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シナリオ詳細

<Bloom*Bloom>太陽のしずくを召し上がれ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●太陽の花が咲く時
 妖精の世界、ブルーム・ブルーム。
 花が咲き妖精と共に暮らす、比較的穏やかで内戦もない平和な世界。
 それを掻き乱すのがティターニア――改め、フローラ。
「今年は太陽の花の蜜が大量らしいの! やったわ兄様!」
「……ああ」
「あついからって、返事まで雑になるのそろそろやめてくれないかしら」
「俺は雪の妖精なんだ……無理だ……」
「まあ夏だもの……仕方ないけれど」
 ソファの上で液状化しそうな勢いの兄グレイシア。
 ふむ、と書類を読みながら、フローラは笑みを浮かべた。
 何しろ太陽の花の蜜――太陽のしずくと呼ばれるそれは、上質な蜜なのだ。
 フローラもお気に入りのそれは、とても絶品なのだ。
 パンケーキにかけるもよし、アイスにかけるもよし、そのまま食べるもよし。
 あっさりとしているが、その蜜はしっかりと甘めでとっても美味しいのだ。
 それが大量で、しかし人手が足りず取り切れないというのなら、何としてでも取りたい! というのが、フローラの本音である。
 沢山採取すれば民にも配れるし、一石二鳥なのだ。王としてもその手伝いができるのなら、本望だろう。
「けど一人でやるのもなあ……ふふ、そうだわ! フルールを呼びましょう!」
(美味しく食べられる人数が増えるなら、きっとそんじゃないものね!)
 ふふ、と楽しげに微笑んだフローラ。嬉しそうに笑うフローラを薄目で見るグレイシア。この後起こるイベントがわかりきっているのだ。 
「ああ……」
 カナタの胃が痛むまで、あと数分。

●極上の蜜を召し上がれ!
「いらっしゃい、特異運命座標(イレギュラーズ)!」
 ぽん、と手を叩いたポルックス。手に握られた瓶には金色の蜜。甘い香りの漂うそれは、太陽の花――ひまわりから取れるのだと、ポルックスは語った。
「今年は日照量、土の栄養ともに問題なしどころかはなまる!
 たっくさん取れちゃうんだって!」
 あーん! と1口スプーンにのせたポルックス。おいしい! と目を細めた。
「こんな花の蜜が、美味しく食べられないなんて勿体ないと思わない……?」
 瓶につめられたシロップが煌めく。もったいない。
 美味しく食べられるなら、美味しく食べられる人の元に届けたい。
「ってことで、皆に依頼よ! おいしい花の蜜をとって、美味しく食べて来てちょうだい!」
 ポルックスは楽しげに腕を振って、あなたを見送った。

NMコメント

 心踊る物語を貴方に。どうも、染(そめ)です。
 あまい蜂蜜がたべたい! と思い書いてみました。
 お楽しみ頂けますと幸いです。
 それでは、今回のシナリオの説明に入ります。

●目的
 花の蜜をとろう。

 大きなひまわりから花の蜜を撮ってください。
 とろっとしていて、金色です。
 花の花弁についているので、スプーンで掬ってから瓶にいれると良いでしょう。

●世界観
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』。
 花と魔法で満ちた世界。魔法で文明が築かれています。
 基本的には物理攻撃よりも神秘攻撃がメインの世界です。
 また、ファンタジーな世界ですので、妖精やドラゴンなど、ありえない生物がいます。

●NPC
・フローラ(ティターニア)
 妖精女王。引き摺るほど長い若草色の髪が特徴。桜色の髪留めが宝物。
 エルフのように長い耳を持つ。成長が遅いとはいえ、いつまで経っても凹凸のない身体に悩んでいる。
 甘いものが大好きなので、今回はやる気いっぱい。

・グレイシア
 前の妖精王。鋭い目つきと薄氷色の髪が特徴。ガタイがいい。
 エルフのように長い耳をもつ。シスコン。眼鏡。
 他国の妖精へ外交をしに行っていた。
 今日もお熱でお留守番。

・カナタ
 花冠師ギルド『Flowers Flag』のギルドマスター。齢19にしてトップクラスの実力を持つ温厚な青年。
 胃薬が手放せないのが最近の悩み。今回は空き瓶を抱えて走り回っています。
 何かあればカナタへ。

●サンプルプレイング
 よし、美味しい蜜をとるぞ!
 丁寧に掬って……よし! ああでも、ひとくち味見してもいいかな。
 お、怒られなければいいかな……いいよね! あーむ!

 以上となります。ご参加お待ちしております。

  • <Bloom*Bloom>太陽のしずくを召し上がれ!完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年07月05日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

サイズ(p3p000319)
妖精■■として
武器商人(p3p001107)
闇之雲
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
カルウェット コーラス(p3p008549)
旅の果てに、銀の盾

リプレイ

●働き蜂ならぬ
(えーとつまり蜜の収穫を手伝えばいいんだな……。
 まあ、とっとと蜜を集めてフローラ様に献上しますか)
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)は花の蜜を前に一人思案。この蜜を味わうためには鎌に巻かれた包帯を取らなければならないのだが、生憎じっくり味わえそうにもない。だからフローラに告げるのだ、『全部持っていってください』と。
 もちろん、この花の蜜はフローラの大好物であるから、譲るつもりもなさそうなのだけれど。
 せっせと働くサイズは、瓶に蜜を詰め、それが満タンになったらまた新しい瓶に蜜を詰め。
 まるで花の蜜には興味が無いのだ、と言いたげなサイズにフローラは思わず膨れっ面。
「ねえサイズ、」
 とんとん、と肩を叩いてから、
「なんでふぐっ!??」
 口の中にスプーンを投入。サイズはむせ込むのだが、必死に妖精の口で咀嚼する。
 あまり味覚を感じない妖精の口ですら甘味を感じたのだ、相当甘いのだろう。
「どう? おいしい?」
「ええ……甘みが強いですね」
「そうなの! 今から私も食べたくなってきちゃったわ!」
「え、今から食べたい……?」
 瞬いたサイズ。ぐいっと伸びをするフローラ。
「できる?」
「……ええ、まあ。それじゃあ、異界から取り寄せたオーシャン・ジェラートをご用意いたします。
 本日はお暑いですので、こちらでご用意した日傘の下でお召し上がりくださいませ」
 ささっと日差しの下から白いパラソルの下へとフローラを連れ出して。
 海洋王国で人気のジェラートは、フローラの目にも新しく映る。
「まあ、これに蜜をかけたらおいしそうね……!」
「勿論蜜はお好きなようにお使いしていただいていいですよ、民に配るのも、こちらが回収した分は自分だけのものにするのも、フローラ様にしたいようにしてください」
「ほんと!? ありがとうサイズ!」
「ええ。ご用命がありましたらいつでもご連絡ください、背後で警護しておりますので……あ」
 キョトンとした様子で瞬くフローラの周りに、氷で作った背の高い柵を生み出して。
「あら、涼しい……これは?」
「グレイシア様が暑さに弱いのを思い出したので……まあそのうち溶けるので、不要でもそのままで」
「ふふ、そんなことないわ! ありがとうサイズ!
 それじゃあ早速、いただきます!」
 フローラのはしゃぐ姿に、安心してため息を吐くサイズだった。

●密色のひとみ
(おやまあ、ひまわりの……しかも花弁からこんなに上質な蜜が取れるんだねぇ、驚きだ。
 小鳥がこの場にいたら喜んだろうに、残念……)
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)は向日葵を見つめながら思案する。黄金色に煌めく蜂蜜は、彼の『小鳥』も好むかもしれない。それくらい美味しそうな蜜なのだ。
「ねえねえ、銀のフルールは蜜はすきー?」
「あァ、好きだよ。甘いものはヒトも好むから、我(アタシ)も嗜んだりするのサ」
「なるほど〜!」
「女王様もこの蜜がすきなんだよ!」
 とろっとした向日葵の蜜はなるほど、甘い香りがする。妖精たちも指ですくっては『あま〜い!』『おいしい〜!』と悶えている。
 そんな妖精たちを見てくすくす笑う。しかしそんなに美味しいのだろうか?
 武器商人もその密に興味をそそられてしまう。
 結果。
「ちょっと蜜を味見して、……うン。流石、妖精の国。こと蜜に関しては最上のものが手に入るね」
「おいしいでしょ!」
「えっへん!」
「うむ、これはなかなかにいいね」
(……そうだな、蜜を取ったら氷河のコのところへ行こう)
 人の足を向けた、武器商人はグレイシアの元へと向かった。体調を崩している彼は王城で一人安静に。
 冬の――雪の妖精たる彼が夏を得意とするはずもなく。春の花の妖精のフローラや、海の妖精のポセイドンが楽しげに遊んでいるのを、涼しい木陰で見守るのが精一杯というものだった。
「おや、武器商人じゃないか。俺に何か用か?」
「ああ、体調を崩してると聞いてね。蜂蜜って滋養があるからね、今の時分は致し方ないとはいえこうもバテていては辛かろう」
「ああ。それじゃあ頂こうかな……」
「アイスにでもかけてお食べ。
 ついでに何かお話ししようか。キミたちのことをもっとよく知りたいな?」
「うむ、そうしようか。
 ああそうだ――これは妹の瞳の色をしているんだ。だから妹のお気に入りなんだ」
 冷蔵庫からアイスをとりだして、花の蜜を少なめにかけたグレイシア。『うむ、おいしい』と微笑んだ。
「なるほどね。そしてそれは、君のお気に入りというわけだ」
「……はは、お見通しかな?
 そうでなくても、きっと。俺はこの蜜が好きだろうさ」

●はじめてのおしごと
(ボク、お手伝い、する。
 しかも、おいしい。できる、する。幸せ。がんばる)
 きゅっと手に拳を作ったら準備はオッケー。『新たな可能性』カルウェット コーラス(p3p008549)は右手にスプーンをもって、蜂蜜をとる。
(スプーン、使う。する。フォーク、にてる、できるはず。…上手く、いく、出来ないかも)
「……でも、頑張る。えいえい、おー」
「おー!」
「おー!!」
 周りを飛んできた妖精。
「誰かに、上手くいく、アドバイス、貰える、する。嬉しいぞ」
「んっと、それじゃあね……」
「ぐいって、てくびをつかうといいよ!」
「そして、いきおいよく!」
「げんきいっぱい! でもそっと!」
「……こう、する? ボク、できる、してる?」
「「わー!!」」
 カルウェットが妖精の教えに従い、手首をそっと動かして掬ってみれば、スプーンには綺麗なひまわり色の花の蜜。
 カルウェットが瞳をキラキラと輝かせる。妖精たちはぱちぱちと手を叩いた。
「でも、おててはグーじゃなくてもいいかも!」
「ん……こう?」
「そう! せっかくなら、たべてみよ!」
「これはおいしいフィナンシェです」
「これに花の蜜をかけます」
「……ボク、食べる、していいの?」
「もちろん!」
「おたべ!」
 珍しく幼いお客さんに、妖精たちはえっへん! と胸を張りおにいさん(もしくはおねえさん)ぶってみる。カルウェットはそんな妖精たちの気持ちも知らず、小さく口をもぐもぐさせる。
「……!」
 ぱぁぁっと瞳を輝かせて、カルウェットはフィナンシェをもぐもぐ食べ進める。
「おいしい?」
「どう?」
「おいしい……!」
 こくこく頷いたカルウェットに気を良くして、妖精たちはこれはどうだ、あれはおいしいぞと果物やお菓子を持ってくる。
「おいしい、はちみつ。
 できる、する。なら。友だち、占い屋さん、お土産。持つ、したい」
「なるほど、それじゃあこの花の蜜を持っていくといいよ!」
「うんうん、それならこれをもっていくといいよ……!」
「……! じゃあ、これ、持って帰る、する。
 ありがとう。美味しく食べる、する」
 ほんわかほほえんだカルウェットは、その後も妖精たちとおいしい花の蜜の食べ方を模索し続けた。

●甘いものが好きな人は
「ふ……ふふっ。いいのか?俺に花の蜜を取らせてしまって。やるからにはガチで行くぞ?」
 『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)はぐっと拳を握っている。手に握ったスプーンがミシッて言ったかもしれない。
「カナタ……胃痛に苦しむ準備は大丈夫か? 俺が取り過ぎて女王様が後で泣いても知らないからな!?」
「えっ」
 鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするカナタ。心の中では『あっこれあかんやつ』と思った。
「さあいくぞしもべ達!! 俺達一派で太陽のしずくを独占だ!!」
 精霊たちが世界の呼び掛けに応じ、一生懸命太陽のしずくを採取していく。フローラが『待ちなさいよ世界!!!』とか『なんとかしなさいよカナタァァ!!!!』とか叫ぶ声が聞こえた。
「さあ行くぞ、野郎共! ……男じゃないって?
 細かい事は気にするな! さあ今ここで伝説を作り、俺たちの名を世界に刻むぞ! 全軍突撃ぃ!!」
「おー!!」
「あっ、ちょ、せ、世界……うっ」
 胃がキリキリキリキリキリキリ……ってしてきたカナタ。世界よ、なぜだ。そんな顔で世界の背中に手を伸ばした。世界は一生懸命太陽のしずくを採取している。
 ――何故。
 悲痛な面持ち。世界の瞳はきらきらと輝いていた。
 なおこの時のテンションは明らかに狂っていたと後の彼は語る。曰く、あれくらい変に吹っ切れてたのはこのときだけ、とは言えない。
(……いや、あのときとそのときと……あれ、結構あるな?)

 〜数十分後〜

 満足気に積まれた大量の太陽のしずくの瓶。持ち帰るように指示する世界。フローラは諦めたようで楽しげに太陽のしずくを取っていた。
「カナタ、さっきはすまなかったな。俺も本当はお前が胃痛に悩む姿を見たくは無いんだ。だから……これをわけてやるよ」
 差し出されたのは大量の胃薬。カナタの顔が青ざめる。
「はっはっは、冗談だ、そんな顔をしないでくれ。ちゃんとある程度満足したら残った蜜は高値で譲ってやるから」
「えっ……有料なの? 俺さっきまで世界のせいで怒鳴るフローラ様抑えたりしてたんだけど?」
「えっ!? 金を取るのかって!? そりゃ世の中に無料なんてそうそう無いからな」
「……」
 沈痛な面持ちで財布を確認するカナタの肩を笑って叩いた世界は、ちゃんと太陽のしずくを無料で渡してあげたのでした。
 太陽のしずくの収穫祭。何とか無事に終わったものの、その半分は世界が持ち帰って行ったのだった……。

成否

成功

状態異常

なし

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