イレギュラーズの状況は悪化しつつあった。
戦闘不能の数も増えている。1人目の陰陽師を倒すこと、槍兵を2人片付けること、太刀兵を1人打ち倒すことには成功している。
しかし、健在の兵は呪蛇刑部の陰に隠れる陰陽師の支援を受けながら、攻撃を繰り返してきていた。
牧は自らの魔力を憎悪へと干渉させ、心奥底に満ちる憎しみを、魔力に変える。
牧の斬撃が、陰陽師の肩を削り落とした。
鬼灯は魔糸を鎖付きの鉄球へと変化させると、それを頭上で振り回した。
紫の光を放つその鉄球は目の前に現れた陰陽師へと炸裂する。
美しき紫苑の月が如く放たれた鉄球を受けた陰陽師がやや後退する。
対応するように、追いかけてきた槍兵により放たれた突きは、鬼灯に向けられていた。
口元を覆い隠すベールが落ちるような位置へ伸びた槍を後退して受け流す。
舞花は再び紫電を纏う。静かに手を添え、仲間の連撃を受けた陰陽師に向け踏み込んだ。
バジリ――音が響き、こちらに視線を向けた敵を、居合で斬り伏せる。
3人による討伐が終わったその直後――戦場の奥から、矢が降り注ぐ。
雨の如き矢が、手負いのイレギュラーズの身を選び抜いて撃ち抜いた。
アンナはパンドラの温かな輝きを放ちながら、水晶剣を握り締める。
魔力を込める。水晶剣を赤と黒に彩った魔力を、アンナは思いっきり叩きつけた。
初撃の薙ぎ払いが紅蓮の炎を齎さんとし、第二撃が猛毒でおかさんと黒い魔力を放つ。
ミルヴィは再び妖剣に呑まれしかつてを取り戻して剣を振るう。
鮮烈なる剣舞が槍兵の1人と太刀兵の1人を巻き込んでいく。
黎明と暁の曲刀は鮮やかにその命を削り落としていく。
生き様を移すかのような美しい舞は終わりどころを見せない。
無量は一歩前に出た。ミルヴィの連撃を浴びた片方へ、錫杖であったその仕込み刀を抜き放つ。
ふらりと、惑わせるような軌跡を描いた刀身が、真っすぐにその首を望んで走り抜ける。
「私の利己的な思いだとしても、余所者の意見だと罵られ様とも。
私は私の思いを信じる。二度と過たぬと誓った己の心を信じる」
静かに走らす刃に乗せた思いは静かに、槍兵へと撃ち込まれた。
ルアナは向かってくる太刀兵に対して大剣を構えた。
あらん限りの魔力を込め上げる。
温かな白き輝きを放つ聖剣に指示されるがように、ルアナは剣を振るった。
放たれる攻撃は、重い審判の一撃。
鮮烈なる重さと共に撃ち込まれた一撃が、太刀兵の鎧を削っていく。
グレイシアは眼前で重量のある振り下ろしを受けた太刀兵めがけて魔術を放つ。
ルアナと競り合いを見せる太刀兵の足元、彼の影より作り上げた漆黒の蛇が、太刀兵の胴部に食らいついた。
それに反応して対応せんとした太刀兵の死角から、もう一匹が食らいつく。
予測していなかっただろう、自分の影からの攻撃に、太刀兵の動きは鈍る。
●
戦況はぎりぎりといえた。全員が無事の帰還を果たせるそのぎりぎり、である。
体力に余裕のない者、継戦能力にやや難のある者、孤立しやすい者から優先するように狙い撃ちされたイレギュラーズの傷は深い。
敵の刑部兵が精鋭なこともだが、元々、イレギュラーズ8人でも困難な魔種。
それも反応速度と回避能力、手数の多さを武器とする相手に対して抑えが一人というのは多少、心もとなかった。
結果として、思ったように状態異常が付与できず、魔種の介入で戦線が突き崩されることが多々あった。
「……おい、呪蛇よ」
声が戦場に響く。ゆるゆると歩き、最前衛へ。まるでイレギュラーズを庇うように。
彼は舞花の提案もあって、状況によっては後退を行なっていた。
おかげで前衛の多い面々の中では比較的傷が浅い。
「カガミの君、なにをなさるおつもりですか?」
まだ健在の舞花が声をかける。
「そうです、下がってください。この状況で前に出るのは拙い」
同じように無量が剣を構えて言う。
二人とも、パンドラこそ開いていないものの、その傷は深い。
2人を、それにその後ろの傷ついた者達を見渡して、静かに男が首を振る。
「たしか、貴様は私を捕らえたいのだったか? ちょうどいい。
私を捕まえるといい。この現状であれば、私を殺すことなく捕えることもできるのではないか?」
ちらりと、義紹がこちらを向く。
「退け。思うにこれが次への最善だ。ここは私がに任せてほしい。
それに……これ以上の長居は敵の増援もあり得る。君達の無事を願うなら、ここが分水嶺というやつだ」
真新しい傷を負いながらも、意地を見せるように堂々と立つ義紹が真っすぐに前へ進んだ。
「私達もまだ戦えます。それに、貴方が行ってそれで終わるわけが……」
牧の忠告に、義紹がこくりと頷いた。
そして、再び敵の方を見る。
「お前たちもだ。私が、捕まってやるだけで手柄にするのはどうだ?
別のところにも貴様らにとっての敵はいよう。
ならば、私を捕らえてこやつらの撤退ぐらい見逃してもよいのではないか?」
そのまま、注意を引くように刑部兵達を見渡して、更に一歩、前に進む。
「――――くふふふ! よろしいでしょう。
後ろの方々も捕虜としてもいいですが……まぁ。貴方に免じて見逃しましょうか!」
倒れ伏した仲間達を抱えるようにしながら、イレギュラーズは撤退を開始した。
その背中で、門が開かれ、鈍い音を立てて閉じた。
「次がどうなるかは分からぬが――もしもの時は容赦なく、殺してくれて構わない。
すまないな、諸君」
イレギュラーズの下から離れるその瞬間に、男はそう、言っていた。
成否
失敗
MVP
状態異常
あとがき
今回は残念ながらこのような結果になりました。
各務 征四郎 義紹は捕虜となります。
それでは、まずは傷をお癒し下さい。
お疲れさまでした。
GMコメント
さてそんなわけで全体依頼の一つをご案内します。
こちらはアフターアクションでもあります。
刑部卿・近衛 長政子飼い、刑部省の人材たちと戦っていただきます。
●諸注意
本シナリオと『<傾月の京>妖鬼之王』は、どちらか片方しか参加出来ません。
あらかじめご了承くださいませ。
●オーダー
敵の討伐
●戦場データ
高天御苑のうち、田北門と呼ばれる門とその周辺です。
田北良庵という大工が製作したため名づけられました。
●NPCデータ
・呪蛇刑部
蛇の要素を持つ八百万が反転した魔種です。
『<禍ツ星>蛇の毒ともののふの策(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/3717#replay)』にて登場した魔種です。
前回の戦いで各務 征史郎 義紹の謀殺を試み、イレギュラーズの活躍もあって散々に失敗しました。
下半身が蛇のそれであり、両脇腹あたりから各々2本の蛇が生えています。
はたから見ると腕が6本あるような印象を受けるでしょう。
反応、回避、EXA,命中に秀でています。
<スキル>
双蛇毒手:物近単 威力中 【猛毒】【呪縛】【スプラッシュ2】
飛蛇投牙:神遠単 威力中 【致死毒】【石化】【ショック】
蛇尾旋撃:物近列 威力中 【飛】
・刑部省精鋭兵×10
刑部省所属の八百万の武人たちです。
非常に連携の取れた部隊であり、またかなり強力です。
内訳は以下
【槍兵】×3
タンク兼中距離のアタッカーです。
<スキル>
刺突:物中貫 威力中 【ブレイク】【必殺】【スプラッシュ2】
叩き落とし:物中単 威力大 【邪道・中】【変幻・低】【恍惚】
鬨の声:レンジ2以内の敵を対象 威力無 【怒り】
【太刀兵】×3
近接アタッカーです。
<スキル>
両断:物近単 威力大 【自カ至】【必殺】【邪道・低】
穿貫:物中貫 威力中 【致命】【スプラッシュ3】【邪道・低】
【弓兵】×2
遠距離高命中アタッカーです。
<スキル>
雨射:神遠範 威力中 【氷結】【ショック】【呪縛】【識別】
多幻速射:神超単 威力大 【万能】【多重影・低】【停滞】【氷結】
業毒強射:神遠範 威力中 【万能】【業炎】【猛毒】【識別】
陰陽師風×2
サポート型です。
<スキル>
治癒符:神遠範 威力無 【治癒】【HP回復大】
浄化符:神遠範 威力無 【BS回復中】
支援符:神遠範 威力無 【物攻小アップ】【神攻小アップ】【反応小アップ】
・『刑部卿』近衛 長政
現在の刑部省がトップ、七扇が『刑部卿』です。
リプレイ中での接触はありません。
・各務 征四郎 義紹
弓による遠距離攻撃、刀による近接攻撃のオールラウンダーです。
皆さんと同等程度の力を持ちます。
皆さんの友軍として活動します。
<スキル>
三矢一殺:物遠単 威力中 【万能】【ショック】【乱れ】【スプラッシュ3】
雷迅刀:物至単 威力特大 【感電】【体勢不利】
絶無一心:自付与 威力無 【瞬付】【命中大アップ】【反応大アップ】【EXA大アップ】
●Danger! 捕虜判定について
このシナリオでは、結果によって敵味方が捕虜になることがあります。
PCが捕虜になる場合は『巫女姫一派に拉致』される形で【不明】状態となり、味方NPCが捕虜になる場合は同様の状態となります。
敵側を捕虜にとった場合は『中務省預かり』として処理されます。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
Tweet