シナリオ詳細
そうだ、ローション・ナイトプールに行こう
オープニング
●癒しとはなにか……
唸り声。フィーネ・ルカーノ (p3n000079)はとてつもなく、疲れていた。何故、そんなにも疲れているのかは解らない。ただ、最近、仕事がとても忙しい。R倶楽部での催しや接待、フィーネはそろそろ、癒しを求めていた。
「ああ……疲れた……」
ベッドに俯せになりながら、フィーネは考える。何か……何か、癒しがないとそろそろ、死んでしまう……んー、ならば、動物園や水族館に行くのはどうだろう? 動物や魚、海の生き物に癒されるのもいいと思った。なら、来週にでも……いや、解らない。スケジュールがどんな風になるか解らない。
「……」
フィーネは息を吐く。遠出は出来ない。そもそも、遠出する体力が無かったし、気力も沸かなかった。
「なら、招けばいいわね」
独り言を呟いた。そう、明日にでも、ローション・ナイトプールにイレギュラーズを招待すればいいのだ。へっちは世界を救う。ワクワクしてきた。そうだ、媚薬もこっそり置いてしまえばいい。
「賑やかなことはとてもよいことよ……」
フィーネは笑い、着替えることなく、目を瞑った。
●翌朝
呼び出されたのは、勿論、『ロマンチストな情報屋』サンドリヨン・ブルー(p3n000034)。
「今日はどうしたのですか?」
いつだって、サンドリヨンは穏やかだ。フィーネは思う。彼が怒ったところを一度も見たことがない。
「簡単に言うと、あたくしは疲れたの」
「それはお疲れ様です」
よく見れば、フィーネは疲れた顔をしている。
「ありがとう。だから、あたくし、癒しが欲しくてね」
「パーティーでもするのですか?」
「いいえ、華やかなことはいいの」
「と言うことはグルメですか?」
ワクワクする。今度は餃子パーティーだろうか。
だが、フィーネは首を振る。
「今回はローション・ナイトプールに至急、イレギュラーズを招きたいと思ってね。準備してくれない?」
「え?」
サンドリヨンは首を傾げた。ローション・ナイトプール???? ちょっと解らない。でも、まぁ、いいか。
「そこで、美味しいものは出ますか?」
「そうねぇ……」
「僕は唐揚げが好きなので唐揚げがいいと思うのですがどうですか?」
にっこにこのサンドリヨン。
「唐揚げ……?」
ちょっと解らない。え、唐揚げ? ナイトプールの雰囲気に合う気はしないが。
「はい!」
今日はぐいぐいくるサンドリヨン。
「……解ったわ、用意しましょ」
根負けするフィーネ。イレギュラーズが来てくれたら何でもいい。
サンドリヨンは「わー! ありがとうございます! 集めてきますね!」と笑い、どかどかと走り去っていく。
- そうだ、ローション・ナイトプールに行こう完了
- GM名青砥文佳
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年06月30日 22時16分
- 参加人数37/∞人
- 相談10日
- 参加費50RC
参加者 : 37 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(37人)
リプレイ
●
紫色に染まるプールサイド。聞こえる満足そうな声。 フィーネは微笑む。見れば、誠也が唐揚げを手にプールを眺めている。
「素敵な休日ね」
呟き、フィーネは発売したばかりのミステリを読み耽る。
「ふぁっ~! ほんと、美味しいな、この唐揚げ!」
「ふふ、零くん、とっても嬉しそう」
優しい笑みを浮かべるアニー。
「うん。ナイトプールは奇麗だし、唐揚げも美味しいし……最高だよな」
笑いながら、内心、どきどきの零。胸元の赤いリボン。生足、意識する胸。
「そうだ! こんな時は強炭酸だよな!」
ごくごくと流し込む。だが、それは──
「……ごめ、ごめん、でも……もう、ちょっと……お願い……」
気が付けば、抱き締めていた。
「う、うん……いい、よ……」
聞こえる、互いのハートビート。
(好き……やわこい、可愛い、好き。離したくない、もう好き……!)
無意識に髪をクンクンする零。
(あっ、零くんの息があつい……それに、あったかくて……私、溶けちゃいそう……)
もぞもぞするアニー。
それでも──
このまま、ずっと──
「──ッ!!」
突然、蛙の様に飛ぶ零。
「え?」
「何やってんだ、俺って奴はぁ!!!」
大絶叫し、床にダイブ。
「きゃぁぁぁぁ、零くん! だ、大丈夫!? 頭打った!? わぁん、どうしよう零くん零くん零くん!」
アニーは頭を押さえる零に駆けていく。
「別にローションって所以外は普通のプールでしょう?」
ラクリマはプールに飛び込み、冷たさにびっくりする。
「……はー、ようやく、温まりました」
ぺたぺたとプールサイドを歩く。髪の毛が顔にはりつき、どろどろゾンビのよう。
「飲み物欲しいのですが……うーん、炭酸苦手なのです」
曲がれ右。奇麗に媚薬フラグを破壊し、お腹を鳴らす。
「あ! ……唐揚げくださいな」
背後から、肩ポン。ローションまみれの肩。
「わ! びっくりしちゃいました」
サンドリヨンは微笑み、ラクリマの頭をバスタオルで包み込んだ。
フィナは楽しそうに泳いでいる。
(ぬるぬるひんやりが癖になります! そういえば、この感じ、何かに似て……あ! 昔、大きなワニに食べられた時です。まぁ、こっちの方が上ですけど)
「あ、ドリンクバーです! 喉が渇いていましたし一杯もらいましょう!」
ざばーと上がり、強炭酸を注ぐ。
「何かヘンなにおいがしますけど、飲んでみればわかりますよね! もしこれが毒とかでも、わたし運がいいのできっと大丈夫です! どれどれお味は……ふあぁ、なんれす、これは……」
何だか、へっちな味がする。
ソファに良い女が二人。
「あれ全部ローションですって、全くどうにかしてるわよねえ」
利香がくすくす笑いながら、クーアの肩を抱く。
「……何食べたらプール一杯に潤滑剤詰めるとかいう発想に至るのです?」
クーアはいつものメイド服姿。意地でも腹部を露出したくはない。
「さぁ? あの人の考えることは分からないから」
「せめてもうちょっと燃えやすそうな液体なら」
「燃やしてしまうの?」
「……イヤナンデモナイノデス」
「それはそうと災難だったわねえ、お酒切らしてるなんて」
ヴァージンモヒートを飲むクーアに唐揚げを食べさせ、自らは強炭酸の缶を足元に転がす。
「ほら、私が飲んでも何ともないんだからぐいっといっちゃいなさいな♪」
笑い、クーアに身体を密着させる利香。その手にはグラス。
「まあ、利香には効かないと思ってたのです。毒蛇が自分の毒で死んでたまるかなのです」
一瞥し、グラスを奪い傾ける。目をぱちくりする利香。
「飲んだわね」
「知っての通り、私もそこまでヤワではないのです。……なんなら試してみるのです?」
クーアは利香をぐっと押し倒した。
艶やかな水着を纏い、コレットはちらりと強炭酸を見つめ、プールに向かう。準備体操。二枚のバスタオル。
「わかってたけど、ぬるぬるするわ」
腕に塗り、ローションをすくい、その身に落としてみる。
「つめたい」
「ひゃんっ!?」
フィナの声。顔には跳ねたローション。ただ、コレットは気が付かなかった。
「満足したし、そろそろ出ようかな」
プールサイドに座り、両足をよく拭き、唐揚げを貰いに行く。
「やっぱり、出来立ては最高よね」
リンゴジュースを一口飲み、コレットはレモンに珍しく手を伸ばした。
アルメリアは、ホルタービキニでプールサイドを歩く。ちょうどいい気休め。ふと、飛び散った水。いや、ローションが腕を濡らす。
「うーん。一度はいると後が大変かもね。なら、先にジュースを買って飲んでおきましょう。どーれーにーしーよーうーかーなー……あら」
強炭酸を押し、ごくり。
「は……あっ……あ‶っ……!? まっ、まさかこの炭酸……プールといい、ナニさせようってのよぉ…… な、な、ナニするにしても、プールに避難してからッ……んっ!」
もじもじしながら、プールに堕ちていく。
粘液っぽい水がプールサイドを濡らしている。マリリンは首を捻る。
「不思議な水のプールだね、あたしちょっと足入れて……えっ、ヌルっとする!?」
マリリンはびっくりしながら、那由多を見た。
「水じゃなくてローションって説明あった~」
「え? ローションって?」
きょとんとする。しかも、那由多は嬉々と成分調査をし始めている。
「ねぇ、博士、なにかわか……わっ!? ちょっと!?」
胸にローションがべっとり。那由多は距離を測るように水鉄砲を連射しまくる。
「あ、やっ、つめたっ……!」
身を捩らせる。
「ふふ、助手よ~実験付き合って~」
フラスコにはローション×強炭酸。那由多はマリリンの背中にべしゃり。
「ひゃっ!? もう、ちょっと那由多、何するのさ……ってあれ、なんかしゅわしゅわするような」
へたり込み、熱っぽい視線を向ける。
「あ、あれ……? な、那由多……あたしになにしたの……!?」
「ん~? あ、そっか~これがこの世界のローションか~」
「一人で納得しないでよ……んっ……やっ、なんか、変な感じ……」
マリリンはとろんとした表情を浮かべる。
紅華禰は、プールをじっと眺めている。熱心に泳ぐ者、突然、絡み合う者達。このプールには人々を狂わす何かが存在するようだ。
「ふむ、粘り気のある水はとても面白いものよ」
強炭酸で作ったレモンサワーを飲み、ふと、目を擦る。
「ぐぐぅ。某そんなに酒が弱かったかのぅ………」
──にゃっ、にゃおん。ごろごろにゃぁあ……っ!
「い、いかん。妖刀に呑まれてしまう。猫獣種を魅了する呪われた刀にぃぃ」
──ふにゃあぁぁあっ!
こてんと倒れ、『木天蓼』を抱き締めたまま身体を捩らせ、甘い声を吐く。
「オーホッホッホ! 此処がナイトプールですの! 私、お友達とこんな所に来るのは初めてですからワックワクのドキドキで寝不足ですわ!」
プールサイドにルリムの声が響く。
「おー! みんな、泳いでるっす!」
「麻衣さん、私達も早く、飛び込みませんと!」
「ちょっと待つっすよ! 泳ぐ前に水分補給は必要っすから!」
「流石、麻衣さんですわね!」
尊敬の眼差し。麻衣は強炭酸を見た。
(どーせフィーネさんのことだからきっと、これが媚薬っすよ)
「ささっ。ルリムさん駆けつけ一杯」
「あら、炭酸ジュースですの?」
「そうっす!」
ルリムは麻衣を信頼しきり、ふにゃふにゃ、へろへろに。
「麻衣さんこれは一体……」
「媚薬っす」
「へっ? 媚薬? 何でそんなものを。あ、ちょっと……」
「たまには攻めるほうも良いっすよ。あ、聞こえるっすか?」
「え、え? ま、麻衣さん、こんな事……いけませんわ!?」
「大丈夫っすよ、恥ずかしいのは最初だけっす」
するりと脱がされてしまう。
物陰でぐったりするルリム。
「うう……あんな気持ちいい事されたら私……癖になってしまいますわ……」
──俺 が 花 火 で 良 い ム ー ド を 演 出 し て み せ ま す ぞ
決意を抱くベンジャミン。ロボットと合体し、直立不動で舞う。光る瞳。水面スレスレをヌルヌルと滑るように飛び、泳いでいる者を豪快に吹き飛ばし、あっという間にプールサイドへ。
(うむ、よい演出ですな)
ローションで地面を滑るように飛行。壁を勢いよく破壊し、建物に。ふと、窓を開けるフィーネ。隣には十三。
(むむ、アベックですかな。はいやー!)
ベンジャミンは真顔&無言のまま、爆発音と同時にきらきらと星を落としていく。
「媚薬! ローション! ふふふ、なんたる甘美な響きでありましょうか♪」
メルトアイは触手をゆらめかせる。既に媚薬チャージ済み。
「はあ……とっても良い気分ですわー……♪」
火照った身体をローションが冷やし、気分はMAX!
ナイトプールは大人の雰囲気。リディアはソファに座っている。水着は花柄の入ったピンクの三角ビキニでキュート且つセクシー。
(最初のスイカジュースはちょっと甘みが強かったので、次は強炭酸を飲んでみましょう)
グラスに手を伸ばし──
「マッサージはいかがでしょうか?」
「え?」
見つめ合うメルトアイとリディア。
「あ、あっ……そこ、はっ……」
ローションまみれのリディア。
「可愛い声ですわ……とっても、気持ちいいでしょう?」
ぬるりとした触手が這っていく。
「このまま、敏感なところをじっくり解して差し上げましょう♪」
「え、あっ……ま、待ってください。喉が……」
真っ赤な顔で強炭酸を飲み、ぶるりと震えるリディア。
「ご、ごめんなさい。少しだけこのままで……」
リディアは立ち上がり、メルトアイを抱き寄せた。熱いのに寒くて仕方なかった。
カリーナは首を捻っている。
「ナイトプールの雰囲気、なんか違くない? あ!」
視線の先には秋奈。
「ねぇ、一緒に強炭酸でも飲もうよ!」
駆け出していく。
──イレギュラーズの運命を司るのは、神か、ダイスか
──それはその時のリプレイを巡る永遠の謎掛け
──だが、秋奈とカリーナの運命を変えたのは、「強炭酸」と書かれた、あの液体
次回「自滅 突撃のカリーナ」
秋奈、(色々な意味で)流される。
「いやいやー、私がそんな事になるわけないでしょー? 準備はおっけー? テンアゲでいってみよう!」
何て言っていたが、案の定。
「ひゃひ……もう、のめまひぇん……」
大量のグラス。混沌の秋奈。隣にはカリーナ。
「ン……っ……なんか……暑い……。汗も止まんないし……ちょっと、身体、冷やしたいし、プール、行っちゃお、かな……ね、一緒にいこ……?」
カリーナは秋奈の手を握り、プールに飛び込んだ。
「~~~~~~~んああッ!?」
聞こえる、秋奈の絶叫。
「あーーーー、もう、ぬるぬるで水着脱げちゃう……!」
カリーナは喘ぎ、秋奈の水着を脱がし始める。
黒薔薇のビキニ。アリシアはプールサイドに腰掛け、両脚でローションを蹴る。以前、経験した練達製の極寒・灼熱プールと同様、このプールも気になっていた。
「最初のうちは冷たいと思ったけど、その冷たさに慣れてくるものね。それにとても賑やか」
顔見知りのイレギュラーズがプールを楽しんでいる。
「今年の水着も楽しみね」
目を細め、夏を想う。足を上げる度にゆっくりと流れる滴。聞こえる鳴き声。
「何か、あちらは楽しい事になっているわね……」
ふふと笑い、紅華禰に近づいていく。
フィーネを見つめる十三は早口だ。
「プールには救護担当いた方がいいでしょう? これでも医療助手で貴方の騎士ですからね。そういえば、お好きでしたよね? コニャックの……──」
「貴方と同じものがいいわ」
十三は強炭酸と白ワインをステアし、レモンを添えてスプリッツァーを。
「ありがとう、ねぇ、本当はどうして此処に?」
「……前は小鳥が囀るように幾らでも手紙を書く事が出来た。なのに再会したあの日から、貴方を意識しすぎて上手く書けなくなっちまったんで……」
「ふふ、乾杯しましょ」
遮り、フィーネは笑う。
つかの間の休日。
「うわー、凄いですね。私、プールって初めてなんですよ。今日は水じゃないものが入ってますけど。うっわ、凄いひんやりして……えぇ、ぬるぬるしてるぅ」
スライムを思い出すシュラ。今日はシンプルなビキニを着ている。
「シュラ〜♪ はぁ、癒される〜」
楽しそうに近づいてくる弥恵。モノキニタイプの水着が似合っている。
「……弥恵さん? 何か変な事しようとしてません? 目がそんな感じになってますよ」
「濡れ衣です。変な目でなんて見てませんよ。可愛いから見てるだけです」
「えー? じゃあ、弥恵さんも可愛いですよ」
「ふふー♪」
数十分後、ソファでまったりする弥恵にシュラがグラスを手渡す。
「強炭酸を貰ってきました」
途端に弥恵の身体がぴくり。
(ん? それって媚薬なんじゃ……?)
「シュラ、ちょっと待ってっ、それ大丈……」
「いやー、ここまで完備してくれてるって凄いですね」
普通にごくごくしちゃうシュラ。
「……」
「え? ねぇ、弥恵さ……ん? ……ねぇ、ちょっと、なんでそんな目してるんですか? ねぇっば!?」
「ふぅ、冷たいのに身体が熱くなる不思議なプールですぅ」
ミエルがバスタオルで身体を拭いている。
「そうですね。あ、ミエルさん、此処、拭き残しがあります」
「涼香様、ありがとうです。で、わたしたちの目的はあれですよ!」
「ええ!」
「わぁ、きらきら光って宝石みたい!」
ソファに座り、巨大なフルーツパフェを見つめる。
「ミエルさん、まずは自撮りしましょう」
「あ、そうでした!」
「ふふ、私は竹炭粉とアップルマンゴーパフェをっと」
仲良く、パフェと一緒にパチリ。
「ん~、美味しいです。悩んで良かったです!」とミエル。
「そうですね、フルーツが甘くて幸せです」
微笑み、互いのパフェを食べさせあう。
「次は紫陽花パフェ、その次は苺と薔薇のパフェにしようかな? 涼香様は次は何を食べるんですか?」
「私は雲丹パフェにします♪」
「素敵です、めざせ全種類制覇ですぅ! あれれ? なぜかパフェを売ってくれた店員さんが凝視してるけど……何ですかねぇ?」
「うーん? 裏メニューがあるとか……?」
「え~~!! 唐揚げパフェかもですぅ!」
楽しそうな声が響く。
ちゃんは一人、楽しそうだ。ちょこっとローションを浴びるくらいに泳ぎ、プールサイドのデッキチェアで他の人を観察。
「あらぁ~♡ 二人で何処に行くの~♡ お盛んよね~♡ あ、ドリンクバーに強炭酸あるじゃない♡ こういうしゅわしゅわしたのって、キモチイイのよね~♡ うん、うん。飲むとしゅわしゅわして、ふわふわして、あつくて」
きょとんとする。
「え、これ媚薬……? 私、媚薬効かないはずなのに……ダメ、※※※※年ぶりの媚薬で昂って……ああ、ああああっ♡」
ちゃんはサンドリヨンにしがみつく。
秋葉は褌&晒姿でビール片手に唐揚げを楽しんでいる。
「ローション・ナイトプール、これはまた斬新なプールね。これを考えた人はきっと素敵な感性の持ち主ね。唐揚げも美味しいし!」
持参の激辛オイルの唐揚げは美味。ソファに寝そべる。
「夜のプールだなんて、なんだか幻想的で、素敵なロケーションですわね。ご一緒しても佳いかしら?」
薫が微笑む。両手にグラス。
「おー! 是非是非、隣にどうぞ。スパイシー唐揚げもおススメよ」
「ありがとう。では、強炭酸をどうぞ」
「どうもじゃ」
「まぁ、とても美味しい唐揚げでございますのね。強炭酸もぴったりの刺激ですわ」
「ふふ。あ~、なんという贅沢なんじゃ~」
秋葉は美味そうに強炭酸を。
「……? 何故だか、体が火照る……! この火照りをどうにか沈めないと大変なことに……んっ、ああっ!?」
そう、帰ることが出来ない。秋葉はふーふーし始める。なんじゃこりゃあ。
「あら、それは奇遇でございますわね。一緒に静めて頂けませんかしら……?」
ローション入りの水鉄砲を手に、薫は真っ赤な顔で微笑んだ。
プールサイド。
「ふふ、お酒を嗜むのも良うございますね、文人さん」
華綾は日本酒を静かに飲んでいる。
「ああ、ないとぷーると言ったか、この不思議な感触には些か慣れないが……こういう体験も良いものなんだろう。ただ、あまり呑み過ぎるんじゃないぞ」
「ええ、ありがとうございます。では、いったん、ジュースでも……文人さん、強炭酸とはどんなものなのでしょうか?」
「いや、俺も分からないな」
「では、二人で口にしてみませんか?」
「ああ」
「……いざ、参ります! ……んあーーー! ぱ、ぱちぱち致します!? この飲み物は一体……ひゃあーーー!」
「……なんというか、妙な感じだ」
自らの唇に触れる。
「体がなんだか熱う御座います……文人さん」
「お、おい……あまり薄着で寄りすぎるのはだな……」
「あぁ、文人さんのお体、ひんやりしていて気持ち良うございますね……あっ、貴方様に身を預けるわたくしは、はしたのうございますか?」
「いや、はしたないなどと思ったりはせんが……俺も男なので如何せんだな……」
触れる熱い肩。
「ですが、文人さん……わたくし、わたくしは……」
潤んだ瞳はすぐに文人を遠ざけた。聞こえる柔らかな寝息。
「どうやら俺も随分と酔いが回ってしまったようだ。まぁ、色々と思うことはあるが」
文人は目を細め、抱き抱える。彼女の為に休める場所を。
クロエはフィーネとサンドリヨンにしっかりとお礼をし、水着を選び始める。
「翼があると着替えや泳ぐのに不便なので変化しておきましょう。えっと、このフリルが可愛いビキニにしようかな」
バスタオルを置き、入水。
「そういえば、このプールはお肌にいいとかそういうことでしょうか」
周りを見れば、そういうことじゃないような。でも、気にしない。ひんやり、心地よくて。
(なんでだろう? 何か覚えてるようなそうでないような?)
落ちていた水鉄砲を抱き抱え、クロエは泳ぐ。少ししたら、ドリンクを取りに行こう。
欲望が蠢き逢う。水音が聞こえる。
「嗚呼、愛しき! 私の! オラボナ! 豊満な『肉』そのもので満たしたバスタブには程遠いが! これもまた──」
好い。善い。酔い。ジョセフは両手を広げた。
「Nyahahahaha!!! そう、悪くない。自らの肉が蠢き、溶け込み、冷える感覚は如何にも人間らしい」
彼らは飽きるまで戯れ──
やがて、ジョセフは遠ざかり、柔らかなソファが私を誘う。ゆらり、人影。ジョセフが私を見下ろしている。禁忌を飲み干して──
「――貴様。何を持ってきた。違うな。何か『飲んだ』のか。愚かな奴め」
「嗚呼、腹の底が地獄の様に熱い。どうしたことだ。嗚呼……私は、僕は飢えているのか? 肉が欲しい。君の肉が、きみが、ほしい……」
跪き、縋りつく。
「晒せ。暴け。覗いて魅せろ。貴様が何処までも抱くに悦ばしい事を、表情豊かに――Nyahahahaha!!!」
「嗚呼……」
ジョセフは両手を伸ばし、触手に触れ、溺れるように齧りつく。流れる涎。なにもかもみたしたかった。
カーライルはプールにダイブ。
「あれ? スライムでぬるぬるになった感覚を上書きできたらと思ったんすけどこれもやっぱり、ぬるぬるっす。まぁ、スライムよりはマシと思ってぬるぬるを楽しむっすよ」
ポジティブに泳ぎ、「はー!! 今度は唐揚げっすよ」
レモンを絞ろうとし、つるり。
「えっえ? ぬるぬるでレモンが絞れないっすよ!? 誰かぬるぬるでない人にレモン搾りをお願いす……え?」
すーっと横から、ローションまみれのチトセがレモンを絞り遠ざかる。ネオンサインのような光が眩しい。
「なっ!? ぬるぬるなのに凄いっす! と言うか、何処に行くっすか?」
「ドリンクバーヨ! ただ、滑るからフィギュアスケートみたいに滑って行くヨ! ユーもどうネ?」
きれいな星のネオンを残し、ウインク。
「良いっすね!」
チトセの口に唐揚げを放り投げるカーライル。
「おー、唐揚げ美味しいヨ! あ、ドリンクバーあったヨ」
強炭酸をぽちり。
「良いっす、唐揚げには強炭酸っすよ!」
二人は乾杯し、ごくりと飲む。
「か、身体がかっかするっす!」
「うん、抑えきれないネ!」
見つめあい、踊りだす。
「今年の水着はなんだかすごいと言っていましたが、本当にすごい水着ですね。想像以上かしら」
ミディーセラは目を細め、得意気なアーリアをバスタオルで、ぎゅっと包み込んだ。
「ミディーくん?」
ビールを手にアーリアは目を丸くした。
「……冷たい風が吹きましたから」
甘いグラスをそっと、傾ける。
アルコールが身体を温める。彼らはプールの縁に座り、両足から滴を垂らす。
「不思議な感覚ですこと」
「そうねぇ、冷たくて気持ちいいわぁ。腕に塗ってみればお肌にもよさそうかしらぁ?」
──ぴちゃり。音が鳴る。
「ねぇ、みでぃーくん」
「……なぁに、アーリアさん」
手がひやりとした。途端に指が絡み合う。握り返し、見つめれば──
「これ、全身浸かったらもっとひんやりで気持ちいいのかしら」
それとも──
「ええ、気持ちよくなります。尻尾が大変な事になりそうですけれど……一緒に手入れしてもらえるかしら?」
「えぇ、私みでぃーくんの尻尾のお手入れ大好きだもの!」
微笑み、ともに飛び込んでいく。勢いよく跳ねた滴に紫色の光が落ちた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
ありがとう、至極、心地よい空間だった。あなたたちはどうだったかしら? それと、頭を打った子がいたようだけど大丈夫だったかしら。まぁ、此処には……
GMコメント
ごきげんよう、媚薬GMの青砥です。ご閲覧いただきましてありがとうございます! 今回はローション・ナイトプールで遊ぶことです。ちなみにフィーネは皆様の声が聞こえる部屋で、読書をしています。ゆっくり休みたいけど、賑やかな声を聞きたい時ってありますもんね!! いやっほう!! 猛烈に疲れたときはへっちが一番!! ちなみに、へっち過ぎたら、青砥がどうにかしますね!!
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●場所
ローション・ナイトプール
文字通り、夜のプール(中身が冷感ローション)を指します。紫色の照明がプールをうっすらとライトアップしており、幻想的な雰囲気です。正方形の巨大なプールでプールサイドにはデッキチェアやパラソル、ソファあり! プールサイドでアルコールやジュースを楽しめます。バスタオル、水着、浮き輪、水鉄砲(ローション入ります)のレンタルがありますよー! 勿論、プールに入らなくても大丈夫です!!
★媚薬(強炭酸)
何故か、これだけドリンクバー形式で置いてあるし、目につかないところに置いてあります。だから、絶対、間違えて飲んだりとかしないよ!!! ちなみにラベルには、強炭酸って書いてあるみたいだけどね。
★唐揚げ
ジューシー唐揚げ。レモンが添えてあります。勝手にレモンをかけて揉めないようにね!!
------------------------------------------------
【注意】年齢がUNKNOWNの方にアルコールの提供は致しません。 また、イベントシナリオなので、描写は全体的に軽くなります。青砥NPCもおりますよ!! アドリブは頑張れたら入れます。お一人の場合、他の方と一緒になる可能性がございます。もし、お一人で行動したい場合は必ず、明記ください!!
Tweet