シナリオ詳細
押切山の修験鬼
オープニング
●押切山伝説
昔々ある所に、一人の坊主がおりました。
彼は修行の一環にこのカムイグラを旅する日々を過ごしておりました。
ある時は山を分け入り洞窟にこもり。
ある時には山の奥深くに沸く滝にて自らを打ち据え。
途方もない日々をひたすら修行に費やしておりました。
そんな彼の額には、にょっきりと一本、大きな角がございます。
そう、彼は鬼であったのです。
かれは鬼でありながら人であろうと常日頃から務め、鬼としての在り方を強靭な精神性で殺し、教えに恭順でありました。
しかし――そんな彼を、ある時不幸が襲うのです。
「すいません――一晩止めていただけぬか」
山の外れ、ポツンと佇む一軒家を見つけた坊主がそう尋ねると、中から一人の老婆が姿を現しました。
老婆はぎょっとした様子を見せつつも、坊主を受け入れ、一晩止めてやることにしたのです。
そして――事件はその日の夜に起こります。
雷鳴が轟き、風がビョウビョウと吹き付ける音に目覚めてしまった男は厩へと行くその途中、しゃっ、しゃっ、と何かを研ぐ音を聞き――思わずその音の方へ訪れました。
「おばあさん? 何をしてるのですか?」
音のする方へと赴き、ぼんやりと蝋燭の火の向こう側、老婆に問いかけた坊主に対して、ぴたりと老婆の動きが止まります。
そして――――
●
「そうやって、包丁を持ったまま襖を開けた老婆を、オマエは殺したのであろう?」
女は、目の前でうずくまる男を睥睨し、静かに告げる。
言葉を発せず、ただ呻くだけの男を見下ろす女の目には、問いかけているはずであろうに男が映っていない。
男が振り仰ごうとした瞬間――ボキッ、と音がした。
呻く男が太もも辺りを抑えながら、さらに小さくうずくまる。
「なんて醜い、なんて悍ましい」
関心さえ持たぬままに告げた女が近づいた瞬間、ぐるりと男の身体が仰向けに倒れ、いつの間にかそこに在った鎖に結び付けられる。
「……しかし、“外れ”であったか。触れたという者であれば分かると思ったが……」
それに、以降を言葉にすることなく、女は静かに身体をひるがえす。
「あぁ、頼々クン、頼々クン、待っててね。もうすぐだよ……」
そう言って笑みを浮かべる女の表情は、あぁ、何処までも蕩けている。
歪つでありながら真っすぐに、歪みを歪みとして、“彼”との密事を思い笑む。
『グルゥゥ』
震える声で立ち上がろうとする背後の男を見向きもせず、女はその場から掻き消えた――まるで最初からいなかったかのように。
●
「皆さまに次の依頼をご紹介させていただきますね。
えっと……次の依頼は……鬼退治です」
「鬼!!」
資料を整理してイレギュラーズへ提示したアナイス(p3n000154)がそう言ったのをどこにいたのか食い気味で被せてきたのは『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)だった。
新天地カムイグラ――そこに住まう鬼人種達を相手に鬼即斬な心情を抑えてテンション高くなればいいのかストレス抱えればいいのかよくわからない頼々にとってその話は僥倖と言えた。
「どこでやるのだ? 我、今すぐに行きたくてうずうずしてるのだが」
「場所は……カムイグラ、そこにある押切山という山みたいですね」
「だが、鬼人種共をやるのはこれまでのローレットの流れと逆を行きそうであるが」
「あぁ……それは、大丈夫ですよ。今回の鬼はいわゆる鬼人種ではありません。
残忍で、冷徹、我々の常識では到底是とすることのできぬ、邪悪な怪物としての“鬼”ですから」
そういうと、アナイスは頼々に資料を手渡した。
「昔、とある修行僧が朝食の準備のために包丁を研いでいた老婆を自らを殺す算段だと思い込み、殺した事件があったそうです。
その犯人である修行僧はそのまま押切山という山に逃げ込み、僧としても破門され暮らしていました。
その修行僧がどうやらふもとへ姿を現したのです。もはや変わり果てた姿となって……」
資料の一番上にある昔話を指さしながらそういうと、アナイスはコホンと息を一つ。
「つまり、今回の依頼は、この彼を――無事に殺すことです。
あっ、そういえば源様……ですよね? 依頼主の方が貴方にこの依頼はぜひともお願いしたいと仰ってました」
「鬼となれば斬るしかないであろうな。よし、直ぐ行こう」
うっぷんを晴らせる舞台に目を輝かせる頼々であった。
- 押切山の修験鬼完了
- GM名春野紅葉
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年07月17日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●狂いし鬼の洞にて
(鬼人種とは違う化け物としての鬼……ね。ふふ、良いじゃない。
例の修行僧とやらが何故こうなったのかは、分からないし興味深くもあるのだけどね)
流れるように綺麗な黒髪をした、血のように赤い瞳の少女、『緋道を歩む者』緋道 佐那(p3p005064)は刀を抜く準備を整える。
(どうあれ依頼として、最終的に討伐は必要なのだから……えぇ、楽しませて頂きましょうか?)
そのうちに笑みをこぼしながら、静かに鬼との対話を望む面々のために待機する。
「人であろうと精進していた坊主が闇墜ちしてしまったのか。残念な事件である」
聞いた伝説の事を想いながら、『劫掠のバアル・ペオル』岩倉・鈴音(p3p006119)がぽつりと呟いた。
「話を聞く限りでは判断を早まったとはいえ、不幸な事故だったと言える。
ならば、あなたの心を"鬼"に変えたのは何なのか?
罪悪心に負け、この件を正当化することで心を保とうとしたか?」
同じように聞いた伝説の事を思う『エージェント・バーテンダー』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)も不思議そうに鬼の事を思う。
「……まぁそんな些細な疑問はどうでもいい。私たちは"鬼"を退治しに来たのだ」
そう思いなおすのだった。
「コャー。難しいおはなしはよく理解できないの」
銀色の美しき毛並みをした蒼炎を纏う狐――『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)は鳴き声と共にぽつりとつぶやく。
(つまり、人里に被害が出てない段階でもう討伐依頼が出てるのって怪しくない?ってはなしだとおもうのだけど)
考えはするものの、自分自身はそういうものかしらぐらいに考えていた胡桃である。
各々の思いが交錯する中、イレギュラーズは指定された山の洞窟一歩手前まで足を進めていた。
その時だった。ズシ、ズシ、と音を立てながら、そいつは姿を現した。
『グルゥゥ』
4mにもなりそうな長身、隆々とした赤褐色の体躯に2本角が特徴的な化け物が、イレギュラーズを見渡した。
『グルゥゥアアァァア!!!!』
ビリビリとひり付くような振動を齎す大喝が響く。
(望んだ形なのか流されちまったのかは知らねぇがよ。
元は坊さんだってのにこうなっちまうのは哀れっちゃ哀れだな)
AGを呼び出して搭乗した『鋼鉄の冒険者』晋 飛(p3p008588)は猛る鬼を見てふと少しばかり憐憫に目を細めた。
「落ち着いて! ボク達は敵じゃない。鬼が出たから調査に来たんだ」
剣を収めた『魔法騎士』セララ(p3p000273)の声かけに対して、返ってきたのは鬼の拳だった。
瞬時に晋 飛と佐那が動くが、太い鬼の拳が真っすぐに貫くように撃ち込まれ、背後のセララをも巻き込んで叩き込まれる。
「鬼だ! 殺してもいい鬼だ! 大体殺してはいかん鬼ってなんだ!? いやそれはこの際置いておき貴様は死ね!」
バリバリにテンションが高い『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)が自分にツッコミながら具現鞘【頼守】に手を置く。
「……あ、皆質問して気は済んだか? もう殺して良い?
我も聞きたいことがあったような気がするがなんか鬼を殺せるなら些細な問題のように思えてきた」
情緒が割と迷子な頼々はふとそこで思い出して鬼の方を見る。
「おい鬼、念の為聞くがこの紫の角が付いたクソみたいな鬼を知らんか?
まあ知ってても知らんでもどちらでも良いが」
言いながら、もう一つの鞘、ある女の右の角を鬼に見せた。
唸り声を上げながら声に反応するようにちらりと頼々を見て、数歩後ずさりした。
「お? 知ってるか? 知ってるな?」
『グルゥゥガァァァアア!!!!』
叫ぶ。それは怒りでも脅しでもない。敢えて言うならば――怯えのそれか。
(鬼。邪悪な怪物としての“殺すべき鬼”
いつも鬼々うるさい人の弟子としても、趣味として伝説自体への興味もあるけれど……
頼々くんへの指名付き、ね)
どことなくキナ臭さを感じる『虚刃流直弟』ハンス・キングスレー(p3p008418)は頼々を抱き上げる様にして持ち上げながら、とりあえずは全力でこなそうと思いなおす。
「よし、それじゃあ貴様には我の『鬼殺し』の実験台になって貰うとするか。ハンス、いつも通りにやるぞ!
これが終われば今日からハンスも立派な鬼殺し! 我も師匠として鼻が高い!」
紙かと思えるぐらい軽い火涼套【鎧雲】は根拠のない自信――もといブレない思考が普段のそれよりも更に強いことを意味していた。
ハンスの綺麗な青い羽根も相まって、幸福感もマシマシな頼々のテンションは高い。
ハンスに運ばれる形で移動した頼々は鬼の上半身辺りに狙いを定め、何も入っていない鞘に手を向けた。
それこそは超長距離を穿つ空想の刃。
無を抜くが故に最速、無を振るうが故に距離の概念を持たず、無を“在る”と想うが故に傷を生ず。
――虚刃流秘奥【空柊】
刀無き鞘へと手を翳すように持ち、振り抜けば空の刃が鬼へと炸裂する。
姿なき最速の刃は、空間を揺らし、現実を侵食し、鬼へと傷を刻む。
モカは鬼へと至近すると、毒蜂の如く乱舞を繰り出した。
自分の周囲に揺らめく蒼炎を収束させ、自らへと呑み込んだ胡桃は、大きく息を吸った。
「コャー」
普段通りのその声は。しかし、自らの込められた魔力を用いて大幅に増幅され、戦場に響き渡る。
その鳴き声は詩のように、魔性の響きを以って仲間たちに黙示禄を与えていく。
晋 飛はAGの左腕部に取り付けられた巨大槍を赤熱化させる。
熱量を帯び、ゆらゆらと蒸気と陽炎を伴うそれを、思いっきり投擲する。
「オラオラァ! 鬼ってなこんなもんかよ!」
超高速で放たれた槍は弾丸の如く飛翔し、鬼に着弾すると共に炎を吹き上げた。
「来いや!テメェは鬼なんだろ! 化身らしく雄叫び上げて全て出しつくしてかかってきやがれ!」
挑発しながら、晋 飛は槍を装着しなおした。
続くように動いたのは佐那だ。疾風の指輪が力を帯びる。
佐那は少しばかり身体を屈めると、一気に駆ける。
残像を引きながらその手に握る愛刀へ紅蓮の炎を纏わせると、一気に踏み込んだ。
斬り上げるような一撃は、鬼の足に火炎を齎した。
「ねえ、キミはどうしてそんな姿になっちゃったの?」
あきらめず対話を試みるセララは、ラグナロクへと天雷を呼び寄せると、爆ぜる様に駆け抜け、鬼へと振り下ろした。
それは鬼の腕に阻まれるも、その腕に傷を刻み付ける。
「もしかして、誰かに何かをされたの?」
更なる言葉に、鬼が雄叫びを上げ、嫌がるようにその腕を動かした。あおられたように後退しながら、セララは剣を構えなおす。
よく見れば、鬼の身体には強烈な斬り傷の後がある。
自分たちが与えた物じゃない。完全にふさがったそれは、ずっと前に一度負ったまま自然に治癒をしたものであろう。
(これは『魔種』なのかな。そんな類だろうと思う……)
己の考えを纏めながらも、鈴音は『魔種』そのものではないことを理解していた。
魔種というには、どこか自然的なものを感じてならない。
「……まぁでも、鬼になったヤツがナニを求めるかしらんが戦ってあげる事はできるネ」
魔導書を媒介にして呼び寄せるは熱砂の嵐。
「立ち止まっていろ! シムーンケイジ!
強烈な嵐は鬼の周囲をかき乱し、絡みついて動きを鈍らせる。
『グルゥゥ』
その攻撃に耐えた鬼が、ぎろりと見たのはハンスだった。
晋 飛の挑発を物ともせず、跳ぶように進んだ鬼の腕が炸裂する。
何とか防ぐものの、その威力は無視できるものではない。
抱えていた頼々ともども、傷を負ってしまう。
いち早く体勢を立て直したハンスは、再び頼々を担ぐようにして飛翔する。
モカは敵にめがけて接近すると、その速力のままに跳び上がり、蹴りを放つ。
衝撃を受けた鬼の身体が一瞬、動きを鈍らせる。
「てめぇ……!」
晋 飛は自分を無視して後方を殴りつけた敵に憤りを滲ませ、AGを飛ばして体当たりをかます。
強烈な体当たりは鬼と競り合うようにしてぶつかり合う。
晋 飛はさらにそこで右腕のショットガンを鬼の身体に叩きつけ、銃口を引いた。
強烈な銃声と共に放たれた弾丸が鬼の皮膚を切り裂いた。
『グルォォ』
鬼の目が晋 飛を見下ろす。
鈴音は魔導書を媒介に練り上げた魔力を、見えない悪意へと変質させる。
「さぁ、食らうといい、ファントムチェイサー!」
魔導書が暗い光を放ち、鬼へと炸裂する。
悪意に満ちた一撃は、鬼の弱点をえぐるように突撃する。
(ほんとうのことなんて、誰にも分からないし
そもそも、『本人』が自分が何を思っていたかを忘れてしまったのなら、もはや戯言でしかないの)
本来ならばその一旦を聞かせてもらえるかもしれない相手――眼前の鬼の理性なき様を見て、胡桃はそう思うのだ。
(それはそれとして、概念としての鬼、というのは精霊種に近いのかしら?
それともカムイグラではアヤカシと呼ばれるものなのかしら?)
敵を倒すことそのものについては、その罪状については割り切って考えている胡桃は、その一方で敵の素性に感じては気になっていた。
胡桃はそんな連続攻撃を見届けながら己の周囲へ蒼炎の火の玉を呼び出した。
鳴き声一つと共に、真っすぐに鬼へと突っ込んでいった蒼炎の弾丸は、鬼に多数の異常を現出させていく。
セララはどこからともなくドーナツを取り出すと、はむっとそれを口に放り込んだ。
糖分が脳を活性化させ、疑似的に動きの機微が増した。
「ごめんね……でも、ボクは対話を諦めないよ!」
ぎゅっと政権を握り、そのまま天へ掲げた。雷鳴が轟き、一筋の光が聖剣へと降り注ぐ。
それはセララなりの覚悟。セララなりの意思表示。
まるでそれに答えるかのように輝きを増した聖剣を構え、大きく踏み込むと共に、上段から斬り降ろす。
佐那はそれに続くように愛刀に魔力を込める。
狙うは下半身――脚部。位置的に狙いやすいのに加え、そもそも体重を支える場所への攻撃は相手の動きを鈍らせる。
間合いを詰め、剣を狙うように思いっきり振り下ろした。
防御能力こそ無視する物の、そのタフネスさで健在の鬼は、セララの方を向いて吼える。
「よし、今だハンス! 我とお前の戦い方を見せてやろう!」
仲間たちの連続攻撃を受け、多数の状態異常に蝕まれる鬼の様子を確かめた頼々は、自分を抱えるハンスへと声をかける。
「おう! しっかり捕まっててよ!」
頼々の言葉にそう返しながら、ハンスは飛翔する。
足を槍の様にして空を飛ぶハンスは、流星もかくやと言わんばかりの超高速となり、一気に鬼目掛けて突っ込んだ。
そのハンスの足につけられた具足は『存在しない』鉤爪を生じさせる虚刃流の一端を担う物。
超加速からの一撃は、まさに流星の如く。
爪牙の如き具足が鬼の身体に傷を付け、その衝撃に鬼の身体が大きく揺らぐ。
大きく体勢を崩す鬼。それを見ながら頼々は紫染を握り、頼守へとおさめていた。
収束するは虚刃の到達点。
握る紫染からの浸食の不快感を押し込み、一気に抜き放つ。
核を得た空想の斬撃は、射程上のあらゆるものを破壊しながら鬼へと走り――その肉体に致命的な傷を与え、角を根元から消滅させる。
痛撃を受けた鬼が叫ぶ。
『グルゥゥアァァアアア!!!!』
その咆哮は射程圏内のイレギュラーズの脳髄を震わせる。
怒り、憎しみ、怯え、焦り、困惑、複雑な感情の入り混じった声は、獣のように響いていた。
各々が武器を持ち直し、間合いを整えて構え、鬼と相対する。
多数の傷こそあれど、鬼は健在だった。
鬼が動く――それは、足元にいる前衛のイレギュラーズではなく――
●
戦いはイレギュラーズの思い通りに進まなかった。
たしかに、包囲して数で殴る戦術は効果的な戦術ではあるが、それは敵が動かなければの話だ。
動きの自由が取れるのであれば、わざわざ手ごわい者を――タフな者を相手にして戦う必要はない。
それが高潔な人間や武人などではなく、鬼なる怪物なのであれば、なおさらだ。
自由に動ける鬼は、まず非力そうな物から攻撃していった。
容赦なく、むごたらしく、冷酷に。
一人、二人と、比較的攻撃の通りやすい者から倒れていく。
比較的軽傷な晋 飛とセララは各々の構えを取りながら、幾つものパンドラの箱が開く中に立っていた。
『グルゥゥ……オ……――』
「え?」
ぽつりと最後に鬼が何か言葉のようなものを漏らした気がした。
セララは思わず鬼を見上げた。
『グルゥゥガァァァ!!!!』
しかし、続くのは健在の鬼が、怒りか何かに上げる雄叫びだった。
イレギュラーズの攻撃を受けて根元からぽっきりといった角が、日差しに照らされている。
「ねぇ、今なんて言ったの!」
最後まで対話の姿勢も崩さなかったセララと相対しながら、ぎろりと睨む。
その横で、動けるメンバーが動けないものを抱えて後退し始めていた。
撤退していくイレギュラーズをけん制するように、鬼の雄叫びがいつまでも響いている。
――――オ二バミと。
聞き取りづらかったその言葉の一つ一つを繋げれば、そうなるような気がしたのは、山を降りてしまった後だった。
成否
失敗
MVP
状態異常
あとがき
お疲れさまでしたイレギュラーズ。
申し訳ございませんが、今回の依頼は失敗になります。
失敗の理由はリプレイに記したとおりです。
ひとまずは傷をお癒し下さい。
GMコメント
さて、こんばんは。そして初めましての方々初めまして。春野紅葉です。
指名付きできた鬼退治依頼。果たしてその本質は……。
今回の依頼には『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)様への優先が付与されています。
さて、さっそく詳細をば。
●オーダー
押切山の修験鬼の討伐
●戦場
押切山の奥にぽっかりと広がる洞窟の入り口付近。
敵は皆さんが訪れるのとほぼ同時に外に出てきます。
天候がやや悪く、雨が降っていますが、戦闘に支障はありません。
●エネミーデータ
【押切山の修験鬼】
敵です。鬼人種ではなく、概念としての鬼、怪物或いは化け物としての鬼です。
身長4mはありそうで、隆々とした赤褐色の体躯と額の2本角が特徴的です。
<スキル>
・鬼腕 :物近貫 威力中【弱点】【追撃】
・鬼爪 :物至単 威力中【猛毒】【ショック】
・大喝 :神遠範 威力中【乱れ】【泥沼】【麻痺】
【謎の女】
不明です。今回は出合うこともありません。
しかしながら、頼々さんへ並々ならぬ執着を覚えているようです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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