PandoraPartyProject

シナリオ詳細

伝承の兵と死闘せよ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■少し昔話をしよう
 昔々。名君と呼ばれ、地をよく治めた領主がおりました。彼の下には優秀な者が集い、やがて乱れた国を憂いて立ち上がります。
 人々は喜びました。彼が国を纏めれば、戦乱は終わると。
 しかし、領主は不幸にも。行軍中に受けた奇襲により命を落としてしまいます。跡は子が継ぎましたが、偉大なる親には届かず。ある戦いに敗北し、部下たちは散り散りに。

■その中の一つの家族の話をしよう
 かつて領主より、小さな集落を任された男がいました。その者は配下きっての切れ者で、すぐさま集落をまとめ上げ治安を良くし、優れた若者は彼を慕い兵となり。数少ないながらも屈強な一団へと成長していきました。
 しかし時の流れは無情にも、彼らを飲み込もうとします。そこで男は、自分の息子二人のうち、長男を敵軍の将の娘婿に差し出し。己と次男は徹底抗戦の構えをとりました。
 こうすればどちらの軍が生き残っても、家の血は絶えぬというしたたかな狙い。
 何度も何度も、寡兵ながらも強兵だった男の一団は。敵を退けていました。が、遂に負けた時。次男は遠い地へと送られ幽閉されました。

 時が経ち。かつての敵は今や天下人。かつての天下人は今や風前の灯火となった戦。
 そこへ、幽閉されていた、次男がふらりと籠城するかつての天下人の前に現れます。
「かつて、お世話になった御恩を今こそ返させて頂きます」
 たった一つ、昔に受けた小さな恩を彼は忘れる事がなく。負けが決定的であった軍に馳せ参じたのです。
 戦は激しさを増し、幾多の将が散りゆく中。彼は敵の長の陣地に一人駆け込み。首を狙います。
「であえ、であえーっ!!」
 何十、何百の兵が彼を止めようと立ち塞がるも。矢を、銃をその見に受けても歩みを止めず。その姿はまさに一騎当千。
 敵の長は思わず青ざめ、なりふり構わず逃げようとしたところ。異変に気づきます。彼が、動かない事に。
 彼は、立ったまま息絶えておりました。その瞳に光はなくとも、鋭さを遺したまま。
「……お主こそ、日の本一の兵よ」

■そんな彼の遺した未練
「……こうして天下は統一され、世は平和となりました。めでたしめでたし」
 で終われば良かったんだけど。と、境界案内人のカストルはため息をつく。例によって、亡霊、怨霊の類だよ、と付け加え。
「彼は自分が死んだ事が認識できずに、今もその地を彷徨っているんだ。このままだと近くを通り掛かる人を無差別に襲う悪霊になってしまうだろうね」
 日の本一の兵という名は伊達ではなく、強敵だけども。
 どうか彼を、眠らせてあげて欲しいと。カストルは集まったイレギュラーズに頭を下げる。

NMコメント

 伝承シリーズ第五弾。有名人ですね彼は。以下略です。
 毎度言ってる気がしますが、強敵です。お気をつけを。
 以下敵詳細。
■日の本一の兵×1
 全てのステータスに穴がない高さ。武器が槍なので通常攻撃はレンジ1です。
P日の本一の兵:【火炎無効】【乱れ無効】【足止め無効】【不吉無効】【精神無効】の複合スキル
P六文銭:6回までは必ずEXF判定に成功。【必殺無効】但し7回目は必ずEXF判定に失敗するデメリット。
P諦めぬ心:6回EXF判定成功後に発動。全ステータス上昇。【必中無効】【全状態異常無効】【ブレイク無効】【永続】
P忍びの援護:EXF判定に成功すると、戦場の敵全員に対し【暗闇】の効果を持つ攻撃が行われる。威力極低。
A業炎槍:レンジ1単体攻撃。威力高。【獄炎】
A貫槍:レンジ4万能貫通攻撃。【移】
A乱舞槍:レンジ1単体攻撃。威力並。【追撃40】
A我が生き様を見よ:レンジ1単体攻撃。威力極高。【恍惚】【連】【必殺】但し6回目のEXF判定成功直後の一回のみしか行わない。

 以上となります。繰り返しますが、本当に強敵です。
 どうか油断めさらぬよう……よろしくお願いいたします。

  • 伝承の兵と死闘せよ!完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年04月27日 22時01分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

鬼桜 雪之丞(p3p002312)
白秘夜叉
ソア(p3p007025)
虎風迅雷
冷泉・紗夜(p3p007754)
剣閃連歌
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
黒狼の勇者

リプレイ

■死に赴く
「……そなた達は?」
 月夜。幾らかの雲に明かりが見え隠れするが、不思議と視界は悪くない。目の前の、怨霊の無意識の仕業か。当たりには松明が立っている。
 柳の下、空を見上げていた彼は足音に気づき、視線を動かす。現れたのは4人のもののふ。それぞれが『彼』と戦える事を喜び、また彼に多少の哀れみを持ち集いし者。
 日の本一の兵。その武勇だけに限らず、信義の元に己を貫いた生き様は称賛されるもの。しかして、死を理解できず、いずれ悪霊と成り果てる予定の者。
「それ以上、穢れる前に、討ち果たして、浄土へと導きましょう」
 大太刀を抜き、『風韻流月』冷泉・紗夜(p3p007754)は静かに宣言する。彼への敬意を忘れぬように。ここで終わらせる。その為に。
「…死してなお、未だに自らの死を認められぬ者よ。あなたの物語はもはや終わり、今やそれはあなたの国の歴史として息づいている」
 目の前の彼と同じく、いや一かニの違いはあれど。同じ槍を扱う者として手合わせできる興奮は隠せない『特異運命座標』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は、穂先を『彼』に向けて語る。せめて最期に、俺が送ると。
「……そうか、私は死んだのか。……そしてそなた達は黄泉よりの迎え人」
 彼の視線は一人の少女、『玲瓏の壁』鬼桜 雪之丞(p3p002312)に注がれる。彼も幾らか聞き覚えがあったのだろう、鬼というものの言い伝えを。
「それは違いますが……しかし、手向けはできます。いざ、尋常に……」
 死合と参りましょう。刀の柄に手をかけ、雪之丞はじり、と前に出る。彼女に感化されたのか、彼も槍を手に構え、腰を落とす。殺気が増す。
「いよいよ始まるね……」
 『雷虎』ソア(p3p007025)の手にバチッと電流が走る。毛が逆立つ感覚、それはこれから始まる血で血を洗う戦への恐怖か。はたまた……歓喜か。
「……良いでしょう。最期のあがきも悪くない。この首、取れるものなら取ってみよ!!」
 彼が叫ぶ。同時に地を蹴る。それが合図!

■月の本で決めようぞ
「参ります!」
「女人といえど、戦場では手加減せぬ!」
 疾走る彼に沙夜が追いつく。手にした大太刀に破魔の氷を宿して、大振りだが正確に振り抜く!
 亡者の怨讐を振り払うその刃は、彼が防御の為に前にした槍に刺さり。それを伝い身体に寒気を覚えさせる。このまま防ぐは不利と本能で感じた彼は一歩引き、返す踏込で沙夜を突く。
「くっ……流石に一筋縄ではいきませんか!」
「そなたこそな!」
 どこか楽しげに口の端で笑う。ああ、やはりこの方は。怨霊なんかに身をやつすような方ではない。願わくば、生まれ変わり、またいつか。
「お次はこちらです!」
 鬼の少女が、刀を打ち付ける。これは力任せに受け止め、反らすも全てを逃すに至らず。そうか、そうか。己も鍛えに鍛えたつもりであったが、まだ世にはこれ程の。
「ベネディクト=レベンディス=マナガルム、いざ、尋常に」
「異国の者か!」
 見慣れぬ金の髪、碧の瞳。しかして手には槍。心が踊る。槍が交差する。生まれは違えど、同じ槍を持つ武人と相まみえる事が予想外に己の魂を揺さぶる。二人の男が力と力の真っ向勝負。
 数瞬、力比べをしていた二人がバッと距離を同時に取る。押しきれない事もないが、それは無駄に体力を使うだけと察した。
「おっと、こっちを忘れてもらっては困るよ!」
 地に足をつけた彼の右手側からソアが雷光を一直線に奔らせる。その激しさは月夜を昼と錯覚させる程。防ぎきれぬと察した彼だが、冷気が足を封じ込める。この為の布石かと気づくがそれは遅い。次の瞬間には身を雷が走り抜ける。
 その衝撃は受けた事もない一撃、全身が痺れる。しかし、その脳裏には一つの想いが生まれる。
「…義、使命、それに縛られぬ死闘が、こんなにも」
 見物人は月と星のみ。それが良い。生前にはなかった事。皮肉な事だが死してこのような機会に恵まれた事は。
「天よ、このようなもののふ達と巡り合わせてくれた事、感謝致す!」
 槍が炎に包まれる。彼の闘気に呼応するように燃え上がる!

■日の本一の兵を!
「させません!」
 燃え盛る槍を沙夜に、と繰り出す彼よりなお疾く。雪之丞が間に割り込む。いささか打撃を受けたようだが、肩当てだ、問題ないと判断し。目の前の鬼に炎をぶつける。
 その穂先は意趣返しに、打たれた肩と同じ位置を貫いた。赤い血が流れ、それが燃える。鬼の少女ごと焼き尽くさんと。しかして彼女は平然と立っている。
「なんと!」
「このような事もあろうかと……」
 雪之丞が示すは一つの腕輪。炎より身を護る護法の一つ。してやられたと舌を鳴らす。
「よそ見はそこまでですよ!」
「これならばどうだ!」
 どこまでも真っ直ぐな一撃を。沙夜とベネディクトが左右から放つ。身を翻し同士討ちを狙うのもありだが、それは余りにも無粋。
 こうまで綺麗な想いは、受けるに限る!
 沙夜の大太刀を槍の穂先で突き上げ弾き、ベネディクトの剛槍は返す腕で弾き落とす。
「流石に強いね! でもこれならどう!」
 ベネディクトの槍を押さえつけた彼に、ソアの視線が突き刺さる。それは只の目に非ず、相手を縛り付ける魔眼の一種。さしもの彼も一連の動きに合わせられれば防ぎきれずに呪縛を受け。
「……なるほど、そなたが射手か」
 年若き女人だが、油断はならぬ。むしろ、一番先に仕留めるべき相手かもしれぬ。
 鋭き視線を返す。その目には何の魔も術もないが、気迫だけで弱者は戦意を失いかねない。この場にいる者ならば、跳ね返す事もできるが。戦場ではどれほどの兵を退けてきたのだろうか。
「ゆくぞ!」
 彼が深く腰を落とす。槍を地に水平に構え、息を吸う。そして吐く。
「がっ!?」
 次の瞬間には、ソアの柔肌は貫かれ赤く染まり。彼女の背後に彼は立つ。それは正に地を縮めたかのようで。全員が反応できない疾さであった。
「しまった……!」
 巻き込まれないように散開した事が災いした。今貫かれたのはソア一人だが、彼は彼女の傍に立っている。槍が届くベネディクトや、中距離でも焔と毒の二重奏を放つ雪之丞は攻めを休めず続けるが。
 しかし沙夜は。その大太刀は至近距離では無類の力を発揮するが、遠距離での戦闘は想定しておらず。追いかけるだけで精一杯。
 脇腹を押さえるソアが、空いた手で稲妻の一撃を放つも。彼の技量に防がれる。まずい、と思いすぐに手を引き、一度安全圏に退き、息を整える。
「次はどなただ!?」
「俺が相手だ!」
 ソアへの追撃を諦めた彼が叫ぶ。呼応するはベネディクト。再びぶつかる二人の男。
 死闘は続く。

■六文銭を払う
 血に濡れていない者はいない。誰も『彼』も。死を乗り越えた。
 どこからともなく、光を覆い隠す煙幕が四人を襲う。雪之丞、ベネディクトは跳ね除けるが、ソアと沙夜はまともに視界を狂わされ。
 それでも音と、迸る闘気を頼りに刃を振るう。雷が大地を焼く。全ては六文銭を払わせる為に。
「今だ、雪之丞!」
「おまかせを!」
 その身で槍を受け止めたベネディクトが叫ぶ。呼応した雪之丞が血を喰らう呪われた一撃を刻みつける!
「ぐ、が……! これが、そなた達の……!」
「ようやく、届きましたね……!」
 暗闇に慣れてきた沙夜が、血に染まる彼を見やる。苦しむ彼から流れる血は止まらず、無情に体力を奪い続ける。
「まだだ……!」
 気合のみで立ち続ける彼を援護するかのように、またも煙幕が戦場を覆う。
「同じ手は喰らわないよ!」
 ソアが乱暴に腕を振るい、振り払う。しかし一瞬あれば、彼はその槍を振るい。雪之丞の身体を滅多打ちにする。
「拙とて……まだ倒れませぬ!」
 一度、二度。打たれてもまだ倒れぬ。刀の鞘で槍を受け止めた雪之丞は硬直を狙って腹を殴りつけ。
「六文……頂きます!」
 沙夜の氷刃が、宣言通りに彼の命の源を奪い取る。
「まだ、終わる訳にはいかないのだ!」
「もう、終わってるんだよ!」
 貴方の物語は!どこか悲痛な叫びとともに、ソアが雷光を放つも。雷よりなお疾く!
「捉えた!」
 完全にその身を貫いた。そう確信したはずのベネディクトの槍は、彼の槍で受け止められ。
「我が生き様をその目に焼き付けよ!」
「させません!」
 全ての呪いを気合で克服した彼が、最期の一撃を構え。相対するは雪之丞!
 一の槍は足を貫き、ニの槍は肘を縫い、三の槍は肩を穿ち。それでも、運命を払い雪之丞は立ち塞がり、四の槍を刃で切り払う!
「これで……!」
「終わりだぁぁっ!!」
 槍が切られた事で彼の戦意も切れた。しかし、彼の顔に心残りはない。その胸を、ベネディクトの槍が貫いて尚、笑っていた。
「もののふ、達よ……良き闘いを、有り難う……」

「武士の魂、その本懐、烈士たる様。穢れぬまま、黄泉にて眠りください」
 地に彼の身体を埋め、沙夜は手を合わせて願う。向こうで主と再び会えるように、と。
「一人ぼっちだったのに……強かったね」
「はい……彼こそが、真に日の本一の兵でしょう」
 疲れ切ったとばかりに座り込むソアに、雪之丞が支えるように背中合わせに座り死闘を思い返す。どこまでも迷いなく、槍のように真っ直ぐであった彼の闘気。恐らく、生きている間もそうだったのであろう。
 また、どこかで会えるかな?そう呟いたソアに、ベネディクトはこう返す。
「もう一度やれと言われたら、流石に今は遠慮したい所だな」
 一歩間違えれば槍を折られていたのは俺だ。しかし、いつか……もっと強くなる。彼を超えて。
 そう誓うベネディクトに、何かを見たのか。沙夜は。
「きっと、なれる……いえ、なりましょう。私達、皆で」

 そっと小石を6つ。彼の亡骸を埋めた場所に添えて。

成否

成功

状態異常

鬼桜 雪之丞(p3p002312) [重傷]
白秘夜叉

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