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シナリオ詳細

気分が乗らない不真面目な日に彼と昼食を、

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 キーンコーンカーンコーーン
 三時間目の終わりを告げるチャイムが校内に響き、一斉にガヤガヤと始まる騒がしい話声が校舎を包んだ
「へへ、やってるか!」
 酔っ払いのようなテンションで教室の窓から顔を出した少年は、にかっと白い真珠の様な歯を見せて笑った
「なんだお前サボりか? 悪いやっちゃなぁ」
 少年は「おー寒い」とセーターの袖を伸ばす。三月。桜の蕾が膨らみ始め春の訪れを告げる季節。だが、まだ十分寒い。昼間は太陽が出ているおかげで暖かいが夜は打って変わって冷え込む。布団を三枚重ねたって足りない
「おまえ、どうせ四時間目もサボるんだろ? 俺の分の昼飯も買っといてくれよ」
 少年からぽんと五百円玉を渡される
「あ、帰んじゃねぇぞ? その五百円は俺の全財産だんな! 帰ったらマジぜっこーだわ」
 眉をしかめた少年のいつもより真剣な顔を見て、やれやれと溜息をつくとチャイムが鳴り響いた
「お、四時間目始まるわ。んじゃ頼んだぜ!!」
 ぐっと親指を立て少年は窓を閉めた

 さて、どうしたものか

 少年から預かった五百円玉を見つめながら頬を撫でた


 取り合えず校内の売店に立ち寄ってみる。暇そうに欠伸をしているおばちゃんを横目に並べられた商品に視線を落とす
 あんパン、食パン、カレーパン、ジャムパン、バターとチーズのパン。その他にもカップスープやみそ汁、おにぎりなどがカウンターの上に所狭しと並んでいる。奥の棚には飲み物も置いてある
 その内のいくつかを手に取り、財布の中身を確認する。どうやら足りそうだ。少年の分と自分の分の昼食を買って売店を後にする
 まぁ、四時間目が終わるまでどこかで待っていようかな。そうだ、いつものお気に入りの場所はどうだろうか? 彼も知っている場所だから、授業が終わればきっと来るはずだ

 片手にぶら下げたビニール袋を揺らしながらお気に入りの場所に足を進める

NMコメント

こんにちは。こんばんは。初めましての方は初めまして。佐茂助と申します
学生の時にはどんなお昼ご飯を食べていましたか? 因みにわたしはお弁当……でした

<目的・目標>
少年とお昼ご飯を食べて、お昼休みを過ごす

<世界観・設定>
あなたは何故か中学二年生になっています。今日はなんとなく授業に出たくない気分なので午前の授業はサボりました。学校には親友とも呼べる少年「上村 俊哉(うえむら しゅんや)」がいて、彼とよく話したり遊んだりしてるようです。ちょっとやんちゃなお年頃の男の子。少年は特に設定とかありません、勝手に付け足していただいて構いません。好きにいじってやってください
因みに制服は学ランとセーラー服。セーラー服の襟は広めの紺色でリボンの色は赤

<売店>
大抵なんでも売っています。パンやおにぎり、お菓子はもちろん、消しゴムやシャーペンの芯、襟章に至るまでレパートリーは豊富

<校内>
図書館、噴水、校庭、音楽室、テニスコート、野球場、旧校舎。学校にありそうなものは大体あると思います。緑豊かな素敵な学校です


皆様のご参加お待ちしております
どうぞよろしくお願い致します

  • 気分が乗らない不真面目な日に彼と昼食を、完了
  • NM名伊与太
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年03月26日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
まずは、お話から。
セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補
羽住・利一(p3p007934)
特異運命座標
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃

リプレイ


 『初日吊り候補』セリア=ファンベル(p3p004040)は、校舎の隅にひっそりと残っている、廃部になった写真部の現像室のドアを開けた
 埃が積もった教室は、まだ椅子もコンセントも冷蔵庫も使える。ただ、現像液のにおいが染み付いてるのが気になるけど、慣れてしまえば大したことはなかった

「あ、やっと来た」
 椅子に腰かけて暫く待っていると、ガラガラという音と共にセリアの親友である俊哉が教室に入ってきた。彼はへこへこと頭を下げながら、セリアの隣の席に座った
「買っといたわよ、タマゴサンドと野菜ジュース」
「げ! 嘘だろお前……野菜ジュースて、野菜嫌いの小学生の飲み物じゃねーか」
 セリアがぶら下げたビニール袋の中を覗きながら、俊哉はゲーッと舌を出した
「嫌な顔しないでよ。嫌いなのは知ってるけど、あんた顔色悪いわよ。ちゃんと家でご飯食べてないんじゃないの? それかちゃんと寝れてないか」
「そ、そんなことねーよ! お前がうるさい声で玄関から『遅刻するわよー!』なんて言うから食べ損ねただけだ!」
「わたしのせいなの? あり得ない! ……もう、ほら、ちゃんと食べたら好物のおばちゃん特製大学イモも買ってあるから」
 ビニール袋の中身を机の上に広げながらセリアは大きなため息をついた
「お、マジか……お前、ええやん」
 大学イモがあると聞くと、すっかりご機嫌をよくした俊哉は、野菜ジュースのストローを差した
 
「……ねぇ、前に言ってた話」
「前っていつだよ」
 俊哉は大学イモを口に頬張りながら船こぎをする。
「前って、あれよ……。真剣に考えてるんなら、ちゃんとアプローチしないと駄目だよ。あの娘狙ってる男子いっぱいいるんだから」
「……そんなこたぁ俺だってわかってるよ」
「カッコつけたり恥ずかしがってるうちに、他の男子に持ってかれるわよ」
「じゃあどうすりゃいいんだよ! なんかアドバイスとかねーのかよ」
「……アドバイス?」
 セリアは首を横に振る
「勘弁してよ、わたしそういうの興味ないって何回も言ってるでしょ。……それに、こういうのは自分でやらなきゃ意味ないんだよ
……と、そろそろ昼休みも終わりかな」
 昼休みを終えるチャイムが鳴り、セリアはポケットの中からスマートフォンを取り出した
「行ってらっしゃい、わたしはもうちょっとゲームの周回進めてるわ」
「けっ、お気楽なこった」
 セリアバタバタと出ていく俊哉の背中を静かに見送る

「……ふん、派手に振られちゃえばいいのよ、バーカ」




「金を渡して寄越すなんて困った奴……は俺もか。授業をサボっているんだしな」
 そう苦笑いを浮かべながら、『特異運命座標』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は手に持っていた五百円玉をポーンと投げた
 売店へ向かいながら、ベネディクトは何を買おうか考える
 ベネディクトは売店で、自分の焼きそばパンとコーヒー牛乳を買った後、俊哉のメロンパンにサンドイッチ、カレーパン、後は牛乳を買ってそのまま学校の屋上へと足を運んだ。重そう

「空、青いな……」

 屋上の風に当たりながらベネディクトは寝ころんだ。白い雲がゆっくりと流れる空を仰ぎながら時間が来るのを待っていた。そうこうしているうちに、ガチャリと重い扉が開く音がして俊哉が屋上へと足を踏み入れた
「……来たか、こっちだ。俊哉」
 と、ベネディクトはカンカンカンと錆びた梯子を登って来た俊哉に手を振る

「今日も部活だろ、多めに色々買っといた」
 おつりの10円とビニール袋を渡して、ベネディクトは自分の分のビニール袋の中から焼きそばパンを取り出した
「お、サンキュー」
 ビニール袋を受け取り、俊哉はベネディクトに笑いかけた
「最近サッカーは、調子良いのか?」
「まぁ、ぼちぼちだな~。いや、つーかさ、お前俺の試合観に来いよ!」
 俊哉はサッカー部のレギュラーメンバーで、何度か試合を見に来てくれよ、と言われはしたものの、ベネディクトは未だに見に行った事は無かった
「何が悲しくてお前のサッカーを見に行かないとダメなんだ、俺はもうやってもないしな」
 ベネディクトは俯きながら焼きそばパンにかじりついた。小学校の頃は一緒にやっていたが、中学に入ってからはぱったり止めてしまったソレを、熱心にまだ続ける俊哉を見るのが……辛いだけかも知れない。結局は自分の心の弱さのせいなのかもしれないな

「俺の事より、あの子はどうなんだ。応援にいつも来てくれる子がいるってこの間言ってたじゃないか」
 突然話題を逸らすように、ベネディクトが言った
「え、あ……そのなぁ。うーん」
 声も掛けず仕舞いなのか? ……お前、そういうのは本当苦手だよな。ベネディクトははっはっはと笑いながら俊哉の髪をガシガシと掻き乱した
「やめろい!」
「学年は同じなんだろ?気になるなら声の一つくらい掛ければいいのに」
 やれやれと溜め息を吐いてベネディクトは俊哉の肩にトンと手を置いた

 ベネディクトはビニール袋にゴミをしまい、ごっそさん、と呟いてチャイムと同時に立ち上がる
「今日はこのまま鞄回収して勝手に帰る。先生には適当に言っといてくれ」
「あー? 俺が怒らんだよ!」
「悪い悪い……なあ、俊哉。次の試合、負けるなよ」
 春の温かい風が、二人の頬を撫でた
「おうよ!」
 俊哉はぐっと拳を突き上げて笑って見せた




 セーラー服の赤いリボンをゆらゆら揺らし、『特異運命座標』羽住・利一(p3p007934)は売店と向かっていた
「約束したし、昼食を買っておいてやるか……今日はサンドウィッチの気分なんだよな」
 卵、ポテサラ、BLT……目移りするけど、俊哉が好きそうなヤツを買おう。売店のカウンターを眺めながら利一は人差し指と親指を顎に乗せながらうーんと唸る
 利一はまず、自分用のサンドイッチと紅茶を手に取り、俊哉用のカレーパンとサンドイッチ、ツナマヨおにぎりと、彼が好きな杏仁豆腐の味がする炭酸ジュースを選んだ。これが意外に美味しいらしいのである。好き嫌いは分かれるが、利一はその美味しさが到底理解できなかった

 利一は四時間目が終わるまで適当に時間を潰しながら、いつもの『屋上に行く階段の途中の踊り場』に足を進める。少し寒いけど、外よりは暖かいし、静かに落ち着いて過ごせるんだよね。セーラー服の袖を伸ばしながら利一は俊哉が来るのを待った

 慌ただしい足音と共に俊哉の姿が見えた。利一は「おーい」と声を掛けながらビニール袋と手を振って迎え入れてやる
「床に直座りすると体が冷えてしかたねー!」
 俊哉は床に敷くタオルを手に持ち、利一のビニール袋と交換した

「来月から三年生だね」
 利一はサンドイッチを頬張りながら、ぽつりと呟いた
「きっとあっという間に1年が過ぎて、気付いたら卒業しちゃってるんだよ」
「そーだなぁ」
「俊哉は、卒業したら高校に行くの? 大人になったらなにしたい? 私は親父みたいな歴史関係の発掘の仕事をしたいから、大学に向けて一直線だなぁ」
「だったらサボってんじゃねーよ、阿ぁ保」
「俊哉と違ってテストの点がいいから大丈夫だよ!」
 「阿保はどっち?」と、利一は目を細めた

「卒業したら、俊哉と会う機会も減っちゃうのかな……これからの1年、思い出をいっぱい作りたいな」
 サンドイッチを食べ終え、ふーっと息を吐きながら利一は腕を伸ばした。あっという間の1年。実りあるものになるといいな




 彼女の名は『blue』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)科学部所属、将来は、人型ロボットを作るのが夢である
 最近の夢で、自分がロボットになって冒険する光景をよく見る。どうも今日は勉強するよりもその夢について考える方が気分が乗るので授業はちょっとお休み

「私はおにぎりを2つと、お茶を。彼にはカレーパンと、牛乳と……パンは一つじゃ足りないだろうから、あんパンと……それと焼きそばパンも買っていこうか」
 合計780円……少し予算オーバーだけれど、これくらいはいいだろう。イルミナはお昼ご飯が入ったビニール袋をおばちゃんから受け取る

 ビニール袋をぶら下げながら、イルミナは校舎の側の大きな木の下へとやってきた
 四時間目が終わるまではまだ少し時間がありそうだ。イルミナは鞄の中から取り出した敷物を敷いて、俊哉が来るまで一眠りすることにした

チャイムが鳴り、暫くすると近寄ってくる足音が聞こえた。イルミナはゆっくり起き上がり
「……もう、遅いッスよ?」
 と、眠り眼を擦りながら文句を垂れた
 彼女にとって幸せな……本当に、幸せな一時が始まる

 イルミナには夢がある
『いつか、人型のロボット……ううん、アンドロイドをこの手で作るんだ
人間を助けて、支えて……いいパートナーになる。そんな存在』

 それは、とても大きな夢で、叶えられるかは分からない。前に俊哉に話した時、彼はすごく微妙な顔をした。その顔は「お前にできるわけねーじゃん」と言いたげであった

……わかってる、わかってるけど……そこに向けてする努力は、きっと無駄じゃない

 スカートをぎゅっと握りながらイルミナは何か思いついたように顔を上げた
彼だって将来の夢くらいあるだろう……ハッキリとしたものじゃなくて、ぼんやりとでも
試しに聞いて……ふふ、からかってやろう
「俊哉さんには夢があるんスか?」
 いたずらっ子の様な笑顔を浮かべて、イルミナは俊哉の顔を覗き込んだ
「え、俺の夢か……? そーだなぁ……まだわかんねぇな。俺の親父はただのリーマンだし、多分親父と同じようなリーマンになって、上司に頼られて、部下に尊敬のまなざしを向けられて、同僚に嫉妬されるんじゃねーか」
「ふっ、なんスか! それ」
「なんだよ! 夢なんてまだねーんだよ! 笑うな!」
 イルミナはひとしきり腹を抱えて笑った後、大の字になって寝ころんだ
「私は……叶えて見せるよ」
 そう、自分に語り掛けるように呟いた

成否

成功

状態異常

なし

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