PandoraPartyProject

シナリオ詳細

Dance with Flora

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●裏返しの想い
 拝啓、グレイシアへ。
 おかえりなさい。それから、先日はごめんなさい。
 絵本も、お菓子も。とっても嬉しかったわ。
 私はまだ素直になることができないから、こうやって手紙を渡すことにしてみたの。
 お願いだから氷漬けにして捨てたりしないで頂戴ね。
 さて、今日手紙を出したのは、貴方が帰ってきたからお祝いパーティをするつもりなのだけれど、その案内よ。
 勿論、ニンゲンやフルールも招いてね。
 皆に楽しんでもらいたいと思っているから、貴方も来てね。
 というか、貴方が主役よ。来なさい。

 フローラより。

●仲直りは気まずかったけれど
「あぁ……もう、兄様とダンスだなんて」
 フローラは鏡台の前で悪態をついた。
 その周りを飛び交うのは上級妖精たち。
「こら、フローラ様!
 そんなに動かれては、締まるコルセットもしまりませんわ!」
「あぁもうわかったわよ!
 大人しくしているから、できるだけ緩くして頂戴。堅苦しいのは苦手なの」
「なりませんわ。ドレスを着るならコルセットはかっちりきっちりと。
 これ、常識ですからね?」
「うぐ……」
「ほら、シャキッとなさいませ!
 挨拶に遅れるとグレイシア様から何を言われるかわかりませんわ!」
「わかったってば!」
 ここはブルーム・ブルームの地下に広がる妖精界。
 妖精界の中央ともいえるその城──妖精城『フェアリィ・ステラ』では、ダンスパーティが催されようとしていた。
 曰く、グレイシアの帰郷祝いとのこと。この世界では王一人に対する愛情が強いため、帰郷ともなれば盛大に祝われるのだ。
 企画したのは、なんとあのフローラ。先日まで国を破壊しかねない勢いだったのにここまで落ち着くとは、流石のものである。
「……さぁ、できました!
 ダンスホールでのダンス、楽しみにしていますわ」
「……ええ。ありがとう」
 フローラはドレスに身を包み、化粧を施されると、揃いのブローチを纏って城の中央──ナイトライトへと向かった。

●祝い事
「皆、御機嫌よう!」
 ポルックスはいつもとは異なる可愛らしいドレスを纏って貴方たちを出迎えた。
「今日はね、ダンスパーティにお呼ばれしているのよ!
 あぁ、わくわくしてしまうわ!」
 一方のカストルは落ち着いた様子である。双子とは言うが双子とは似ても似つかないものなのだろうか。
「好きに楽しんでいいみたいよ! 皆も楽しんできて頂戴ね!」

NMコメント

お世話になっております、染です。
NMキャンペーンとのことで、一人で連動シナリオ的なものを出してみました。
もう一方の『Dance with Glacier』も内容はほぼ変わりませんが、少し異なった点もありますので是非お楽しみくださいませ。

●依頼内容
 ダンスパーティに参加する

 フローラの企画したダンスパーティ改め晩餐会に参加しましょう。

●晩餐会
【1】ダンスホールで踊る
【2】美味しいご飯を食べる
【3】夜景がきれいなところへ向かう
 以上の3つのコースをご用意しています。
 大切な方とのひと時を過ごすもよし、美味しいものをたらふく食べるもよし。
 遠慮なく楽しみましょう。
 同行者がいる場合は愛称を、NPCや同行者に踊りたい相手がいる場合はお名前を記入していただければと。

●注意
 ドレスコードに注意しましょう。
 正装での参加が推奨されます。

●世界観
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』。
 花と魔法で満ちた世界。魔法で文明が築かれています。
 基本的には物理攻撃よりも神秘攻撃がメインの世界です。
 また、ファンタジーな世界ですので、妖精やドラゴンなど、ありえない生物がいます。

●NPC
・フローラ(ティターニア)
 妖精女王。引き摺るほど長い若草色の髪が特徴。桜色の髪留めが宝物。
 エルフのように長い耳を持つ。成長が遅いとはいえ、いつまで経っても凹凸のない身体に悩んでいる。
 桜色のドレスを着ている。パーティを満喫している。

・グレイシア
 前の妖精王。鋭い目つきと薄氷色の髪が特徴。ガタイがいい。
 エルフのように長い耳をもつ。シスコン。眼鏡。
 他国の妖精へ外交をしに行っていた。
 騎士に近い恰好をしている。緊張気味。

・カナタ
 花冠師ギルド『Flowers Flag』のギルドマスター。齢19にしてトップクラスの実力を持つ温厚な青年。
 胃薬が手放せないのが最近の悩み。今回も護衛役。
 何かあればカナタへ。

●サンプルプレイング
 【1】
 なぁ、その……踊らないか?
 いや、なんとなくっていうのも変だろうけど。
 君と踊りたいんだ。ここで。
 だって、私の為に格好いい服を着てきてくれたんだろう?
 なら、自慢くらいしたくもなるものさ。
 ……だめか?

 以上となります。どうぞよろしくお願い致します。

  • Dance with Flora完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月23日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

サイズ(p3p000319)
妖精■■として
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
レイリー=シュタイン(p3p007270)
騎兵隊一番槍
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い

リプレイ

●紅色染まる、
「あら、紫月じゃないの!」
「無事に仲直りしたみたいで良かったわぁ。
 パーティのお誘いも嬉しいわぁ……しっかりと楽しませてもらうけど、いい?」
「ふふ、もちろんよ!」
 チャイナ服を思わせるデザインの、赤と黒のドレスを纏った『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611) は、ティターニアと談笑していた。
「妖精美酒にこの前もお話できて楽しかったわぁ。
 もし良ければ1曲、踊ってもらえるかねぇ?」
「ええ、喜んで。私がリードしましょうか?」
「今回はうちがリードするわぁ。ティターニア……ううん、フローラ。今回はうちのために踊ってくれん?」
「まぁ……! ふふ、うん、それも喜んで」
 紫月から差し出された手に被せるように手を重ねると、ティターニアと紫月はダンスフロアの真ん中へと踊り出た。
「紫月はダンス、上手なのね?
 ほら、私はあまり踊るような柄じゃないから……少し羨ましいわ」
「そうかなぁ? うちはあんまり意識してないんやけどねぇ。
 フローラにそう言って貰えると、嬉しいわぁ」
「紫月が喜んでくれると、私も嬉しいわ!」
 ワン、トゥ、スリー。
 ワン、トゥ、スリー。
 規則正しいリズムを刻みながらも、美しく舞い踊るような二人のワルツは、招待客の目を惹き付ける。
「ふふ、綺麗やわぁ。
 またこんな風に楽しそうな催し事をする時は是非呼んで欲しいねぇ」
「ええ、勿論よ?
 紫月や皆にはお世話になっているもの。楽しんで貰えるならこちらからお呼びしたいわ」
 ヴァイオリンの音が止まると、二人は壁際へ。
「ああ、そうだ。紫月は歌が得意だって聞いたの。
 もし良かったら、歌ってくれないかしら。その、私のために」
「……ふふ、勿論やねぇ。フローラも案外、可愛いところあるんやねぇ?」
「もう、紫月ったら……」
 すぅ、と紫月が息を吸うと、ダンスフロアには優しく美しい調が響き渡る。

 ひかり溢れるこの日々が
 どうか永遠に続きますように──、

●Pinky.
「今夜はこのようなパーティにご招待いただきありがとうございます」
「こういった所は久しぶりだがね…うん、サンキューな。今日は楽しませてもらうぜ」
「二人は初めて見る顔ね。ええ、楽しんで行って頂戴。
 私の可愛い妖精達が歓迎すると思うわ」
 ティターニアに挨拶をする少女達──『展開式増加装甲』レイリ―=シュタイン(p3p007270) と『ディザスター』天之空・ミーナ(p3p005003) は、共にドレスを着ていた。
 挨拶を済ませると、二人は近くのテーブルの食事をつまみながらダンスを見守る。
「あ、レイリー。これ美味いぞ?」
「ミーナ殿、こっちも美味しいよ!」
 片手に持った皿の上のご飯を、互いに分け合って食べる二人。
 山若葉とシードラゴンのカルパッチョ、フラウ豚の甘煮込み、カルソイ鶏のターキー、などなど……沢山あるメニューを少しずつ摘んでは美味しいと言う二人に、妖精たちも思わず話しかけた。
「おいし〜?」
「ぼくらがいっぱいつくったの! 沢山食べていってね〜〜」
「ああ、勿論。ありがとうな」
「君たちもこの夜を楽しんでね?」
「うん! ありがと〜!」
 きゃっきゃとはしゃぐ妖精達を見送ると、曲は山場を迎えたところだった。
「それにしても、皆綺麗に踊るよね。足捌きとか体使いとか腕や手も優雅に見せてさ。
 ほら、あそこのカップルなんて息も合ってるし綺麗よね」
「ああ、酷く懐かしい空気だな。もう何百年こういうのに参加してなかったか……」
「……ミーナ殿は踊れる?
 私は、多少は踊れるから、一緒にどう? 私がリードするよ」
「…ん、踊りたいのか?いいぞ、私は踊れるぜ」
 嘗て貴族であった、とミーナは言った。その時に覚えたであろうダンスは、彼女の身体の中に染み付いているだろうから。
「ま、レイリーがリードするっていうなら……任せてみようか、お嬢様?」
「ああ……うん。任せて欲しいよ、お嬢様」
「おう、それじゃあ行こうか」
 曲は変わり妖精楽章第三章、ティンカーベル・シンドローム。軽快なメロディラインに合わせて、二人はダンスフロアに踊り出た。
 簡潔に言おうか。
 二人のダンスは美しかった。
 貴族であったミーナは、レイリーのダンスをカバーし美しく踊ってみせる。レイリーは男性にも劣ることの無い美しいリードをこなして見せた。

「乾杯!」
「ああ、乾杯」
 カチャン。妖精美酒のなかでもとびきり甘い、ウェンディ──桃色のスパークリングワインを一口。
(ああ、酔えないんだよなぁやっぱり……)
 美しい夜景に濁すように、自虐するように笑みを浮かべたミーナにレイリーは優しく声をかけた。
「ミーナ……私の前では力抜いていいよ?」
「……私は別に、いつでも力抜いてるぜ?」
 と笑うミーナ。その赤い瞳は切なげに揺れていた。
(だって、面倒事は嫌いだから。いつだって面倒事は私の大切な者を奪っていくから。最近だって…ああ、いや。思い出すのはやめよう)
「私は何故か、女の子達には『カッコいい男役』を求められていたから、な」
 ぽつり、小さくこぼしたミーナの言葉。
 レイリーは寄り添いながらワインをもう一口口に含んだ。
「別に護られるのは嫌じゃないけど、その分護りたいから、私は。……ほら、私はここにいるでしょ?」
 にぃ、と笑みを浮かべたレイリーはこうも続けるのだ。
「私の前ではミーナが好きなように振舞ってほしいな。
 どんなミーナでも私は仲良くしたいと思ってるからね」
「……はは、そーかよ。うん、ありがとう」
 つかの間の静寂。空には星屑が輝いている。
 にしても、と続けるレイリーのグラスは、半分ほどまで減っていた。
「夜のミーナって綺麗だよねー、惚れそう」
「…ばーか。お前の方が可愛くて、綺麗だよ」
「ふふ、そうかな?」
「そうだよ。今日のドレスも可愛いしな」
「……そっか、ありがとう」
「覚悟しとけよ? 私は一度惚れるとしつこい女だぜ?」
「そう? じゃあ、落とせるものなら落としてみてよね、楽しみにしてる」
 約束だ、とグラスを交わす。
 ピンクの泡が弾けて口の中で溶けていった。


「はあー……精神的にがっつり疲れた……パンドラが減ってないのが不思議なくらいだ……」
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319) は疲れた様子でベンチに腰かけていた。
「妖精たちと踊り切ったし、なんとか仕事のほうも終わったし、今日はもうここでゆっくりするか……。
 人の気配もほとんどないし……一人で休むにはうってつけだ……」
 彼は城の手伝いをしてくれていた。お礼にと食事だけ受け取り、そのまま帰宅するまでをここで過ごそうという心算である。
 しかし、現実はそう上手くいかない。ヒトが近づいてくる気配。こつこつと鳴る音から女性だとわかる。
「……うん? 誰かが近づいてきてる……?」
「ええ。こんばんは、サイズ」
「こんばん……ってええ、ふ、フローラ様!? どうしてこんなところに!?
 というか一人!? カナタさんは!?」
「カナタは……置いてきたわ。少し疲れたの。ヒトが多いと、どうしても窮屈でしょう?」
「そ、そうですか……」
(はあ、全く危機感薄くないか……一応俺は妖精の血を求める大鎌で妖精たちにとって取り扱い注意の存在だぞ……)
「うん。心配してくれたのかしら?」
「貴女はお姫様、なんかあってからじゃ遅いんだからな……」
 警告だ、と言わんばかりに鎌の封印を解いてティターニアの細い首に宛が……うことはしなかった。直ぐに封印をして、ジャリンという鎖の音が響いた。
「あら……うん、わかった。次は気をつけるわ」
「わかっていただけたようで何より。で、何の用でしょうか?
 前回言った衣装ならもう少し待っててください……材料ないし作れない」
「ああ、ドレスじゃないのよ。貴方と話したくって、ね?」
「まあ、少しだけなら話相手になりますし……やりたいのなら踊りの相手も引き受けましょう。
 踊りは……まあ、さっき散々やったのでそれ相応にリードできると思いますよ……?」
 と、サイズは手を差し出した。
「なら、そうしましょう。踊りましょう、サイズ」
「はい。踊りますか……」
 ここはティターニアのお気に入りの場所であった。月夜に照らされたここは、人気もなく静かだ、と。
 城からうっすらと聞こえてくるリズムに合わせて、軽くステップを踏む二人。
「ねえ、サイズ。貴方、とっても優しいのね」
「……? そうですかね?」
「ええ、私はそう感じたわ」
 楽しげに微笑むティターニアの表情をみて、不思議そうに首を傾げるサイズだった。

成否

成功

状態異常

なし

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