PandoraPartyProject

シナリオ詳細

想いをあなたに

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●伝えたい心
 しゃきしゃき、布が切れる。それは何の布?
 ちくちく、針が進む。それは何の針?
 ぱちぱち、糸が途切れる。それは何の糸?
「うまくいかないね」
「なんでだろう」

 どうしたら良いのかな? どうしたら形になるかな?
 とても嬉しかった気持ち。とても安心した気持ち。
 どうしても、伝えたいの。
 ねえ、どうしたら良いのかな?
 私たちと、ちゃんと会ってお話してくれる?

●心を伝えるお手伝い
 あなたたちが図書館に踏み入れると、境界案内人の少女、ラプンツェルが雑誌を読んでいた。
 普段から読める字で書いてあれば、なんでも読む娘だが、雑誌はあまりないのでもしかしたら珍しいかもしれない。
 ラプンツェルはあなたたちに気付くと、雑誌を置いて違う本を机に置いた。
「おっはよう、みんな。ねえ、みんなはオーダーメイドってやったことある?」
 私はないんだけれど、憧れるよねと前置きしてから本を頭の上に掲げる。いつもの光景だ。
「今日、お願いしたいのは靴屋さんと妖精さんの縁結びだよ!」
 いわく、オーダーメイド中心の靴屋がいるらしい。
 彼女は父の代から店を受け継いできたベテランで、大変腕が良いと評判だった。
 そんなある日、弱っていた小鳥を助けてあげたそうだ。
 その小鳥と親友だった小さな妖精たちが、お礼に手作りのアームカバーやハンカチを贈りたいのだ言う。
 しかし自分たちサイズは作ったことはあるけれど、人間サイズははじめて。
「だからみんな。手伝ってくれないかな?」
 手作り用の小さい機織り機と手縫いに必要な手芸道具は用意できたし、材料の布や糸もたくさんある。
「余ったらみんなも自分や好きな人に作るのも良いかもね」

NMコメント

ごきげんよう、桜蝶京嵐です。
時間の概念が分かりにくいときはごきげんようが便利ですね。

さて、今回お願いしたいのは機織りや手縫いの手芸で色々と作るというシナリオです。
材料は大量に仕入れてあるので、余ったら皆様が個人用で作ってもオッケーです。

  • 想いをあなたに完了
  • NM名桜蝶 京嵐
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月02日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
Lumière Stellaire
ミミ・エンクィスト(p3p000656)
もふもふバイト長
チェル=ヴィオン=アストリティア(p3p005094)
カードは全てを告げる
長月・イナリ(p3p008096)
狐です

リプレイ

●秘密の森小屋へ到着!

 新緑が香り、風が囁く中でイレギュラーズを出迎えた小鳥と妖精たちは歓迎の舞を踊る。
 ようこそ、待っていたのと口々に告げてラプンツェルの手の上に落ち着く。
「妖精の恩返し、ってとても素敵な事だと思うわ 。私も手伝ってあげる!」
 話を聞いて『狐です』長月・イナリ(p3p008096) が人差し指で妖精たちと握手してよろしくと告げる。
 『蒼海守護』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323) も話を聞きながら作業場へ誘導する。
「そうなんだ、感謝の気持ちを伝えたいのね。うんうん、一緒にやりましょう」
 それに『もふもふバイト長』ミミ・エンクィスト(p3p000656) が続く。
「ではでは妖精さん方のお手伝い、しちゃうですよ!
……っても別段ミミ、お裁縫は得意って程ではないのですけれどもっ」
 ハンカチでしたら、なんとかイケるんじゃないですかねと上機嫌に言って持ち込んだ菓子パンやシュガーラスクを隣のテーブルへ置く。
 『大いなる星々の曰く』チェル=ヴィオン=アストリティア(p3p005094) も椅子に腰掛けてイナリとラプンツェルが持ってきた本を確認する。
「作りたいのは手袋とハンカチでしたわね? 靴屋さんの体型は分かりますか?」
 しかし元からのサイズ違いか、妖精たちはただおっきい! の一言しか分からない。
 大人の手のひらサイズしかない妖精たちからしたら、人間はとてつもなく大きい。
「なら一度、靴屋さんを覗いて見る?」
 一足先にシュガーラスクを頬張っていたラプンツェルの一言で、例の靴屋さんへ見学することになった。

●みんなで見学しよう!
 町の中心にポツンと楕円形の白い建物、玄関の扉も半円形で全てが丸い変わった靴屋だった。
 ドーナツのような看板のすぐ下はガラス張りで靴屋の女性が作業している様が良く見えた。
「背筋が伸びたカッコいい女の人ね」
「うん。それにとってもオシャレ」
 女性は比翼仕立てのシャツにアンクルパンツ、その上に使い込まれたエプロンをしていた。
 年齢のほどは五十手前くらいか、平均的な女性よりやや筋肉質なようだ。
「エプロンを新調するのも良いかもしれませんね」
「あ、そうですね! 戻って本で探しましょう」
 向かいのカフェから彼女を観察し、ついでに彼女の後ろで並ぶ素敵な靴たちに想いを馳せながらイレギュラーズは作業場へ戻った。

●小物作りを始めよう!
「あんなに素敵な靴を作る人なんだもん。めいっぱい頑張りましょう!」
 イナリが宣言しながら、本を開く。まずは手袋。
 ナイフを扱う手はカッコ良かったけれど、素手は危なそうだったから頑丈で滑りにくいものを。
 サイズは元気良く立候補したココロの手を二回り大きくして型を取った。
「材料は切れましたよ! 妖精さん、出番です!」
 型を使って牛革などを切っていたミミが革専用の針と糸を妖精たちへ渡す。
 受け取った妖精たちは本で作り方を確認しながら縫い合わせていく。
「せっかくだから私たちも作りませんこと?」
「そうしよう!」
 チェルの提案でイレギュラーズも妖精たちを手伝いながら小物作りを始める。
 言い出しっぺのチェルが作り始めたのは種類の違うチャームだった。
 星詠みの占い師として活動しているから、その時に渡すものだ。
「要はプラシーボ効果の強化に過ぎませんが、不安がっている人には必要なんですのよ」
 さらりと言いながらチクチクと縫っていくチェルにそうなんだ? と不思議な顔をしたのはミミである。
 しかし色とりどりの布や糸を手に取ると何を作ろうかなとニコニコと笑う。
「院長せんせーにはハンカチかなぁ。何色が好きだっけ……」
 大好きな顔を思い出して、布を切り出すが端の処理に困ってしまう。そこに、ちょんと指先を叩く手(?)があった。
「イナリさんのタコさん……! お手伝いしてくれますか?」
 もちろん、と話すタコに手伝ってもらって一枚、大きめのものが完成。
 わーい、と思わずみんなでハイタッチして今度は弟妹たちの分などを作り始める。
 妖精たちは何とか硬い革を縫えたところで、そこにイナリがお菓子を薦める。
「ミミさんが持ってきてくれた菓子パン、美味しかったわよ。待ってて、切り分けるから」
 人間にとって一口大に切られたそれらをさらに小さく切り分けて小鳥と妖精たちに差し出す。
「ね、イナリちゃんは何作ってるの?」
 機織り機でコースターを編んでいたラプンツェルがイナリの手元を見て首を傾げる。
 それにイナリはパーツを切り出したばかりの狐耳の上に被せて見せる。
「可愛い?」
 お茶目なそれにラプンツェルが笑ってうん、と頷く。
 イナリは自分用の真っ赤な頭巾を作っていたのだ。レースや飾りボタンにと目移りしながら装飾を施していく。
 ココロは手芸の本を見て作りたいものを探していた。やがて機織り機を手にする。
「小さいカバンを作ろっと!」
 目の色と同じ青い糸を手にとって説明書通りにセット、ゆっくり織っていく。
 カタン、シュ。カタン、シュ。規則正しい音が気持ち良い。
 やがて外には優しい夕焼けが微笑みはじめる。

●想いを届けよう!
 でーきた、の声が響き合い、自然と伸びた手のひらで連続のハイタッチ。
 それから布やらが入っていた箱や裁縫道具をキレイに整理する。
 使ったものをちゃんと整理整頓しないと失礼よ、と妖精たちが言ったのだ。
「ねえ、お礼の気持ちを書いたお手紙も添えませんか? 必要なら代筆致しますわ」
 紅茶で一息ついた頃、ふとチェルが言う。
 妖精たちに限らず、誰かの為に小物を作った人たちも多い。
 それなら直接渡すにしても手紙があった方がより伝わるはずだ。
「良いですね。ぜひ、そうしましょう」
 そこでラプンツェルが普段から報告書などを書く為に持っていたステーショナリーセットを開く。
 まず、小鳥と妖精たちが伝えたい想いを聞きながら、みんなで言葉を選んで代筆する。
 それから封蝋のスタンプを選んでもらって封筒の中に想いを閉じ込める。
「ミミもやってみて良いですかっ? 封蝋!」
 妖精たちと一緒に手紙を書いていたミミが、院長先生と弟妹たち、それから店長に宛てた二通の手紙を慎重な手つきで想いを閉じ込めた。
 他にも手紙を書いていた何人かが封蝋を施して想いを閉じ込めていった。

あちこちから夕飯を準備する音や香りが立ち込める町に入り、靴屋さんの前へ立つ。
 彼女は先ほど作業していた靴を仕上げたらしく、最後の確認をしていた。
 ラプンツェルが代表して丸い扉を開けると、カランとベルがなった。
「やあ、いらっしゃい。団体客は久しぶりだよ」
 手を止めた彼女が振り返ってニッコリ、笑って出迎えてくれる。
 それにみんなで挨拶を返してプレゼントボックスを前へ出す。
「あなたに、お礼がしたいと。そう言って私たちを頼ってくれたのよ」
 プレゼントボックスには小鳥と妖精たちが腰かけている。
 そこから手紙を咥えた小鳥が飛び立って彼女の手の上に留まる。
「おまえ……もしかしてあの時の……?」
 彼女は驚いたように言うと、手紙を受け取って小鳥を優しく撫でる。
 それから妖精たちがプレゼントボックスの取っ手を掴んで彼女の膝の上へ着陸する。
「はじめまして、靴屋さん。小鳥とアタチたちはトモダチなの」
「だから助けてくれたお礼、したかったんだ。……受け取ってくれる?」
 彼女はまんまると目を開いて、それから妖精たちも優しく撫でておっとりと微笑む。
「もちろんさ。どんなステキなものをくれたんだい?」
 プレゼントボックスを開ければ、手の甲に刺繍が入った作業用手袋とアームカバー、それからエプロン。
 彼女はエプロンを着てアームカバー、最後に手袋を嵌めて開いて閉じてを繰り返す。
 そしてそのまま、小鳥と妖精たちを手のひらで抱きしめた。
「ありがとう。今までもらったどんなプレゼントよりも、うんとステキだよ。本当にありがとう」
 その時、彼女の目元からはキラリと光るものが見えた。
 イレギュラーズはそれを合図に目配りして、そっと靴屋を後にした。
 空には美しい星々と月がキラキラと瞬いていた。
「愛でたし、愛でたし……ね」
「私たちも帰って、渡したい人に渡さないと」
 やがてあの靴屋の女性と小鳥と妖精たちは、トモダチとして仲良く過ごすことだろう。
 そんな優しい明かりの灯る町の靴屋から、イレギュラーズ蜃気楼のように帰っていった。

成否

成功

状態異常

なし

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