シナリオ詳細
クソザコ美少女の好きな食べ物を決めようか
オープニング
●記憶喪失って刷り込みのチャンスですよね
「ここはどこ、わたくしはだれ」
いつものように景気よくローレット酒場の壁に突き刺さる形で砲弾出勤してきた『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)が、開口一番こう述べた。
現場に居合わせた人々の当時の感想を聞いてみよう
――「当たり所が悪かった」
――「いま借金を背負わせたらイケるきがする」
――「生き別れの兄だったことにできないか」
――「そもそも大砲から発射されて出勤するのがおかしい」
――「あとからバレるといけないのでここは様子を見よう」
思惑渦巻く中だれもが動けなかった……が、しかし。。
「わたくしどうやっておうちに帰ってましたかしら」
「わたくし、ろーれっと? は初めてですわ」
「はんばーがー……たぴおか……?」
「昔からのお友達でしたのね。生まれた時からかしら?」
数日たっても記憶がもどらねーらしいと気づいた皆様はちょっとずつちょっとずつ刷り込みをはじめ、そしてある日。
「わたくし、いつもどんなものを食べていましたかしら……?」
『なんでも出てきすぎてかえって引く』と評判の料理店にやってきて、メニューをひらいてこう述べた。
よっしゃここはチャンスじゃけえ。
ビューティーの好きな食べ物を決めてしまおうじゃあねえか。
たまたま居合わせたイレギュラーズがそう思うのも、無理からぬことであった。
●好きな食べ物を決めようか
本日、『なんでも出てきすぎる料理店』のレビューをするという依頼を受けたイレギュラーズたち。
そのなかにたまたま居合わせていたビューティーの一言から、場はレビューどころではなくなったのであった。
最近のビューティーちゃんの従順っぷりったらない。
借金が1万Gあるっていったら即払おうとするし、自宅は馬小屋だよっていったら寝泊まりを始めるし、世界中に盾ロール姉妹が12人いると言ったら探し始めたくらい何を言っても信じちゃうボーナスタイムみたくなっていた。(ちなみにこれらの嘘はあとで解消した)
であるからして。
今ビューティーに『君の好物はぺんぺん草だよ』て言ったら喜んで食べそうだし、パンの耳だけ食べてたよって言ったら『パン耳にお砂糖を挟めば実質サンドイッチですわ』とか言い出すに違いなかった。
そして幸いにもこの場は料理店。
店主に『これある?』て聞いたらなんでも出てくることで評判の店である。実際ペンペン草も出てきたし。
そんな誘惑がもわんもわん皆の頭上に広がったその時。
トドメの一言を、彼女は述べた。
「わたくしのことを教えてくださるかしら。わたくし、なにが好物でしたの?」
- クソザコ美少女の好きな食べ物を決めようか完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2020年04月13日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●のっけからコレで入るの初めてかもしれない
\きらめけ!/
\ぼくらの!/
\\\タント様!///
「――が、これまでのあらすじを説明しますわー!」
人差し指で天を突きくるくる回転する『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)。
「幻想王国に代々伝わる貴族の家に生をうけた少女シャーロット・ゴーリー・ソフィアは父の出張中におきた事故で――」
「まてまてまて」
顔を伏せ、両手をかざした姿勢でタントの解説を止める『鳥種勇者』カイト・シャルラハ(p3p000684)。
「何が始まった?」
「なんでしょう?」
「あと誰だ?」
「なにがですの?」
「え?」
「ん?」
「んー……?」
回転を停止し、すこしずーつ傾いていくタント。
角度的に45度を超えたくらいのあたりでぴたりととまり、ぷるぷるしながら『中略!』と叫んだ。
からの復帰。
「ある日記憶をすっぽり失ったビューティーがすったもんだで色々記憶を取り戻した末に今日好きな食べ物を思い出そう(決めよう)とあいなった次第、ですわ!」
ですわのところでびしりと指を突きつけると、両手にフォークとナイフをもってすっかりお食事モードになっていた『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)が振り返った。
「もう、お脳にはちゃんと鍵をかけるように言っておりましたでしょう! ビューティー!」
「わたくし、鍵と名のつくものがちゃんと機能したためしがありませんのよ! タント!」
「……たしかに!」
自宅が児童公園ばりに出入り自由になっている昨今である。冷蔵庫はおろか金庫すらパッカパカあいていた。もとより奪われるようなものを自宅に置かない彼女なので、今まで特に困ったことはないらしいが。
「まあそいつはいいんだ。ていうか俺のことも忘れちまったのか? こんなにキャラが――」
「カイト様?」
「おぼえてんじゃねーか!」
「そうだよカイト。長い付き合いだからね、忘れるわけがないよ」
『大号令の体現者』秋宮・史之(p3p002233)はビューティーの肩をぽんと叩くと、意味ありげに親指を立てた。
「俺のコトも覚えてるよね。俺だよ俺俺、夏生まれの秋宮史之だよ」
「史之様?」
「そうそう、大量召喚時からの親友じゃん?」
「しんゆう?」
「ちぇすとー!」
キュパパッと連続ではしる十字の閃光。
高速回転から水平チョップ姿勢で停止した『noblesse oblige』ガーベラ・キルロード(p3p006172)の後ろで、史之がグワーといって吹っ飛んでいった。
「ストップ・ザ・ねつ造! 関係性のねつ造は許しませんわ! あとビューティー様! ……いい医者紹介しましょうか?」
「わたくし健康にだけは自信ありましてよガーベラ?」
「そうではなくて」
ガーベラは咳払いをすると、両手をビューティーの肩に置いた。
「悪い人に騙されてはいけませんわ。記憶はしっかりもっておきませんと。例えばあなたにいる縦ロール十二姉妹(ロールプリンセス)のことも」
「縦ロール十二姉妹(ロールプリンセス)!?」
「そうそのひとりが何を隠そう――」
「ちぇすとー!」
クロスチョップ姿勢で突っ込む史之の後ろで、ガーベラがぐわーといって吹っ飛んだ。
「まずい、このままじゃ新しい設定を盛るだけの話になってしまう。誰か、誰か路線を戻して! はいそこフルール!」
「え」
ティーカップ片手にもうお茶する気満々だった『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)が振り返った。
仕方ないわねえといながら、長い髪に指を絡ませてくるくるとやる。
「記憶喪失って確かに、大変よね。大変……なのかしら? 私も記憶無いけど、特に困ったことないのよね」
「元からあるとないとでは違うんじゃないか?」
コーヒーカップ片手にカフェインキメる気満々だった『かくて我、此処に在り』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)がカップを置いて話に加わった。
「……いや、ビューティーの場合もう忘れすぎてて最初からないも同然なんだけどな。いや、本当にどうやって生きてるんだこいつ。運か?」
「まぁ何にせよ、自分のことがわからないというのは不便ね。
周りに自分のことを知っている人がいるから、その帳尻合わせとか……」
といって振り返ると、史之がビューティーにありもしない夏合宿(リリスガーデン巡り)の思い出を吹き込んだりガーベラがいもしない縦ロールツンデレゴスロリ妹(特技はマネーロンダリング)の話を吹き込んだりした末タントスピニングチョップでぐわーしていた。
「けど、過去のことは忘れて新しい自分を探すというのも楽しいことよ。
新しいものを模索するのは、特にね……」
「……」
マカライトはフッと笑ってコーヒーに口をつけた。
「好きなものがわからない。何が好きだったか、私には知るよしもないのですけれど。好きなものがこの際増えてもきっと楽しいことだと思うわ?
誰かと同じ『好きなもの』があったとして、それを共有できるというのは良いことでしょう?」
「確かにな。重要なのは過去じゃない。この先どう生きるか……か」
『好き』には定義があるという。
好きであることを主張することではなく、共に同じものを好くことで生まれる共通認識こそが『好き』であると、ある者は述べた。
「同じ花を美しいと言い合うこと。同じ料理を美味しいと言い合うこと。
それこそが……本当の『好き』なんじゃないかしら?」
と、すっごく綺麗にまとめたところで。
『帰って寝たい』矢都花 リリー(p3p006541)が寝袋っていうかあの巻き貝からにゅるって出てきた。
「……で、今日の仕事って食レポだっけ? 寝ててイイ?」
「折角綺麗にまとめたのにな」
「俺も忘れてたが確かに食レポが仕事だったな。あと寝たらダメだ」
貝に戻ろうとするリリーを二人がかりでひっぱりだすカイトとマカライト。
とかやってるうちに、『温泉饅頭博士』主人=公(p3p000578)がパンの耳を並べてキリッと振り返った。
「それじゃあ作っていこうか……ボクたちのメモリーってやつを!」
話は戻ったように見えるが、手にしてる食材がもう不安しか感じさせてくれなかった。
かくして、食レポは始まるのである。ビューティーの運命やいかに。
●まともなものを食べさせようね
「イカとエビのアヒージョをひとつ」
いきなり普通に美味しそうなヤツを注文しはじめたカイト。
「あひー……じょ……?」
もう響きからして知らないって顔するビューティーに対して、カイトは運ばれてきた料理をビューティーに見せた。
「アヒージョってのはニンニクって意味の言葉でな。たっぷりのオリーブオイルとニンニクでがっつりと焼いたスペイン料理のことだ」
スペインのそれも海側で有名な料理は、同じく海に囲まれた海洋王国を出身とするカイトにとってもなじみ深い料理である。
「にんにくがちょっと強いから、貴族や子女にはやや不向きかな? ただ保存が効くのが多い材料で海産モノもあるし、船乗りとしてはレシピとして加えておきたいな」
「そうなんですのねー。それで……わたくしの好物がそれなんですの?」
「え、いや、知らないけど」
「ん?」
「ん?」
海老をむしゃむしゃしながら首をかしげるカイト。
「まあ、とりあえず喰って寝て元気になれば思い出せるだろ!」
「…………」
「…………」
ビューティーはスッとナイフ&フォークを取り出し、奥から料理人が包丁二刀流でシャランシャランならしながら現れた。
料理人が謎の訛りで喋り始める。
「トイウコトハ。そちらのオジョーサンのチュウモン、オマエね」
「えっなん――なにするやめろはなせ!」
ウワーといいながら厨房の奥に連れて行かれるカイト。
陽気な音楽がひとしきり流れた後、上手に焼けましたわーという声が厨房からした。
――カイト焼きがビューティーの好物に加わりました
●今度こそまともなものを食べさせようね
「深く考えないほうがいいやつだな、これは」
マカライトはフィッシュ&チップスをもしゃりながら事の次第を見守っていた。
知ってる方も多かろうが、フィッシュ&チップスとはイギリスを代表する料理のひとつである。白身魚のフライと棒状のポテトフライをあわせたもので、イギリス産業革命時代における冷凍魚とジャガイモの流通にからんだ、なんていうかなるべくしてなった系の料理である。響きからすげーポテチついてそうだが、全然フライドポテトである。
ちなみに日本の居酒屋でフィッシュ&チップスを注文したらアジフライとポテチが皿にもられて出てきたことあったよ。コスパの極み。
「さて、そろそろ俺もお勧めするとしますかね」
一通り見て雑草喰わすようなヤツぁいないなと判断したところで、マカライトも早速行動にうつることにした。
「ビューティー、おまえの好物はな」
「はい?」
ナプキンで口をぬぐっていたビューティーの向かいに座り、マカライトはThe Gendo Poseで語り始めた。
「タルトだ」
「たると」
「それもフルーツタルトだ」
サッと運ばれてくるフルーツタルトを前に、マカライトは深く頷いた。
『勧める食い物は美味い物であれ』。
そんな価値観から、マカライトはタルトをきゃっきゃしながら食べているビューティーを眺めていた。
「あら、いいわね。そこにスモモを加えるのはどうかしら」
横に座ってティーカップをかざしたフルール。
「私はすももが好き。花も実も。
花は庭に植えて、または花瓶に差して、お茶と一緒に楽しむの。実は甘くて酸っぱくて。そのまま噛っても、干しても、蜂蜜に漬けても美味しいの」
そう言って出してきたのは、すもものジャムだった。
「もしも私の好きなものを好きになってくれたら、とっても嬉しいわ♪
今日という日に、記憶を失う前よりも好きなものが多くできると、とてもとても素敵だと思わない?」
「まあ! とっても美味しいですわ!」
「それはよかった」
フルーツいっぱい甘い物いっぱいで喜ぶビューティーに、フルールは満足げに目を瞑った。
――フルーツタルトがビューティーの好物に加わりました
――すももがビューティーの好物に加わりました
●いい話だけで終わらせない
「この3Lマグナムサイズコーラかなぁ」
待たせたな、くらいの引きでリリーがずどんとテーブルにコーラのボトルを置いた。
軽く目からハイライトを消しながら見つめるビューティー。
「こーらが……好物ですの……?」
「マグナムサイズコーラだよ」
「まぐなむさいずこーら……」
「ビューティっち、すごく喉乾きそうなライフスタイルじゃん……?
なんかよく高笑いしてるし……。
よく叫んでるし……。
よくキャノンとかに入って加熱されてるし……」
さらにビューティーの両側についてるドリルをてでびよんびよんしはじめた。
「きっとコレ、髪にボトル刺しとくボトルホルダーなんだよねぇ。
だから両側合わせて1日最大3L×2=6Lまで飲んでたってこと……でしょ?」
「でしょといわれましても」
「ビューティっちの好物が見つかった事を記念して……
ちょっといいとこ見……」
あせーの、と手拍子をはじめようとしたところで、もってきたコーラの銘柄(?)が違うことにリリーは気づいた。
「あたいペ○シ派なんだけど……ギルティ」
シャッて出したバールを振りかざし、ボトルを粉砕し始めた。
「えぇ……」
――マグナムサイズコーラがビューティーの好物に加わり損ないました
吹き上がるコーラを背に、公がぽんとビューティーの肩をたたいた。
「ビューティー……キミはかつて『パン耳108珍』というレシピ本を出版するほどのパン耳好きだったんだ」
「なんですって!? 印税が一円も入ってきていないのに!?」
「自費出版なんだ」
「なんてこと……!」
頭をかかえるビューティーに追い打ち……じゃなかったいややっぱり追い打ちをかける公。
「思い出すんだ。パンの耳を二束三文で大量に買っては食べ続けた日々を」
「うっ、言われてみれば大きな袋いっぱいのパン耳を抱えておうちに帰る光景が……」
なまじ事実っぽいので否定しづらい嘘になった。
「中でも一番の得意料理はコレ。『パン耳グラタンコロッケサンド』だ!」
「パン耳グラタンコロッケサンド! ……原料がすべて小麦粉ですわ!」
なんかもう、パンの耳をあらゆる方法で分解加熱して再構築したプラマイゼロの錬金術みたいな品が、そこにはあった。
「けれど今……ボクはそんな最強のパン耳レシピに勝負を挑む。
挑戦者のレシピは……これだ!」
あのグルメっぽいドーム状のやつ(クロッシュっていうよ)をぱかって開いて見せたのは、なんとホットミルクにパン耳半分ひたしたやつだった。
「審査員!」
振り返る公。
『公』のプレートを掲げる見ず知らずの審査員の皆さん。
――パンの耳がビューティーの好物に加わりました
「ミルクといえば……ビューティーって粉ミルク好きだったよね」
何気なく会話に混ざってくる史之。
「完全栄養食品だっていってミルク缶抱えてたじゃん。俺は引いてたけど」
「わたくし、粉ミルク常飲してましたの?」
「人肌にだました哺乳瓶でのむとさみしさが癒やされるって」
「わたくし何を言ってますの!?」
「さらには炒飯押してたよね」
ブレーキを踏まずアクセルべた踏みでいく史之。
「『チャーハンは生命宇宙真理すべてがつまってますの、つまり42の具が必要ですわ!』って言ってたよね」
「わたくしどういう食生活してましたの!?」
「一週間三食炒飯してたけどジャッジャッてやるやつがうまくできなくげ顔に被ってたじゃん」
「そんな手際なのに毎日食べてましたの!?」
「特にネギとか香味野菜もりもりにしてレタスも入れて、叉焼をごろごろの角切りにして、さらに薄切りにしたのを周りへ並べ、とどめに餡かけ野菜炒めをカレーみたいによそった、叉焼丼か八宝菜か訳わかんない、栄養学的にはともかく料理として許せない苦渋な炒飯をよくリクエストされてたよ」
「そこだけ聞くと食生活のバランスがとれていますわね!?」
「まあそういうわけだから、とりあえず食べて貰おうか……このギリギリ炒飯と粉ミルク」
――粉ミルクがビューティーの好物に加わりました
――炒飯(?)がビューティーの好物に加わりました
●縦ロールの姉妹
「オーホッホッホ! ビューティー様! 貴女のライバルの一人、ガーベラ・キルロードが貴女の好物を改竄……もとい教えて差し上げましょう!」
ここで現れたのがみんな大好きガーベラ御嬢様である。
「教えてくださるの、ガーベラ!?」
「教えるしなんならもう用意してありますわ――例の者を」
いきなりサングラスをかけてthe gendo pauseで座ると、パチンと指を鳴らした。
顔から『きるろーど』ていう面覆いをした黒子たちがサッて出てきてサッてコップになんか緑色の液体を注ぎ入れてから消えた。
「ビューティー様が好きなのは……野菜ジュース! ですわ!」
「野菜ジュース! ですの!?」
ごくりと息を呑み、コップの中身を凝視する。
「ええ、しかも自分で作るかなりのこだわり派でしたわ。
よくうちのキルロード農園の野菜を買ってミキサーに掛けて腰に手を当てて飲んで……そのへんのペンペン草まで投入した『青汁(ビューティー仕様)』と称して飲んでいたのですわ」
「わたくしなぜそんなムダにペンペン草を……」
ガーベラは机をバーンて叩いて立ち上がった。
「そうつまりビューティー様は大の野菜好き! そういうことですわ!」
「そういうことですのね!?」
「さあ、ビューティー様、野菜をいっぱいとりましょうね!」
わーいといって腰に手を当てて一気飲みするビューティー。
色の割に案外すっきり飲める上にビューティーの味覚が元々バグってるせいでだいぶおいしくいただけたらしい。
――ガーベラ青汁がビューティーの好物に加わりました
「ついに私のターンがやってきましたわね……ビューティー!」
「タント! あなたは何を教えてくれま――ハッ、これは!」
言わずもがなといった様子で懐から取り出したのは、『タント様こんぺいとう!』であった。てっててー。
「わたくしと同じく! ビューティーは金平糖が大好きでしたわー!
そう! これこそは、きらきらと色とりどりにきらめく甘ぁい幸せの欠片……。
ささ、一緒に食べましょう!」
椅子にすわって隣をぽんぽんするタントに、ビューティーはわーいといって一緒に座って金平糖をひとくち口に放り込んだ。
同時に口の中でこーろこーろして顔つきをゆるめていく二人。
「こうしていると思い出しますわね。御嬢様バトル。レジェンドオブビューティフルパワーの特訓、どれもよい思い出……そうですわよねシェフ!」
振り返るタントに、シェフこと泥妖怪ドロパック氏はビッと親指を立てた。
「思い出とは人生の記録。肉体と社会に刻まれた絆の証。たとえ消えてもこうしてどこかに残るものなのですね」
「ドロパック様!」
――タント様こんぺいとう がビューティーの好物に加わりました
あと忘れてるかもしれないが、食レポは案外すんなりすんだという。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――ビューティーに好物ができました。今後お金の許す限り定期的に食べるようになります。
GMコメント
記憶喪失回って、一度はやりたいよね。
ビューティーにもございます、記憶喪失回。
というか常日頃からものを忘れすぎてるせいで今更記憶が全部飛んだからって日常生活に支障が無いのが彼女のすごいところであございました。
数日かけて人間関係や住所やなぜか負ってる借金は再履修していますので、ここはひとつ『ビューティーの好きな食べ物』を決めてしまいましょう。
一人いくつまで決めてもOKとします。ありもしないエピソードを説明するような描写も込み込みで考えると2~3個がベターかなって思いました。前例がないんだ。わからんよそんな尺度。
■裏話
すごくメタな裏話をするとビューティーの好物は最初から決めていません。
よって今回の依頼結果が正となります。(よっぽどおかしいもんでもねえかぎりは)
ちなみにアンダーラインは生雑草ですね。
サルビアの花ちゅーちゅーするくらいは多分前からやってたんじゃネエの?
……といったラフな気持ちでぶっ込んでください。遊べ遊べ!
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