PandoraPartyProject

シナリオ詳細

カニ鍋を食らいつくせ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●おっきくて硬いあいつ
「今年は大漁だなぁ」
 網でカニたちを引き上げながら、漁師たちはほくほく顔だ。
 去年は育ちの良くなかった上に数も少なくて、漁獲制限も出てしまったカニたちだが、今年は餌が豊富だったのかどれも大きくて数も多い。
「今年は去年の分も収入期待できるな!」
「娘に少し送るか」
「宿の方も市場で待ち構えてるみたいだな」
 この後のことを思うと気が緩むのも仕方ない。
 網から外せばずっしりとした重さ。これは身が詰まっていて美味しい証。
「とりあえず今日はこれでしまいだ。こいつら生簀に入れたら漁港戻ろう」
「おー」
 どんどん生簀に入れられていくカニたちに気を取られ、漁師たちは気づかなかった。
 そんなカニたちを追うように、縦1m、横は脚を伸ばせば10mにもなりそうな巨大カニ、モンスタークラブがやってきたことに。
 その巨体故か一歩踏み出すのに時間がかかる。だが一歩一歩が大きく、船に、漁港に着くまでにさほど時間はかからないだろう。
 ほくほく顔で漁港へと帰る漁師たちだが、このままではモンスタークラブに漁港は襲われ、多くの人が被害に合う。
 そのことを知る人は、まだいない。

●カニの美味しい食べ方
「カニを、食べに行こう!」
 きりっ! とした面持ちのフェリーチェだが、その唇から紡がれた言葉に何人かが首を傾げる。
「とっても大きいカニが現れて、このままじゃ漁港が駄目になって漁師さん達生活できなくなっちゃうの! だから、そうなる前にカニを倒して食べちゃおう!」
 なるほど、訳がわからん。
「大きいカニはあんまり強くないみたい。さくっと倒して美味しく頂こう!」
 取りあえず、大きなカニを倒して、そのカニを美味しく頂こうって言うことだね?
「新鮮だからお刺身も良いし、しゃぶしゃぶも良いよねぇ……。後は焼きガニ、蒸しガニ、カニ鍋かに味噌!」
 思いつくままにカニ料理をあげて行く案内人の言葉に、「冷えた日本酒」なんて呟いたの誰だ。

NMコメント

 海鮮鍋が食べたいと言われたので、カニ鍋依頼を出すのがゆーきです。
 バレンタイン前の口直しにどうぞ!

●目的
・モンスタークラブを倒して美味しく食べる。
 モンスタークラブは多分開始一行目で誰かに倒されるよ。
 大きいけど身の繊維は柔らかくて生でぷりぷり、火を通せばしっとり
 味は松葉ガニによく似ている。

●食べる場所
 モンスタークラブを倒したお礼に近くの宿が部屋を貸してくれて調理してくれるよ!
 好きな食べ方を頼もう!

●その他
 美味しく食べてもらえることを、願ってる……!

  • カニ鍋を食らいつくせ!完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月17日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)
虹色
実験体37号(p3p002277)
鉄拳超制裁!
ソア(p3p007025)
愛しき雷陣
エストレーリャ=セルバ(p3p007114)
賦活

リプレイ

●美味しく頂きます
「ぜんりょくアッパー!!」
 ぱこーん! と音が鳴りそうなアッパーが、『イギョウノショウジョ』実験体37号(p3p002277)の長い腕から繰り出される。その一撃でモンスタークラブは仰向けになって倒れた。
「本当にそんなに強くなかったわ!」
 強くないとは聞いていたが、まさか本当に一撃で倒せるとは思っていなかった『お道化て咲いた薔薇人形』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)の声は驚きで彩られている。
「漁港もこれで安心だね。じゃあ、倒したカニは美味しく頂こう!」
 にこにこと笑う『賦活』エストレーリャ=セルバ(p3p007114)の言葉に『雷精』ソア(p3p007025)のお腹がぐー……となる。
「ここまで走って来たからもうお腹ペコペコ! こんな立派だもん、きっと美味しいね!」
 見上げるほど大きなカニは、熟練の漁師たちの手によって解体されて運ばれて行く。
「カニ、元の世界にいたころから存在は知っていたのだけれど。食べたことはなかったのよね! 美味しいのかしら。とーっても、たのしみだわ!」
 運ばれて行くカニを追いかけるように、ヴァイスたちは近くの宿へ急ぐのだった。


「まずは刺身ね!」
 そう言って宿の人が持ってきたのは殻を剥かれた生の脚。流石に一人一本は大きいので、一本を適当な大きさに切ってあるようだ。
「一杯蟹を食べるよ!蟹さんは高級って聞いたから食べ尽くすよ!」
 待ちに待った蟹パーティだと喜んでいた実験体37号だが、目の前に置かれたカニの刺身を前に眉が情けなく下がる。
 実験体37号の手だと、細かな作業が苦手なので中々カニを食べられそうにないのだ。
 しょんぼりする実験体37号に、宿の人が助けを差し出す。
「お嬢さんの分はお醤油かけておきますね」
 幸い今回のカニはモンスタークラブ。普通のカニに比べて何倍も大きいから食べやすいし、宿の人が手伝ってくれるから実験体37号も気兼ねなく食べられるだろう。
「有難う!」
 ぱっと笑顔になって、カニの刺身を突き刺す実験体37号。一口頬張ればぷりっぷりの食感と口いっぱい広がる甘さに頬が緩む。
「これがカニ……! とっても美味しいわ!」
 ヴァイスも目を輝かせて刺身を頬張る。
「まずは、刺し身からなんだね。剥き方を教えてもらったらやってみたいけど、大きすぎるかな」
 エストレーリャは剥き方を教わりたかったようだが、刺身は既に剥かれている。
「普通のカニで良かったらお教えしますよ?」
「本当に? お願いします」
 すぐに宿の人が普通のカニを持って来て、四人の前で剥いて見せる。
「成程、ここをこうして……」
 見様見真似でカニを剥いたエストレーリャは、隣からの視線に剥きたてのカニを皿の上に置いた。
「へ?」
 きょとんとしたソアに、エストレーリャも首を傾げる。
「食べたいのかと思ったけど違うの?」
「食べたいのもあるけど、エストがカニを剥いて行くのが面白くて魅入っちゃったんだよ! 最後するって出てくるの凄いね!」
 興奮した様子のソアに、エストレーリャはくすぐったい気持ちになる。
「確かに、凄く硬い殻からするっと出てくるのは面白いし、海の食べ物って、あんまり食べたことないから、新鮮だね」
 醤油を付けて齧り付けば、身の甘さが口いっぱいに広がる。
「美味しい……!」
 思わず目を輝かせるエストレーリャに、ソアが裾を掴んで自分も食べたいと催促する。
 実験体37号とは違うけど、ソアも食事には不向きな手の持ち主だ。だけどソアが食べるのに困るとエストレーリャがいつも食べさせてくれる。それを知っているから、ソアはエストレーリャの横で食べさせてくれるのを待ってしまうのだ。
「箸は、ソアはまだ苦手かな?」
「ボクお箸は持てないよぉ」
 ぽふぽふと肉球でエストレーリャを軽く叩くと、エストレーリャはソアの刺身に醤油を付けてソアに食べさせる。
「ぷりぷり甘くて美味しい! カニって美味しいんだね!」
 初めて食べるカニに満面の笑みを浮かべるソア。どうやら全員カニがお気に召したようだ。

 刺身を食べ終えたのを見計らって運び込まれたのは焼きガニ。こちらは脚一本を豪快に焼いたもので、全員で取り分ける。
 宿の人が熱々の脚を剥き、食べやすく解した物がスプーンと一緒に四人の前に置かれる。
「焼くと身がぎゅってなるのね! お刺身とは食感が全然違うわ!」
 早速焼きガニを頬張ったヴァイスは、刺身とは異なる食感に目を丸くする。
「お刺身も美味しかったけど焼きも美味しい……!
 蟹さんの食べ方は……ボイル、焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、コロッケ、炊き込みご飯、炒飯、蟹玉、パスタとかがあったのを覚えてるよ! 兎に角すごくいっぱい種類があったから、どんなものにも合う万能食材なのかな? って思ってたけど、万能食材だね!」
 大きなスプーンだから実験体37号も一人でカニを思う存分味わえる。
「まぁ、そんなに沢山の食べ方があるのね」
「うん! どれもすごく美味しそう……!
 でも、個人的に蟹のあひーじょ?っていうのがすごく気になるよ! ワタシは作り方はわからないけれど料理してくれる人はわかるかな?」
 期待に満ちた眼差しで宿の人を見れば、にっこり微笑み席を外す。どうやらアヒージョの事を伝えに行ったようだ。
「ヴァイスは、どんな蟹さんの食べ方がお勧め?」
「私もカニを食べるのは初めてなの。でも、炊き込みご飯は食べてみたいわ! それと、甲羅のカニ味噌を日本酒と一緒に飲むって言うのがあるって元の世界に居た時に聞いたから、私それもやってみたいわ!」
 好奇心と期待に目を輝かせるヴァイスに、実験体37号も目を輝かせる。
「美味しいの? なら私もやってみたい!」
 なんて話していたら、今度は茹でガニと蒸しガニの食べ比べ。
「こっちが茹でガニ。こっちが蒸しガニだよ」
 エストレーリャが一口ずつソアに食べさせると、ソアは食感と味の違いに驚きを隠せない。
「茹での方がふわふわしてる! でも味は蒸した方が濃い! 調理法でこんなに味変わるんだ……」
 次々に口に運ばれてくるカニのお料理が美味しくて、もっと食べたいとじっと見つめておねだりすれば、エストレーリャは笑顔でカニを差し出す。
「カニって美味しいね。でも、ソアも一緒に笑顔だと、もっと美味しいね」
 むぐむぐもぐもぐ。気が付けばお皿の上は空っぽに。

 海藻サラダで口の中をさっぱりさせたら次はお鍋。
 既に鍋に入って火の通ったカニと、しゃぶしゃぶ用のカニが用意されている。
 早速しゃぶしゃぶ用のカニを鍋に入れて出汁の中で泳がせる。全体の色が変わったら、取り皿にとって早速一口。
「身はぷりぷりしっとりで、お出汁が絡んでお刺身とはまた違う美味しさね!」
「甘くて美味しい!」
 宿の人にしゃぶしゃぶして貰った実験体37号も、幸せそうだ。
 エストレーリャはしっかり火の通った身をほぐして、ふーっと冷ました出汁と一緒にソアに差し出す。
「んー……! しっとり甘くて、スープが優しい味で幸せ!」
 カニ鍋の美味しさを満喫していると、更にカニの炊き込みご飯に焼いたカニ味噌、カニのアヒージョが出てきた。
「まぁ! これがカニ味噌ね! 日本酒頂けるかしら?」
 カニ味噌を見てうきうきと日本酒を頼むヴァイス。始めは驚かれたが、100を超えていると説明したら用意してくれた。自分も欲しいと主張した実験体37号の分も一緒に。
「何ていえば良いのかしら……」
「凄く、濃厚な蟹さん!」
 見た目は良くないが、味はカニの旨味をぎゅっと濃縮したような味だ。
 味を堪能したところで日本酒を一口飲めば、カニの美味さが口の中でふわりと広がる。
「……凄いわ。今口の中がカニでいっぱいよ!」
「お勧めされるの分かる……!」
「アヒージョも合うわ」
 大人たちがカニと日本酒のマリアージュを楽しむ前で、子供たちは美味しい炊き込みご飯を堪能する。
「炊き込みご飯だけでも美味しいし、スープと一緒だともっと美味しいよ!」
 食べさせてもらいながら、ソアが嬉しそうにエストレーリャに教えてくれる。
「美味しかった……。幸せ……」
 身も心もポカポカなったソアは、エストレーリャの炊き込みご飯が減っていないのに気づく。
「ボクばかり食べていたかも。エストはお腹を空かせていない? エストが美味しいご飯いっぱい食べさせてくれた分、今度はボクが美味しいの作ってあげる!」
 ぱっと笑顔を浮かべたソアだが、すぐに自分がカレーしか作り方を知らないことに気付いてがくりと落ち込む。
「ソアは、もうお腹いっぱい? 僕もいっぱい食べたから大丈夫だよ。ソアのご飯はまた今度、一緒に料理しよう」
 にっこり笑ってソアの頭を撫でて励ますと、ソアは嬉しそうに笑ってエストレーリャに抱きつく。
「ありがとうエスト。また今度お料理するの楽しみになったよ!」
 嬉しい約束ににっこり笑うと、エストレーリャも微笑む。
「……恋薔薇に会ってから、少し胸がモヤモヤしてたけど、一個分かったよ。
 ボクね、笑ってるソアが好き。一緒にいると胸が温かいけど、笑ってるソアを見るのが、一番温かいから。だからね、君には笑っていて欲しいな」
「エストが一緒だと、ボクはいつも幸せ笑顔いっぱいだよ!」

「カニを食べに来たの筈なのに空気が甘いわ」
「不思議だけど幸せだね。
 元の世界では美味しいものなんて全然食べられなかったけど、混沌に来て、美味しいものが一杯あって、優しい人がいっぱいいて……。そして、今回みたいにさらに別の世界を旅したり、面白いこともいっぱい!
 うん、今すごく幸せだよ!だから、もっと強くなってこの幸せがずっと続くようにがんばらなきゃ!」
 嬉しそうな実験体37号を見て、ヴァイスも微笑む。
「そうね。美味しい物食べたりする幸せな時間が続くように頑張りましょう」
 美味しくて幸せな時間が、これからも続きますように。

成否

成功

状態異常

なし

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