シナリオ詳細
<呼び声の村>真っ赤なべべ
完了
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オープニング
●いけない
それは私の生まれ育った地域に伝わる風習でした。
曰く、夕方五時を過ぎたら砂利の上を歩いてはいけない。
曰く、四つで一揃いのものを持ってはならない。
曰く、明朝五時より前に神社の用事をしてはいけない。
周囲の大人が揃いも揃って強く言うものですから従っていました。
でも子どもに対する教訓にしては意味が分からなかったのです。
大学で仲良くなった友人たちにその話をしたら、そういった事を調べているクラブの人たちを紹介されました。
彼らは請われを調べてくれると約束してくれました。
今思えば、しなければ良かったのです。
調査に出た人たちが、トンネル事故に巻き込まれるなんて。
駆け付けた現場で、あの赤い着物の女の子に遭ってしまうなんて……。
証言を最後に、彼女は家に引きこもってしまった。
着物の女の子に殺されると、怯えながら。
●
図書館に踏み入れたあなた方を待っていたのは、緊張したラプンツェルだった。
こんなラプンツェルは去年、学校に憑いた都市伝説を予見して以来だ。
そこではっ、となる人は果たして何人いたのか。
「あのね、今からお願いする本はすごく怖いの」
白い手袋を嵌めて、一冊の本を見せる。
それは本と言うより小冊子と言った方が良さそうな装丁だった。
ピントのずれた白黒写真に一点の赤、しかしそれが何を表したものかは定かではない。
タイトルは手書きであるだけで書き添えてあるだけだ。
それにも関わらず、ラプンツェルは薄っぺらい本を慎重に扱う。
「本の中にあるものを使って、四ツ辻を壊すの」
告げられたルールは主に三点だった。
曰く、四つ一揃いのものを持ち込まない。
曰く、使えるのは物語の中にあるものと持ち込んだ武力だけ。
曰く、『赤い着物の女の子』に触れられてはいけない。
「壊した後はお札が落ちてるはずだから、それを持って神社に来て」
壊す四ツ辻は全部で三ヵ所。
四ツ辻のうち、一ヵ所を壊して三ツ辻にすれば良いと言う。
一ヵ所目は田んぼの畦道。使えるものは路肩の石や田んぼの水か。
二ヶ所目は石畳の旧街道。使えるものは石の他に脇に生える樹木か。
三ヵ所目はヒビのあるコンクリート。使えるものは破片に道路標識か。
お願い出来るだろうかと、ラプンツェルが心配そうな顔をする。
その頭を撫でて、イレギュラーズは向かう。
- <呼び声の村>真っ赤なべべ完了
- NM名桜蝶 京嵐
- 種別ラリー(LN)
- 難易度-
- 冒険終了日時2020年08月07日 21時05分
- 章数3章
- 総採用数4人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
●畦道の少年と
十字路の上で途方に暮れる少年があった。『砲使い』三國・誠司(p3p008563)だ。
「十字路を丁字路にしろってことだよな。いつもならキャノンぶっ飛ばして終わりなんだけど……」
自身の装備を見下ろして地道な作業で進むしかないと腹を括った。
田んぼに入り、そこから水を取って一本の道に盛り土をする。
柔らかくなったことを確認してから、近くにあった鋭く大きい石でひたすらに掘る。
その作業をどれくらい続けただろうか、いくらも経っていないのか。
ふと前方に気配を感じて見れば、少女が歩いて来る。
黒いおかっぱ頭に赤い着物の少女。
(あれが話にあった女の子かな……?)
何故だか知らないが、触れられてはいけない、という話だったか。
とはいえ、情報が欲しいのは確かだ。
誠司は作業をする手を止めないで話し掛けてみることにした。
「ねえ、君。君は何か知っているの?」
瞬間、少女が顔をあげーーケタケタと笑いながら誠司に迫ってきた。
「っ!!?」
咄嗟に下がるも、彼女は歩きながらスピードをあげてくる。
「くそ、いつまでも逃げる訳にはいかないのに!」
この本から出るには三つの四ツ辻を壊さねばならない。
走りながらチラッと、壊し途中だった道を見る。
(仕方ない……!)
誠司は走りながらも道へ狙いを定め、超火力の砲弾を放ち、それは見事に十字路を吹き飛ばした。
そして振り返った時には、女の子はいなかった。
成否
成功
第1章 第2節
●少女に鬼
「不思議な場所ですね。しかしイレギュラーズの務めというのであれば精進しましょう」
ざり、畦道を踏んで確認したるは『竹頭木屑』天月・神楽耶(p3p008735)。
拾遺を見渡して条件を達成する方法を考える。
おもむろに巨石を拾うと、1つの道に積み上げる。
「このように石を積み上げ、通れなくなれば潰したことになるのでしょうか」
呟きながら、刀で整えた石を積み上げていく。
そんな折、後ろに自分以外の気配が生まれる。
視線だけを動かせばひらめく赤が見え隠れする。
そしてその布面積がじわり、増えていく。
視界に映る足は動いてない。にもかかわらず少女は迫ってきている。
(触れるな、とのお達し。まったく不穏な……)
焦る気持ちを無理矢理に押さえつけ、手早く石を集めては積む。
触れられたら、どうなるのか。あまり考えたくはない。
ひたすら静かで、なんとも息の詰まる時間だった。
すり足で少女から距離を取り、それでも石を積み続けて道の上に石の塔が築かれつつあった頃。
それが神楽耶の腰になった頃だろうか、ふと気づくと少女は消えていた。
まるではじめからいなかったように、煙のように。
頭を掻きつつ、振り返った先に札を残して。
成否
成功
NMコメント
ラリーでは初めまして、桜蝶京嵐です。
よろしくお願いいたします。
ルールはラプンツェルが説明した通り、道を壊しながら進みます。
だいたい三章くらいで締める予定ですので、お付き合い頂けると幸いです。
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