PandoraPartyProject

シナリオ詳細

クソザコ美少女と究極のフルーツタルト

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●フルーツタルトをもとめてニャマゾンの奥地へ潜入した探検隊は……
「んまーーーーーーですわ!」
 フォークとスプーンを持ってにっこり笑顔の『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)。
 ギルド・ローレット一階のカフェスペースにて、どっさりのフルーツタルトを前にしふくの時を過ごしていた。
「このところ、好物ばかり食べてますわー。こんなに幸せで良いのかしら……」
 ほっぺに手を当て、指折りして数えるビューティー。
 月曜日はパンの耳、火曜日は粉ミルク、水曜日は青汁、木曜日はこんぺいとう、金曜日は焼き鳥で、土曜日はフルーツタルト……明日はどうしましょうかしら。てなもんである。
「そんなビューティーさんに朗報なのです」
 なんかやけにへにょーっとした依頼書を手にテーブルへとやってくる『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
 テーブルに叩きつけた依頼書。
 と、ユリーカの顔。この二つに集中線をいれてご想像いただきたい。
「なんと、『究極のフルーツタルト』が食べられるのです!!」

 幻想南方貴族エトワール十二家門がひとつバニバニ・バニー氏は高名な果物ブローカーとしても有名である。
 自身も広大な農園を所有し超高級なメロンやデストロスイカの栽培で財を成し、世界各地の高級果物の研究にも余念が無いご婦人。
 そんな彼女からの依頼とは……。
「究極のフルーツタルトを手に入れたいのですぴょん!」
 黒いバニースーツに網タイツ。ぴんとたったラメラメしたの生兎耳を動かして、バニバニ氏は堂々と述べた。

 幻想南部にある大河ニャマゾン川周辺には密林がひろがっており、そこには大小様々な果物生物(クダモノナマモノ)が存在するという。
「力尽くで手に入れることはできなくもないけれど……相当な犠牲が伴うのですぴょん。
 ですからここは、古代ニャマゾン民族の用いた伝統的な方法をお教えしましょうぴょん」
 バニバニ氏がユリーカを通して伝授したその方法とは!
 こたえはCMのあとで!

●フルーツきぐるみ大作戦
「フルーツきぐるみ大作戦ですわ!!!!!」
 メロンの着ぐるみを纏ったビューティーがビャッて振り向いた。章タイトルを二度繰り返して。
 着ぐるみつっても巨大なメロンから手足がはえて顔出し看板みたく顔だけで出てるやつである。
 隣にはイチゴ、キウイ、オレンジ、リンゴ、ブルーベリー、パイナップル、バナナ――と様々な着ぐるみが並んでいた。
「説明しましょう!」
 洋梨の着ぐるみをきてビャッて振り返るユリーカ。
「ニャマゾン密林にすむ果物生物はとても警戒心がつよくちょっとでも戦闘の気配や敵意を示すとすんごい速さで逃げてしまうため希少食材とされているのです。
 けれどこうして果物の気持ちになりきることで警戒心をやわらげ、近くまで言ったところで……ガッ! とやることで果物生物を倒し捕まえることができるのです!」
 果物の気持ちとは……とイレギュラーズの頭にぽわぽわしたもんがかかったところで、バニバニ氏が――
 マンゴーの着ぐるみをきたバニバニ氏(耳出しスタイル)がビャッて振り返った。
「果物の気持ちは――果物の気持ちですぴょん!!!!」

 こうして、なんだかすんごいぶんなげた勢いのまま果物生物ハンティングが始まったのであった。
 イレギュラーズの運命やいかに。

GMコメント

●オーダー
 果物生物を倒して手に入れてきてください
 方法は簡単。
 果物の気持ちになりきり、果物生物へ近づいていって油断したところをガッとやります。
 簡単っていったのに急にスピリチュアルなこと言い出したので、順番に解説していきますね。

・果物生物(クダモノナマモノ)ってなに
 ニャマゾン川周辺の密林には様々な生物が生息していますが、特に多いといわれるのが果物生物です。
 巨大なイチゴヘビやメロン亀やバナナゴリラといった動物と果物が混ざったような生物がそれです。
 これらは共通して警戒心が強く、非果物の気配を感じるとガッチガチになります。特に殺気をむけようもんなら猛ダッシュで逃げてしまうでしょう。これを捕まえるすべはないに等しいので、果物の気持ちになって対応しましょう。

 全員一丸となって進んでると絵面が酷い上に話が纏まらないので、多少チーム分けするくらいが丁度良いかと思います。
 単独行動をとってもそれはそれでOKです。自分のやろうとしていることを相談して、『じぶんは単独でいこうと思うよ?』といった具合に宣言しあえば棲み分けができるんじゃあないでしょうか。

・果物の気持ち
 果物生物には果物の気持ちになれば近づけるそうですバニバニさんが言うんで間違いないとおもいます。
 皆さん子供の頃から果物の気持ちになりなれていると思うので説明は不要だと思いますがあえて説明するとほらいつも自宅でミカンの気持ちになって丸まったりバナナの気持ちになって横断歩道を歩いたり洋梨の気持ちになってブシャったりするじゃあないですかあれですよあれ。
(実はここがプレイングのキモとなっております。どれだけ迷いなく果物の気持ちになりきれるか、で成功度合いがだいぶ変わってくるので頑張って『果物とは……』と考えてみてください)
 なお、着ぐるみは沢山用意してあるので好きなのを使ってOKです。なんでもあるよってバニバニさんは言ってます。

・ガッとやる
 果物生物の近くにいって警戒を解いたらガッとやりましょう。
 要するに攻撃するんですが、切り裂いたり叩き潰したりましてや燃やしたり毒をアレしたりすると色々台無しなので、基本手刀か何かでいきましょう。

・タルトをご馳走してくれる
 首尾良くとってこれたらバニバニさんが究極のタルトをおごってくれます。
 なにが究極なのかわからないしたぶん勢いで言ってるんだと思いますが美味いのはマジです。
 青空キッチンでお料理して、みんなでタルトをいただきましょう。
 持ち寄りのデザートやお茶ではなやかにしてもいいまもしれませんね。

■ビューティフルビューティー
 https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3n000015
 この依頼にはビューティーがふつうに同行しています。
 一緒にきぐるみをきて一緒に果物の気持ちになりましょう。
 今回はたんに掛け合いをお楽しみいただくために投入されております。

【クソザコ美少女成長記録】
※クソザコ美少女は依頼での出来事をもとにこっそり成長します。これまでの成長で得たスペックは以下の通り
ステータス:低ファンブル、高防技、高HP
戦闘スキル:遠距離、味方支援型
非戦スキル:料理(悪)、騎乗、食材適正
アイテム:応援団長のタスキ、クソザコ神クリアファイル、ダンボルガーZ変身セット、借金、身に覚えの無い婚姻届、未来ファッション
職業適性(見習い):掃除、鍛冶、嬢、ウェイトレス
自宅がキャノン:住んでるアパートから時折発射されます。
クソザコ神Z:おだてられるとなんでもやる子になりました。
囮・砲弾適正:いろんなものが顔面に飛んできますし、自分もよく飛びます。
ビューティードリル:皆に投げられることで回転しながら飛んでいきます。相手はきっと死ぬ。

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • クソザコ美少女と究極のフルーツタルト完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年05月25日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
業壊掌
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
カイト(p3p007128)
雨夜の映し身
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
ネア・ア・メア(p3p008279)
汚れなきもの

リプレイ

●くだもののきもちだもの
「果物の気持ちを考えればいいのですか?
 バニバニさんがそういうのなら間違いないのですよ!」
 うさ耳のついたマグカップ(超使いづらい)を片手に『リリカル☆メイ』メイ=ルゥ(p3p007582)はビッと手を上げた。
「……う~ん?」
 そしてかくーんと傾いた。
 果物の気持ちってなに。という当然の疑問は浮かんだが、雰囲気とレモンティの香りが全てを洗い流した。
 うさ耳のついたソファ(激しく邪魔)に腰掛けてメガネメガネゆーてる『淡色』ネア・ア・メア(p3p008279)。
 バニバニさんがケースからうさ耳の突いた眼鏡(邪魔の極み)を出して新聞を読み始めたことでテンションをあげていた。
「クダモノナマモノ……クダモノナ、マモノですとマヂ闇でしたけれど、クダモノ、ナマモノでしたらマジyummyですね。よかったとメアは一安心。
 ……ところでビューティーさん、眼鏡似合いますね。可愛い」
「めがね?」
 『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)がネアを二度見した。
「めがね」
「めが、ね……? ハッ!」
 身分を隠すために仮面をつけているという設定をすっかり忘れていたビューティーであった。

 一方、庭では。
「今日のオレはイグナートじゃない。タダの一つのミカンなんだ」
 胸にiglooって書かれたミカン箱を装備した『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)がそんなことを言い出した。
 家族がある朝こんなこと言い出したなら、そっと電話をする場面である。どこって……聞くなよ。
「仕上げて来たオレのミカン筋を見せるよ!」
 腕に力こぶを作って元気いっぱいに言うのでもう突っ込みようがないが、それ以前につっこんでくれる人自体がいなかった。
 なぜならば。
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
 洋梨の着ぐるみをきた『雨夜の惨劇』カイト(p3p007128)がヘドバンしながら爆走していた。
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
 ある朝家族がこんなことになったら即電話である。どこって……決まってんだろ!
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「ミカンミカンミカン!」
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「ミカあああああああああああああああああああああああああん!」
 前世でなにやったらこんな地獄におちるのかって有様だが、双方正気かつ現世である。
「オーッホッホッホ!」
 『noblesse oblige』ガーベラ・キルロード(p3p006172)が『有機栽培』って書かれた扇子を広げて振り返った。
「流石は南方貴族のバニバニ様、いい事をおっしゃいますわ。
 同じ南方貴族として敬意を表しますわ!」
 キルロード豆知識。キルロード家は裏暗殺家業を営む没落貴族で幻想南方に領地をもつ。あとそこで一番有名かつ露出の多いガーベラ御嬢様はいまバナナを着ている。
「今このときだけ――ガーベラ・キルロード改めバーナナ・キルロードになりますわ!」
 もっかい言うね。キルロード家は裏で暗殺家業を営む貴族だよ。
「うちの農業顧問3傑衆が一人の「肥料のクリス」(30歳着ぐるみ好き合法ロリ)も言ってましたわ。
 『野菜や果物の気持ちになるですよ。そしたら野菜や果物もその気持ちに答えてくれるでごぜーます』と……」
 バッと振り返るガーベラ。
「ビューティー様、私についてこれるかしら!」
「造作もありませんわ!!」
 メロンの着ぐるみを着込んでY字のポーズをとるビューティー。
「くっ、なんという堂々としたメロン感……お歳暮お中元にぴったりですわね。さすが私のライバル!」
 その一方。
(うーん、果物の気持ちが何度も考えてもわからないとなってた時に思いついたのが木になるという方法だ、木なら鉱石の気持ちの応用で何とかなるかもしれないし、木には果物がなる為、相手も警戒しないはずだ……)
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)がなにか若干方向性の異なることを考えていた。
 別にだめじゃなさそうなので周りもノータッチの方針である。

「ええっ、急に果物の気持ちって言われても……少し悩んでしまうわね~
 それじゃあ、まだ緑色の苺になりきってみようかしら~」
 着ぐるみの似合うはーもにあこと『遠足ガイドさん』レスト・リゾート(p3p003959)はほっぺに手を当てつつハンガーから苺の着ぐるみを取り出した。
「というか……あるのね~、緑の苺」
「趣味……なのかな……」
 『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)も迷ったあげくリンゴの着ぐるみを取り出し、両手で抱えてみる。
「それにしても、これを着て果物の気持ちになって……果物の……気持ち……。
 えっ、皆普通はそういうのわかったりするの?
 そんなこと考えたことないのってボクのいた世界だけなの?
 よ、よくわからないけど頑張って考えてみるよ、果物の気持ちっ!」
 うーんうーんと唸った末、脳裏に広大な宇宙をしょいはじめる焔(スタンプ化お待ちしております)。
 そんな気持ちのまま、彼女たちの冒険は幕を開けたのであった。
 ……ぼうけん?

●しんぱしーなふるーつ
「メアはトマトです」
 草の上に体育座りをしたメアがそんなことを言い出した。
 漫画にこんな台詞書いてあったら真っ先に誤植を疑うところだが、トマトの着ぐるみにすっぽり入っているので間違いねーなこれ。
「トマトと人類の橋渡しになります」
 こんなことも言い出した。
「トマトは一つの株に鈴なりに生まれるものであるのにメアトマトは一人ぼっち。
 一個トマトにはかっこいいイメージを抱く方も多いかもしれませんが本当はトマトも馬も群れで生きるもの。
 その悲哀を胸に抱いているからトマトユニコーンは甘く酸っぱくなるのです……」
 何気なく空を見上げ、孤独に身体を赤くするトマトユニコーン。角んとこがなんかきゅるるーって回転をはじめた。
 そんなトマトユニコーンの前を、なにげなーくほっぺをでかくしたリス……というかトマトリスが通りかかった。ちらっとこちらを振り返り、口をモゴモゴするトマトリス。
「……」
「……」
 群れからはぐれたふたりのトマト。
 トマトはひかれあい、たがいを恐れながらも少しずつ距離を詰め――たと見せかけて。
「てい」
 ユニコーンチョップでトマトリスの首をコキャッてやった。

「……………………」
 サイズは木になりきっていた。
(木の気持ち……まあ、5年くらい前まだ鉱石だった際に感じてた気持ち……というかただそこにあるという気持ちを真似ればいいかな……地面に石とかあるしそれと一緒だよ)
 木っていうかほぼ石の気持ちになっていたサイズである。
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
 そのすぐ前を爆走していく梨カイト。
「梨汁ぶしゃあああああああああああああああああああ!!!」
 木(サイズ)に激突し、激しく額を叩きつけまくる梨カイト。
 額から赤い梨汁がだくだく出るが、カイトはぎゅいーんて振り返った。ていうかこのひと血ぃ出るの? あえて出してるの? あえてのカイト汁なの?
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
 とかいってると森の向こうから梨のバケもんがつっこんできた。
 いやちがう。梨と猪が混ざった果物生物ことナシノシシである。
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「うるっせ!」
「なぁあああああああっしぃいいいいいいいいいいいいいい!!!」
 ナシノシシと梨カイトは思い切り併走すると、同じ風を感じ合った中としてほのかな友情が芽生えーの拳をあわせーの仕留めーの。
「ナッシャアア!!!」
 梨ぐるみからはえた強化外骨格で手刀をガッとたたき込むと、ナシノシシはその場に崩れ落ちた。
 勝利の美酒っていう勝利に美汁にようカイト。
 その横では、レストもといレスト苺がもじもじとしていた。
「一目見た時から、果物先輩の鮮やかな色や甘そうな雰囲気に惹かれてしまって……
 だって仕方ないじゃない、まだ緑色で甘くもない、幼い苺なんだもの……」
 乙女心っていうか苺心を吐露しながらほっぺに手を当てるレスト苺。
 そんな彼女が木(サイズ)の陰から見つめる相手は頭が苺のヘビイチゴであった。
「…………」
 キリッとした目で振り返るヘビイチゴ。
「あの……! もし良かったら…甘くなる為の日当たりとか気温とか、教えてくれませんか……!」
 木の陰から語りかけるレスト苺。
 先輩の鮮やかな色や甘い香りに胸のドキドキを高まらせながら、緑の身体を少しずつ赤くしていく。
「先輩知ってますか?伝説の木の下(サイズちゃん)で出来たカップルは幸せになれるって……」
「フッ……」
 ヘビイチゴはニヒルに笑い、そして。
「おもしれー苺」
 イケメンっぽい台詞を言った直後に木(サイズ)とレストによってガッとされた。
 そうこれは甘酸っぱい苺のハートフル(ーツ)ストーリー。死んだけど。

 さてここで場面をうつしてパイナップル。もといメイナップルをご覧頂きましょう。
「べ、別に皆さんの為にやってるんじゃないんだからね、なのですよ!」
 パイナップルの皮、表面ツンツンしてるよね。味もなんかツンツンしてるし。
 けど糖度は高くて肉を柔らかくするアレも入っていることからメイナップルはツンデレの境地に達したのだった。
「作るのも手伝ってあげるけど、たまたま暇だっただけなんだからね、勘違いしないでよねなのですよ!」
 口調のせいで若干ツンにふりきれないメイナップルだったが、木によりかかってニヒルにスマイルするパイナップルワラビーには有効だった。
「おもしれーパイナップル」
 果物生物はそれしか台詞ねーのか。と思う暇も無くメイナップルはジャンピングクロスチョップ。更に激辛肉まんを口に突っ込んでトドメをさした。
「つかまえたのですよ! このあとプリン十個くらい買ってくるけど、たまたま人数分買っちゃうだけなんだからね、なのですよ!」
 最後までツンデレになりきれないメイナップルであった。

 樹木にがっしりとしがみつき、瞑目するイグナート。
 彼の脳裏には厳しい修行の日々が浮かんでいた。
 流れる滝の下でミカンミカンと叫び続ける日々。
 ミカンを頭にのせて尖った岩の上でスクワットし続ける日々。
 こたつから首だけ出してミカンをあーんってしてもらう日々。
 畳に寝転がってミカン片手でむきながらテレビ見る日々。
 ……まってこれ違う途中からしらない人の大晦日の過ごし方みたくなってる。
「オレは出発までの時間でミカンを観察し続けたよ。
 皮のついたまま、皮を剥いてスジが残っているジョウタイ、スジを剥がしてつるっとした中身、中の薄皮を剥がしてつぶつぶの見えるジョウタイ……。
 食事はトウゼン、ミカンだ!
 三食どころか五食をミカンで埋め尽くされたショクジ……」
 身体っていうか爪が例外なく真っ黄色になっていたが、それこそがイグナートの見いだしたミカンの境地。
 彼の身体はミカンで出来ていた。
「ニャーン」
 そんな彼のもとへミカンネコが『おっ仲間いるじゃーん』といって寄ってくるのも当然のこと。
 イグナートもといミカンナートは目をカッと開き。
「ミカーーーーーーーーーーーーン!!」
 ミカンネコへダイブした。必殺蜜柑衝が完成した瞬間であった。

 イグナートがどうかしちゃってるその横で、焔は樹木の枝にぎゅっとしがみついていた。
「はっ! 何だろうこの感じ、木から力が巡ってくる気がする
 そうか、果物とは、リンゴとは……!」
 何かの真理をみつけたらしい宇宙焔ちゃん。
 宇宙になんかモノローグみたいなのが流れ始めた。
 ――ボク達は食べられて、そして種を遠くに運んで貰わなくちゃいけない
 ――そのためにもっと甘く、美味しく熟していかないといけないんだ
 ――そのためには木からいっぱい栄養を貰わないといけないよね
「うぎゅー!」
 木にしがみついてっていうかかじりついて唸る焔リンゴ。
 お友達がこんなことしてたら所定の施設にお電話するかそっと見なかったことにするかのどっちかだと思うけどこれ実はお仕事なんやで。
「うぎゅー!」
 ふとみるとリンゴリラが木の枝にしがみついて同じようにかじりついていた。
 ハッとして互いを見つめ合うリンゴとリンゴ。
 あっどうも見たいな感じでリンゴリラが会釈をしてきたその途端、焔リンゴは背負っていた槍をビャッと投擲した。
「ごめんねリンゴ。きみはいまからボクの栄養になるんだ。けどそれも、リンゴの本望なんだよね……」
 なんかわかんないけどリンゴの気持ちをちょっと理解しはじめた焔であった。

「プルプル……私は悪いバナナではございませんわ……。
 でも美味しいから貴方に食べてもらいたいの……」
「ぷるぷるですわ……」
 ガーベラとビューティーが森のはじっこでぷるぷるしていた。
 農家貴族ことガーベラ様(異世界から転生した人みたい)がたどり着いたバナナの極地とは……。
 現在バーナナ・キルロードと化した令嬢に話を聞いてみた。

 ――バナナとは(ポーン)

『バナナはああ見えて様々な糖質を含んだ甘さと豊富なビタミン群など栄養価が高い。
 そしてその皮は黄金の様に輝く黄色……その皮を簡単に剥かれるのを期待しちゃう! つまりバナナとは「煌びやかな見た目だけどちょっとシャイ。でも剥かれるの期待して食べられてしまうムッツリ有能女子」なのですわ!』
 ろくろを回しながら語るバーナナの目は真剣だった。

 同じくバナナとなったビューティーと共に森を歩くバーナナ。背景で流れるプロフェッショなんちゃらなBGM。
 シャイなしぐさで立つガーベラ。
 シャイなしぐさで立つビューティー。
 シャイなしぐさで立つバナナ猿。
「「…………」」
 シャッと同時に振り向いたガーベラとビューティーは、バナナツープラトンチョップでもってバナナ猿をガッてした。

●そういやフルーツタルトがあった
「危なかったよ、もうちょっとで完全に果物になっちゃうところだった」
「ミカンミカンミカンミカンミカンミカンミカンミカン」
「これはパンドラが回復する味だ……」
 やれやれって感じでタルトをいただく焔。
 まだ人間に戻れてないかんじのイグナート。
 もふもふとひとりタルトに集中するサイズ。
 彼らは首尾良くとった果物生物をバニバニさんに納品し、あまった分をバニバニ特製タルトにしてもらった。
「ビューティーちゃん1人で食べられる~? はい、あ~んしてね~?」
「あーん……んまー! 百倍んまーですわー!」
 それを皆でいただくレストやビューティー。
 ネアはビューティーを挟んで反対側に座ると、『リンゴ茶』と書かれたポットを取り出した。
「ネアは持参してみました。えへへ。どうぞ、あーんしてください」
「あーん……熱っっっっっうい!」
 もうお約束みたいに転げ回るビューティーを見て、カイトは額のカイト汁を拭いながらしみじみつぶやいた。
「ビューティーって毎回こんなんやってるんだな……」
 ネアからわけてもらったリンゴ茶をすする。
 果物の気持ちを理解したことで他者への共感力を獲得したカイトであった。
 その一方で。
「嗚呼! 美味しい! バニバニ様、是非うちのキルロード農園と提携しましょう!
 こんなに美味しいタルトを作れる実力……是非とも欲しいですわ!」
「見た目にも拘るのです。メイはトレンドを熟知したシティガール!
 ばえるタルトを作って都会派になるのですよ!」
「ふふ……ワタシのタルトは高いぴょん」
 ガーベラとネアがバニバニさん相手になんか新たなコネクションを作って盛り上がっていた。
 幻想王国にばえるタルト専門店ができあがる日も、近い。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 フルーツタルトって美味しいですよねもう食べたくなってきましたコンビニ行こう!

PAGETOPPAGEBOTTOM