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シナリオ詳細

囚われの女神官 ~悪逆のオーク軍団~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●女騎士に迫る危機
「ブフフフ、かかりやがったブ!」

 下卑た笑いを浮かべる、オークども。
 彼らが取り囲むのは、白い装束をまとった神官たちである。
 廃墟同然となった古城に、信仰を広めようと布教活動を行なう天義の神官団を捕らえたのだ。
 怯える神官たちを、オークたちはなぶるように顔を近づける。

「どんなに祈ったって、お前らが崇める神様ってのは救ってくれないようだブ!」

 豚鼻を鳴らしながら、虜囚とした女神官を相手に勝ち誇った。
 しかし、女神官は屈することはなかった。
 不安、恐れ、怯え……。
 それらが払拭されたわけではない。
 しかし、神の救いを信じる信仰と強い意志が彼女を支えている。
 たとえ、その身をほしいままにされようとも、神の籠を信じて殉じる覚悟があった。
 しかし……。
 いや、だからこそ、オークたちにとっては格別な得物だと言えよう。

「ブーッフッフッフッ!! その顔その顔!! たまらんブ! いつか自分から屈して許しを請うようになると思うとなぁ」

 ああ、なんということか。
 オークたちはその清く美しい希望にすがる心を踏みにじってしまおうというのだ。
 悪逆と言われる由縁は、ここにあった。

「どれほど強がとうと、ブルってるのは丸わかりなんだブ。泣いて神にすがっても助けてもらえない絶望を知るといいんだブ」
「さっそく拷問、拷問だブ! 清純な女神官が、拷問で惨めな姿になるのは昂ぶるんだブ!」

 群がったオークどもは、怯える女神官を精神的に追い詰めていく。

(神様、どうか……)

 負けるものかと一心に祈る女神官の運命やいかに。

●女騎士たちを救え!
「大変なのです! またオークたちがやらかしました」

 ギルド・ローレットでは、『新米情報屋』ユーリカ・ユリカ(p3n000003)が慌てふためいていた。
 新しい依頼が舞い込んだらしい。

「オークたちが、天義の宣教団を根城にしている古城に拉致しちゃったのです」

 オークたちは旺盛である――。
 女騎士や冒険者にやられようが、決してその習性を変えようとしない。
 もともと、道理を弁えるほどの知性を有しているような種族ではないのだ。

「オークは20匹ほどいるが……新入りでもベテランがついているなら、なんとかなるだろう」

 『黒猫の』ショウ(p3n000005)が敵の戦力を分析して述べた。

「古城の城壁は、もう用はなしちゃいないが、ふたつある見張り塔にはそれぞれ2匹ずついるようだ。どっちにもクロスボウがあるようだが、そいつに気をつければ奇襲もできるだろう」

 そういって、ショウはその古城の見取り図を広げてみせた。
 続いて、その地下牢を指差す。

「女神官と宣教団が捕まっているのは、ここだ。オークたちは拷問にかけるつもりだろう。彼女たちを助け出す方法としては、あえてオークの捕虜になる方もあるが、しっかり作戦を練らないと一緒にひでえ目に遭わされるかもしれないな」

 つまり、変装などの何らかの方法であえて捕まり、女騎士と接触するという方法だ。
 これがうまくいくかは、変装術だけではなく、演技力や交渉術などの技量が必要であろう。もちろん、武器をうまく隠す技術や、縄抜け、鍵開けなども必要だ。

「まあ、わざわざそんな事しなくとも、力攻めや隠密作戦って手もある。どちらにせよ、うまくやらないと向こうには人質がいる状態だってことを忘れないでくれよ?」

 ショウが念を押すように言った。
 知性は劣るといわれるオークたちだが、捕らえた神官たちを人質にするくらいの知性はある。

「それじゃあ、女神官さんたちを助けてあげてほしいのです」

GMコメント

■このシナリオについて
 皆様こんちは、解谷アキラです。
 やはり、オークから囚われの身の誰を救出する依頼は需要があると思うのです。
 今回は、女神官を助けてあげてください。

・古城について
 人里離れたところにある城で、長らく放置されて堀も干上がり、城壁も崩壊していますが、地下牢や見張り塔などがあります。
 見張り塔はふたつあり、それぞれ2匹のオークがクロスボウを持って警戒しています。

・オークについて
 20匹の群れです。ほとんどが白兵武器を装備しています。
 城に立てこもっているので、真正面から攻めるとオーク側に有利です。
 攻略の方法は、内部への潜入などが考えられますが、どうやって侵入するかは上記でショウが言った方法など、さまざまあると思います。
 役割分担など、いろいろ相談しておくことをお奨めします。

・女神官
 まだ若く美しい純粋な女神官です。
 宣教団は彼女を含め5人、全員女性です。

・その他
 初心者も歓迎しております。
 レベルの上限は設けていませんが、高レベルの方には初心者のサポートを推奨しております。もちろん、戦闘で率先しての活躍も期待しております。
 なので、まだレベルが低い方も安心して入ってきてください。
 初心者サポートについてはGMからお願いですが。サポートする何らかのプレイングがあると、有利なボーナスがあるかもしれません。
 それでは、よろしくお願いします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 囚われの女神官 ~悪逆のオーク軍団~完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年06月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
カイト・C・ロストレイン(p3p007200)
天空の騎士
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人
フレイ・イング・ラーセン(p3p007598)
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
ヴィクター・クロロック(p3p008362)
半端者
トモエ・アストラルノヴァ(p3p008457)
執行者

リプレイ

●美しき獲物たち
「グフフ、今頃は女神官も心が折れたあたりたブな」
「あれだけ気張っていても、怯えていたのは丸わかりなんだブ。希望にすがっているのが、絶望に代わるときの表情とか最高なんだブ!」

 ここはオークが占拠している古城――。
 彼らは天義の宣教団を捉え、ほしいままにしようとしている。
 特に、女神官は彼らにとってたまらぬ獲物であった。
 神を信じ、救いを信じて祈っている。
 臆するまいと気丈に振る舞っているところが、またいい。
 そうした清純かつ純真なものを穢していくといういやらしい喜びに、見張り塔のオークたちも鼻息を荒くしている。
 さっさと見張りの時間を終え、捕虜尋問の役を変わってもらいたい。
 今、オークたちの頭の中にあるのは、そういう欲求であった。

「ぶははは! よう、ご同類! そっちも獲物を捕まえたんだってなあ。俺も混ぜてくれよ」

 見張り塔の下から、豪快な笑い声が上がっている。

「おめえ、なにもんだブ!」
「名を名乗れブ!」

 見張り塔のオークたちが視線を移し、誰何する。

「おめえらと同じ、オークよ」

 見れば、でっぷりと太ったオークが何人か縄で縛って連れ歩いていた。

「ほれ、獲物もあるんだぜ」

 そう言って突き出したのは、3人の女たちであった。

「……くっ、離せ!?」
「乱暴なことはするな!」
「離して! こんな扱い、絶対に許さないから……」

 女たちは、抵抗の素振りを見せる。
 それぞれの悔しがる表情が、特に嗜虐心を掻き立てるのだった。

「おい、なかなかの上玉だブ!!」
「その女ども、どうしたんだブ!」

 2匹のオークたちは、一層鼻息を荒くした。

「ぶははは! あんたたちと同じで捕まえたんだよ。酒も肉もある、宴会に混ぜてくれねえか? こっちも獲物を差し出すからよ」
「うっひょおおおおっ!?」

 その訪問してきたオークが、見せつけるように3人の女性を突き出す。オークたちも色めき立つほどの魅力的な獲物である。

「それに、酒も食い物もな! ほれ、よく見ろ。こっちの褐色なのの乳の張り具合なんかよぉ」
「わ、わったブ! 今、跳ね橋を上げるブ!」

 オークたちは、もう辛坊たまらんというところだ。
 彼らが、このオークが女神官の救出にやってきた『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)であるなど、知る由もない。

「ふはは、うまくいったぜ」

 ゴリョウは、3人に耳打ちする。

「さて、劇団ローレットの演技をご覧あれ……というとこかな」
「潜入はあまり得意ではないが、1人ではない。なんとかなるだろう」
「あのオークたち、処刑しましょう」

 ゴリョウに捕まった美女の役を演じるのは、『暴風バーテンダー』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)、『筋肉最強説』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)、『執行者』トモエ・アストラルノヴァ(p3p008457)の3人であった。
 跳ね橋が上がり、ゴリョウと捕虜が招き入れられる。
 まずは、第一段階成功といったところだろう。

●見守る側
「女性を食い物にするなんて、言語道断。そんな事をする敵はこの天義では人間なんざないと思え」

 囚われの身となった仲間の女性たちが侵入に成功したのを見守りつつも、『六枚羽の騎士』カイト・C・ロストレイン(p3p007200)は、静かな怒りを燃やしていた。
 罪なき女神官を捕らえ、あまつさえ仲間たち相手にいやらしく鼻息荒くするオークたちを必ず除かねばならないと決意を新たにする。

「オークかぁ。ゴリョウを見てると話の通じないやつとは思えなくなるよなぁ」
「良いオークがいれば悪いオークもいるのさナ」
「まぁ、そういうことか。こっちのオークとゴリョウとは厳密には違う種族なのだろうが」
「その辺は仕方ないネ。人も同じもんなんだから細かく考えちゃならんってことさナ」

『Unbreakable』フレイ・イング・ラーセン(p3p007598)と『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)は、ゴリョウたちの成功がうまくいったのを確かめつつ、身を隠して行動の開始に備えた。
潜入がうまくいったら、捕らわれている女神官たち宣教団と接触し、救出の手引きをするはずである。

「ゴリョウは両手どころか全身に花だらけ……。ちぃと羨ましいな」

 軽い冗談を言って、フレイはくつくつと笑った。
 作戦が失敗すれば、仲間も含めて大変な目に遭うが、その心配はいらなかった。
 信頼の裏返しと言ったところである。

「だが、嬢ちゃん方が身を張ってくれたんだ。薄い本展開になんかにさせちゃいけねぇ」

 『半端者』ヴィクター・クロロック(p3p008362)は言う。
 俗に言う“薄い本”のような展開にはさせない。
 ファンタジーでオークが女騎士や女神官をどのような目に合わせるのかは、値段の割にはページ数が少ない本でお馴染みであった。

「しかし、トモエ、モカ、ブレンダ、カイト……美人ばっかりじゃねぇか。おじさんちょっとそれも……いかんいかん」

 思わず、仲間たちのいろいろな姿を想像してしまう。
 いけない、それだけはいけないと頭を振った。

●救出作戦決行!
「あ、あなたたちは……!?」

 牢の中の女神官は、新しく入ってきた3人に同情の視線を向けた。自分と同じく、こののち悲惨な目に遭わされるのかと思うと、いたたまれない。

「あいつら、いやらしい目でじろじろ見たぶんの礼はしてやらないとな」
「そうだね。僕、捕まった振りの演技って言っても、本当に悔しかったもの」

 牢に放り込んだオークたちがその場から去ると、彼女たちはさっそく行動を開始した。
 ゴリョウが脱出しやすいように縛ってくれたとはいえ、オークたちの欲望の視線に晒され、屈服を強いられるというのはトモエもいい気分はしなかったのだ。

「私たちは、あなたたちを助けに来た。他にも仲間たちがいる。いざというときは、此方の指示に従ってほしい」
「は、はい!」

 ブレンダの説得に、女神官たち囚われの宣教団もしたがう。
 現われた希望に、皆が表情を明るくした。

「ここ、取って」
「ええっ……。あっ!」

 モカがその大きな胸を女神官に突き出してみせる。困惑する女神官であったが、その谷間には、脱出に用いるハリガネが仕込んである。

「こりゃまた原始的な鍵だこと」

 縄を切ってもらい、そのハリガネでモカが鍵をカチャカチャとやると、すぐに外れてしまった。

「すごい……」
「まっ、数年前にあの土蔵の鍵を開けた時以来かな」
「貴方たち、運がよいわね。でも、なるべく大人しくしてて頂戴。そのうち合図が出ると思うわ。うふふ、面白い合図がね?」
「合図、ですか?」

 いたずらっぽく微笑むトモエの真意を、女神官はまだ掴みあぐねていた。

●戦いの狼煙
「ブハハハハ! さあさ、食って飲んでくれ!」
「ブヒイィィィィッ!!」

 ゴリョウが大盤振る舞いする料理と酒に、オークたちは豚小屋の豚もかくやと勢いでがっついた。

「肉、うめえブ! 酒、うめえブ!」
「そうだろうそうだろう! どんどん食え」

 オークたちが食い物に群がり、貪っている。なんともあさましい食欲であった。
 ここで十分に食欲を満たし、その次は……というつもりなのであろう。

「いやあ、兄弟。気前がいいだブ! 女も食いもんも酒も持ってくれるとはよう」
「いいってことよ。じゃあ、そろそろ次の料理に移るぜ」
「おお! まだ食えるんだブ! どんどんもってこいなんだブ!」
「期待していてくれ、とっておきのやつを作ってやろう」

 ゴリョウは自前の料理器具で白米を炊く。ご飯に芯を残さないよう炊き上げる愛用品である。
 これにかけるための牛丼のタネも煮込んでいる。
 その火加減を調節すると、炊事の白い湯気が古城からたなびいだ。

「……さっ、頼んだぜ」

 これが合図であった。
 ゴリョウからの開始の湯気を待っていた仲間たちも動き出す。
 ヴィクターが忍び込んだのを確認すると、ジュルナットは大弓を引き絞る。

「……さて、大切なのは『戦場を広く見ること』、『狙うべき相手を見極めて倒すこと』のふたつだネ」

 きりきりと弦が張り詰め、しゅん! と放たれた矢が見張り塔のオークを仕留める。
 もう一方の見張り塔のオークは、忍び寄ったヴィクターがマジックロープで動きを封じ、呪術によって仕留める。

「ふっ、借金取り相手に逃げる俺には造作も無いこと。意地汚い豚ちゃんたちの悪さは此処までにしてもらおうかい」

 などと、余裕を見せて仲間たちに合図を送った。

「はっ――!!」

 翼によって飛行していたカイトが見張り塔に流星のごとく降り注いだ。必殺のヴァルキリーレイブである。
 凄まじい衝撃によって、塔は崩壊する。

「な、なんだブ……!?」
「て、天災か!?」

 それが自分たちへの襲撃であるとは、オークたちは把握できなかった。
 まさに青天の霹靂と言ったところだ。
 飛行していたフレイも空から襲いかかった。
 黒閃雷によって雷を落とし、オークたちの混乱を拡大していった。

「敵か!? 敵なのかブ!?」

 これが襲撃だと気づいたオークたちは、宴会をひっくり返し、ようやく手に武器をとった。
 しかし、彼らの対応は完全に遅かった。

「美味しそうな匂いが合図っていうのはお腹が空いてしまうな……」
「お前たちは!?」

 まるで料理に釣られたかのように、モカが姿を表す。これも手筈通りなのだ。
 捕虜になっていたはずの女たちが、その場に現れたことにより、オークたちはさらに混乱する。

「逃げ出した神官はここにいるぞ!」

 そんなオークたちに、ブレンダは名乗りを上げて囮役を買って出た。

「くそ、逃がすなブ!」
「まだまだ楽しんでないんだブ!」
「ちくしょう、お楽しみ役を逃してなるものかブ!」

 棍棒やメイスを持ったオークたちが、さっそく襲いかかる。
 しかし、彼らは知らなかった――。
 女性を蹂躙しようとする者は、もっとも女性たちから嫌悪と無慈悲な怒りを向けられるということを。

「ふふ、言葉を上げるまもなく惨たらしく殺してあげる」

 トモエが横合いから奇襲し、掌に気功を溜めてオークに突き出す。

「へブっ!?」

 気によってオークの頭が弾け飛ぶ。
 情け容赦のない、トモエの爆彩花であった。

「悪いブタさんは処理してポイサ!」

 見張り塔からも、ジュルナットの追い打ちで矢を入り、確実に仕留めていく。

「理由はさまざまあろうが……おとなしく投降するか、さもなくば、嘆きの谷へ身を投げる前にここで剣の錆となれ!」

 カイトがヴァルキリーレイブで突撃し、オークたちに降伏を迫った。
 しかし、である――。

「お、俺たちは降参なんてしないんだブ!」
「人間なんぞに屈しはしないんだブ!」

 オークたちは徹底抗戦するらしい。
 完全に不意を突かれ、愚弄された形となるのだ。

「だったら、おとなしくしてもらおうかな」
「ぐブッ……!?」

 オークたちの背後からステルス行動で迫ったヴィクターがマジックロープで締め上げていく。

「うまくいったぜ。これで一網打尽だな!」
「貴様、人間どもの仲間だったのかブ……!」

 今更オークたちが気づいても、後の祭りであった。
 ゴリョウが言うように、オークたちは一網打尽に制圧されたのである。

●祝勝の牛丼
「迎えに来たぜマドモアゼル……」
「は、はぁ……」

 戦いが終わり、出てきた女神官をヴィクターが気障ったらしく出迎えた。仰々しい態度に、女神官も面食らっている。

「いやぁ、美人さんがたくさんだ。これはオークでなくても拐いたくなるだろうな」

 3人の仲間たちに救出された宣教団の面々を見て、思わずフレイが不穏なことを言う。

「ほら、マント貸すよ。え、要らない?」

 颯爽と登場して格好つけようとしたヴィクターだったが、ゴリョウが合図に使った牛丼の匂いが皆の食欲を刺激していた。

「ゴリョウさん、オークにだけ料理を食べさせて、私たちには食べさせてくれないのかい?」
「おう、ご苦労! 無事で何よりだぜ」

 モカがゴリョウが作る牛丼の前に並んでいる。

「よかった、僕お腹すいたんだ! ゴリョウくんの美味しそうな香りが頭から離れなくてな」

 フレイもさっそくこれに飛びついた。
 腹が減っては戦はできない。戦の後も腹が減るものである。

「ご苦労だったネ、ゴリョウクン。オークたちの処理はやっておくから打ち上げは任せるヨ」

 そう言って、ジュルナットは古城の清掃を始めた。
 後は灰燼に帰すだけである。
 さいわい、酒と食い物は潜入工作用に結構な寮が用意されている。

「うふふ、未成年なの。ジュースでね? こんな楽しいのは久しぶりでしたわ」
「俺も戴きてぇな。牛丼はいいものだ……」
「おう、じゃんじゃん食ってくれ」

 戦った仲間たちに、牛丼と酒が配られる。

「宣教団の皆も疲労と空腹のご様子だ。料理人ゴリョウの超美味い料理で元気を取り戻してもらおう」
「そいつは誰かあの神官さんに持っていってやってくれ。オークに捕まった後なんだし、俺が近づくのもなんだ」

 ゴリョウは気を使った。解放されたばかりで、向こうもオークは怖いだろうと。
 しかし、女神官はみずから進んでゴリョウに近づいていった。

「あの、わたしにもいただけますでしょうか? お恥ずかしい話ですが……お腹が減ってしまって」

 微笑む女神官からは、不安と恐怖の影は払拭されていたのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)[重傷]
薄明を見る者

あとがき

 女神官の救出、おつかれまでした。
 飯と酒によってオークたちの警備もゆるゆるになり、潜入作戦はあっさり成功した感があります。
 オークたちも退治されたので、この辺で悪さをすることもないでしょう。
 打ち上げの牛丼ですが、このあと宣教団が美味しくいただきました。
 
 では、またどこかでお会いしましょう。

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