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シナリオ詳細

<虹の架け橋>おやつの時間は永遠に

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●三時の魔法はとけないまま
 ウェディングケーキがステップを踏み、クッキーとチョコレートが行列をくむ。
 ホイップクリームのシャワーとキャンディたちの拍手につつまれ、スイーツバイキングはいつまでも続く。
 ここは三時の魔法がとけぬ場所。
 おやつの迷宮。
 来る者は拒まないが。
 去る者は決して許されない。

●妖精王の危機
 かつてより妖精達は妖精郷アルヴィオンから森林迷宮へと遊びに来ていたが、用いていた門アーカンシェルが未知の魔物によって破壊、突破されてしまった。
 狙いは妖精郷の妖精王だろう。魔物たちは妖精郷に既に送り込まれている。妖精王ひいては妖精郷と妖精たちの危機である。
 妖精達のオーダーでローレットが守っていた門も連鎖的に使用不能となり、故郷と断絶された妖精達は改めてローレットに『大迷宮ヘイムダリオン』の攻略を依頼したのだった。
 各領域にて『虹の宝珠』を手に入れることで次領域へ挑戦できるという迷宮にはいくつものチームによるリレートライが必須になるだろう。
 この依頼はそんなトライのなかの一つである。

●シュガーシュガースノーボム
 白くてふんわりとした妖精が、カフェテーブルの中央で体育座りしていた。
 彼女の名はSSSB。略してスノービー。
 ティーソーサーにのっかるほど小さな彼女は、イレギュラーズへ迷宮への攻略を依頼した。
「虹の宝珠の力でより深層の領域へトライできるようになったわ。名前は……えっと……」
「『おやつの迷宮』」
 向かい側でティーカップを置いた『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)がそう語った。
「そのダンジョンの情報ならちゃんと集めてあるわ。安心して。
 『おやつの迷宮』は人間ほどに大きなケーキやクッキーやチョコレートが意思を持って暮らす街よ。
 ここでは毎日『最高のおやつ』を決めるための大会が開かれているの。
 けれどおやつたちは自分こそが最高だと信じて疑わないせいで、大会はいつも票が割れ続けているって話よ」
 プルーは肩をすくめ、スノービーも同じようにあらあらと肩をすくめた。
「優勝賞品は『虹の宝珠』……分かるわね? 皆のやるべきことは、この大会で優勝すること。けど残念ながら、『お料理勝負』にはならないのよね……」

 この街の住民は全員が『自分こそが最高のおやつ』だと信じて疑わず、必ず自分が出場し自分に票を入れてしまう。そのため必ず票が割れてしまうのだ。
 よそものであるイレギュラーズたちには大会参加権は与えられても投票権は与えられないので、これでは永遠に勝つことも誰かを勝たせることもできないだろう。
「けど、一つだけ方法があると思わない? それは……」
 プルーは美しい目を細め、手元のショートケーキにフォークをぶすりと突き刺した。
「全ての大会参加者が『欠場』すれば、自分に投票することはできなくなるわよね?」
 つまりは。
 大会に出場するおやつの住民たちを片っ端から抹殺ないしは懐柔し、大会から下ろさせるのがミッションである。
「住民もそう愚かじゃないし、極端に弱いなんてこともないわ。油断しないように、逆に『食べられて』しまわないように、気をつけてね」

GMコメント

■おやつの迷宮
 ここで行われるおやつの大会に誰かが出場し、他の出場者全員を抹殺ないし懐柔しましょう。
 時間は限られているので一人一件の割合であたる必要があります。
 成功件数が多ければ多いほど勝率が増し、全件成功すれば自動的に優勝すると思ってください。

●お料理パート
 みんなで協力してひとつのスイーツを完成させましょう。
 どんなスイーツを作りたいかを相談し、役割を分担してください。
 極論、応援する係でもOKです。

●抹殺OR懐柔パート
 他参加者の家へ行き、抹殺か懐柔のどちらかをしてください。
 抹殺パターンは純粋に戦闘で決まります。負ければ失敗、勝てば成功です。
 懐柔の場合は自分のスキルその他を活用してください。相手も優勝を狙っているので簡単んいは懐柔されません。メタに述べると『スキル〇〇と〇〇を使って懐柔します』と一文書いただけだと成功率は三~四割くらいだと思ってください。プレイングのリソースをいっぱいつっこみ、懐柔手段を突き詰めてください。
 なお、今回の参加者はショートケーキ、チョコチップクッキー、フルーツタルト、アイスキャンディー、プリンアラモード、七色マカロン、イチゴ大福、白たいやきです。

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • <虹の架け橋>おやつの時間は永遠に完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年04月23日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クロバ・フユツキ(p3p000145)
ただの死神
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
ミルキィマジック
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
魔風の主
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
かんな(p3p007880)
ホワイトリリィ
スレイ・クラウン(p3p008089)

リプレイ

●三時の魔法が解けない国
 甘い香りに包まれて、ビスケットロードは大賑わい。
 キャンディアーチとお菓子箱の商店街を、ケーキの馬車が進んでいく。
「わぁ、すごーい!」
 『甘いかおり』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)は実家のような安心感と香りに包まれて、ビターチョコとホワイトチョコのチェッカータイルをスキップした。
 ここは大通りの突き当たり。国の誰もが集まるケーキのお城である。
 お城ではスイーツコンテストが開かれ、いつも最高のスイーツを競って投票が行われる。
「そう聞いたら、パティシエとしては黙ってられないよね!
 純粋な腕だけの勝負じゃないのは残念だけど、がんばっていくよー♪」
「「おー♪」」
 ミルキィに続いて同時にジャンプした『遠足ガイドさん』レスト・リゾート(p3p003959)と『シティーガール!』メイ=ルゥ(p3p007582)。
「いろんな冒険が待ってるって聞いたけど、こんな冒険のしかたもあるのねぇ。楽しそうな予感がするわぁ」
 うふふーと口元に手を当てて笑うレスト。マカロンのソファが並ぶホールでは、次の参加者たちの名前と顔写真が掲示されている。
 『シティーガール!』メイ=ルゥ(p3p007582)はそのプロフィールを端から端まで眺めたところで、かなーりの端っこに『グループ参加OK』とあるのを見つけた。
 何度もコンテストが開催されるが一度も優勝者が出ていないというこの国。誰もがみな一緒に作ることを拒否し、自分のスイーツが一番だと主張してやまない。
「おいしそ……じゃなかった。優勝目指して頑張るですけど、お菓子は皆幸せになってほしいのですよ。まずは優勝を勝ち取って、行く末を見守るのですよ!」
 ふわふわとやる気を出すガールズ……のかたわらで、『実験台ならまかせて』かんな(p3p007880)は街の風景をきょろきょろと見回していた。
 ふつうに生きていたらまず見ないようなお菓子の国。
「素敵な所よね。おなかいっぱいお菓子を食べたいけど……」
 ぽんぽんとおなかを片手で叩いてみて、かんなは息をついた。
「無限に食べられはしないのね。むしろ小食なくらい。もったいないわ」
 かんなはテーブルがみえなくなるくらいいっぱいになったスイーツに囲まれてうっとりするさまを、想像するだけしてみるのだった。

 さて、お話をもどしてコンテスト。
「お菓子の迷宮と聞いた時は楽園かと思ったけど、お菓子達はあまり仲良くないんだね……」
 おそろしく大量に書き連ねた過去大会の記録を見て、『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)は長い髪をゆらして首を振った。
「みんなが参加してみんなが自分に票を入れるんじゃ、たしかに一生決まらないだろうね。どれも美味しいの間違いないからこれはこれでいいのかもしれないけど」
「……お菓子の迷宮……ふむ、ここを突破するためには一位にならないといけなくて、しかも必ず票は割れる……。
 ……さーちあんどですとろい?」
 スレイ・クラウン(p3p008089)は振り向いて首をかしげた。
 咳払いをするウィリアム。一方で『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)は腰に手を当ててみせた。
「最高のおやつを決める大会の妨害をするのは、正直に申し上げて、あまり気が進みませんね。
 ですが、部外者である僕達がこの迷宮を攻略して、道を進むためには致し方ないことで御座います」
 いつまでも続くドローゲームを自分たちの優勝で終わらせること。それが、今回イレギュラーズに求められたミッションだった。
「本来、料理と言うものは食べる人の事を考えて作るものだ。
 だが自分が最高なので自分以外認めない? ……これだから妖精絡みと言う奴は」
 『真実穿つ銀弾』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)は腕組みをして、ミルクセーキでできた参加受付票を手に取った。
 イレギュラーズは全員参加。
 それも、八人一組という前代未聞のグループ参加である。

●レッツ裏工作
「ボクはショートケーキ神であるぞー☆」
 全身をホイップクリームで綺麗にコーティング&デコレーションしたミルキィが、突如ショートケーキさんの家に現れた。
 現れたっていうか、スポンジの扉をドーンと蹴破って登場した。
 ここがお菓子の国じゃなかったら即しょっぴかれてそうな行動だが、ミルキィのエキセントリックないでたちとあふれ出るオーラに妙な説得力が生まれたらしい。
「キミはショートケーキ界の中ではナンバー1じゃないのでショートケーキの代表として認めるわけにはいかないのであるぞー」
「ショートケーキのナンバー1!?」
「異種菓子闘技戦に出る前にまずショートケーキのナンバー1になるのだー!」
 そういって、ミルキィは自慢のショートケーキを堂々と差し出した。
「ボクより美味しいショートケーキを作る人がシュガーランドにはたくさんいるのだー」
「シュガーランド……それは一体……」
 話自体には半信半疑のショートケーキさんだったが、ミルキィの作るケーキは確かにショートケーキさんと互角だったのでむむむと言わざるを得なかった。
「確かに言うとおりかもしれない。しかしどうすればナンバーワンに……」
「シュガーランドをめざすのだー」
「シュガーランドを!」
 どこそれ! と思いつつ、荷物をまとめて早速旅立つショートケーキ。目指すはシュガーランド。

 ――ショートケーキ、出場辞退。投票権破棄。

 一方そのころ、レストは。
「おばさんは果物の精霊。フルーツをコーデしたいというあなたの気持ちが魔法の世界から呼び出した精霊よ~」
 大体ミルキィとおなじようなことをしていた。
 わかりやすい違いはでっかいメロンの着ぐるみに収まっているところである。
 こういう着ぐるみにはいってぴこぴこ動くの好きなのか、レストはなんか楽しそうだった。すごい余談になるが、これが仮に制服なのだとしたらどこの制服なのだろう。メロン帝国?
 普通こんな人が家に訪ねてきたらお引き取りいただくところだが……。
「私がフルーツをデコりたいとなぜ分かったの!?」
 フルーツタルトさんは仰天して事態をうけいれてしまった。
 国民が八人くらいしかいないとこういうことがおきるらしい。
「見ててね~」
 レストはオシャレなじょうろを取り出すと、お庭にまいたいくつかの種にしゃわーっと魔法の水をかけた。
 するとにょきにょきかわった種類のフルーツが実っていく。
「さ、新鮮なフルーツを収穫して、フルーツコーデを楽しみましょ~」
 そう言ってつんだのは、フルーツではなくあえての花。
 食べられる花をフルーツタルトさんの頭にそっと添えてあげると、レスト(メロン)はにっこり笑った。ぽっと頬をあからめるフルーツタルトさん。
「オシャレって楽しいわよね~。けれど……魔法の時間もそろそろおしまいかしら?」
 寂しげに背を向けるレスト(メロン)。
「この魔法は、おうちを出ると解けてしまうのよ」
「そんなっ」
 鏡を振り返り、お花に触れるフルーツタルトさん。
「一度くらい、お休みしてもいいんじゃないかしら?」
 ね? と振り返るレスト(メロン)に、フルーツタルトさんは……。

 ――フルーツタルト、出場辞退。投票権破棄。

 プリンアラモードさんのおうちにやってきたメイ。次はプリンの妖怪にでもなるのかしらという期待をあえて裏切り、メイはふつーにドアをノックした。
 ぷるるんとするドアが開き、プリンアラモードさんが顔を出す。
「あらどなた?」
「旅の者なのですよ。プリン♪ プリン♪ メイにも食べさせて欲しいのですよ!」
「あらまあ、プリンアラモードを食べたいだなんて立派な心がけね」
 うふふと笑って、プリンアラモードさんはメイを部屋へと招き入れた。
 プリンの椅子に座りプリンのテーブルへと向かう。
 カラメルプレートにスッと置かれたのは、シンプルで涼しげなプリンアラモードだった。
「プリンは上品に、フルーツは優雅に、ホイップクリームは優しく。けれど盛り付けはシンプルに。これが至高のプリンアラモードよ」
「ほわー」
 優勝を目指すだけあって、見た目も香りも、そして当然味わいも絶品だった。
 メイがスプーンでひとすくいしてみると、一度凍らせてから五ミリ角に刻まれたフルーツがホイップクリームとカスタードクリームの二重層の間から発掘された。
 それをプリンと一緒に口に運んでみれば、そのバランスたるや……。
 さっぱりとみずみずしく、しかし食べているうちに甘さは濃厚になっていき、最後はとろんとまどろむような甘さと酸っぱさに包まれる。
 こんなプリンアラモードを食べながらメイは思った。
(お菓子は皆違ってどれも美味しいのに、優勝のために喧嘩してほしくないのですよ……
けど、皆優勝を目指してメイ達も目指して……ハッ!)
 突如、メイの頭上に豆電球が光った。
「あのあの、メイ達と一緒にパフェを作りませんか?」
「あらまあ、一緒に?」
「美味しいに上限はないのですよ!
 協力してもらえれば、もしかしたら新しい美味しいも見つけられるかもしれないのですよ!」
 身振り手振りで求めるメイに、プリンアラモードさんはとっくりと考えた。
「誰かと一緒にスイーツを作るなんで、今まで考えてもみなかったわ。
 あらあら……考えてみたら、とっても楽しそうね」
「なのです!」

 ――プリンアラモード、出場辞退。
 ――フローズンフルーツとカスタードクリームを提供してくれました。

 籠をもって家を訪ねるクロバ。
 表札には『七色マカロン』と書いてあった。
「どなたかな?」
 扉を開いた大きなマカロンパパが、ただならぬ眼光を見せつけるクロバをみてドアをそっとじした。
「まて。怪しい者じゃない」
 閉じかけたドアに指をかけて無理矢理開くクロバ。
「まずはこのマカロンを食べろ」
 開いた隙間から突き出した籠には、白いマカロンが入っていた。
 彩り(バエ)を意識した七色マカロンにとってこれは未知の領域。
 白一色のマカロンに一体何の価値が? といばうかしんでいるところに、クロバはドアの隙間からさっきの眼光をのぞかせた。
「まぁまずは食してみるといいさ」
「むむ……」
 お菓子の国の住人。お菓子を食べろと言われて食べない選択肢はない。
 まずは一口……と口に含んでから、しばらくしてマカロンパパはハッとした。
「井の中の蛙大海を知らずという言葉を知っているか? 知らなければ今覚えていくといい。
 このマカロンこそあらゆる”外の人間”たちを魅了した一品。”しゅわしゅわマカロン”だ。
 拘ったのは味だけではない。食べてみてわかっただろう、クリームに仕込んだものの正体を」
「むむむ……」
「真に最高のおやつを名乗りたいのなら、味や見た目だけではダメだ。
 そんなもの二流パティシエでも出来るぞ。大事なのは――楽しいおやつにできるかどうか、だ」
「むむむむ……」
 一理ある、とマカロンパパは唸ってから……。
「その通りだね。僕も長年マカロンの質に拘ってきたけど、ここからはサプライズへ転換する時期かも知れない。今度の大会では工夫をこらしてみるよ」
「ん?」
「え?」
 同時に首をかしげるクロバとマカロンパパ。
「今回の大会を辞退する話には――」
「ならないね?」
「確かに」
 懐柔して出場を辞退させるはずが、気づけばマカロンパパに新しいアイデアと活気を与えていたクロバである。
 仕方あるまいといってガンエッジを抜いた、その途端。
 家の奥からマカロンの子供たちがワッと飛び出してきた。
「あ」

 ――七色マカロン、出場決定。

「苺大福が腐ってるって、皆様、お聞きになられました? これでは大会には到底出られないですね」
「むむむ。そんなハズないですわ。イチゴ大福さんに限って……」
「本当です。昨日食べてみたらおなかを痛くしてしまって……」
 幻は街で苺大福の悪評を流していた。
 いっそのこと毒でも仕込んで本当に失墜させようかとも思った幻だが、そういう隙や都合の良い毒物がなかったのであくまでウワサの流布につとめた次第である。
「このままでは、大会に出るどころか、おやつとして誰にも食べてもらえなくなるんじゃないですか?」
「おいこらアンタ! アンタだな私の悪いウワサを流しているっていうのは!」
 後ろから声。
 両手に苺や粉の袋をさげた苺大福さんである。
 もちもちした身体をゆらして、苺大福さんが幻のもとへと詰め寄ってくる。
 が、ここで退いては始めた意味がない。
「おやつとしてすら食べてもらえなくなるなんておかわいそう。いい特効薬があるんです。ですが、それを渡す代わりに大会の出場権を僕に下さい。いいんですよ。貴方が食べることにすら値しないおやつのままでも」
 幻はひるむことなくプレッシャーをかけ続けた。
「私の苺大福を侮辱した上に権利までも狙うとは、不届き千万! 成敗してくれる!」
 もももっと腕をはやす苺大福。
 幻は愛想笑いをスッとやめると、苺大福から飛び退いてステッキを握り混んだ。
「こうなれば力尽くしかありませんね」
 幻の奇術と苺大福さんのもちもち戦法が真っ向からぶつかりあう。
 ……が、もちもちの苺大福を倒しきるまでには至らなかった。幻は深追いをさけ、適度なところで撤退することにした。

 ――苺大福、出場決定。

 街の大通りを、チョコチップクッキーと白鯛焼きが歩いていた。
 たがいの健闘を称えたり、次こそは負けないぞと言い合ったり、ほがらかな雰囲気だったが……。
「白たいやきさんですって。真っ白同士でお似合いじゃないかしら?」
 道の真ん中にふらりと現れたかんなに、白鯛焼きたちは足を止めた。
「なんのご用です?」
 怪訝そうにする白鯛焼きに、かんなは両手を後ろで組んで身体をかしげてみせた。
「どうか大会に出ずに、私に食べられてもらえないかしら?」
「……嫌だと言ったら?」
「……ふふ」
 互いの間に剣呑な空気が流れる。
「……いえ、始めから分かっていたわ。私、あまり口が回る方でもないし。
 それにいくら美味しそうなたいやきさんでも、こんなに食べられないわ。
 だから、ごめんなさい。この素敵な世界を守る為に……倒させてもらうわね」
 戦いが始まる空気を察して逃げだそうとしたチョコチップクッキーに、ウィリアムと近くで待機していたスレイが回り込む。
「突然だけど、僕はチョコチップが好きだ。サクサクしたクッキーの生地にカリッとしたチップの食感が最高だよね。
 優勝する必要が無いのなら君に投票したかったよ……残念だ。せめて美味しく食べてあげるからね!」
「綺麗にカットしてあげよう。まぁ、ここは迷宮だし相手がお菓子だからと言って油断はしないよ?」
「戦うしかない、ってことだね」
 チョコチップクッキーはぴょんと飛び退くと大量のクッキー手裏剣を発射。
 スレイがそれに対応している間に、ウィリアムは多重積層魔法陣を展開した。
 流れたクッキー手裏剣がウィリアムへ着弾し、激しい小麦粉の爆発を引き起こす。
「やったか!」
 もわもわと広がる白い煙……の中から、魔光閃熱波がまっすぐに突き抜け、チョコチップクッキーをかすった。
 かすっただけでも激しいダメージを負うほどの衝撃。
 着地に失敗して転がるチョコチップクッキーに、ウィリアムは追撃をしかけた。
 『歪曲のテスタメント』を起動。チョコチップクッキー周辺の空間をねじ曲げ、ばきばきとチョコチップクッキーを砕いていった。
 その一方で、かんなは白鯛焼きと激戦を繰り広げていた。
 高速顕現した槍を投げつけるかんなに、白鯛焼きは新たに召喚した大量のミニ白鯛焼きを発射。
 空中でとめられたところで、更に無数の白鯛焼きがかんなへと殺到した。
 対応するべく飛び退き、飛び退き、新規顕現した槍で払う。
 それでも対応しきれない白鯛焼きがかんなに張り付き、次々と自爆していく。
 白い小麦粉の爆発に包まれるかんな。
 が、次の瞬間。はじめにミニ白鯛焼きを貫いて落ちた槍が分解。煙を突き抜けて現れたかんなが手をかざすと漆黒の刀へと再構築されていく。
「それは……黒鯛焼き!?」
 目を見開く白鯛焼きを、かんなの『鬼歌』が切り裂いていく。
「戦うのは苦手ではなかったの。あまり嬉しい事ではないけれど」

 ――チョコチップクッキー、リタイア。
 ――白鯛焼き、リタイア。
 ――ノーマークだったアイスキャンディーは継続出場します。

●コンテスト
 コーンフレークをグラスにぱらぱらと注ぐ幻。
「フルーツが宝石みたいだね。凄く豪華だ」
 ウィリアムは新鮮なフルーツをカットし、スレイはウサギ型に切っていく。
 そうしたフルーツをレストが沢山盛り付け、かんなはチェリーを添えた。
「以前に食べて美味しかったの。これの盛り付けを……この辺りでいいのかしら?」
 そこへミルキィが得意の生クリームを、クロバがチョコソースをふりかけ、メイが最後に綿飴でふわふわに仕上げていく。
 そう、今日のメニューは……。
「皆で作るパフェだよ♪」

 こうして挑んだコンテスト。
 四組ほどの出場者の中で、優勝したのはイレギュラーズチームとなった。
 彼らは優勝賞品の宝珠を手に、あらたな冒険へと進んでいく……。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――虹の宝珠をゲットしました。踏破ポイントが加算されます。

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