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シナリオ詳細

襲撃!! ゴブリン100匹軍団!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●のどかな村に迫るゴブリンの襲撃
「復讐だ、ゴブッ!」

 ゴブリンのうち、一匹が叫んだ。
 集まったゴブリンたちが、その声に呼応して武器を打ち付け、次々に声を上げる。
 数は多い、各地からゴブリンたちが集結したのだ。
 同胞たちが人間の村を襲撃しようと計画を練っていたのだが、逆襲され、小さな群れが全滅したのだという。
 その群れに、彼らの知り合いや家族がいたわけでもない。
 また、彼らの復讐心は同胞愛からのものでもない。
 ゴブリンという種族が舐められた――その実態は別にして――彼らはそのように判断したのだ。

「このまま舐められるなんざ、まっぴらなんだゴブ!」

 舐められたら殺す、これもまたわかりやすい動機である。
 人間ごときは、ゴブリンの襲撃に対して震え、怯えることが許されるのだ。
 彼らが狙うのは、大きな都市などではない。争いもなさそうな平和でのどかな集落こそ標的となる。しかし、人間たちの暴力性、軍事力は侮れず、ゴブリンたちは正面切って戦うつもりはない。兵士や騎士、傭兵といった戦闘のプロフェッショナル、軍人などが常駐していない弱い部分を執拗に狙うのだ。
 もっとも弱く、無防備なところを狙うのは常套手段であるのだ。

「俺たちの恐ろしさを見せてやるゴブ!」
「女も子供も殺してやるゴブ!」
「そんで俺たちも荒らし回って、すっきりするんだゴブ!」

 元より、彼らの目的は報復である。
 殺戮と略奪は、その報復の手段、言ってしまえばついでであるのだ。

「あのガシャイヒ村に押し寄せて、思い知らせてやるゴブ!」

●ゴブリン百匹団の脅威!
「皆さん、大変です! 大変なのです!」

 ギルド・ローレットでは、『新米情報屋』ユーリカ・ユリカ(p3n000003)が慌てふためいていた。
 ゴブリンの大群が、平和でのどかなガシャイヒ村を狙っているという。
 かつてガシャイヒ村はゴブリンたちに狙われた。
 襲撃の前に、雇われたローレットイレギュラーズによって退治されたので事なきを得た。
 しかし、このゴブリンが撃退されたという情報が各地に巡り、ゴブリンたちが報復の動きに出ているという。

「ざっと100匹ほどが集まるらしい」

 ゴブリンたちの動きを察知した『黒猫の』ショウ(p3n000005)が告げた。

「この100匹が三手に別れて村を包囲しようって動きだな」

 それぞれの群れにゴブリンのリーダーがおり、別々に行動するようだ。

「お、お願いします! どうか村を助けてください!」

 この危機を知ってローレットに依頼してきた村娘が必死の思いで訴えている。

「ガシャイヒ村には、兵隊さんもいませんし、皆さんに頼るしか……」

 彼女には、まだ幼い2人の弟と3人の妹がいる。
 ゴブリンが襲ってくれば犠牲となるのは、そうした弱い者たちだ。

「ガシャイヒ村には、だいたい一日あればたどり着ける。ゴブリンの第一波がやってくるのが早くで4日、だいだい3日程度の猶予がある」

 ショウが周辺の地図を広げて説明する。
 ゴブリンは3つの群れが集まっているらしい。
 そのうち、小規模なものが北の山地からやってくる。
 村の守りは、木の杭で壁を築いてある程度だ。
 大きな群れがやってくるのは、南側のルートと思われる。
 南側の道には流れの急な川があり、橋がかけてあるという。
 西や東から大規模な襲撃はない。そういう地形に村はある。
 年寄り、子供、老人を避難させるとしたら、高台にある風車の上階層、隠れられそうな納屋がある。

「ゴブリンたちが攻めてくる間に、村人たちを避難させるなり手伝わせたりはできるだろう。ただ、若い男をかき集めても、ゴブリンとの矢面には立てないだろうけどね。だからこそ、ローレットを頼ってきたんだけれども」

 敵はゴブリン100匹、ガシャイヒ村の人々はこれを迎え撃てる腕利きを求めている。
 さあ、守り切れるだろうか?

GMコメント

■このシナリオについて
 皆様こんちは、解谷アキラです。
 ファンタジーRPGの定番、王道のゴブリン退治のシナリオです。
 幻想の片田舎、ガシャイヒ村がゴブリン100匹の群れに狙われています。
 基本、村人には逃げ場がありません。
 老人、子供もおり、一時的な避難には限界があります。連れて逃げたとしても追いつかれる可能性が高いです。

・ゴブリンのうちわけ
 100匹の群れは、三つの群れの連合です。
 それぞれ、ホブゴブリンの群れのリーダーに率いられています。

・ホブゴブリン×3
 群れのリーダーです。身体がでかく、それなりに知恵もあります。
 それぞれの群れのリーダーですが、個体差は特に設定していません。

・群れA
 20匹からなる群れで、最初に到着すると予想されます。装備も軽装で、斥候の役割を果たします。

・群れB
 30匹程度の群れで、ショートソードやショートスピア、ショートボウを有しています。バランスが取れている群れといえるでしょう。

・群れC
 50匹の大集団です。大勢の群れですが、それだけに行軍速度は遅いと思われます。
 この群れのリーダーに、各群れが呼応したようです。
 目立った戦力としては、ゴブリンライダー(狼に騎乗し槍を構えたゴブリン)が10騎おり、強力な突破力を持つものと思われます。
 また、この群れのホブゴブリンは体格がもっとも大きいようです。武器はウォーハンマーを構えています。

・ガシャイヒ村
 200人程度の小さな集落です。若い男ではかき集めても20名程度です。
 かつてローレットに冒険者の派遣を依頼し、村を襲撃しようというゴブリンを全滅させました。
 村人たちは力仕事、単純作業はできますが、戦闘の役には立ちません。
 指示したことは懸命にこなそうとしますが、成功するかは指導次第です。

・風車
 風車は塔状になっており、はしごで二階に登れます。
 はしごを上げてしまうと登るのは難しくなります。
 しかし、村にひとつしかなく収容できる人数は十数名が限度です。

・納屋
 納屋は、村に4箇所あり、立てこもることができます。
 しかし、堅牢ではないので攻撃されたらさほど持ちません。
 中に隠れることはできるでしょう。

・北側ルート
 北側は産地となっており、駆け下りて攻めることができます。
 しかし、山道は狭いので大群がやって来ることは考えづらいです。
 少数の群れAがこのルートを抜けて最初にやってくるものと思われます。

・南側ルート
 街道沿いに面しており、群れB、群れCの進撃予想ルートです。
 途中には流れの早い川があり、橋がかかっています。
 この橋を落とすと進軍の足止めができるでしょう。
 ただし、橋を落としただけでゴブリンが報復を諦めることはありません。
 時間がかかろうと渡ってきます。

・戦術について
 押し寄せるゴブリンから村を守ることが目的です。
 必ずしも全滅させる必要はありませんが、中途半端に追い返すとさらに群れを呼ぶ可能性があります。
 全体の作戦とプレイングの連携が取れていると有利です。
 それでは、よろしくお願います。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • 襲撃!! ゴブリン100匹軍団!完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年03月18日 23時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

キドー(p3p000244)
最期に映した男
レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)
赤々靴
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
山賊
湖宝 卵丸(p3p006737)
蒼蘭海賊団団長
日車・迅(p3p007500)
挫けぬ軍狼
桐神 きり(p3p007718)
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
ルリム・スカリー・キルナイト(p3p008142)
勇気のチャロアイト

リプレイ

●ガシャイヒ村の危機
 ゴブリン100匹――。
 その数の暴力に晒されては、のどかなガシャイヒ村はひとたまりもないだろう。
 村人たちは、農業に勤しみ、戦いの手段は持っていない。
 さまざまな立地条件と社会情勢が重なり、ガシャイヒ村はその犠牲になりやすい。
 しかし、土地を離れて生きていくこともままならない。
 その窮地を救うためにやってきたのが、ローレットの冒険者たちだ。

「雑魚ゴブリンごときが、調子乗りやがって。このグドルフさまの縄張りで喧嘩ふっかけてきたんだ、全員生きちゃ返さねえぞ。なあおい、キドー!」
「そうだな。失敗したらあんたらは最悪全滅、俺は報酬が減って困る。利害は一致してるだろ? 信用しろよ」

 『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)と『緑色の隙間風』キドー(p3p000244)がガシャイヒ村にやってくるなり、村人たちに言う。

「お願いします! 100匹のゴブリンなんてどう相手していいかわからず……」

 以前、キドーはこのガシャイヒ村をゴブリンの脅威から救った。
 この村からすれば恩人であり、英雄である。
 しかし、それでもまだ村人たちは警戒している雰囲気はある。
 種族への偏見というのはなかなか解消するものでもなく、キドーもそれを目的としてはいない。
 まずは、この村を守らねばならないのだ。
 第一、せっかくの猶予の時間を無駄にはできない。
 村の防御を固める方針は決まっている。

「約100匹の群れとは凄いっす。村娘さんの思いに応えボクたちに任せるっす!」
「お願いします!」

 依頼とガシャイヒ村までの案内のために同行した村娘に、『特異運命座標』レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)は答えた。
 不安と恐怖は当然であろう。まずは、レッドたちが南側の川にかかる橋を落としにかかる。

「安心して、卵丸たちが絶対に守るんだからなっ」

 にこやかでさわやかな笑顔を、『蒼蘭海賊団団長』湖宝 卵丸(p3p006737) は浮かべた。
 時に少女にすら間違われる卵丸の笑顔に、村娘はきゅんと来ていた。
 田舎のガシャイヒ村にはいないタイプで、村娘の胸が高まるのも無理はないことである。

「オーホッホッホ! 卑劣かつ残虐なゴブリンの群れから無辜の民達を守る為、最善を尽くしましょう! 皆様!」

 『「姫騎士」を目指す者』ルリム・スカリー・キルナイト(p3p008142)が村人たちを激励する。村人たちも、彼女がゴブリンに捕まったら大変な目に合わせられそうだと何かを直感した。
 だからこそ、頑張らねばと妙に気合が入ったようである。

「大丈夫ですわ! 今回集ったイレギュラーズは私以外万夫不当の強者たち。私とて騎士見習いの身なれど皆様を守る為に全力を尽くしますわ! ですから、皆様も協力してくださいませ、皆で生き残る為にも」
「もちろんです、騎士見習い様!」
「俺たちに任せてください、見習い様!」

 この騎士見習いは放っておいてはいけない、村の男たちはそういう理由で結束した。

「100匹のゴブリン……凄い数だけど、戦わないわけにはいかないわね……頑張るわよ!」

 『新米の稲荷様』長月・イナリ(p3p008096)もまた、村人たちとともに防御陣地の構築を始める。
 猶予は三日だ。それまでの間にやれることはある。全てをやるには少ない時間だが、怯えているよりはマシだ。
 防御陣地の構築は、キドーの案に従う。
 すなわち、南側の橋を落として北側に門を作り、他は防壁で覆う。

「100匹! よく集めたものですね!」

 その数は多い。しかし、怯むわけにはいいかないのである。
 『何事も一歩から』日車・迅(p3p007500)も、村人たちとの協力によって防壁の構築に余念がない。
 北と南にバリケードと空堀を掘る。さらに、南側には乱杭を置いてゴブリンライダーの突撃に備える。
 空堀を掘って出た土は土壁を築いて柵を設ける。

「100匹相手ともなるとなかなか骨が折れそうですが……こちらも戦力的には十二分な面子が揃っています。ここは真の無双というものを見せてあげるとしましょうか!」

 桐神 きり(p3p007718)は、索敵を担当する。
 飛行できるので、ガシャイヒ村の周囲を俯瞰できる。
 今のところ、ゴブリンの影は見えない。
 事前の情報で得たものと地図に相違はなかった。
 警戒すべきは、北の岩山から降ってくる一団と、街道がある南側だ。

「よーし、準備できたぜ!
「橋を落とすっす!」

 一日目の夕刻すぎ、グドルフの合図で、レッドと村人たちは協力して南側の橋を落とした。
 流れも早く、水量も多い川にかかった橋で、落とすにも一苦労であったが、これで南側からの大群も少しは足止めできるだろう。

●防御陣地の構築
 二日目、防御陣地の構築は急ピッチで進められた。
 南の橋を落としに向かっていた男手が戻ってきたのだ。
 柵のために用意した木材、杭の類を設置にかかる。
 計画された作業が完璧に進むとは言い難い。だが、その半ばほどでも大きな意味はある。
 村人総出の作業で、懸命に取り掛かった。

「『拒馬』はその辺でいいぜ」

 キドーと迅の指示で組み上げた拒馬を、あえて村の中に設置する。
 木の乱杭を組み合わせて、敵の通過を防ぐための障害物だ。
 あえて外側から見えない場所に配置し、突撃してきたゴブリンライダーを各個撃破しようとう作戦である。

「塀と柵にはこの仕掛けっすよ」

 レッドが教えたのは、塀や柵に陶器の破片や杭を仕掛けることだ。
 細かい嫌がらせが相手の指揮に大きく影響する。
 時間も稼げる。

「それなら、こっちに任せて」

 イナリが取り出したのは、鉄条薔薇の種だ。
 これを、柵の周囲に蒔いた。
 彼女のギフト、稲荷の加護・五穀豊穣祭は植物の実りを豊かにさせるというものだ。
 鉄条薔薇の実は栄養満点で、持久戦になったときの補給も期待できる。さらには、その蔦は動植物から実を守るため、鋭い茨に覆われるのだ。
 すぐに育って、茨が防壁を覆っていく。
 この茨を乾燥させてまとめれば、簡易の有刺鉄線として鉄条網の陣地を構築できるだろう。その実の殻と棘は、乾燥させればマキビシにも使えるわけだ。
 これを式神とともに防御陣地の装備に変えていった。

 これをルリムと迅の指導のもと作成し、キドーの指揮で設置する。
 居馬と連携すれば、さらに効果が上がるはずだ。
 北側では、グドルフと卵丸が罠の設置の作業にかかる。

「来な、山賊仕込みの罠ってもんを教えてやるぜ」

 グドルフが教えるのは、女子供、老人たちに教えるのは草を結んで作るブービートラップである。
 これなら、力もいらない。

「こんな感じー?」
「おお、それでいい」
「やったー、僕も大きくなったらおじちゃんみたいな山賊になる!」
「そいつは考え直したほうがいいな、坊主!」

 子供たちも、でっかいおじさんの言うことならちゃんと聞く。
 卵丸は村娘たちと、丸太の仕掛けを用意した。
 ブービートラップと連動して、引っかかるとこれが突っ込んでくる。
 転んだ先には、トゲトゲの罠も仕掛ける。
 しかし、この罠はあくまでも奥の手である。
 北側の防御は、薄いと思わせて誘い込んで返り討ちにするというものだ。

「おぉできましたか! さすですね、ありがとうございます! それでは……」

 迅が罠の設置を見届けると、今度はレッドとともに避難の手順を確認する。
 風車小屋に戦えない村人たちを誘導し、やり過ごす。
 実際の襲撃時に避難で手間取るわけにはいかない。
 風車の高い階に上がり、はしごを引き上げる、この手順を確認した。
 この風車に見張り台を用意するのだが、飛行できるきりもこれの設置を手伝った。

「こっちには鐘と冒険鏡を用意っす。ゴブリンが来たら報せるっす」
「わかったー。キドーはゴブリンだけどいいの?」
「いいか悪いかは別として、キドーさんは在来種を狩るゴブリンだから大丈夫っす」

 子供たちも聞き分けがいいようである。
 大人たちは、納屋に立てこもって襲撃をやり過ごす手筈を確認した。事前に逃げ込む先を決めておけば、最悪全滅は免れるはずだ。
 この訓練を繰り返して備えるのだった。

●襲撃前夜
 ガシャイヒ村の防御構築は着々と進められていた。
 三日目、情報どおりであればゴブリンの第一波がそろそろやってくるはずだ。
 夜、ファミリアーを持つイレギュラーズたちは、村の北側を監視させている。

 がさり――。

 木々を揺らして何者かが獣道を通ってくる。
 これを察知したのは、レッドのファミリアーである。
 即座に待機していた桐神きりが上空から偵察に向かう。
 松明を持ったゴブリンの一団が数匹、岩山からガシャイヒ村の様子を見下ろしている。
 南側には松明を掲げ、岩山がある北側は手薄を装うため、灯りを用意せず偽装を施している。
 斥候のゴブリンたちは、一旦引き上げていく。
 本体に北側が手薄だと伝えるのだろう。
 橋を落とした南側で足止めを食うより、迂回してでも北側からと誘導できるはずだ。
 誘導はうまくいったと見ていい。

「来るよ、風車への避難を始めて」

 きりの合図で、訓練どおりに子供たちが風車へ立てこもる。
 夜明けから、しばらく。
 群れAと思しきゴブリン隊が岩山を駆け下りる。
 南に比べ、北側の備えは手薄、そのように思わせて誘導した甲斐があったというもの。
 見せかけの砦に張り付き、乗り込んでくる。
 ゴブリンたちは、後続の群れに突撃を伝えようと角笛を鳴らした。
 これを合図に、山から別の群れも降ってくる。
 二〇匹の第一波が、北門をよじ登って閂を外す。

「ギギギィィィッ!!」

 雄叫びを上げて、村のあちこちを家探しする。
 あるいは、松明の火をくべて燃やしていく。
 村人たちはすでに避難しており、被害はない。
 村人たちからすると思わず飛び出したくなる光景だろう。
 だが、イレギュラーズたちは声を押し殺して引きつける。
 ここまでは、手筈通り。

「オーホッホッホ! 貴方たちのようなな弱小ゴブリンなど、この騎士見習いの私で十分ですわ!」

 ルリムが正面に立ってゴブリンたちを惹きつける。
 岩山へ、後続を呼ぶために引いた数匹を確認すると、十分に引きつけてから逆襲を開始した。

「そおらっ!」

 グドルフが物陰から不意打ちを食らわす。
 逃さぬよう、村の内部まで招き入れて拒馬と茨で退路を断ったのだ。
 慌てて後退するゴブリンであったが、仕掛けられたブービートラップ、子供たちも手伝ったマキビシが撒かれ、その足止めが完了した。
 しばらくすると、北側から火矢が飛んできた。
 情報にあった中規模の群れBが、岩山ルートからの侵攻に切り替えたらしい。

「よおし、逆襲だ!」

 キドーの号令で、イレギュラーズが奇襲をかけた。
 村に引き込んだ群れAと、その手引で殺到した群れBはこの策によって分断された。
 岩山を急いで登ってきたためか統制が乱れているようだ。
 ショートボウを持つゴブリンたちから始末していく。

「おらおら侵略的外来種様だぞ! 数だけ集めたひと山いくらの在来ゴブリンなんかに負けるかよぉ!」

 大群にみずから躍り出ていくキドーの殺意はいかばかりか。
 レッドも上空からのショルダータックルで不意をついていく。
 混戦の中、迅が放ったブルーコメットがショートボウの火矢に対して応射を開始した。
 飛び道具は片づけなければならない。

「村を護る希望の虹を……必殺、蒼・海・斬!」

 思わぬ逆襲を食らった群れAを、卵丸がボスのホブゴブリン目掛けて切り進んでいく。
 大将首を獲って、さらに撹乱するのだ。
 さらに村に引き込んだ20匹のゴブリンに対し、丸太を転がしていく。
 奇襲のつもりが逆襲されて潰走するも、北門は閉ざされて分断された形だ。
 さらには、門の外の慌てた30匹の群れに、上空からきりのライトニングがほどばしり、数匹まとめて感電させた。
 ここに、グドルフ、キドーたちが切り込んで乱戦に持っていった。

「それそれ、追い込んでいくわよ!」

 イナリを始め、村に残ったイレギュラーズたちは、ゴブリンたちを罠へと追い込んでいった。
 村に引き込んだブリブリンの群れAは、もはや戦闘力を失っていた。
 群れBも、逆襲を受けつつも柵を乗り越えようとするが仕掛けられた陶器の破片や茨によって負傷し、杭が飛び出た空堀に落ちていく。
 群れCが到着する前に、北側から来た村を潰さないと挟撃される恐れがある
 すぐに片付けねばと、卵丸が群れBを率いるホブゴブリンにジェットパックで迫り、ソニックエッジを仕掛けた。

「これ以上好きにはさせないんだぞ、喰らえ音速の銛打ち術だっ!!」

 数合の格闘ののち、ヴァルキリーレイブがホブゴブリンを貫く。
 こうなれば、30匹のゴブリンは烏合の衆だ。
 在来種を駆逐するというキドーが追い回し、仕留めていく。

●大群の到着
 そして午後、風車から敵の接近を告げる鐘が鳴らされた。
 南側からの大群が到着したのである。
 橋が落とされ、強引な渡河を敢行したせいか一割ほど数を減らしていた。
 その犠牲を出しても、突破力のあるゴブリンライダーを温存していたのだ。
 しかし、ガシャイヒ村もゴブリンたちの放火によって避難用の納屋や防御陣地も炎上倒壊している。
 到着とともに、突撃の角笛が鳴った。
 挟撃を避けたとはいえ、群れCの数はいまだ脅威だ。
 柵と防壁を破壊しようと、まずは火矢が射掛けられる。
 これが炎上すると、丸太を空堀の上に渡し、さらに突き崩そうと20匹ばかりが突撃してくる。
 迅のブルーコメットを始めとしたイレギュラーズの応戦が開始されるも、なにせ向こうは数も多く、犠牲を厭わないのだ。
 梯子やフックワイヤーが投げ込まれ、乗り越えてくるゴブリン、さらに防壁を突き崩してくるゴブリンとの壮絶な乱戦となる。
 橋頭堡が築かれると、いよいよゴブリンライダーが突撃してきた。
 槍を構える者、放火用の油瓶を持つ者が勢いをつけて駆け込んでくる。
 子供たちの避難所となった風車に狙いをつけた。

「ボクを倒せるもんなら倒してみるっすザーコ」

 レッドが挑発し、囮の役を買って出る。
 子供たちを狙わせるわけにはいかない。
 矢が飛び交い、次々と殺到するゴブリンたちを引きつける。
 格闘戦となったうえ、串刺しにしようとゴブリンライダーが突撃した。

「今っす!!」

 突撃に合わせて、レッドが一気にロープを引いた。
 さらに、キャッスルオーダーによって不動の姿勢でやりを構えた。
 ぴぃんと張ったロープにつんのめったゴブリンライダーたちがその槍に串刺しになる。
 引き返そうにも、その後ろからも突撃してくるので同士討ちだ。

「数だけは一丁前に揃えてきやがったな。だが、おれさまの後ろにはその小汚ェ足一本踏み入れさせねえぞ!」

 この混乱を、グドルフとキドーが逃すはずもなかった。
 落馬したゴブリンからとどめを刺し、また騎乗している者は引きずり下ろす。

「ギッ、ギギギィ!!」
「ゴブリンは皆殺しだぜ!」

 襲撃の第一波は、仕掛けた罠によって半壊し、潰走を始めていた。
 それを追い、敵本陣に切り込む逆襲であった。

「大将首はどこだぁっ!」

 手当り次第、ゴブリンを薙ぎ倒しながらグドルフは突進する。
 逃げ惑うゴブリンたちの中で、頭ひとつ大きいホブゴブリンがウォーハンマーを構える。群れのボスに間違いなかった。

「てめえだな?」
「人間にも、骨の有りそうなのがいたゴブ!」

 ウォーハンマーを振り回し、一撃くれるホブゴブリン。
 まともに喰らいながらも、山賊の斧で反撃した。
 壮絶な打ち合いのすえ、倒れたのはホブゴブリンだった。

「ボ、ボスがやられたゴブ!?」

 圧倒的であった100匹のゴブリンであったが、予想もしない村からの逆襲によってボスを討ち取られた。
 もはやつなぎとめておくものはない。
 統制を失い、思い思いに逃げ出していく。
 これを逃すキドーではなかった。
 奪った狼を乗りこなして追撃し、絶滅させる勢いであった。
 村に残ったゴブリンたちも、罠に追い立てられ、各個に撃破されていく。
 日が沈む頃には、ゴブリンたちの屍が累々と積み上がっていた。

「皆さん、もう大丈夫ですよ」

 残敵掃討を上空から確認したきりが、避難していた村人たちに告げる。

「た、助かったんだ……!」

 恐る恐る出てきた村人たちが、ようやく安堵の声を漏らした。
 焼かれた家々はあるが、ガシャイヒ村の人々はひとりもかけることなく守られたのである。

「ありがとうございます! 卵丸さん、皆さん」

 村娘がまっさきに駆け寄ったのは、卵丸であった。
 少し照れながら、卵丸はこれに応える。

「二度と在来種なんかにいい気にさせねえからな」

 ゴブリンたちの武器を集め、焼き払うキドーが言う。
 子供たちもそれを手伝う。
 ガシャイヒ村が受けた損害は決して小さくはない。
 それでも、全員が生きているなら再建は必ずできる。
 そしてそれは、遠くない未来に果たされるであろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

キドー(p3p000244)[重傷]
最期に映した男
レッド・ミハリル・アストルフォーン(p3p000395)[重傷]
赤々靴
グドルフ・ボイデル(p3p000694)[重傷]
山賊
ルリム・スカリー・キルナイト(p3p008142)[重傷]
勇気のチャロアイト

あとがき

 ゴブリン100匹の群れから、ガシャイヒ村を守りきりました。
 激しい戦いでした。
 罠の構築から始まり、作戦の立案、イレギュラーズ同士の相談と村人の避難といろいろあったかと思います。
 リプレイのボリュームも膨らみましたが、規模の大きい戦いを描けたんじゃないかと思います。
 村の建物には被害が出ましたが、人名優先のプレイングと判断しましたので村人には犠牲者はおりません。近いうちに村は再建されるでしょう。
 それではまたよろしくお願いします。

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