イ＝ルーナクの今夜も無茶振りNight

オープニング

●がなりたてる箱
「混ぜ込みやがったなスタッフぅ！！！！！

はい失礼、叫ばずに入られませんでした、今夜のあなたのお耳の恋人、イ＝ルーナクです。
一晩の恋人って言うとなんかドキドキしますよね？そうでもない？
私が汚れた大人だというのか。

なぁんて感傷はありませんよ。自分が薄汚え大人だってことは一番良くわかってるから。
でもね、一番汚れた大人が他にも居るんですよ。
だれだと思う？そこで笑ってるスタッフってやつなんですけど。

やつにはいつか報いを受けさせるとして、早速お便りの方読んでいきまっしょう。
えー、RN『スマホの充電で人生8割』さんからです。
もうちょっと有意義な生き方したほうが良いと思います。

『早速なんですが、イ＝ルーナクさん、助けてください』

いきなりの救援要請。何があった。

『今やっているスマホゲーのイベントなんですが、ボスがなかなかレアアイテムを落としてくれません』

この時点でね、救いたいって気持ちがね、欠片も湧いてこないわけなんですが。

『なんとかしてイ＝ルーナクさんの権力でボスのドロップ率を変更させることはできませんか？』

私のことなんだと思ってるんじゃ。
えー、まずね、ないから、権力。
及ぶ範囲はこの番組の中だけだから、って思うじゃん？
実際はね、この番組ですら最高権力者はそこで邪悪な笑みを浮かべているスタッフですから。
この番組のタイトルを思い通りにできないあたりから察してください。

いわんやね、スマホゲーに介入とかね、できませんから。
仮にできたとしてもね、このお便り、具体的なゲームの名前すら書いてないですからね。
対象がわからなきゃ何もできないってわけよ。

というわけでツメの甘いスマホの充電で人生8割さんにはもっと社会の荒波に揉まれてもらいましょうってことで、次のお便りに…………」

　今日ももラジオは喋り続ける。

●手紙を出す人
「やぁ、そろそろこのラジオにも馴染んできたかな？」

　境界案内人、カストルは机に向かい、何かを書き留めながらイレギュラーズにそう言った。

　一番馴染んでるのはこの人なんじゃなかろうか。そんなイレギュラーズの視線をカストルは微笑み一つで受け流すと言葉を続ける。

「例によって、このラジオにお便りを出してほしいって言う依頼だよ。君たちの思いの丈を思う存分ぶつけてほしいんだ」

　相変わらず変わった世界に変わった依頼である。イレギュラーズはそれでも、ハガキに筆を走らせるのであった。

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第2章

第2章 第1節

「おっと、次のコーナーの時間ですねー。
おなじみ、つってもまだ連載2回めの『教えて☆イ＝ルーナクさん』のコーナーですよぉ。
別名、私に試練を与えて楽しもうのコーナー。

ここだけの話なんですけどね、前回のこのコーナー、まともに疑問質問に答えてねぇって怒られたんですよ。
だれにって、そこで笑ってるスタッフにですよ。

まぁふざけんなと。
まともに答えられないようなお便り選別して読ませてるのはお前だろうと。

っていう恨み節なんですけどもね。
まぁ私もいい大人ですから。注意されたらね、ちゃんとしようってね。思うわけなんですよ。

なんでね、宣言しますよ。してやります。
今日の私はね、このコーナーに送られてきたお便りをね。
きっちりかっちりズバッと解決！してやろうとね、思っとるわけですよ。

だからね、頼んだよ。ちゃんと答えられるお便りを送ってきておくれ！？」

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第2章 第2節

「はい、それでは早速読んでいきましょー。
RN『父と母が帰ってきません』さんからのお便り。
早く帰ってくることを祈ってるわ。

『質疑応答という事なのでしょうか、悩みの相談という事ですので先程のとはまた違うのを一つ』

ほいほい。

『私は結構暑がりだと思っているのですが、今の時期でも結構暑いと思う事があります。
そしてこれからの時期の事を考えると少し憂鬱になったりします』

あー、わかるわかる。この時期でも暑い日は暑いもんねー。

『そこでですが、イ＝ルーナクさんに何か良い対策を考えて頂こうかと思います。
ちなみにですが、今のところは自室や店内は涼しい空気になれるよう手配していたり、冷たくした水に浸した布を首筋に当てたりしていますが、それも限度があったりします。
どうか良い対策をお願いします……！』

環境問題にゴメンなさいしてエアコンをガンガンに稼働させましょう。
やっぱねー、文明の利器は使ってなんぼですからね。
エコロジーも大事だけどね、命には変えられないもの。

まぁそれだけだと味気ないから、そうねー。
打ち水とか流行ってますよね。庭先とかに見ず巻いて気化熱で涼しくなるっていうやつ。
あれ、朝早い内とか夕方とか日差しが強くないうちにやるのがコツですよ。
撒いた水がゆだっちゃうと逆効果なんで。

と言った感じで、役に立ったかな？
お便りありがとうございましたー！」

成否

成功

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第2章 第3節

「では次のお便りでーす。
RN『透明しっぽの人魚姫』さんからです。
この人ね、地味に無茶振りしてきますから要警戒ですよ。

『わたしには、いま…とても困っていることが、ありますの。
それは…』

それは……？

『『イ＝ルーナクさんのお名前が、おぼえにくい』

ですの！』

オイ。
おい、笑ってんなスタッフ。

『とくに、最初の、『イ＝』のところですの。
どうしても、『イル＝』と呼んでしまって、そのあとが、困ってしまいますの。
まさか、『イル＝ーナクさん』なんて呼ぶわけにもゆきませんし、『イル＝クーナクさん』ですと、余計な『ク』が、増えてしまいますの。
『イル＝ナークさん』なら、近くなってきましたけれど…なんとなく、おさまりが悪いですの』

奇遇ですね。私もこれ聞かされてどうしたら良いのかわからなくて収まり悪いです。

『ですので、イル＝クーナクさん…あと、スタッフのかたがた、わたしのこの、重大ななやみを、どうにかしてほしいですの…』

名前ェ！
爆笑してんなスタッフゥ！

まぁね。重大な悩みってところだけは同意よ。
重大な事実だよ。結構お便りくれてるリスナーさんに名前覚えてもらえてなかったって。

ていうか、え？そんな覚えづらい、私の名前？
嘘でしょ？会う人皆いい名前って……お前も言ったよなぁスタッフ！？眼ェ逸してんじゃねぇぞ！？

え、えぇ～。なんか思ったより凹んでるぞ私。
そっか、覚えづらいのか、私の名前。

えー、鋭意努力させてもらいますね。」

成否

成功

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第2章 第4節

「えー、気を取り直して次のお便りです。
RN『フォックス太郎』さんから。

『引き続きお便りを送らせて頂きます。
悩みや疑問がお題という事ですので、今回は悩みを一つお送り致します』

ほい、なんでござんしょ。

『自分の記憶・感情・五感を自由自在に書き換える事が出来るならイ＝ルーナクさんは書き換えますか？

おう？？

『過去の嫌な記憶を消し、感情を差し替えて理想の自分にし、五感を書き換えれば痛い事も我慢出来ます
自分の思う、理想の自分を作れるなら、自らの手で自分を作り直しますか？』

えっと？？？

『私は式神、簡単に言えば魔法で動く感情らしき物があるロボットです。
私の製作者から、先日、自分の上記の要素を書き換えれる物を頂きまして、正直扱いに困ってます』

なんのお話？？？？

『どうか、バッサリ！とこの疑問を解決しちゃって下さい』

ギブ良いっすか？駄目？OK、頑張る。

というわけでね、疑問にお答えするんですけどね。
いやめっちゃ怖い。まず前提が怖い。
それ書き換えられちゃったらもう自分ですらなくない？

アレですよ。ゲームの、管理者モードで好きに設定いじるやつ。
アレさ、最初は何でもできて楽しいけどすぐ飽きるんのよ。
何でも好きにできたら何かをする理由ってなくなっていくの。

なんでまーやんないですね、多分。
チート使うより自分で経験値積んだほうが楽しいですわよ？
てな感じで。お便りありがとうございましたー」

成否

成功

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第2章 第5節

「次のお便り行きますわよー。
RN『RNで悩みすぎた』さんから。
そろそろ思いついても良くない？

『公共の場で眠ったり、なにか食べたりするのは、場所と状況にもよるけど許されることが多いのに、公共の場でエッチなことすると大体怒られるのはなぜ？
わたしは野外でそういうことをする趣味は無いけど、したい人は勝手にすればいいと思う』

こんなラジオ番組に公衆問題を提起してくるんでねぇ～！
子供に効かれて困る質問ベスト８かよ。
いや、こんな質問してくる子供も嫌だけども。

えー、これ真面目に答えちゃったほうが良いやつ？
寝たり食べたりするのが状況によって許されない場合の、状況によるのがエッチなことの場合は適用される範囲が広いだけです。

まぁエッチなことっていうのも程度があると思うんですよね。
まぁ例えばキスくらいでも人によってはエッチなこと判定になるけど、逆にこのくらいならセーフって人も多いわな。
寝るのもベンチで居眠りしてるくらいならだれも何も言わないけど、道のど真ん中にダブルベッド設置して優雅に寝てたら超怒られるっしょ？

要はね、程度の問題ってワケよ。
エッチなことをしたから怒られるんじゃなくてね、度を越してエッチなことをしたから怒られてるってこと。

エッチなことエッチなことって連呼してるけどこれ大丈夫よね？深夜帯だから問題ないよね？

まぁそんなところかな。納得で居たかはわからないけど、お便りありがとうございました」

成否

成功

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第2章 第6節

「さて、次行きましょう。
RN、はないですねチトセさんからのお便りです。

『ハロー、イ＝ルーナク＝サン！
ご機嫌いかが？なんでも疑問に答えてくれるというから投稿させてもらうヨ！』

何でもは無理だけどできるだけ答えさせてもらいますねー。

『この世界に落下してから感じる謎……。

『なぜこの世界の住人は一定の成長を受けるとハンマーで殴られに行くのか』』

待って。知らない世界の話をしないで。

『ボクも試しに殴られに行ったけど、今までのスキルが吹っ飛ぶくらい痛かったネ』

大丈夫なのそれ？

『痛くてめっちゃクライングしまくったネ。ママー！イッツハーツ！って……』

大丈夫じゃなさそうですね。

『あ、ボクにママはいなかったネ』

急にコメントに困るエピソード挟まないで。

『それくらい痛かったのになぜここの住人は毎回痛い目を見に行くのか。
とってもミステリーネ。これってトリ……新しい発見になりませんか？
そんなわけでエウレカなナイスな回答、よろしくお願いするネ！』

ちょっと知らない世界過ぎてお答えしかねるわぁ。
成長するとハンマーに殴られに行く世界って。
何？特殊な思考をお持ちの方とか苦行僧の界隈？

苦行は『これあんま意味ないわ』ってブッダも言ってたよ。
実際に経験した上で答えが見えてない人がいるのに未経験の私から言えることはなにもないわぁ。
えー、そうね。一回でわからなくても何回か経験したら見えてくるものもあるんじゃない？」

成否

成功