PandoraPartyProject

シナリオ詳細

男の服だけ溶かす触手! 繰り返す、男の服だけ溶かす触手!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●男の服だけ溶かす触手だつってんだろ!
 未明、兵部省より派遣された武装バリバリの兵士たちがあられもない姿で発見された。
 ひらたくいうとZENRAで発見された。
 被害にあわなかったという女性兵士は鼻息荒くこう語った。
「男です! 男の服だけ溶かす触手なんです! 男だけを全裸に剥くんです! 鎧とか着替えとか関係なくもうすっぽんぽんにするんです! ティッシュとってもらっていいですか!」
 そういって鼻にティッシュを詰め始めた女性兵士を見て、お役人はこう決めたという。
 これ、ローレットに任せたら解決しそうじゃね? って。

●妖怪タコミダラ
「我々の資料にはこうある」
 白い髭を蓄え、筋骨隆々身長2m越えの巨漢が、歴戦の強者だといわんばかりについた片目の傷跡を険しくゆがめ、『鬼』と書かれた眼帯をわずかに傾けた。全裸で。
「『タコミダラ』――それは男の服のみを溶かす妖怪である」
 これまで多くの修羅場をくぐり抜けてきたであろう勇敢かつ重厚な声で、男は言った。全裸で。
「タコミダラの現れしとき、国の戦士達はあらゆる武器や対策をもってこれにあたった。
 遠くから撃ち続けた者、何枚も服を重ね着し溶けるスピードに対抗しようとした者、鋼の鎧を着込んだ者、身体を常に水で流し続けた者、バリアをはった者、回避を試みた者、気合いではねのけようと叫んだ者……」
 彼もまたその一人だったのだろうか。
 男はクッと歯を食いしばって顔をそむけた。全裸で。
「だがそのいずれも……ことごとく全裸となった」

 今更解説するが、外洋遠征を成功させ黄泉の島国こと豊穣郷カムイグラを発見した海洋王国。船を使わねば行き来できない彼らと異なり此岸之辺と空中庭園を直接繋いで行き来できるイレギュラーズたちはその利便性からか様々な事件を依頼され、そして解決してきた。
 国を牛耳っている巫女姫たちからの『やれるもんならやってみよ』的な挑発(?)やせーめーさんの手引きもありローレット・イレギュラーズは着々と豊穣郷での名声を得てきたのである。
 その名声が、へんな方向に花開くことだって……ある。

 白髭の巨漢は報告書を握りしめ、震えるように叫んだ。
「かくなるうえは、この手のヤツにはマジ強いと評判のローレットに任せるほかあるまい。我々はそう判断したのだ。
 我が兵部省より正式に依頼する。妖怪『タコミダラ』を――倒すのだ!」
 全裸で!

GMコメント

■オーダー
 妖怪タコミダラを倒すのだ

 妖怪タコミダラは男とみるや誰彼かまわず服を溶かしちゃう妖怪です。
 性別をどうやって判別してるのか未だに謎なんですが、過去に全員女装したりくねくねしてみせても余裕で剥かれたらしいのでちゃんと分かってるみたいです。
 性別不詳の人は……なんだろうね。直感? かなにかで適当に剥くか剥かないか決めて居るみたいでした。あと性別が無いひとも直感で剥く。
 離れていようが身体になんか塗って対策しようが防御しようが回避しようが剥くといったら剥くのだ逃がすか! にがさん!
 タコミダラの戦闘力? そんなもんどーでもいーだろっっっが!

 尚、作中あらゆる手を使ってセンシティブを回避していきます。こちとらもうこの手の依頼五回目なんだ。まかせろ。

■シチュエーションデータ?
 一応ビーチってことになってます。が、まわりは無人ってことにしようや。
 ほら、街のど真ん中で剥かれたらいやじゃん?

■アドリブ度(鬼)
 この依頼に予約ないし参加したということは……”覚悟”したってことだ。そうだな?

 あと参加者が全員女性になった場合タコミダラさんは泣くかもしれないし筆者も一度だけ北の夜空をにじませながら酒を飲むかもしれないけどそれはそれとして楽しく触手バトルしようじゃないか。どんなときでも楽しもうとするのが俺たちだ。そうだろ?

  • 男の服だけ溶かす触手! 繰り返す、男の服だけ溶かす触手!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年08月13日 22時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護
真宮 燐太郎(p3p002259)
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)
名無しの
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
鉢特摩(p3p008715)
地獄小僧
玄緯・玄丁(p3p008717)
蔵人
ルーキス・ファウン(p3p008870)
蒼光双閃

リプレイ

●前門の触手、後門のむっち
 ざっぱあぁ……と海から立ち上がるヴィーナスむっち(2019年水着コンテスト出場作)をご想像いただきたい。
 『ムスティおじーちゃん』ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)は両目をぼうっと開いたまま、こっちを見ていた。
 背を向け、ぐっとガッツポーズをとる真宮 燐太郎(p3p002259)。
「初めての冒険……これもトレジャーハンターへの第一歩だな!
 だから失敗しないようにがんばるんだぜ! よーし! 気合入れるぜ!」
 夢一杯の少年。
 そのまたの間からみえる匍匐姿勢のむっち。
 『博徒』ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)はやれやれと首を振り、そして丸めた依頼書を砂浜に叩きつけた。
「誰だよ。俺らが触手に強いだなんて噂立てた馬鹿野郎は。絶対許さねぇ。末代まで呪ってやる……!」
 そんな彼の肩越しに、組んだ両手に顎を乗せてウィンクするむっち。
「…………」
「…………☆」
 振り返らないようにするニコラスの肩を叩き、『魔剣鍛冶師』天目 錬(p3p008364)が明後日の空にあるという職人の星を見上げた。
「受けた仕事はこなすのが職人の……心意気!! 少しでも被害を減らしてやろうじゃないか!
 俺たちがやるべき事は二つ。最大の火力を以て速攻でタコミダラを倒す事、そして無事に依頼を終了することだ……!
 というわけでこのメンバーの最大火力の大むっち砲を巻き込みなく使うためにクロスむっち砲の陣形を取る!」
 砂に棒で陣形を書いてみせる錬。
 その図の上のあたりでうつ伏せに寝そべって足をぱたぱたさせてみせるむっち。
「…………」
「…………(はーと)」
 すっくと立ち上がり、虚空へと振り返る『新たな可能性』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)。
「タコミダラ……前世に何をやらかせばそんな業を背負うんだ。
 溶かすのが毛なら合法的にスリスリできただろうに。それか雌雄鑑別士とか……」
「雄? ねえいま雄って言った?」
 左右に分裂する勢いで顔をのぞき込んでくるむっち。
 一方で『地獄小僧』鉢特摩(p3p008715)は褌をしめなおし、尻をパァンって叩いて気合いを入れる。
「オイラ夏って嫌いなンですよねェ。マジクソじゃねえですか? どいつもこいつも浮かれて薄着になって。いやそれだけならいいンですけど」
 風が鳴る速度で振り向くむっち。
「そうなると始まるンですよねェ、比較が。体型の。お前鍛えてるよなってさァ、褒めてるようで馬鹿にしてンだろ、なァ。チビのクセに鍛えてやがンなってよォ! 何か育つンだよ! 農作業と山歩きぐらいしかしてねェ筈なのに! 着物の丈は余ンのに横が窮屈になってしかたねェっての!」
 匍匐前進で背後から迫ってくるむっち。
「クソがよォ〜! どいつもこいつもなっがい手足見せつけやがってよォ〜〜! 包丁持ち出すぞ! どっかの偏平な情報屋みてェに!」
 両目を開き目を血走らせるむっち。
「てな訳でタコミダラはマジギルティですよ。薄着どころじゃねェ。もっとディープな比較が始まったらオイラは耐えられそうもねェ」
 呼吸を荒げるむっち。
「まあ、まあ……」
 玄緯・玄丁(p3p008717)が両手をかざして鉢特摩をなだめた。
「たしかに、全裸、だけは避けねばなりませんね……かと言って、他人の……しかも女性の下着を履くのは……辛いですが」
 そう言って玄丁は和服の腰のあたりを親指でひっかけるようにこすった。
 今言わないと逃しそうだから言うけど彼は『秋奈のぱんつ』を装備しているよ。【シナリオ時、下着が破れなくなります】【シナリオ時、下着以外の服が破れやすくなります】という効果のアイテムだよ。
「つまり……その、服を溶かすたこみだら? に対しても一定の効果があるのではないでしょうか?」
「はい、そう信じたいですね……」
 隣に並んだ『無銘の刀』ルーキス・ファウン(p3p008870)が額に手を当てた。
「俺は今回の初依頼を受けるにあたって、ローレットに遺書を置いてきたんです。
 肉体的に無事でも、社会的に死ぬ可能性がありますからね……」
 そんなルーキスと玄丁の顔の間にヌッて顔を挟んで左右を交互に見るむっち。
「…………」
「…………」
「…………☆」
 むっちがウィンクした瞬間、全員は頭を抱えてうずくまった。
「「ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」
「服が溶かされるだけならまだしも……いや既によくねえが……!」
「明らかに『あっち側』の奴が味方に混じってますよね! 物理的に混じり込んで居ますよね!?」
「おおおおおちちちおちつけ! まだ俺たちを狙うと決まったわけじゃない!」
「そそそそそそうすよ誰にだって趣味趣向ってぇやつがあるじゃねェすかそういうアレだからって誰でも食いつくって考えはホラ無礼っつーモンが」
 おそるおそる振り返る錬たち。
「やったー! 合法的に男の裸が見れるよ! 大興奮!
 いやぁイイオトコがいっぱいで眼福だね!」
 むっちオンザビーチがダブルプースで振り返った。無駄にピンク色のオーラを出しながら。
「安心して。『未成年には』ノータッチの紳士だからね!」
「「うわあああああああああああああああああ!!!!」」
 悲鳴。
 それ以外なんもいえねえ。

●タコミダラが眷属かなにかに見える
 ビーチに、タコミダラが現れた!
 巨大なタコに似た妖怪タコミダラは粘液まみれの触手をうねらせ頭の上に全裸のむっちを載せて身構えた。
「ふふ、襲われたいのは誰かな?」
「もう敵になってるうううううううううううううう!」
 むっちは己のノービスナイフを血蛭(意味深)にすると己の腹を両手でパァンってした。
 半歩下がるニコラス。
「ムスティさん除いたら俺がこの中で一番年長者だからな。……歳下は守るもんだろ。大丈夫さ。俺も機を見て逃げるさ」
「下がってますけど」
「ムスティスラーフを一人だけ船に乗せて海に放つ計画はどうなったんだよ! なんか敵と合体してないか……!?」
 錬は知将キャラが策に溺れた時みたいな顔をして頭を抱えていた。
「いやまだ諦めるのは早い! 散開だ! 攻撃しながら足止めをして、少しでもまとめてつかまるリスクを減らすんだ!」
「ヨシ! こうなったら帰りのことは考えねェ! 捨て身でいくぜ!」
 鉢特摩は相撲の構えをとると、タコミダラに体当たりを――。
「個人的には鉢特摩君が一番良い身体しててとっても好み!
 黒光りしててとってもエッチだね!」
「そぉい!!!!」
 ウィンクするむっちから出る謎のなにかをローリング横ジャンプで回避した。
 一方で燐太郎はホルスターから銃を抜いてタコミダラへと構えた。
「出たなー! 俺たちがまとめてタコ焼きの材料にしてやるんだぜ!!」
「よせ! 刺激するな! あの血蛭(意味深)が見えないのか!」
「なら……俺が行きます」
 ルーキスはバンダナをきゅっと締め直すと、二本の剣を十字に構えて見せた。
「師匠に教わりました。『脱ぐときは情緒が大切だ』と」
「その師匠なに教えてんの」
「俺が敵をギリギリまで引きつけて、この日のために編み出した秘技を繰り出します。その隙に皆さんは……!」
 振り向くルーキス。
「おっと、若手にばっかりいいカッコさせてたまるかよ」
 剣を肩に担ぎ、不敵に笑って前に出るニコラス。
「俺も最っ高の対策書があるんだぜ、この本の言う通りにしておけば触手なんざ怖かねぇんだよコラタコミダラァ! バーカバーカァ!」
 挑発を始めるニコラス。
 アーマデルはこっくりと頷くと、自分も剣を抜いてすらりと構えた。
「僕に食べられたいのは誰かな? それとも食べたいのかな!?」
 両手をグワッと熊みたいに振り上げたむっち――を載せたタコミダラが迫る!
「「秘技――」」
 カカッとルーキスとニコラスの目線カットイン。
「「『触手無双・苦殺(くっころ)!』」」
 二人は膝をつき手首を触手に縛られた状態で唇をかみ相手を見上げるようににらみつけ小声で『くっ……殺せ……』とつぶやいた。
「「キシャアアアアアアアアアアアッ!!!!」」
 タコミダラ(とむっち)が奇声をあげて踊り狂った。
「今です……!!!!」
「ヤれェ……!!!!」
 迫真の顔で振り返るルーキス(全裸)とニコライ(全裸)。
「二人の犠牲は無駄にはしない……この一撃でキメるッ!」
 錬はウオオオと叫んで謎の炎エフェクトを出すと、両手を組み合わせて波動の構えをとった。
「式符・陰剣――!」
 呼び出した剣を握りしめ、跳躍し大上段から斬りかかる。
「業の深い生き物は、焼かないと」
 一方でアーマデルは謎のキラキラエフェクトを出しながら舞うように回転し、タコミダラへと美しく斬りかかる。
「ちょこまか鬱陶しいんだぜ」
 更に燐太郎が構えた銃を乱射。
「若輩者の私でも多少は役に立たないと」
 玄丁は丁寧に練り上げた呪力を矢に変えて、架空の弓につがえて解き放った。
 集まる戦士達の集中攻撃――!
「「グゥワアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」」
 タコミダラとむっちは断末魔のごとき声をあげ――るとみせかけて、むっちはペロォリと舌なめずりをした。
 斬撃を繰り出し通り抜けた錬とアーマデル。
 射撃によって距離をとった燐太郎と玄丁。
 彼らの衣服のなんていうのかな肩とか胸元とかピンポイントなところ? が? 溶けて? つまり……!?
「くっ……!」
 錬とアーマデルは上半身にかろうじて引っかかったややとけのシャツと、腰から今にも落ちそうなほぼ溶けのズボンを抑えてむっちを振り返った。
「なぜこんなわずかに溶かすんだ。やるなら全て溶かせる間合いだったはず」
「まさか……」
 アーマデルの脳内で何かがささやいた。
『着衣で隠れている割合が高い程、チラリが眩しく輝いてしまう……それが世界の真理』
「だれだお前は?」
『僕はタコミダラが攻撃するたびにみんなを一生懸命回復するね。誰も倒させないよ!』
「だれだおま――ムスティスラーフっ」
「そういうことだよ☆」
 むっちは振り返ってパチンとウィンクした。
「僕の気持ちが分かるよね? ほらアレを見て。紳士はイエスショタノータッチの精神で見るんだよ?」
 ゆっくりねっとりと指を指すむっち。
 燐太郎と玄丁が自らの身体を隠すようにうずくまり、顔を赤くして目を背けていた。
「そ、そんな、パンツまで一緒に溶けるなんて……あっいやパンツだけ残ったらそれはそれで嫌というか犯罪のにおいがするのでこのままでいいのですがそもそもああああああ」
「なんで服だけ溶かすんだ? 恥ずかしい思いをさせてどんな得があるっていうんだ!」
 その様子に、錬は『おまえ何言ってるんだ』という顔をして、アーマデルは……。
「なるほど、理解できるかもしれん」
「理解しようとするな!」
「まあ安心しろ。たとえ全裸にされたとしても、人数分の着替えはあの説明役だったおっさんに預けてある。あとでそれを回収して帰れば良い」
「でかした! そうなれば今のはちょっと男女比率の偏ったヌーディスビーチにすぎない!」
 やるぜ! と立ち上がった錬(全裸)と、クールかつ無表情に髪をかき上げるアーマデル(全裸)。
 その横で粘液まみれになって横たわる説明役のおっさん(鬼眼帯残し)。
「…………」
「…………」
「…………」
 三人の目がちらちらとあう。
 最後にむっちに向けられ。
「i'm lovin' it!」
 ドッグフードのCMみてーにぺろぉって舌なめずりした。
「「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」
「もう一つ言っておくことがあるよ。僕はタコミダラとお友達になるつもりなんだ。もちろん不殺攻撃で倒して持ち帰るよ」
 邪魔はさせないよ……と目をかっぴらいて血走らせるむっち。
「畜生なんだこいつ反転してんのか?」
「おちつけむっちさんは素でこれだ!」
「このままじゃオイラたちだけじゃねェ! ローレットの町のみんなも……全裸に剥かれちまいますよォ……!」
 鉢特摩の叫びに、男たちは己の胸の声を聞いた。
 いま急に関係ないけど『男たち』ってタイピングするたびに『男立ち』になるのは闇の組織とかの陰謀なんすかね。
 話戻すけど。開幕姫騎士プレイを強いられたニコラスやルーキス、チラリズムの的にされた上最後には全部剥かれたアーマデルや錬。ショタみを味わうために鑑賞されてしまった燐太郎や玄丁。今もじっとりと狙われ続けている鉢特摩。
 彼らのような被害男がこれからも増え続ける。
 そんな悲しい世界に、していいのか……!?
 玄丁は身を乗り出してうったえた。
「やめてくださいむっちさん! 僕たちが全裸になった。これで満足でしょう!?
 ローレットに帰ってレオンさんを剥いたりラサに繰り出してディルクさんを剥いたり練達に突入してマッドハッターさんとファンさんをセットで剥いたり天義レオパル祭りを開いたりする必要なんてあんまりですよ! これで終わりにしましょう!」
「みんな……」
 むっちは胸にぺちんと手を当て、目を閉じた。
 脳内天使むっちが語りかけてくる。
『そうですむっちよ。我らは世界を崩壊から救うイレギュラーズ。自らかき乱してはなりません』
 脳内悪魔むっちが語りかけてくる。
『聞く必要なんかないね! レオパル祭りやろ! あと僕はカスパール祭りの方が好きだな!』
 脳内フロイトが語りかけてくる。
『触手は性欲のメタファー』
「はいフロイト先生!!!!」
 グオーンと天に吠えたむっちが腹を両乳首をドラミングの如くぱちぱち叩くとタコミダラもまた全触手を振り上げて吠えた。
 なんでこいつら連動してるんだろうって皆思ってるし筆者も思ってるし誰も理由は知らない。
 ただこのケモノを倒さねば世界がヤバいことだけは理解できた。
「もう失う服なんかない、いくぞォ!!!!」
 ニコラス(全裸)はクラウチングスタートの姿勢から猛烈なダッシュ突撃をしかけた。
 燐太郎と玄丁は手を取り合いもてる全ての弾丸と魔力を乱射。
 ルーキス(全裸)とアーマデル(全裸)はお互いの剣をそれぞれ交換するかのように拾い上げ、鋭い突きを繰り出していく。
 タコミダラの足が次々に切断され、グワーとタコミダラとむっちが叫んだ。
「トドメだ!」
「いくぞォ!」
 錬(全裸)と鉢特摩(全裸)はパァンと己の尻を叩いて気合いを入れると、燃えさかるオーラを纏って体当たりを仕掛ける。
 衝撃によって吹き飛んだタコミダラはスミを吐き出し、海へと落ちていく。
 最後にはタコミダラがぷかぁっと海面に浮かび、ムスティスラーフ(全裸)が波打ち際へとうちあげられた。
「はっ……ぼくはいったい……とても楽しい夢を見ていた気がするよ……」
「そうだな……思い出さなくていい」
 スミを被ってなんだか黒い全身タイツみたくなったニコラスたちが、ムスティスラーフを引き起こした。
「帰ろう。俺たちのあるべき場所に」





 こうして妖怪タコミダラは討伐された。
 このあと、一瞬でも見られる時間をなくそうと京中を全裸で全力疾走する男立ちの姿が目撃されたのは、別の話である。

成否

成功

MVP

ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
黒武護

状態異常

ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)[重傷]
黒武護

あとがき

 ――めでたしめでたし!

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