PandoraPartyProject

シナリオ詳細

冬の屋台deチョコレート

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●今回はサンドイッチではない。
 以前、この世界のピクニックと言えばただ出掛けるだけだった。
 そこにサンドイッチを持ちこみ、見事に流行らせたイレギュラーズ。
 しかし今は冬。この寒い時期に、外でのんきにご飯を食べようとする人はごく僅か。
 サンドイッチを売り始めた屋台も、閑古鳥が鳴いている。
「ホットサンドもすぐに冷めるからなぁ……」
 ホットサンドを用意しているが、なにせ野外。冷たい風にすぐに冷めてしまう。
「あったかい物他に考えるか? 何が良いかなぁ……」
 ストーブに当たりながら考え込む屋台の店主。
「冷えるし、あったかいのが良いなぁ。後甘いの」
 どうやら甘党の模様。
 甘くて、あったかくて、屋台に出せるもの。
 どうやら今回求められているのはそんなもののようだ。

●ほら、チョコの季節ですし?
 うずうずした様子でフェリーチェが一冊の本を差し出してくる。
 それはサンドイッチを流行らせた世界の本。
 あれから本の世界も季節が流れ、今は冬。寒さで出かける人は余りおらず、サンドイッチの需要は減っている。
「そこでね、新しい流行りを作って欲しいの」
 サンドイッチの屋台を出している店主も、出掛けた先でちょっとあったかい物が欲しい人も、今の状態ではとても残念なことになっている。
「屋台の店主さんは甘党みたい。折角だし、屋台で出せる、あったかい物と、甘い物、考えてくれないかな?」
 身も心もぽかぽかになる、そんなお出掛けになって欲しいから。
「後、ホットチョコレート飲みたい」
 ん? 最後何か聞こえた?

NMコメント

 秋はサンドイッチが流行り、冬はチョコが流行る。かも知れない。
 寒い風にも負けないような、あったかい物や甘い物を考えてあげましょう!

●目的
・寒い中でもあったかい物、甘い物を考えて作る。
 現在あったかい物はホットサンドのみ。甘い物は冷たいフルーツサンド。
 なので他のあったかい物や、あったまる甘い物を考え、作りましょう!
 作成後は屋台で実際に販売になります。

●ロケーション
 広々とした芝生の広場。
 秋までは人が大勢いましたが、今は閑散としていて、犬の散歩や用事があって通る人ぐらい。
 でも時間によっては、学校帰りの学生も通る様子。

 試作品は近くにある多目的会館の一室で作れます。
 一般家庭程度の器具も材料も揃っています。
 ただ、実際売るのは屋台でなので、そこは考えて作ってくださいね?

●その他
・試作品の販売の後は、自分たちもあったかい物を食べてあったまりましょう!

 それでは、皆さまの美味しいプレイングお待ちしております!

  • 冬の屋台deチョコレート完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月09日 21時40分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子

リプレイ

●寒い空の下で温かい物を
「この本の世界も今は冬なんだね」
 吐いた息が白くなるのを見て、『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)が空を見上げて呟く。
 重くどんよりとした空の下、道行く人たちもどこか急ぎ足だ。
「見ての通りなんです。寒さのせいか、通り抜ける人ばかりでゆっくりする人は当然ですが、足を止める人も滅多にいません」
 客のいない屋台の店主は、困ったように笑いながら現状を説明する。
「ふむ、たしかに季節が変われば流行るものは変わるというもの。いつまでも同じものを売っているだけでは飽きられてしまうのも仕方あるまい。ここは私達が商品開発に協力するとしようか」
 秋にサンドイッチを作りに来た『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)は、そう言って店主に笑いかける。
「寒い時期はお外で温かいもの食べると凄く美味しく感じるんだよね! 皆で頑張ってこの世界の人達が喜んでくれそうなものを作っちゃおう!」
 張り切る焔の言葉に、店主は屋台を閉めて四人を多目的会館に案内した。

「温かいものと甘いものかあ。色々思いつくけれど、屋台だからどれもこれもって訳にはいかないよね」
 マルク・シリング(p3p001309)の言葉に、それぞれが思い思いに案をあげて行く。
「グラオ・クローネも近いし、俺はホットチョコレートかな。あったまりそうだし、作って保温しておけばすぐに出せるから屋台にもいいと思うんだ」
 そう言いながら、青いエプロン姿の『死力の聖剣』リゲル=アークライト(p3p000442)は鍋でミルクを沸かしに、そこに刻んだチョコレートを入れてホットチョコレートを作る。ふんわりと広がる甘い香りに全員の頬が緩む。
「良い香り。フェリーチェちゃんが飲みたいって言ってたし、ホットチョコレートはよさそうだよね。リゲル君が作ってるの見る限りたくさん作るのも難しくないだろうし、飲んだらあったまるし!」
 味見にと渡されたホットチョコレートを飲みながら相談は進む。
「トッピング出来るのも良いよね」
「あったかくてほっとするしな」
 部屋の中で暖房は入っているけど、甘くて暖かいホットチョコレートを飲むと体の中から温まる。
「じゃぁまずはホットチョコレートは確定かな?」
「そうだな。アレンジも色々考えてみるよ」
 どうやらホットチョコレートはリゲルが色々考えてくれるようだ。
「後は食べ物系が良いかな。屋台で簡単に出来る物が良いよね」
 マルクの言葉に屋台の店主は簡単な煮る、焼く、蒸す、保温ぐらいなら出来ると屋台の中を図解で説明してくれた。
「ふむふむ。じゃぁリゲル君のホットチョコレートは煮るスペースだね」
 その図に焔が「ホットチョコレート」と書き込んでいく。
「蒸し物出来るならボク、この前食べた中華まんとか凄く美味しかったから中華まんがお勧めだよ!」
「中華まんかぁ。寒い中で熱々食べると美味しいよねぇ」
 冷たい風が吹く中、熱々の中華まんをはふはふ言いながら食べるのはこの季節ならではの醍醐味。
「チョコレートを包んだ物からお肉を包んだ物まで色々作れるし、きっと学校帰りの学生さんに人気出ると思うよ!」
 来る前に作り方も調べてきたと言う焔に、蒸すスペースに「中華まん」と書き込む。
「色々包むならパイも良いと思うよ。チョコレートパイとかどうだろう? パイ生地に包まれているから、中のフィリングは冷めにくいし。それに、フィリングの中身を変えればメニューを増やす対応もしやすいと思うんだ。例えばアップルパイとか、ベーコンポテトパイとか」
「基本保温しておいて、出す前に軽く焼けば焼きたてのパリッと感も出そうだな」
 どうしても時間が経つとしっとりするパイだが、表面を軽くトースターで焼くだけでパリッと感は復活する。美味しい匂いも広がって、匂いにつられた人もやってくるかもしれない。
「中華まんもだけど、「歩きながら食べられる、飲めるもの」が良いと思うんだ。学生だと帰り道だし、この時期屋外のテーブル席で食べるのは、ちょっと寒いからね」
「確かに、この季節外で腰を据えては少しきついな」
「ゆっくり食べるなら、あったかい場所が良いですしね」
 頷き合うゲオルグとリゲルを見ながら、焔が保温のスペースに「パイ」と書き加える。
「ゲオルグさんは何が良いと思う? 後焼くスペースぐらいだけど……」
「それなら焼き鳥だ。部位ごとに違った食感が楽しめて、味付けは甘辛風味のタレ味と塩味の2種類にすれば飽きにくい。その上、軽く食べたい時とか沢山食べたい時にも対応が可能。焼いている時に漂う良い匂いでお客さんへのアピールも可。屋台で売るという条件ではかなりのポテンシャルを秘めているのだ」
 学校帰りの学生だけでなく、仕事帰りの社会人やちょっと小腹が空いた人も寄って行くかも知れない。
「暖かくて甘いものは、こう、円形の焼き型で焼いた甘い生地の中に餡子、チョコ、カスタードなどを入れてあるお菓子を提案しておこう。沢山入れて生地部分を薄めにしてもいいし、逆に若干少なめにして生地の部分を厚めにしてもいいな。名前をなんと言ったんだったか……」
 う~む。と考え込むゲオルグ。どうやら混沌で異世界から来た旅人に聞いたが、人によって名前が違ったようだ。
「大判焼きだったり今川焼きだったり回転焼きだったり……。ここはこの世界の者に名前を決めてもらうのもありかもしれん」
 頷きそう決めれば話は早い。早速試作品作りを始めるイレギュラーズだった。
 試行錯誤を繰り返して、満足の行くレシピが完成したら試食会。
 ゲオルグが召喚したふわふわ羊のジークも一緒に、みんなで試作品に舌鼓を打つ。
「皆の作ったものを食べるのが、実は一番楽しみだったんだ」
「作るのも楽しいけど、食べるのも楽しいですよね!」
 楽しい試食が終われば早速屋台で販売だ。

●ふんわり甘くて、身も心もぽかぽか
 焼き鳥の香ばしい香りとホットチョコレートの甘い香りが混じりあわないように屋台の中の配置を少し変えて、早速調理開始。
 流石に炭火では無理なので、代わり熱く熱した鉄板に焼き鳥を乗せて焼いて行くゲオルグ。
 じゅっと音がして、焼き鳥の色が変わる。皮からは脂が落ちて、ぱちぱちと爆ぜる音が楽しい。
 半分にぱらぱらと塩を振り、ひっくり返してもう反面を焼く。
 もう半分は両面軽く焦げ目をつけたら、用意してきたタレに付けて再度鉄板の上に。じゅわっ! と音がして、タレの焦げる香りが辺りに広がる。
「良い匂い」
 広がる匂いに焔が焼けて行く焼き鳥を見る。
 じゅわりと溢れる肉汁と脂。こんがりと焼けた食欲をそそる焼き色。
「美味そうだな。一本ずつ頼む」
 匂いにつられたのか、犬の散歩中の男性が早速やって来る。

 ゲオルグの隣で中華まんを蒸かしているのは焔だ。
 一から作った手作りの生地は、蒸かす前はもっちり艶々している。
 中に入っているのは餡子にチョコレート、肉餡の三種類。餡子はまんまる、チョコレートはココア入りの生地、肉餡は天辺を捻って見分けがつくようにしてある。
「今日は三種類に絞ったけど、ピザまんとかも良いよねぇ」
 とろっと蕩けるチーズが美味しいのだと言う。
「他にも中に入れるものを変えたら色々作れちゃうし、いつかこの世界オリジナルの中華まんとかもその出て来たら面白いよね!」
 そんなことを言っている間にタイマーが鳴る。
 蓋を開ければふわっふわに膨れ上がった中華まんたち。
「ちゃんと出来てるかな?」
 肉まんを一つ手に取って、半分に割ればふわっと生地が割れて中から肉汁たっぷりの肉餡が顔を出す。
「お、何それ新作?」
 丁度学生たちの帰る時間になったのか、お腹を空かせた男子学生たちが群がって来た。

 群がる男子生徒とは逆方向には女子生徒たちが群がっている。
「ホットチョコレートはミルクにチョコを溶かしたオーソドックスなもので、甘い物が好きな方にお勧めです。
 甘すぎるのはちょっとなあ、という方にはカカオ度高め、砂糖少な目のビターがお勧めですよ」
 どうやら女子学生たちが群がる理由の一つは、執事姿で甘い微笑みを浮かべるリゲルのようだ。
「あの、もっと甘く出来ますか……?」
 頬を赤く染める女子生徒の言葉に、にこやかにトッピングを説明する。
「ミルクもビターもマシュマロを浮かべますが、お好みでクリームとナッツをトッピングしたウィンナーホットチョコにも出来ますよ」
 ここまでくると完全にスイーツだなあ。と思いつつ、ピンクにハート柄の、グラオ・クローネをイメージした紙コップにホットチョコレートを注ぐリゲル。
 受け取って喜ぶ女子生徒たちを見て、家でもホットチョコを作ってみようかと思う。妻のポテトもきっと喜んでくれるに違いない。

 ホットチョコレートと一緒にチョコレートパイを買う女子生徒の姿もちらほらと。
 注文を受けてからトースターで軽く表面を焼くパイはサクサクほかほか。中のチョコレートフィリングがとろっとしていて甘党にも満足出来る一品だ。
「熱いから気を付けてね?」
 噛り付いて「あつっ!」なんて言っている子もいるのはご愛敬。
「これならアップルパイとかも作れば良かったかも」
 珍しさもあるだろうが、予想よりも早くなくなってしまいそうだ。
 ゲオルグの作った和風の焼き菓子も好評で、保温用のケースの中身がなくなるまでさほど時間はかからないだろう。


「完売だー!」
「思ったより人が来て良かったね」
 空になった在庫を見て焔が大きく背伸びをする。
 自分たち用にと残しておいたホットチョコレートを、リゲルはみんなに渡していく。
「ホットチョコレート!」
 手伝いに来たフェリーチェが、嬉しそうにホットチョコレートを受け取る。
「今日は有難う。お陰で明日からやって行けそうだ」
「また何か困ったことがあれば気軽に声をかけてくれ」
 ゲオルグの言葉に屋台の店主は嬉しそうに微笑んだ。

成否

成功

状態異常

なし

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