PandoraPartyProject

シナリオ詳細

地域治安維持俱楽部

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「ギャハハ―ッ! 見ろよ、バッカだなぁ。こんな夜中に一人でほっつき歩くなんてよぉ」
 月が厚い雲にすっぽり隠れた夜はチカチカと点滅する街頭だけが頼り。コンビニに行くだけなのに随分と長い道のりに感じる
「なぁ、お前もそう思わねー?」
 人影は一つもなく、鬱蒼と生い茂る木々がさわさわと不気味に揺れていた。なにか人ならざるもの……幽霊とかが出そうだ
「まぁ、俺らがやんなくても誰かがやるべな?」
 とぼとぼと足取り重く歩いていくと小さい光がぼんやりと見えた。コンビニの看板だ。少し足を速める
「ほらほら、無事に辿り着いちまったぜ。残念だな」
 ピッピッピ……カゴに入っている商品を店員が次々にバーコードを読み込んでいく。財布を取り出し会計の準備を始める
「合計で、1,940円になりまーす」
 店員の気だるげな声。財布から千円札を二枚取り出し店員に渡す
「はい、おつりとレシートでーす。あざしたー」
 商品の入ったレジ袋を片手にぶら下げながらコンビニを出る
「まぁ、これからだべ?」
 別に暗いのは嫌いじゃない。……ただ、少し心細いというかなんというか。取り合えず意味もなく流行りの曲を歌ってみる
 暫く歌いながら歩いていると物陰から黒い影が現れる
 ドキッとしながら後ろへ一歩下がると
「よぉよぉあんちゃん、こんな夜遅くに買い物ですかい?」
「財布置いてさっさと帰んな」
 チンピラと思わしき二人の男に挟まれた。怖くて足が震える。走ることすらできない
「あー? 聞いてんのかぁ?」
「財布だよ、さーいーふー」
 男のうち一人が顔を顔を近づけてくる。……もうだめだ
 そう諦めかけた時

「あぁーあ、いーけないんだぁいけないんだぁ~センコーにチクっちまうぞぉ?」
 フードを深くかぶった背の高い男が家の屋根から飛び降りてきた。え……屋根!?
「な、なんだ手前、邪魔すんなら容赦はしねぇぞ?」
「いっちょボコってやるか?」
 暫くの間呆気にとられていた二人だったが、段々と男に近寄った。このままではこの人まで被害にあってしまう……その心配は杞憂に終わった
「あー? なんだってぇ? 聞こえねーよっ!」
 目を瞑っていると、ドサッという何か重たいものが崩れ落ちる音がした
「まぁ、真夜中にコンビニ行ってたら襲われるのも無理ねぇよな。おいアンタ、大丈夫かぁ?」
 うっすらと目を開けると、地面にはさっきの男二人がぐったりと倒れていた
「俺が来なきゃアンタ確実に終わってたな。よかったな」
 フードを被った男がにやりと笑う。ちょうど月が雲から顔を出して男のギザギザと鋭い歯が白く光った
「あ、あなたは……」
「んぁ? 俺か? 俺はな……」

『地域治安維持俱楽部』

NMコメント

 こんにちは、こんばんは。初めましての方は初めまして佐茂助と申します
 これで多分五本目……? くらいのノベルです。どうぞよろしくお願い致します

<目的・目標>
 『地域治安維持俱楽部』としてあなたの地域の治安を守ってください
 俱楽部の部長(NPC)エンプティ―もいるので彼と協力するのもいいですよね
 地域をパトロールして、ちゃっかり美味しいもの食べてもいいですよね。それだけで治安維持

<シナリオ説明>
 まずあなたの地域を教えてください。雰囲気とか、こんな事件が多いとかなんとか……その情報をもとに事件とか作ります。事件を指定してくださっても構いません!その事件をどう解決するか、もしくは、こんなスキルがあるからこんなことできるぜ!とか
 戦闘ノベルとか特に決まっていないので思うように治安維持活動していただければと思います
 グループ参加も歓迎します!!

<NPC>
『エンプティ―』……男。多分年齢は19~23で曖昧です。フードを深くかぶってるギザ歯の青年です。気まぐれで気分屋。めんどくさいことは面倒くさがってやりませんが、必要だと感じればなんでもやります。こき使ってやってください


 基本的に好きに暴れまわってくださって構いません。楽しく書かせていただきます
 皆様のご参加をお待ちしております!!!

  • 地域治安維持俱楽部完了
  • NM名伊与太
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月24日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
庚(p3p007370)
宙狐
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
長月・イナリ(p3p008096)
狐です

リプレイ


 日もすっかり落ちた繁華街はくたびれたサラリーマンや背伸びしたい若者達で溢れている。それぞれ目当ての店に入り酒を飲むのだ。ヤクザである『義に篤く』亘理 義弘(p3p000398)もまた馴染みの店で酒に酔っていた。繁華街の隅にある居酒屋は他の店と比べると至って静かで落ちついている。義弘がクイっと酒を煽ると、怒鳴り声が聞こえた
「あぁん? もっと、モってコイっていってんだぁよ、キこえてんのかぃ?」
「ひぃ、で、ですがお客様はもう十分お飲みになっていますし」
「ナんだってぇ? おキャクサマはカミサマだろぉ?」
「ひぃい!」
どうやら数名の客達が店員に文句を言っているようだ。男達の目は血走り。口からは涎がだらだらと垂れている
「ふん、ゆっくり酒も飲めないか……仕方ない」
 義弘はグラスをカウンターの上に置いた
「おい、おまえさん達。少し酔いすぎているようだぞ?」
 叫び散らす客達に近づいた義弘は、彼らを眼光鋭く睨み付け制止を促す
「ナ、んだテメェ」
「じゃ、ジャマすんじゃねぇよ」
 圧倒される客達。だがそれで終わらないらしい
「ぶっコロしてやんよ!」
 拳を握り締める客達。義弘は半分呆れながらやれやれと首を振った
「仕方ない……一発、ひねってやるとしよう」



「共に街をローリンする仲間がいてもやはり、この世に悪行の絶えることはございません。皆で繁華街へ繰り出しますよ。キャラメルチーズタピオカティーを手に持って!」
 『宙狐』庚(p3p007370)ルンルンと片手にタピオカを持って皆とは少し前を歩いた
「……太るぞ」
 エンプティ―はそんなルンルン気取りの庚を見て鼻を鳴らした
「部長(カノエの愛の奴隷)これは普段のお仕事がんばった自分へのご褒美であり、自分らしさの演出であります。……ので、そのような下世話なことを言った部長は後で校舎裏へお越し下さいませ」
 エンプティ―は地味に庚から距離を取った
「それで、行き先は『日本』チックな繁華街、夜の街……なんですかね? 私は別の依頼でシンジュクとかに行ったことがあるのですが、そんなイメージでしょうか」
 人差し指で頬を触りながら『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)が呟いた
「あぁ、新宿っぽい場所だな。居酒屋だらけだぜ」
 エンプティ―はポケットから出したスマホを操作しながらウィズィに答える
「よし、それじゃあ張り切っていきましょー!」
「テンションたっけぇ」
「とりあえず悪そうな行為をしている連中を吹っ飛ばせばいいのね!」
『新入り稲荷様』長月・イナリ(p3p008096)は最近購入したらしい特大の大砲(Hades03)をゴロゴロと音を立てながら引っ張っている
「これで吹っ飛ばしてあげるわ!」
 にっこりと笑いながらイナリはHades03をぽんぽんと撫でた
「なんだかなぁ、不安だ」
 既に疲れた顔をしたエンプティ―はフードを深く被り直した
「ところでエンプティーさんは部長ってことですけど、部員はどれくらいいるんです??」
 そう言うとウィズィは首を傾げた
「あぁ、全然だな。大学のちゃちぃサークルみてぇなもんだ。俺入れてお前ら入れると6人くらいじゃねぇか?」
「ほとんど私達だけなのね!」
 イナリはたはーと額に手を乗せた
「まぁいいんだよ、その方が楽だ……そら着いたぜ」
 エンプティ―は一軒の居酒屋の前で足を止めた。店の前にいるのにわかる。騒がしいことが
「さっき義弘から面倒事になったと連絡があった。そんなわけでまぁ、さっさと収めてこい」
 スマホをポケットにしまったエンプティ―は一歩後ろに下がる。3人は武器を構え、拳を構えた。すると

 ドォン
 店の扉を突き破り勢いよく男が飛ばされてきた
「すまねぇな、店長。壊しちまった」
 義弘は笑って店長らしき男に頭を掻きながら謝罪する
「い、いや、だ……大丈夫だ」
 店長は引きつった笑みを義弘に見せた
「まあ、これも店と稼ぎと治安維持倶楽部の為だ……二度とやらねぇ気になる、痛い経験程度で済むくらいにぶん殴ってやるよ!」

「お控えなすって!! ……って言うんでしたっけ? というか、私達も早く義弘さんに加勢しましょう!」
 ウィズィは巨大なテーブルナイフをブンブンと振り回しながら敵陣に突っ込む
「ナんだありゃ!?」
「ふふふ、ビビって逃げようとしても、ハイもう遅いでーす」
 慌てふためき後ずさる男達を見下ろしてウィズィはにやりと微笑んだ
「さあ、Step on it!!  逃げても無駄ですよ!」
「ぎゃぁあ!」
 男達は悲鳴を上げながらバサバサと崩れ落ちる
「人殺しの趣味はありません。峰打ちです!」

「ヵノェは戦闘に参加するなんて毛並みの悪くなることはいたしません。この、かわゆいおきつねさまが後ろにいる。それだけで最上級の鼓舞でしょう!」
 なんと優雅な。確かにと、つい誰もが頷いてしまいそうだ!
「あっ、でもこのセリフを吐くと最終的に上半身があらわに? こゃゃ……性別不明のヵノェでもそれは映倫様に怒られるやもしれません」
 庚は咄嗟に両腕で胸もとを隠す。ですが残念これ全年齢対象なのであらわにならないんですね
 ふとカウンターの上を見るとそこには食べかけのゼリーがプルプルと揺れている
「ガシッ! ボカッ! とりあえず無法者はやっつけた」
 ペロリと舌なめずりをした庚は満足そうに拳を上へ掲げた

ドガーン
 仲間達の後方でイナリによるHades03での威嚇射撃が盛大にぶっ放された
「ナンだあのコムスメ」
「ヘンなもんをウちコんできやがったぜ!?」
「オンナ、コドモだろうとヨウシャはいらねぇ、やっちまえ!」
 男達は威嚇射撃などには怯まずイナリに向かってくる
「……しかたないわね」
 できれば降伏してほしかったと渋い顔をしたイナリはもう一発砲弾を打ち込む
 ドガーン
「ぎゃー」
 それでも男達はイナリ目掛けて走るのを止めない。普通ここまでされたら足くらい止めるだろうに。何か様子がおかしい。疑問がイナリの脳内に浮上するが、まずは敵の戦意を喪失させることが先だ。Hades03から砲弾を連続して放つ。……彼らが怪我して動けなくなるか、泣いて謝るまで
「仲間は避けてくれるだろうし、他の建物の被害はコラテラル・ダメージよ! たぶん!」


暫くの間店内での戦闘が続いていた。そしてようやく落ち着くと、義弘はふぅと溜息をつき元座っていた席に戻った。酒を飲み直そうとグラスを手に取ると、倒れている1人の男の懐から白い粉が零れているのが見えた
「おや、これは」
「薬……でしょうか?」
「白いってことは……これ、もしかして」
「あぁ。薬物だな」
 興奮した行動。おかしな喋り方。身体的異常……全てが薬物の症状
「これは裏の奴らが売ったものだろうな」
 義弘は薬物の入った袋を見て眉をしかめた


「あいつらの吐いたことが正しければここのハズだ」
「なんだか緊張してきました」
 薬物を売りさばいていた敵のアジトは夜の繁華街の路地裏の奥、チカチカとか細く点滅している看板が目印。普段は重い扉で固く閉じられているらしい

バァン

勢いよく扉を開け、4人は飛び込んだ
「やァ~っておしまいませ、皆さま!」
 一歩下がった庚は片手をバッと正面に伸ばした
「なんだなんだ」
 突然乗り込んできた4人に室内にいた全員が驚き、動揺した。ただ一人黒いスーツを着こなしている男を除いては
「ブツを買いに来ただけにしては随分と派手よのう」
 男は煙草をぷかぷかとふかせながら不気味に笑った
「おまえさんがここの長か」
「はは、如何にも」
「クスリもオンナも、俺の組じゃ御法度でな」
 義弘は拳を強く握り締めた
「そんなことは私達には関係無いことよ」
 男も傍に立てかけてあって杖を手に取る
「関係無いかもしれねぇが。既に俺の中に火がついちまった。容赦なくいかせてもらうから覚悟しやがれ!」
「ほう、やる気か。良いだろう。さて、ここの支配者が誰かしっかりと教えてやるとするか」
 男は先程の庚のように「やってしまえ」と合図を出した
「まずは私が吹っ飛ばしてあげるわ!」
 そう叫び、イナリはHades03を構える
 ドォン
 砲弾は見事な曲線を描き、敵の中心に命中。天井から埃がパラパラと落ちている
「なんてモン撃っとんじゃ!」
「被害はコラテラル・ダメージなのよ! だから大丈夫なのよ!」
「全然大丈夫じゃねぇだろ! この娘やべぇ!」
 断末魔代わりの突っ込みで敵達は倒れていった
「こゃゃ、ヵノェのパクリとは見過ごせませんね。著作権はヵノェにあるのですよ? 一網打尽にメッ差し上げなくては」
「うるせぇ黙ってろ!」
 敵の1人が、ナイフを片手に庚に飛びかかる
「そうはさせませんよ!」
 ウィズィは敵の持つ数倍はあるナイフを大きく振り下ろし、敵の急所を叩きつける
「ぐはぁ」
 ドサリと重い音を立てて敵は倒れた
「間一髪でしたね」
「ウィズィ様は本当にお強いのですね。助かりましてございます」
「えへへ、さぁまだまだこれからです。いきますよ!」
「えいえいおーでございます」
 巨大ナイフを構えたウィズィを庚は全力で応援する
「お主、ここで降参する気はないかの」
「お前さんこそな」
 男は杖を鞘代わりとして隠してあった刀を引き抜き義弘に切りかかる。義弘は流れるように刀を避け、拳を思いっきり男の横っ腹に打ち込んだ
「ぐっ、私も、年を取ったものだな」
 男は口から血を吐き、床に崩れ落ちた。暫く経ってもぴくりとも動かない
「終わったか。案外呆気なかったな」
 先程まで騒がしかった室内が一気にしんと静まり返った

「さて、それじゃあ俺は飲み直しに戻るとするか」
 沈黙を破るように義弘が言った
「でしたら私もご一緒させてください!」
「ヵノェもタピオカを飲み直しに戻りたいですね」
「居酒屋にタピオカあるかしら? 私も皆様について行きたいわ」
 4人は笑いながら居酒屋に戻っていくのであった。何か忘れている気がするのは気のせいである

成否

成功

状態異常

なし

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