PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<果ての迷宮>ひらりひらり蝶の標

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 幻想国の王都《メフ・メフィート》。
 その中央の果ての迷宮の前で、幻想種の少女……の見た目をした総隊長ペリカ・ロジィーアンがローレットから派遣されたイレギュラーズ達を待ってくれていた。
「攻略に来てくれて嬉しいわさ」
 現状は、16階層を突破、次は17階層へのチャレンジという状況である。
 一応、説明をしておくと、果ての迷宮の攻略、踏破は伝統的に幻想王侯貴族が義務としている。
 この為、彼らはこの地に挑む者に多大なる資金援助をしている。
 彼らの期待に応える為にもフロアを踏破し、最深部へと探索を進めていきたいところだ。

 次なる17階層だが、まず、入り口付近にこう書かれた看板がある。
『5,223,244,415 Polybius□』
 それ以外は、霧に覆われた花畑が延々と広がるフロアだという。
 ちなみに、ペリカには季節柄か、紫陽花が満開の畑に見えたのだとそうだ。
「試しに一度は行ってみたけれど、ちょっと面倒な場所だねぃ」
 ペリカが中に入ると、いつの間にか入り口がなくなって出られなくなってしまったとのこと。
 そして、しばらく進んでいると、その際6匹の異なる色をした蝶達に囲まれたのだという。
 蝶は全てがペリカへと攻撃をしてきたので、慌てて入り口へと引き返そうとしたが、入口が消えてしまって出られなくなったという。
 幸い、戦闘不能で済んだのだが、下手をすると蝶達に重傷まで追いやられる危険もあると彼女は語る。
「蝶達が先に進む鍵となりそうだけれど、どうすべきかが悩みどころだねぃ」
 最初は蝶を全て連れたまま進んでいたペリカだが、蝶達の飛ばす鱗粉によるダメージは激しく、体力が尽きて戦闘不能となってしまった。
 気づけば、入口へと戻されたのだという。
「あたしもできることを試しつつ、突破を目指すのだわ」
 今度はイレギュラーズ達が一緒になって、フロアの攻略を目指すことにする。


 扉をくぐったイレギュラーズはフロア内へと歩を進める。
 ただ、一緒に探索に臨んだはずのメンバーはもちろん、ペリカの姿もまた消えてしまっていた。
 このフロアは単独での突破を目指せということなのだろう。
 入ってすぐの所に、先程ペリカが言っていた通りの看板。
『5,223,244,415 Polybius□』
 果たして、この看板に意味はあるのかどうか……。
 目の前に広がる花畑。ペリカは紫陽花と言っていたが、そのイレギュラーズには……。どうやら、個々人によって何が咲いているか異なるように知覚されるようだ。
 そして、どこからともなく現れる蝶達。
 6色の蝶達はイレギュラーズに近づくと、すぐさま敵意をむき出して鱗粉をまき散らす。それは色によって効果が異なり、浴びせたイレギュラーズへと様々な状態異常を及ぼすようだ。
 その蝶達の攻撃に耐えながらゴールを目指すが、蝶達の攻撃は思った以上に激しく、とてもでないがずっと耐えられるものではない。
「…………!!」
 試しに、イレギュラーズが1種だけ蝶を仕留めてしまう。当然、その蝶の鱗粉が消え、新たに悪影響が及ぶことが無くなる。
 それならとイレギュラーズは次々と蝶を始末し、残りを1種だけにする。
 すると、その蝶は攻撃を止め、どこかにイレギュラーズを誘導し始めた。
 この蝶も倒せばどうなるかが気になるところだが……。ともあれ、その蝶の行く先をイレギュラーズは追うことにする。
 果たして、その蝶が連れて行ってくれるのはゴールか、はたまた……。

GMコメント

●2020/06/28 追記
  こちらのシナリオにつきまして、以下の修正がございます。
    変更前:『5,223,254,415 Polybius□』
    変更後:『5,223,244,415 Polybius□』

  大変ご迷惑をお掛け致し、申し訳ございませんでした。

●シナリオ詳細
 イレギュラーズの皆様、こんにちは。
 GMのなちゅいです。

 1階層挟んで三度、果ての迷宮シナリオを担当させていただきます。
 今回は17階層のチャレンジです。

●目的
 次の階層に進み、次なるセーブポイントを開拓することです。
 また、誰の名代として参加するかが重要になります。

※セーブについて
 幻想王家(現在はフォルデルマン)は『探索者の鍵』という果ての迷宮の攻略情報を『セーブ』し、現在階層までの転移を可能にするアイテムを持っています。これは初代の勇者王が『スターテクノクラート』と呼ばれる天才アーティファクトクリエイターに依頼して作成して貰った王家の秘宝であり、その技術は遺失級です。(但し前述の魔術師は今も存命なのですが)
 セーブという要素は、果ての迷宮に挑戦出来る人間は王侯貴族が認めたきちんとした人間でなければならない一つの理由にもなっています。

※名代について
 フォルデルマン、レイガルテ、リーゼロッテ、ガブリエル、他果ての迷宮探索が可能な有力貴族等、そういったスポンサーの誰に助力するかをプレイング内一行目に【名前】という形式で記載して下さい。
 誰の名代として参加したイレギュラーズが多かったかを果ての迷宮特設ページでカウントし続け、迷宮攻略に対しての各勢力の貢献度という形で反映予定です。展開等が変わる可能性があります。

●フロア構造
 入口の扉、看板以外は一面霧に覆われた花畑のフロアです。
 集団で入っても不思議な力で個人に振り分けられてしまう為、基本的には個人でのチャレンジです。
 なお、手を繋ぐなど接した状態で突入していただければ、協力プレイはペアまで可能とします。
(協力者の名前、IDを合わせてご記載くださいませ)
 皆様が思い描く花が多数咲いており、季節感を全く感じさせない不思議な光景が広がっております。複数人の場合は思い描いた花が代わる代わる咲いている場所となります。

 その中で、歩いていると、赤、青、黄、緑、黒、白の6色の蝶が寄ってきます。
 基本的には、それらの全てが悪意を持って侵入者へと襲い掛かってきますが、1種のみにした地点で攻撃の手を止め、いずこかに誘導してくれます。
(ペアでの協力プレイの場合、6色×2数だけ蝶が現れます。1種2匹にした地点でのみ誘導が始まります)

 プレイングは、フロア突入前からの描写でOKです。
 自分のいる花畑にどんな花が咲いているか、優先選択する色の順番、(例:赤→青、2種まで選択可です)の記載、蝶の駆除の為のプレイングの記述を願います。
 ゴール地点に半数(5人)以上が到達していればクリアーです。またペリカはカウントに含まれません。

●敵
○蝶……イレギュラーズ1人に対し、6色1羽ずつ計6体
 大きさは5~7センチ程度。一般的な蝶と同じくらいです。
 上述の通り、赤、青、黄、緑、黒、白の6色が存在します。
 近づいてくると1種になるまで攻撃してきます。その場にいるのが1種になった地点でいずこかへと誘導を行います。
 どれか1種のみがゴールへと案内してくれます。残り5種はどこに運んでくれるか不明です。基本、戦闘不能に。パンドラ復活で1度のみ入口から再チャレンジ可能。運が悪ければ重傷状態で外へと送られてしまいます。

○赤……ゆらゆらと左右に揺れており、炎粉をまき散らして相手に炎の状態異常を与えます。
 
○青……近寄ってきた後はほとんどその場から動こうとはしません。細氷を散らして相手を凍り付かせようとしてきます。

○黄……角ばった動きで動き回っています。電気の粒をまき散らし、触れた相手に電撃を与えます。

○緑……他の蝶より低空を飛んでいます。毒の粉を散らしてきます。

○黒……全身が黒ずんで自らの存在をアピールしています。呪いの粉をまき散らしてきます。

○白……存在が希薄になっています。光る粒子をまき散らし、相手を恍惚とさせようとしてきます。

●同行NPC……ペリカ・ロジィーアン
 タフな物理系トータルファイター。
 今回は基本個別行動ですので、ペリカに指示などは必要ありません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はC-です。
 信用していい情報とそうでない情報を切り分けて下さい。
 不測の事態を警戒して下さい。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • <果ての迷宮>ひらりひらり蝶の標完了
  • GM名なちゅい
  • 種別EX
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年07月08日 22時10分
  • 参加人数10/10人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

主人=公(p3p000578)
ハム子
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)
愛娘
ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)
黄昏夢廸
清水 洸汰(p3p000845)
理想のにーちゃん
ルウ・ジャガーノート(p3p000937)
暴風
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
実験体37号(p3p002277)
鉄拳超制裁!
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌

リプレイ


 果ての迷宮の探索も回数を重ねているが、その度に、ローレットイレギュラーズ達は名代を選定している。
 例えば、黒髪に白と赤のオッドアイ、『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)は、『遊楽伯爵』ガブリエル・ロウ・バルツァーレクを名代に選んでいる。
「話を聞きに行った身だ。一度は名代とならなければ失礼かなと思った次第だ」
 また、『理想のにーちゃん』清水 洸汰(p3p000845)は『放蕩王』フォルデルマンを名代としていて。
「皆は色々言ってるけど、やっぱ面白くって楽しくって憎めない人だしなー! 応援したくなっちゃう!」
 イレギュラーズとして活動を行う中での触れ合い、個人的な好みの感情など、その理由は様々だ。

 さて、迷宮内へと足を踏み込み、セーブポイントを使って次なる17階層目へと向かう今回のチーム。
「新しい迷宮の階を探索! すごく名誉な事だよ!」
 改造によって、腕と足を硬質化させた『鉄拳超制裁!』実験体37号(p3p002277)は楽しそうに語るが、それでも多少の緊張も見せていて。
「それでも全力を尽くすよ!」
 その身を奮い立たせて、37号はこのフロアの探索に臨む。
「さて、久しぶりの迷宮だ」
 機械の四肢を持つ旅人、『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は果ての迷宮の最奥に何があるのかと楽しみにしながらも、今は目の前のフロアの攻略に集中することに。
「それじゃ先に、あたしが先行して突入した状況だけ説明するわさ」
 攻略に同行する『総隊長』ペリカ・ロズィーアン(p3n000113)が先に内部の状況について話してくれる。
 まず、彼女はこう書かれた看板を見たという。
『5,223,244,415 Polybius□』
 これを聞いたバッファローの角と尻尾を生やす筋肉隆々な女戦士、『暴風』ルウ・ジャガーノート(p3p000937)は唸ってしまって。
「むうぅ…… 謎解きは苦手な部類だぜ……」
「ふむふむ。……ちんぷんかんぷんですのでお任せ致しますー」
 海洋の小貴族の娘、『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)はあっけらかんと解くことを諦める。
 小難しい顔をしていたルウも、適材適所だと賢い人にお任せといったスタンスだ。
「ふむ、数字の羅列にアルファベット。そして、四角い記号……。何かの座標でも示してるのかしら?」
 銀髪ツインテールに左目に眼帯をつけた『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)が暗号の解読に挑む。
 
 そこで、ペリカが記した看板の文字について、『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)がうんうんと頷いて。
「Polybius□……Polybius squareのことだね?」
 ポリュビオス暗号という言葉には聞きなれないメンバーもいたようで、ウィズィが手元のメモにアルファベット5×5マスを描いていく。
 仲間達の視線を受けながらも、ウィズィはそれと先ほどの数字『5,223,244,415』を照らし合わせる。
「コンマは無視して、セオリー通り2字ずつ暗号表に当てはめると……」
 『WHITE』という文字をウィズィは導き出す。
 そこで、ペリカが内部の状況を語って。
「霧に覆われた内部は紫陽花の花畑があって、歩いていたら6色の蝶が飛んできたのねい」
 ペリカが確認した蝶の色は、赤、青、黄、緑、黒、そして、白だそうだ。
 ただ、それらの蝶全てが敵対行動をとったことで、ペリカは慌てて入口へと避難しようとしたが、入り口が消えて出られなくなってしまう。
 蝶達の対応に苦慮した結果、戦闘不能となって追い出されてしまったとのことだ。
「下手すると、重傷を負ってしまいかねないわさ」
 しかしながら、ペリカが身を張って探索してくれたおかげで、フロア攻略の糸口をメンバーは掴んだようで。
「白の蝶を残せということかな」
「さすが、親友」
 ウィズィは先程の文字と合わせて推測すると、色黒な肌の『神話殺しの御伽噺』エクスマリア=カリブルヌス(p3p000787)が髪を無意識にパタパタさせる。無表情な彼女だが、親友ウィズィの活躍は素直に喜んでいたようだ。
「なるほど、白。数字にばかり気を取られてて文字を忘れてたよ」
 ランドウェラは納得するが、確実とは言えない情報でもある。間違っていた場合はギャンブルしようかと割り切りも見せていた。
「前のゲーム階層といい、今回の謎解きといいみんなに助けられてるなぁ」
 男女のアバターを使い分けられる学校制服姿の『ハム子』主人=公(p3p000578)が感嘆する。なお、今回は女の子の姿での参戦だ。
「あっさりと解いてくれて助かったね。まずは正解の検証と行こうか」
 メンバー達はとりあえず、フロア内へと挑むことに。
 内部に入ると入り口が閉ざされるとのことで、中にはペアを組む者達の姿も。
「レジーナ! よろしくね!」
 37号の呼びかけに、レジーナも微笑みを持って承諾する。
 他にも、ユゥリアリアがランドウェラと同行する様子。
「1人は心細いからとてもありがたい! よろしく頼む!」
 子供らしさも感じさせるランドウェラと、ユゥリアリアは手を繋いでフロアへと飛び込む。
「では、お手を拝借、だ。親友。しっかりと、握っていて、くれ」
 エクスマリアも手を伸ばすと、ウィズィがその手を取って。
「よし、行くよ親友!」
 その存在に心強さを感じながらも、ウィズィは共に霧の中へと踏み込んでいくのである。


 イレギュラーズ達は皆、一斉に霧のフロアへと突入したはずだった。
 しかし、気づけば他のメンバー達の姿はなく。
「あらあらー。隔離されてしまったみたいですわねー」
 この状況でも、ユゥリアリアの調子は変わらないようである。
「それにしても、見てみなよ」
 手を繋いでいたランドウェラが前方を見るように促す。
 そこには見渡す限りの花畑が広がっていた。
 ペリカは紫陽花と言っていたのだが、ランドウェラが目にしていたのは、オダマキの花。
 某世界では北半球の温帯に分布するこの花は王冠のようなガクを持つのが特徴的。また、風鈴オダマキという別種も存在する。
 色は様々だったが、ランドウェラは紫色の花が一番綺麗だと感じていた。
「んん? 違う種類の花も……」
 それもそのはず。同行していたユゥリアリアの見ていた花も多く、その花畑には交じっていたのだ。
 明るい花を咲かせるガーベラ、フリルを思わせる形のトルコキキョウ。それらは応援の意味合いを持つ花々だ。
 迷宮内で見られる光景としては不思議に感じられるが、ユゥリアリアはすぐにそれを受け入れて。
「まぁ、これはこれで眼福というものですね」
 どうやら、入る者によって、この花畑は姿を変えてしまうらしい。
 2人がそれぞれ、互いの影響で見える花々について語り合っていると、どこからともなくひらひらと蝶が近づいてくる。
 赤、青、黄、緑、黒、そして、白。
 2人で入ったからか、2組6色合わせて12匹の蝶が花畑を舞う。
 傍から見ている分には蝶の姿はとても綺麗ではあるのだが、蝶達は明らかに敵意を抱いて鱗粉を飛ばしてくる。
「……ここで戦うのも、無粋だとは思いませんかー?」
 ユゥリアリアはそう語りかけるが、蝶達はお構いなし。
 それぞれが得意とする攻撃方法で立ち入る者を排除しようとする。自分達の楽園に立ち入るなと言わんばかりだ。
 ランドウェラはその中から、やや存在感が薄い白い蝶を見定めて瞬間記憶して。
「存在が希薄だろうが何だろうが、もう、覚えたぞ」
 完璧に同じ色の花がないように蝶も同じだと色彩感覚を活かし、向かい来る蝶の排除へと移り始める。
 蝶達は色に応じた状態異常でイレギュラーズ達を苛み、体力を奪ってくる。
「白い蝶だけを残すのですね」
 12匹いる中で2匹だけを狙いから外すのは難しいが、ユゥリアリアは術の起点を大きく反らして絶望の海を歌い聞かせるが、思った以上に蝶の耐久力は高くすぐには落ちる様子はない。
 そこに、ランドウェラは一直線で複数を狙うことができる一条の雷撃で蝶を焼き払わんとする。
 それで2匹が地に落ちるが、蝶達はそれぞれユゥリアリアやランドウェラへと群がってくる。
 残す必要のある白い蝶を巻き込んではならないと、ユゥリアリアも式符から毒蛇を生み出して蝶へと個別に食らいつかせていく。
 蛇に噛み砕かれる蝶。だが、まだ、残る蝶は2人に煌めく氷の粒や毒の粉を散らしてくる。
 イレギュラーズ達が弱るのを嘲笑うかのように、ひらひらと舞う蝶達。
「ちょっと邪魔だよ」
 一言発したランドウェラが衝術で蝶を吹き飛ばし、群れの数を減らしていく。
「ランドウェラ様さま」
 攻撃の集まる彼へと、ユゥリアリアは光翼を羽ばたかせることで癒しをもたらす。
 それだけでなく、彼女は天使の福音によって、減った自分達の体力を戻していった。
 ユゥリアリアの支援もあり、ランドウェラはこの場に現れた蝶を散らし、1体ずつ衝撃を浴びせかけていくと、蝶は地に落ち、姿を消していく。
 そうして、残った2体の白い蝶は鱗粉を放つのを止め、自らの体を瞬かせるようにしてゆっくりと移動を始める。
 蝶は持って帰れなさそうだと残念がるランドウェラへ、ユゥリアリアが天使の歌を響かせ回復に当たる。
 そして、彼女は音の反響で周囲を探りながら進むことにして。
「警戒は重要ですものー」
「あ、こんぺいとう食べる?」
 そんなユゥリアリアへとランドウェラが買い溜めしたこんぺいとうを差し出しつつ、蝶を追跡していくのである。


 霧のフロアへと飛び込んだ洸汰の前方へと広がっていたのは……。
「おおー、一面のヒマワリ畑だ! 本当にここって迷宮の中なのかー?」
 太陽を思わせる黄色いヒマワリは、霧の中でも精一杯に花弁を広げて自らを主張する。
 しばらく、こちらを見つめてくる満開のヒマワリの花々に見とれていた洸汰。
 彼はしばらくそのヒマワリ畑を歩いていたのだが、ふと、自分が1人だけになっていることに気づいて。
「あれっ、でも皆居なくなっちゃった……どこに行ったんだー?」
 洸汰が呼びかけに気付いて近づいてくるのは仲間達ではなく、異なる色の蝶達。
 それらはすぐに洸汰を敵とみなし、羽ばたく翼から色とりどりの粉を飛ばす。
「皆も心配だけど、まずはこいつらを何とかしないと……」
 それら全てに、異常をきたす効果がある。長くは浴びていられない。
「虫取りの達人、シミズコータ様も、チョウチョなんかにぜってー負けねーかんなー!!」
 予め、仲間達が白い蝶に案内してもらうのではと提案があった為、洸汰もそれに倣って他の色の排除に当たる。
 ダメなら、その次は青だと彼は考えていて。
「むつかしい事はわっかんねーけど、どっちもオレの好きな色だからな!」
 眩しい太陽と流れる雲の色の白。
 その存在は消えかけているようにも感じさせていたが、そいつをうっかり倒してしまわぬよう、洸汰は攻撃集中しながら、防御力を破壊力に変えてバット型の武器「ピンチヒッター」を叩きつけていく。
 緑の蝶を叩き落としたのはいいが、まだ他の蝶達は迎撃を続けてきている。 
 洸汰は自らの身体が燃え上がるのを防御攻勢で堪えつつ、赤い蝶を殴りつけて空中で粉砕してしまう。
 しかしながら、蝶達の鱗粉の威力は見た目以上だ。
「おりゃー!」
 洸汰はジリ損になってしまう前にと、攻撃を集中して不要な蝶を撃破していく。

 5匹目を倒した時には、洸汰も思わずしりもちをついてしまい、不滅の如く力を湧き立たせてすり減らせた体力を回復させていく。
「それにしても、ちっちゃいのに強敵だったなー……」
 ただ、ペリカの事前情報はここまでしかない。
 もし、この後にボスが待ち構えているのであれば……。
「それなら、やっべーぞ」
 危機感を募らせながらも洸汰はメカニカルなトビンガルーのメガぴょんと共に、蝶以外の敵がいないかと注意しながらヒマワリ畑の中を歩いていくのである。


 ゼフィラも1人フロアへと突入しており、彼の前には大好きなゼフィランサスの花が咲き誇っていた。
 某世界においては、メキシコを中心に、北米、中南米、中央アメリカなど緯度の低い地域に分布する花だ。
 彼女がその花を好むのは、自分の名前がついているからだろうか。
 ともあれ、彼は背丈の低いその花々を見下ろしながらも、濃い霧の空間を見回していると、ゼフィラを見つけた蝶達がひらりひらりと近づいてくる。
「それじゃ、黒から行こうか」
 何せ、黒い蝶は呪いの粉を振りまく面倒な相手。
 他の蝶達の鱗粉と合わせてダメージが大きくなってしまう前に、ゼフィラは自身の精神力を弾丸に変え、黒い蝶目がけて連続で攻撃を仕掛ける。
 手早く黒い蝶は落としたが、それでも炎上、凍結、麻痺に毒と他の蝶達も煩わしい。
「立て直さないと……」
 また、煌めく光の粒子はこちらを棒立ちにさせてしまう。ゼフィラは直感で戦況を把握し直し、自身を言い聞かせるようにして状況の打開を目指す。
 合間に調和の力で自らを賦活したゼフィラは、黄、赤と蝶を1体ずつ撃ち落とす。
 数が減ってくれば、少しずつ負担は軽減していく。
 ゼフィラは落ち着いて、残りの緑と青も落としてしまい、大きく息をついた。
 すると、光の粒子を放っていた白い蝶の攻撃が止まる。
 大きく旋回した蝶はついてきてと言わんばかりに何処かを目指して飛んでいく。
 ゼフィラとしては、この蝶を無視して花畑を探索した場合の方が気になっていたのだが。
「やれやれ、後でこのフロアを探索する手段でもあれば良いのだけれど、望みは薄いかな……?」
 ただ、下手に個人行動を行い、探索を失敗してしまうと他メンバーに迷惑をかけるだけでなく、名代にも悪印象を抱かれかねない。
「流石に個人の都合で迷宮探索を邪魔するわけにも行かないからね……」
 この場は仕方ないと割り切って、ゼフィラは白い蝶を追って歩くことにしたのだった。


 公も1人で花畑を歩く。
 そこは、某世界のオランダを思わせるチューリップ畑。
 季節は初夏を思わせる時期に差し掛かってきていたはずだが、この空間を見る限り、春を思わせる。もっとも、この空間に暑さ寒さといった概念はなかったようだが。
「我ながら単純だなぁ……。花と言われて思いつくのがチューリップって」
 この場にはたくさんのチューリップが咲き乱れている。
 童謡にあるような赤白黄の花だけでなく、橙にピンク、薄紫と色鮮やかだ。
 チューリップの花々へと飛来してくる6色の蝶は果たして、どこへ連れて行こうというのか。
「蝶の道案内ってアレだね。死出の道行を連想させるようで不吉だなぁ」
 間違った色の蝶を選んだのであれば、現実になるかもしれないと公は考える。
 まして、皆とバラバラにされての単独アタック。変なドジを踏んで致命的な事態を引き起こすわけにはいかない。
「気を引き締めて行こうか」
 改めて、公は自分に近づいていた蝶達を見回す。
 入口の看板の解釈はウィズィが言っていた通りだろうと公は彼女を信じ、勝利のルーンを刻みつつ蝶達の元へと近づいていく。
 残す色は白。公は指輪から発する魔力をぶつけ、近寄ってくる蝶を1体ずつ叩く。
 命中はしているが、公は飛び回る相手に戦い辛そうに感じていて。
「虫取り網とか欲しくなってくるね。ひらひらしてやりにくいったらありゃしない」
 ただ、舞う鱗粉はその網すら破壊してしまいそうな攻撃力を持つ。
 公もある程度は耐性で何とかしのぎ、白と黒の粉が及ぼす恍惚と呪いは高めた抵抗力でどうにか堪えるが、やはり粉自体が持つ殺傷力は軽視できない。
「臨機応変に高度な柔軟性をもって対処しないとね」
 多少、体力が減少しても公は慌てる素振りをみせず、距離を取りながら、態勢を立て直す。
 練達の治癒魔術で時に体力回復を挟みながらも、公は落ち着いて近づく敵から魔力を叩き込んで倒していく。
「……こんなものかな」
 後は、残る白い蝶を追っていくのみ。
 それでも、公はまだ何が待ち受けているか分からぬ霧の中を、慎重に進むのだった。


 レジーナ、37号のペアも扉をくぐり、他メンバーと分断されて。
 37号はすでになくなってしまった扉については調査を諦め、件の『5,223,244,415 Polybius□』と書かれた看板に何かないかと精霊疎通を使って調査に当たる。
「うーん、普通の木の看板だね!」
 すぐに37号は体を反転させて、広がる花畑を見回す。
「あれ、紫陽花って言ってたと思ったけれど!?」
 37号が見たのは、赤、白、ピンクと多彩な花を咲かせるベゴニア、とても可憐なピンクの薔薇、それに、白い大輪の花を無数に咲かせるカスミソウだ。
「花言葉はどれも幸せを意味するお花! だって、ワタシは今とても幸せだから!」
 一方で、レジーナはどんなお花を思い浮かべるのかと、37号が気にかけると。
 ひらり、ひらりと先に飛んできた黒い蝶を目にしたレジーナは何かを思って。
「黒……ね。あ、いえ、思い出すことがあっただけよ」
 すると、37号の思い浮かべていた花畑の所々に黒い花が混じり始める。
 特に意識をしていなかったレジーナだが、黒と考えてそれらしき花々が姿を現していたようである。
 なお、ネガティブなイメージも少なくない黒い花々だが、威厳、高級、格式高さなどといった花言葉もあり、決して悪いイメージばかりではない。
 その花畑へと飛来してくる残りの色の蝶達。
「ふむ、特にこれといってなにもないのだわ」
 特に何の感慨も持たずに空中を飛ぶ12匹の蝶を見つめるレジーナは、妖刀不知火を構え、一直線に黒い蝶目がけて刃を突き刺す。
 だが、蝶もその一撃だけでは落ちず、しっかりと呪いの粉をレジーナへと振りまいて来ていた。
 ほぼ同時に、37号も蝶達の迎撃に当たっていて。
「残す蝶々はウィズィが解いてくれた暗号の通りだと白だね!」
 ぽりゅびおすという言葉に首を傾げつつ、暗号表って奴らしいと叫ぶ37号。
「ワタシには難しいことはさっぱりだから、本当に凄い!」
 この場にいない仲間を褒め称える彼女は、改めて蝶の引き付けに当たろうとする。
「ワタシ……実験体37号は、すごく幸せだよ!」
 名乗りを上げながら、自らをアピールする37号。流石に全部を巻き込むことはできなかったが、黒だけはと蝶の注意を引きつける。
 37号と合わせ、レジーナも黒い蝶を含めて数体を相手にすることになる。
 蝶達は一斉に鱗粉を振りまいており、2人を様々な状態異常に苛む。
 2人とも思った以上に蝶の攻撃が激しいと感じ、優先順位に従った順番で撃破を進める。
 37号はレジーナと少し距離が離れていることを確認し、大戦斧を振り回す。
「ええい!」
 とにかく滅茶苦茶に周囲の全てを叩き伏せようと37号は思いっきり暴れ、早くも黒い蝶の体をバラバラにしてしまっていた。
 一方で、レジーナはかなり苦戦していたようだ。
 毒手で黒い蝶を叩き落としたまでは良かったが、白い蝶の光る粒子で恍惚としてしまい、手痛いダメージを喰らってしまったのが大きい。
(蝶に囲まれて端から見たら幻想的な光景なんでしょうけれども、実際にはエグいわね)
 レジーナも速力を攻撃力へと転化して黄と赤の蝶を妖刀で穿ってはいたが、緑と青の攻撃を鱗粉を浴びて気を失いかけてしまう。
 なんとかパンドラを使って意識を繋ぎ止めたレジーナは、縮地にて一気に距離を詰めて残る緑の首を跳ね飛ばす。
 さらに、レジーナは返す刀で、青の心臓を穿つ。
 しぶとく抵抗を見せる青い蝶は氷の粒子をレジーナへと浴びせかけるが、彼女はさらに刃を一閃させてその身体を等分してしまう。
(元より手心加えるような相手ではないけれども)
 ふうとレジーナが息をつく横で、37号も一気に蝶の排除を目指す。
「ぜんりょくアッパー!」
 その一撃で黄色の蝶を粉砕すれば、後は大戦斧を叩きつけて弱った残りの蝶を排除していく。
 37号もかなりの鱗粉を浴びてしまい、危険な状態にまで陥っていたが、何とか最後の青い蝶を倒すことができていたようだ。
 全ての蝶を倒し、思わず倒れ込む2人。
 しかし、残った白い2匹の蝶を見失ってはいけないと、37号は身体を引きずるように、レジーナはふらふらと宙に浮かびながらもそれらの蝶を追っていくのだった。


 ルウは自身が1人になっても構うことなく、ゴールへと直行を目指す。
「まあ、敵は大した事無さそうだし、こんな所とっとと突破して次に行こうぜ!」
 おそらく、ルウが参加メンバーの中で一番独特な光景をしていたことだろう。
 なぜなら、彼女の場合、畑ですらなかったのだ。
「砂漠塗れのラサの出身だからな、あんまり花には縁がねえが……」
 荒れ地に密集して植えられたサボテンは、ルウにとってすら異様な光景だったが、それら……月下美人を始めとした花々が咲き乱れている様など、リアルにはまずお目にかかれない光景だろう。
「なんというか、サボテン塗れとは恐れ入ったぜ!」
 確かに、意外にキレイな花を咲かせてはいるという認識はあれど、サボテンは棘のある植物。それに刺さらぬようにとルウは進んでいく。
 程なくして、ルウの周りにもやはり6色の蝶達が姿を現し、彼女を排除しようと鱗粉を振りまいてくる。
 赤、青、黄、緑、黒、白。それら全ての蝶を彼女は一瞥して。
「えーと、とりあえず先に進むには蝶を最後の1匹になるまで倒せばいいんだったかな!」
 すでに謎解きの答えは賢い仲間に白と教えてもらっている。
 なお、そうなのかまではルウも把握はしていないが、とりあえず、第2候補を青としてまずはそれ以外を排除すべくアドレナリンを爆発させて。
「いくぜ!!」
 蝶に向かって突進したルウは、握りしめた巨獣の大剣を力任せに叩きつけていく。
 彼女も黒い蝶を先んじて叩き、余計なダメージが増えないようにとその体を空中分解させて。
 範囲攻撃もルウは用意していたが、白い蝶まで巻き込むわけにはいかぬと控える。
 次に厄介なのは黄色の蝶の痺れに、緑の蝶の毒。
 だが、彼女は深く考えずに。
「近い奴から順番に叩き潰してやるぜ!」
 力任せに全てを叩き潰し、火力で圧倒して手早く白以外の5匹を撃破してしまっていたようだった。


 エクスマリアとウィズィの2人に見えた花畑は……。
「鮮やかな花畑に、戯れる、色とりどりの、蝶」
 ここが果ての迷宮でなければ、ゆっくりしてみたいところだと本音を漏らすエクスマリア。
 彼女の目にもまたサボテンが植えられているのが見えていた。
「傍目には刺々しいが、愛らしい花が、咲く」
 サボテンと言えば、「忍耐」「燃えるような愛」「雄大」「優しさ」。エクスマリアにとってはこそばゆい花言葉である。
 そして、ウィズィはオレンジ色のマリーゴールドを視認していた。
 その花言葉は、「嫉妬」「絶望」「悲しみ」。
「嫉妬の冠位を倒し、絶望の青を超えて……」
 そこで、海賊帽を深く被り直したウィズィは小さく呟く。
「……別れの悲しみを背負った私の花、か」
 でも、マリーゴールドには他にも、「変わらぬ愛」そして「真心」という花言葉もある。一途ゆえに裏も表もある花だ。
 それに、何より……。
「親友(マリア)と同じ名前だ。『マリー』ゴールド」
 なんか嬉しいと顔を上げて微笑むウィズィに、無表情なエクスマリアは髪をパタパタさせていたようだ。

 ひらりひらりと待ってくる蝶達。
 すでにウィズィが事前に導き出していた答えを、エクスマリアが確認する。
「ポリュビオス暗号、なるもの、らしいな」
 導き出されるのは、WHITE……白い蝶。エクスマリアの言葉に、ウィズィも頷く。
 その答えでほぼ確信する2人ではあるが、一応外れた場合も青に定めて。
「理由? マリアと、親友。同じ、瞳の色、だろう?」
 そんなエクスマリアの言葉がウィズィにはこの上なく嬉しい。
 親友は矛、私は盾。最高のコンビネーションをと、ウィズィに気合が入る。
「さあ、Step on it!! 突き進むよ、親友!」
 勝利のルーンを刻むウィズィが名乗りを上げると、ひらひらと2組6色の蝶達が近づいていく。
 ウィズィが引き付けた蝶のうち、エクスマリアは白い蝶を残す為に白以外でなるべく多くの蝶を射程に収め、一旦力を溜めてから一気に収束させた魔砲を発射する。
 上手く4体を貫いた一撃。ただ、それだけでは落ちない耐久力を持つのが面倒な相手。
 蝶達はただ、こちらを排除しようと鱗粉を振りまいてくるのみ。強いて言うなら、あまり感情を感じさせない相手なのが戦い易いと言えるかもしれない。
 ウィズィは防御態勢を高め、できる限り蝶達を引きつけに当たる。
 蝶の攻撃は6匹が一斉に襲ってくると、それだけでも厳しい状況だが、その分エクスマリアも一気に排除を進める。
(羽虫には、些か大仰な術式だが、容赦も、遠慮も、しない)
 エクスマリアはさらに、魔力による砲撃を続けていく。
 溜めるタイミングがもどかしいが、その分多くを撃ち抜くことができるのは強みだ。
 黒、黄を早々と落としたエクスマリアは角度を変え、さらに蝶を狙って魔力を溜める。
 その間も、ウィズィが威力ある鱗粉に耐えて。
「くっ……」
 引き付け役を行うに当たり、ウィズィもできる限りの準備をしてきた。
 かのじょもまた、自らの必殺技で近づいてくる蝶を切り裂き1体ずつ切り落としていく。
 だが、鱗粉によって徐々に削られていく体力をウィズィは実感し、底力を見せつける。
「見ていてよ、これが……私!」
 とはいえ、長くはもたないのは見ていて明らか。
 エクスマリアが続けて魔砲で数匹落とした後は、視線を合わせた蝶に爆発的に膨れ上がる魔力を浴びせかけてさらに数を減らす。
 苦しそうに息をする相棒の姿を横目に、エクスマリアは淡々と魔力を浴びせて。
「これで……」
 最後の赤い蝶が魔力を浴びて地面へと落ち、消えていったのを受けて。
「おつかれ、相棒」
 エクスマリアの言葉に、深呼吸していたウィズィは気を引き締め直して。
「まだ、終わってないよ」
 白い蝶がどこに導いてくれるのか、確かめねばならない。
 他に敵か罠がいないかを確認しながら、2人は白い蝶を追っていく。 
「折角の、美しい花畑、だ。親友に花冠でも、な」
 移動しながら、エクスマリアはマリーゴールドとサボテンの花をいくつか摘んでいたのだった。


 白い蝶に連れられ、イレギュラーズ達は続々と集まるのは、とある扉の前。
 その度に、扉の近くから見える花畑に花が増えていく。
 集まったメンバー達へとゼフィラが天使の歌で回復を行っていたが、扉の守護者のような情報にないボスの存在はいなかったようだ。
「どうやら、皆無事だったようだな」
 やってきたルウは皆の合流できたことを喜びながらも、この周辺を軽く調べようとする。
 すると、最後にはこんな看板が。
「Congratulations!」
 そして、その看板の傍にはサザンカの花が。どうやら、これだけは皆同じ花に見えたらしい。
 サザンカの花言葉は、「困難に打ち勝つ」。
 一体、誰がこれを植えていったのだろうか。

 皆で扉を開くと、そこには新たなセーブポイントが。
 これで、この回想はクリアーなのだが……、ゼフィラは後ろ髪を引かれるように霧のフロアを振り返って。
「もう少し探索したかったが、仕方ない」
 少し残念がりながらも、このフロアの探索を打ち切った彼女は扉を閉めたのだった。

成否

成功

MVP

ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPは暗号を解いた貴方へ。ある意味で蝶として、チームをゴール地点へと導いた存在と言えるかと思います。
今回はご参加、ありがとうございました!

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