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シナリオ詳細

魔法少女!フラン☆スパン

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●魔法少女、それは夢と希望を詰め込んだ存在。
 ふんわり可愛いレースにリボン。
 風に舞うサラサラの髪。
 ピンクの唇は薄めだけど形が良くて、ぱっちりとした瞳は長い睫毛に覆われている。
 その横にはふわふわした羽の生えたウサギのような存在。
 月明りに照らされたその人影を見た少女は、憧れの魔法少女だと胸をときめかせた。

 が。
「おいアンジェ……」
「なぁに? ランス」
「いつになったら次の魔法少女探しに行くんだよ……!」
 昼の光の下、ウサギを肩に乗せた少年――もう青年に近いかもしれない。が不機嫌そうに呟いた。
「ランス以上の逸材が見つかったからな?」
 肩にしがみついてふんす。と鼻を鳴らす姿は可愛らしい。
 だがランスの機嫌は悪くなるばかり。
「あ、ランス! 怪人が現れたよ! 変身しなきゃ!」
「却下!」
「ダメー! この町の平和はランスにかかってるんだよ!?」
「だったら20手前の男に魔法少女させるな!」
 そう、この口の悪い青年ランスが、今この町で話題になっている魔法少女!フラン☆スパンなのだ!
「ほら、早くしないと!」
 お供でマスコットで無理矢理ランスを魔法少女にしたアンジュがもこもこの毛の中からフランスパン型のブローチを取り出し押した。その瞬間、ランスは強制的に変身シーンに入った(正味1秒)
 勿論先ほどまでの青年の姿ではない。可愛い十代前半の少女姿だ。
 色々業が深いな……。
「知らねぇ」
 だがランスは行く気がない。このままでは町が怪人にめちゃくちゃにされてしまう!
「わ、分かった! 新しい魔法少女探すから、今回だけでも戦って!」
 焦ったアンジュの言葉にランスの目が光る。
「その言葉、本当だな……?」
「う、うん!」
「なら今回だけ戦ってやる」
 そう言って立ち上がったランスだが、いつの間にか怪人が3体に増えていた。
「……うん、一人じゃ無理」
 さっくり諦めて再び座るランスに焦るアンジュ。
「誰か助けてー!!」
 色んな意味で悲痛なアンジュの悲鳴が響くのだった。

●魔法少女お助け隊!
「魔法少女が敵に負けるのはダメだよね。みんなで助けに行こう!」
 それが成人手前の青年であっても魔法少女は魔法少女。
 フェリーチェもノリノリだ。
「普段一体ずつ相手をしてる怪人が、今回3体も現れたの。このままじゃ魔法少女が負けちゃうから、みんなで手伝ってあげて!」
 魔法少女の名前はフラン☆スパン。
 普段は美味しいパン屋さんでお手伝いをしている元気な女の子(設定)だ!

NMコメント

 男だって魔法少女になれるんだよ!
 というわけで、成人一歩手前の男性魔法少女を手伝ってあげてください。
 戦闘だけど、コミカルだから大丈夫!!

●目的
・怪人を倒す。
 魔法少女物のお約束、怪人の浄化はフラン☆スパンがするから、みんなは怪人を倒してね!

●怪人
・動きをゆっくりにさせるトケーイ。
 時間に追われる人の苛立ちから怪人になった時計。
 ゆっくりビームを浴びると動きが鈍くなるよ!
・悲しみ抱えたヤブラレター。
 告白するつもりで書いたのに、その場で捨てられた悲しい手紙。
 その悲しみで辺りに投げつけるペーパーカッターはよく切れる!
・なんでお前が……! ショックパン。
 パンと言えば食パンがまず上がるはずなのに何でフランスパンなんだよ!
 パンの怒りや熱くて火傷するぜ!

●魔法少女
・フラン☆スパン(ランス)
 パン屋でアルバイトをする青年。
 アンジュに半ば騙され、無理矢理魔法少女にさせられた。
 基本的にやる気がない。
・アンジュ
 ふわふわ可愛いマスコット。
 ランスに一目ぼれして勝手に魔法少女の契約を結んだ。
 戦闘においては役に立たない。

●その他
・とりあえず魔法少女の世界を楽しんで貰えたら大丈夫です!
・後日噂になるけど気にしないでね!

  • 魔法少女!フラン☆スパン完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月29日 23時00分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

アルペストゥス(p3p000029)
煌雷竜
零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)
白き寓話
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女

リプレイ

●新OP
 腕時計を巨大化させてベルト部分にスーツを着せて、コミカルな顔と手足を付けた怪人トケーイの顔からぽわわわーん! と謎のビームが放たれる。それにあたった瞬間、急いで逃げようとしていた人たちの動きが鈍り、歩いて居る人より遅いゆっくりとした動きになった。
 そんな彼らだが、その表情は必死だ。何故なら憤怒の表情をした可愛らしい手紙(もちろんコミカルな顔と手足付きだ)が鋭い紙でビルを破壊しているからだ。
 怪人の紙はよく切れるのか、コンクリートがスパスパと切れているが、どんなに細かくなっても当たれば危険だ。
「さぁ出てこい魔法少女フラン☆スパン! 同じパンとして、どちらが上か決闘だパン!」
 破壊される街並みを見ながら高笑いを浮かべる食パン怪人を見ながら、『出張パン屋さん』上谷・零(p3p000277)が後ろを見た。
「なんか……指名されてるけど……?」
「知らねぇ」
 仕事に疲れたサラリーマンのような姿をした少女。
 彼女こそがこの町を守る魔法少女なのだが、実際は二十歳前の青年のためやる気は0だ。
 そんな青年――ランスに妙な親近感を抱いている零は、あった時に
「お前が……フラン☆スパン……。そうか、お前が……。
 いやすまない。なんというか、果てしなく他人な気がしないだけだ。魔法少女にはなりたくないが」
 なんていってランスに怪訝そうに見られていたりする。
「いや、俺もフランスパンには縁があるんだ。後は名前かな。多分名前と年齢が原因なんだろうな、うん。きっとそうだ」
 なんとなく通じ合った二人の後ろで、『煌雷竜』アルペストゥス(p3p000029)はアンジュ追いかけて遊んでいた。
「ちょっと! なんで追いかけてくるの!?」
「……? グルルル……? ……グル」
 必死で逃げるアンジュは想像もしていないだろう。楽しそうなアルペストゥスが
――不思議なにおいのする毛玉だ。食べていい?
 なんて考えているなんて。
 アルペストゥスは中世ファンタジー風な世界で生まれ育った。そんな世界には存在しえないマジカルでキュアキュアな毛玉に興味津々だ。
「あら、面白い世界ね……」
 それを見ながらおっとりと微笑む『儚花姫』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)は、ある意味混沌並みに何でもありなこの世界に首を傾げつつも受け入れようとしている。
「魔法少女。少女……? 男の子……??
 ううん……まぁ、きっとそう言うこともあるのよね!」
 男が魔法少女になる点は理解するのを放り投げたようだが。
「で、とりあえず怪人さんを倒せばいいのよね。
 向こうも多勢に無勢のオイタなのだもの、こちらが同じことをしても文句を言っちゃだめよ?」
「確かに怪人ってこっちが多勢だと文句言ってきそうね。でも今回は文句言う暇もなく倒しちゃえば良いのよ」
 不敵に笑う『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)の言葉に、アルペストゥスがそろそろ戦うのかとばかりにランスの後ろに移動する。
 ピカリと神気閃光が輝き、ランスの――いや、魔法少女フラン☆スパンの背景として一級品の威圧感を醸し出す。
 新OPかな?
「なんだター!?」
 突然に光に目だけでなく普通にダメージを負いながら驚く怪人たち。
「グルル……」
「とりあえず怪人さんたちは覚悟してくださいね」
 威圧感のあるアルペストゥスの声に混じって、ヴァイスのおっとりとした声が聞こえる。
 いつもと違う流れに怪人たちは困惑を隠せない!
「誰だケーイ!」
「ただの通りすがりよ!」
 堂々としたメリーの言葉に虚を突かれる怪人たち。
 さぁ、本編の始まりだ!

●ヤブラレター
「そこのアンタに言いたいことがあるわ!」
 びし! と指を突き付けられたのはヤブラレター。
「なんだター!」
 突然のご指名にびっくりしながらもメリーを見たヤブラレターに、メリーは不敵に笑う。
「あなた、その場で捨てられた悲しいラブレターらしいわね?」
「な、なぜそれを知っター!?」
「情報源は秘密よ。それより、その場で捨てられるならまだマシじゃない?
 あなたを書いたのが男か女かは知らないけど、わたしが気の無い男からラブレター貰ったら、クラスで回し読みしてみんなで笑いものにするわよ。それをされなかっただけでも幸せだと思いなさい」
 可愛らしい少女からの辛辣な言葉に、ヤブラレターは硬直する。
 捨てられたのがマシ?
 回し読みして笑い物にするってマジ?
 人が一生懸命考えて書いたラブレターを笑い物にすると言われて、ヤブラレターはその残酷さに倒れた。
「その場で捨てられたのは、優しさだったのター……」
「まぁ、まだマシっていうだけで優しさかどうかは分からないけどね。
 とりあえず言いたいことは言ったし、マジックフラワーで灰になってもらいましょうか」
 笑顔で火球を浮かべるメリー。
 その後ヤブラレターは完全燃焼して真っ白に燃え尽きたのだった。

●トケーイ
 ヴァイスはトケーイの前に立っていた。
「皆はご執心の人がいるようなの。だからあなたの相手は私がさせて貰うわ。……なぜ、マスコットさんが追いかけられているのかはわからないけれど」
 首を傾げるヴァイスにつられて、トケーイも追いかけっこをするアンジュとアルペストゥスを見た。
 アルペストゥスは戦闘はあまり興味がわかないのか、それとも珍しい毛玉が気になるのか、アンジュを追っかけ、時にくわえて振り回している。
「なんだか楽しそうですね」
 アルペストゥスから逃げるアンジュが、ゆっくりビームを浴びてここぞとばかりにアルペストゥスから前足でつまんだり転がしたりしているが、はたから見れば微笑ましい。
「怪我はなさそうだし、気にしない方がいいわよね!」
 じゃれているだけで(多分)怪我はないしきっと大丈夫!
「……ねぇ、なんでそんなに怒っているの?」
 ゆっくりビームを避けながらヴァイスが問うと、トケーイは目を吊り上げる。
「一分遅刻しただけで説教とかおかしいケーイ! 説教してる側は20分も遅刻してるケーイ!」
「確かに、それは怒りたくもなるわね」
 遅刻して怒られるのは仕方ないが、説教する側がもっと遅刻しているのは納得出来ない気持ちはわかる。
「その怒りは本人にぶつけるべきよ。周りに当たるのは格好悪いわ。それにそのことをずっと抱えて怒っていてもしょうがないでしょう? 許してあげましょう? えいっ!」
 ヴァイスの声に合わせて鮮やかな赤いバラが咲く。そして薔薇から生えた蔓に囚われ、トケーイの秒針は動かなくなるのだった。

●ショックパン
「何故貴様もフランスパン推しだパン!!」
「……え、なんでフランスパンかって? 俺が! ききてぇよ!!」
 怒りで熱々焼き立てを押し付けてこようとするショックパンにフランスパンを投げつけているのは零だ。
 彼はフランスパンを生み出すギフトの持ち主。
 ランスに親近感を抱き、ショックパンと敵対するのは自然な流れだったのかもしれない。
「なんで食パンじゃねぇんだろうなぁ! 多分俺は偶然としか言えねぇけど!」
 熱さをものともせず、渾身の力を込めてフランスパンを投げつける零。
 オーブンの近くは熱いし、パンを取り出すとき火傷は日常茶飯事だもんな……。
「パン屋の苦労には感謝しかねぇけど、今は細かい事は良いんだよてめぇ!!」
「ぐふぅ!!!」
 熱い思いの籠った零のフランスパンを食べ、ショックパンは倒れた。
 怪人が倒れ静かになった町は、焼き立てのパン特有の匂いが広がり逃げ遅れた人達のお腹を空かせるのだった。

●魔法少女 フラン☆スパン
「グルルル……」
 もふもふぺしぺしぐるぐる。
 わーきゃー騒ぐアンジュで遊んでいたアルペストゥスが顔を上げると、やる気のないフラン☆スパンが怪人たちに向かってステッキを振り上げていた。
「美味しい笑顔で皆しあわせになーれ。ハッピーブレッドー」
 凄い棒読みだ! やる気を一切感じさせないぞ!
 だけどステッキから放たれたビームは怪人たちを浄化し、本来の姿――心の闇に付け込まれる前の一般市民の姿に戻った。
 逃げ遅れた人たちの注意が元怪人たちに行っている間に現場から離れたフラン☆スパンは、ランスの姿に戻り、一行に店のパンを振舞っていた。
「パン屋なんだ……」
 零の親近感が5上がった!

「ねぇ、わたしは元の世界に居た時から魔法を使えたの。今ほどには強くなかったけど、相手の油断がったおかげで構成員数一桁の小さな暴力団を潰すぐらいは簡単なことだったわ。
 それで思ったのが、なんでアニメの魔法少女はわざわざ目立つ衣装を着て、名乗りを上げてから戦うことが多いのかってこと。普通の恰好して民衆に紛れて不意打ちした方が有利じゃない?」
 ボロボロになったアンジュをアルペストゥスから受け取ったメリーが聞くと、アンジュは以外とシビアな回答を口にした。
「そのままの姿で魔法を使ったところを見られたら、何かあったら責任を負うのはこっちよ? その点変身して子供たちの心を掴んでおけば、何かあっても責任は怪人のほうに回るからよ!」
「マジか……」
 同じく変身しないでパワーだけ、と思っていた零もその解答にショックを受けている。
「保護結界が欲しくなるわね」
 苦笑するヴァイスの言葉に頷く零だった。

「とりあえずさ……立ち上がれフランスパン! ……あれ、このニュアンス違う?」
 じろりとランスにねめつけられた零が頬を掻く。
「男じゃ魔法少女でモチベーションが上がらないのも大いにあるだろうけど、頑張れよ……」
「いや、もう他の奴に頑張ってもらうから」
 すぱっと即答したランスに対してアンジュが「ランス以外いない!」と叫んでいるが、気にせずアルペストゥスが三人に背中に乗るように促す。
 珍しいおもちゃでいっぱい遊んで満足したアルペストゥスが宙を舞う姿は幻想的だった。



 魔法少女 フラン☆スパン 完……?

成否

成功

状態異常

なし

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