PandoraPartyProject

シナリオ詳細

うぬぼれ★スピリット

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●うぬぼれスピリット
 顔があった。
 男の顔である。
 両眉を左右非対称に上下させ、舌で頬を内側から押すように隆起させる。
 ため息ともうめきともとれる低い声で、小さく『OH』と発音すると、肩まで届くロン毛をどこか乱暴な手ぐしで三度かき上げた。
「あ~~やっぱりな~~???」
 こう語るのはアッソレ山に住まう霊媒師『新田 華麗圏(あらた・かれいけん)』である。
「ッカーーー、わかっちゃう? 俺、イケ霊媒師コンテストでベスト3入ってんの。ッカー、ばれちゃうかー、ッカーーー!」
 憑依させる霊によって顔も体形も変化させることができるという彼の特技によって、今まさに皆様の前に可視化されてしまっているのが今回問題となる山の悪霊、通称『うぬぼれスピリット』である。
 ここまで露骨ではないにしろ、この悪霊は部分憑依した相手をひたすらうぬぼれさせるという厄介な能力を発揮し、主に登山客たちを日夜ウザいめにあわせていた。
 とはいえこれまではアッソレ山内で人をウザがらせていただけのこと。
 おかみも『別にいいかなウザいけど』つってスルーしていたが、昨今この悪霊が周囲の悪霊を感化するという現象が起き始めたことで事態は深刻化を始めたのだった。

 なぜこんなことになったのか、今まさにうぬぼれスピリットに憑依されている霊媒師華麗圏さんに聞いてみよう。
「ッカー! 聞いちゃう? 聞いちゃうそれ? 俺のトークマジでマジだから。ほんと……」
 口を『OH』の形にしたまま一秒虚空を見つめ、スッと視線を戻した。
「惚れるから」
 うざいから。
 じゃなくて。
 華麗圏さん【E:うぬぼれ】はクソウザい身振り手振りで話し始めた。
「ここの悪霊? ぶっちゃけフツーのパンピーだったわけ。
 けどアイツ、『うぬぼれスピリット』が気合い入れてからマジ変わったよね。
 ッカー、マジモンはフツーにしてても影響及ぼしちゃうってゆー? あ~~やっぱりな~~???」
 華麗圏さん【E:うぬぼれ】は広い額をペチンと叩いて、片目をぱちんと瞑った。
「影響力、考えろよな~~~?」

 クソうぜえので解説をまとめよう。
 以前から存在してたこの『うぬぼれスピリット』。
 憑依した人物の人格に影響を及ぼし、一時的にうぬぼれ屋にしてしまうというクソウザい悪霊である。
 これが一体だけならよかったが、昨今何体もの地縛霊に影響を及ぼし、滝の上で世をはかなむ霊は『ッカーー、今から飛び降りようとしてる私、マジ卍ーーー!』とかいいながら長い髪を指でくるくるし始めるし井戸の中で皿を数えてる霊は『一枚足りない? わかる↑↑~~~~~!』とかいって両手の親指&小指を立てて見せるし、最近はこのあたりに集まって道行く人に憑依しまくる芸を覚えたらしくウザさがうなぎ登りになってきたらしい。
 これはもう無視できねえってんでおかみも討伐令を出し、じゃあ丁度良いじゃんってんで大陸からやってきたローレット・イレギュラーズにそのお手並みを拝見する意味もこめて依頼した次第である。
「グウッ!」
 死ぬほどウザさを発揮していた華麗圏さんが胸を押さえてうずくまり、そしてハッと顔をあげた。
「なんということでしょう。私があのようにうぬぼれた振る舞いをするなど……ど、どうか忘れてください」
 もうやだしにたいって言いながら前髪で顔を隠しちいさくなる華麗圏さん。
 このように哀れな被害者をこれ以上出さぬために、いまこそ悪霊退治。let's go 陰陽師!(ここラップ)

GMコメント

■オーダー
・成功条件:うぬぼれスピリッツ(ユニット名)をたおす

 全部で5人組のうぬぼれスピリットたちと戦い、これを撃滅します。
 ただし戦闘中に彼らがPCたちに部分憑依し、【うぬぼれ】状態にしてしまいます。
 これはBSと同じ扱いなのですが地味に【疫病】効果がついているので無条件で発症します。発症?
 こうなった仲間は「ッカーー!」「わかる~~~!」「あ~~やっぱりな~~???」が口癖になりめっちゃうぬぼれたムーブを晒しまくるようになります。逃げられませんし逃がしません。にがさん!

 仲間がクソウザい【うぬぼれ】状態になっているのが見苦しいなら、(っていうか戦闘行為もキャンセルされるので)BS回復スキルがあると便利です。
 BS回復をする際に、どういう風に回復してあげるかをプレイングに書き込むと内容によっては回復確率にボーナスがつきます。ぜひうぬぼれマンを正気に戻すプレイングを書いてあげてね。

■■■アドリブ度(うぬぼれ)■■■
 この依頼に参加したと言うことは……『覚悟』したということ。そうだな?

  • うぬぼれ★スピリット完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年07月04日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

焔宮 鳴(p3p000246)
救世の炎
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
ディバイン・シールド
ヴォルペ(p3p007135)
満月の緋狐
セレマ オード クロウリー(p3p007790)
性別:美少年
一条 夢心地(p3p008344)
殿
エミリア・カーライル(p3p008375)
新たな景色
ヨル・ラ・ハウゼン(p3p008642)
通りすがりの外法使い

リプレイ

●うぬぼれスピリットってなんだよ
『わかる~~~~~!』
『ッカーーーー!』
『マジっべー、マジ!』
『俺テンアゲなんすけど~~?』
『あ~、わかっちゃう~~~?』
『バエ!!!!』
「うるっせーーーーーーーーーーーーーしらねーーーーーーー!!」
 外法の杖をぶんぶん振り回す『通りすがりの外法使い』ヨル・ラ・ハウゼン(p3p008642)。
「なんナノ? なんで今日に限ってこんな霊魂アクティブなの!?」
 普段は道とか聞いてもぷいってしたり黙りこくったりで情報収集の役にたってくんないケースもざらな彼らが、今日に限ってグイグイ来た。
 話しかけてもいないのに向こうから肩ポンしてくるくらいのウザさである。
「あーもう、ウザくて堪らん。周りの霊にもロクでもない影響しか与えてないし、さっさとお片付け! みんなでやっちゃうヨ」
「え、う、うん、よくはわかんないけど人の迷惑になっていることには変わりないの! 迅速に対処いたしましょう! まぁ~~~? とても魅力溢れる体を持つ私にはこの程度余裕ですが~???」
 会話の後半でいきなり腰と頭に手を当ててくねってする『救世の炎』焔宮 鳴(p3p000246)。
「受けてる受けてる、影響受けてる」
「ハッ! しまった!?」
 ヨルに数珠かなんかでぺちぺちされる鳴。鳴の肩の上から頬を内側から舌で押しながらイキり顔する悪霊がスゥって抜けていく。
「もう始まってるんっすかうぬぼれスピリットの憑依。倒すのは五体でよかったんじゃ?」
 『鋼鉄の冒険者』エミリア・カーライル(p3p008375)は手首の機械パーツをくいくいっとしながら周囲を見回した。
「今のは低級霊だネ。上位の霊に影響されるくらい意思の弱い存在だから、核になってる五体を倒せば収まるってスンポウ」
「なるほど~~~~」
 エミリアは額をぺちーんって叩いてからてへぺろ顔をした。
「マジ理解~!」
「影響うけてる!」

「俺知ってるぞ。あの手のパリピ系はウェーイだけで会話できるんだ。手話するゴリラより語彙力がないんだぜ」
 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)は『悪霊退散!』て言いながらその辺の低級霊に塩をふっていた。
 清めの塩とかじゃなくて普通にタハカの塩(海洋王国南部の島。塩田が有名)だったけど悪霊は『ウェーイ』とかいいながら消えていった。本当に雰囲気で生きているらしい。
「全く、誰でも急にうぬぼれ始めるたぁ迷惑な悪霊だぜ。人間、いつでも身の丈で生きるのがイイってのによ。……なあ?」
 何気なく振り返るゴリョウ。
 ビキパン一丁の『満月の緋狐』ヴォルペ(p3p007135)。
 乳首についた『伊達男』って書かれた星型シール。
 岩に腰掛け、足を組み、前髪をふぁっさぁってかき上げた。
「今回の幽霊、あんまり怖くないんだよね。やっぱテンションって大事だよね。最初から合わせてテンション上げちゃうー?」
 ウェーイって言いながら乳首のシールを勢いよく剥がすヴォルペ。
 その横で『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)が岩に片足のっけてその膝から顎にかけてロダン的な顎肘をついていた。
 別名埠頭ポーズ。
「ハッ、しょうもねえ亡霊どもだぜ。
 サクッとぶちのめして、あの世にお帰りいただこうかい!
 この……最強のおれさまがなァ!」
 全開のどや顔で振り返るグドルフ。
 ゴリョウは鼻をフゴッて鳴らして沈黙した。
 と、そこへ漂ってくる花びらとあとなんか薔薇みたいな香り。
「人間の傲慢さに強く作用する悪霊……。
 ボク達の国にもゴーストと呼ばれる存在はいるが
 憑依対象の精神を害さずに、その振舞いのみに強く影響すると言うのはあまり聞かない話だ。
 だが安心して欲しい」
 自前の登場用BGMをうしろで流しながら、ありもしない風に髪をなびかせピンク色の背景の前でいちどなめ撮りされる『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)がいた。
「ボクはこの世で最も美しい美少年であり、誰よりも慎ましく謙虚な美少年だ。
 いかに悪霊と言えども、ボクのような慢心虚栄心の欠片もない。
 例えるなら曇りひとつない至上の価値を孕んだダイヤモンドのような魂を持つ美少年であるこのボクを……。
 果たして【うぬぼれ】させることなんてできるだろうか?」
 ここまで喋ってから流し目でカメラ目線へシフト。
「いや、ない(反語)」
 ゴリョウはもっかいフゴッて鼻を鳴らして沈黙した。
「頼もしいのかなんなのかわかんねえが、仲間は多いにこしたこたぁ――」
 そして改めて振り返ると。
 バレエスタイル(腰からはえたスワンの首)でY字ポーズをとる『殿』一条 夢心地(p3p008344)がいた。
 水着コンテスト用の衣装かな?
「なーーーーーにがうぬぼれスピリッツじゃ!
 そもそもこの程度の低俗な霊に憑かれるのは、弛んでおる何よりの証拠。
 麿のように常日頃から精神を鍛えておけば、万が一にも【うぬぼれ】になどならぬ」
「その格好で言われてもな」
「なにぃ……? もし、【うぬぼれ】になったら、じゃと?」
 顔を左右非対称に歪め、近づけてくる殿。
「言ってない」
「そんなことは天地が逆さまになっても無ァい!」
 至近距離で叫ぶ殿。
「仮に麿が【うぬぼれ】になぞなったら、なんでもしてやるぞえ。なーっはっはっは! なーーーーーーーーーっは――」

●うぬぼれイレギュラーズ
 顔があった。
 白塗りの顔である。
 両眉を左右非対称に上下させ、舌で頬を内側から押すように隆起させる。
 ため息ともうめきともとれる低い声で、小さく『OH』と発音すると、ちょんまげをどこか乱暴な手ぐしで三度かき上げた。
「麿ォ、若い頃モテたのじゃ。あっ、わかる~? もう女子アナとかとっかえひっかえで~」
「「オラァ!!!!」」
 男性陣の集団ドロップキックが炸裂し、殿は『あぁ~!』と言いながら何故か斜めになった階段を転げ落ちていった。
 鳴がそっと彼を担ぎ上げ、巨大ルーレットへと貼り付ける。
 謎のBGMが鳴り響く中、殿はひたすら回転させられた。
「即落ちだったね」
「二コマ漫画みたいだったね」
「さっ、皆! 気を取り直して戦いましょう!」
 鳴は岩の上でセクシーポーズをキメると、突き立てた槍でポールダンスみてーな動きをとりはじめた。
「ぱーふぇくとできゅーとで強くて美しい私ことアトリエクイーンが今日の思い出も全身図のネタに……ハッ!」
 彼女の後頭部に『除霊』って書かれたハリセンを叩きつけるヴォルペ。
「味方はもう殆どがやられてる」
 一度ジャケット着直す。
「みんな気をしっかり持つんだ」
 そして上着のファスナーを上から下にゆっくり下ろす。
「うぬぼれに負けてはだめだぞ」
 右乳首をゆーっくりチラ見せしてから。
「任された仕事はキッチリ守るのがローレットだからね」
 今度はジーパンの淵に親指をかけてスゥーって下ろしていった。
 謎の光が二本ほど差してヴォルペの両乳首と腰の辺りを覆っていく。
「うぬぼれにだけは気をつけようね! うぬぼれだ・け・に・はっ☆」
 パチーンとウィンクしたところで鳴とエミリアのダブルパンチが炸裂。
 ヴォルペはさっきの平らな階段をウワーって言いながら転げ落ちていった。
「まだ一行もバトってないのにもう仲間がうぬぼれスピリットにやられてるっす! このままじゃ戦いにならないっす! センパイ! 山賊センパイ! あんな悪霊ちゃっちゃとやっつけちゃってくださいよ!」
「任せな!」
 グドルフは『フェッ!』て鳴き声(?)をあげてどや顔スマイルを作ると、『ぐっち』て書かれた腕時計をトントンしはじめた。
「ッカー! それにしてもねみーわー! 昨日一時間しか寝てねーわー」
 徐々に中央に寄っていくグドルフの顔(スタンプ化お待ちしております)。
「見ろよこれ、ッカー! いやなんかもう今まで生きてきて一度も寝てねェ気がしてきた。あ? 俺は最近いつちゃんと寝たんだったか……深く寝るのをやめちまったから忘れちまったぜェ」
 顔が中央に寄りすぎたグドルフ。ゴリョウが気まずそうに顔をそらすと、そらした先にサッて回り込んでから壁に手をついて髪をかき上げて見せた。
「あ? 俺様寝てねェイメージある? それどこ情報? どこ情報だよ~~~?」
「ウゼえ!!!!!!!!!!」
 ついつい至近距離で発射してしまう銃旋棍『咸燒白面』。
 グワーって言いながら斜め階段を転げ落ちていくグドルフ。
「オメェさんら、一旦落ち着け! 悪霊にいいようにされてちゃハナシが進まねえぞ!」
 ゴリョウはガントンファーをぐるっと回して強打撃モードにすると、悪霊へと身構えた。
「ここは俺が守らなきゃあならねえ。戦闘シナリオという体裁を守らねえと。リプレイが半分を切ったのにまだ一行もバトルしてねえのに……!」
 グッと目を瞑り、そしてキラキラとした目でもういっかい身構える。
「そう、守って見せる。可愛い彼女も繁盛してる店も。カムイグラ相手にむくむく対抗心が湧いてきた米も。あっ彼女っていえば俺~、この前温泉に行ってェ~」
 振り返って前髪(?)をふぁさあってかき上げるゴリョウ。
「美少年パンチ」
 セレマの薔薇の香りがするパンチがゴリョウの顔面にいった。
 ブファッって叫びながらさっきの階段をアレしていくゴリョウ。
「苦戦してるようだね。
 けれどいかに相手が異国のシャーマンを圧倒する力をもち
 それが5体いたとしてもだ。
 このボクに負ける道理があろうか?」
 一度顔をアップにして、振り返る。
「いや、ない(反語)」
 もっかい引きの絵でワイシャツのボタンをひとつずつ外しながら無駄にのけぞる姿勢をとるセレマ。
「だって美少年だぞ? ボクは美少年だぞ?
 ひとたびを合わせて微笑めば尊さで昇天仕掛けるほどだぞ?
 悪霊が美少年の素晴らしさに適うだろうか?」
 のけぞり姿勢でアップ。
「いや、かなわない(反語)」
「ウッゼエ!!!!!」
 ヨルが美少年にパンチを繰り出す……が、美少年はさっきの姿勢を維持していた。
「僕になにかした?」
「手強い!?」
 ヨルは数歩後じさりしたあと、エミリアと顔を見合わせた。
「ヨル! ここは『塩対応』っすよ!」
「ホウ……?」
「大体こういう人は塩対応されるとスンッてなるものっす!」
「ナルホドたしかに」
 ヨルは頷きながら懐に手を入れ。
「ソルトスプラッシュ!!」
 セレマの顔面に塩をまいた。
「塩対応ってそういうのじゃ――」
「グワーーーー目がーーーーーー!」
「効いてる!?」
 メガーって言いながら階段を美少年転がりしていくセレマ。
 ヨルは汗を拭い、はあはあと荒い息を整えた。
「サスガは新天地だネ。歴戦のベテランイレギュラーズが悉くやられていくヨ。っていうかさっきから皆が転げ落ちていくこの階段本当になんなの?」
 わかる? って言いながら振り返るヨル。
「…………」
 全身を機械パーツで覆ったエミリアが、全身のあちこちと髪を16万色にぴかぴかさせていた。顔を覆った球面状のシールドに、声に応じた波線がほわんほわんする。
「あっ、わかるっすか~~~? ゲーミングエミリアに今度改名しちゃおっな~~~~! ッカーーー!」
 ヨルは、そっと懐の塩袋に手を突っ込んだ。

●これが戦闘する依頼だってことを裁判で主張するためのシーン
 階段の下で団子状になっていた仲間達のうち、エミリアがガバッて起きてフェイスシールドをオープンした。
「ハッ、自分は一体なにを!?」
「目覚めたかパダワンよ」
「エミリアっす!」
 なぜだか滅茶苦茶疲れたっぽいヨルに手を引かれて立ち上がると、そこではうぬぼれスピリッツ(ユニット名)がUSAダンスをしていた。靴のかかとなくなっちゃうんじゃないかってくらいあの動きをしていた。
「あっ、わかる~~? 俺っち、バエちゃうからな~~~!」
 後頭部をなでながらてへぺろする悪霊。
 その様子を三秒見つめたエミリアはフェイスシールドをもっかいシャコンって閉じた。
 手首まわりのリングが回転するように発光運動をし、その辺に置いてあった巨大剣を掴み上げる。
「さぁて、俺もそろそろ働かねェとな」
 ゴリョウものっそりと起き上がり、軽鎧の胸についているボタンを拳で叩いた。
 すると複雑にガシャガシャ展開した鎧が全身を包み、ブゥンと推進エンジンが軽く魔力噴射を起こした。
 フルアーマーモードになった二人が同時に飛び出し、さっきテヘペロしてた悪霊にダブルスマッシュ。
「よし、流れが来てるヨ! 二人とも起きて!」
 ヨルが清水(?)をボトルでふりかけると鳴と夢心地が目を覚ました。
「ハッ、ここは一体!」
「麿はなぜルーレットに貼り付けられておるのじゃ?」
 ふと見ると、岩に片手をついて斜め上を見る悪霊がいた。顔のパーツがやたら中央に寄っていき、『俺、ジョニデに激似なんですけど聞きたいことあります?』とか言い出した。
「えいっ」
 鳴は殿のちょんまげに火をつけると、その辺の大砲に突っ込んでから発射した。
「え、あ? あっ、ぬぉぉぉおおおおりゃあぁああああーーーーーっ! 悪霊退散!!」
 きをつけの姿勢で殿ミサイルと化した夢心地は悪霊を突き破って破壊。
 ついでにどこからともなく落ちてきたタライを召喚してトドメをさした。
「ハッ!」
「これはっ!」
「チャンスだね」
 カカカッとグドルフ、ヴォルペ、美少年の目線カットインが入り、三人が一斉に残る悪霊たちへ殺到。
 でかい雲をつくってボコボコにした後、飛び出した三人は今考え得る最高にカッコイイポーズで停止した。
 グワーといって爆発四散する悪霊立ち。
 グドルフは前髪をふぁさぁってかき上げると歯を見せて笑った。
「ちっ。まさかこのおれさまが、あんなクソみてェな事を自慢しちまうとはな。
 いっそもっとドデカイ事を自慢しろって話だぜ。
 だがまあ、ビッグマウスも時にゃあ必要だ。
 謙虚で消極的な事しか言わねえ奴には仕事なんざ回ってこねえしな。
 自己肯定も必要だぜ。おれさまの謙虚さを見習いやがれってんだ。ゲハハハ!」
 同じく前髪をふぁさぁってやるヴォルペ(ビキパン一丁で両乳首に『ヴォーノ』て書かれた星型シール)。
「そう、自分を貫いてこその生き様……だよね!」
 またまた同じく前髪をふぁさぁってやる美少年セレマ(ビキパン一丁で両乳首に『耽美』って書かれた星型シール)。
「これにて一件落着、かな。また美少年の美しさが世界を救ってしまったようだね」
 ひたすら画面を占有する三人。
 ヨルは三秒だまったあと、そっと懐に手を入れた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 くぅ~疲れましたw これにて完結です!(令和最高のドヤ顔)

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