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シナリオ詳細

ウサギたちのショコラーデ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ウサギだって
「あれ? 今日はずいぶんウサギたちが少ないね?」
 野菜屑を持ってきたシルバが首を傾げる。
 いつもならわっ! っと寄って来るウサギたちなのに、今日はいつもの半分ぐらい。
「どこかで遊んでるんじゃないんですか?」
 フェリキスも目を瞬かせ、嫌な予感に頬を引きつらせる。
「まさか……」
「心当たりあるの?」
 珍しくじとっした眼差しを向けるシルバに、フェリキスはそっと目を逸らす。
「村で、もうすぐショコラーデだからとチョコを渡されたんです。ウサギたちがそれを欲しがったので、これはショコラーデのチョコだから駄目だと言ったんです。そしたら、ショコラーデの事を知りたがったので女性から男性にチョコを贈る日だと教えたんです」
 ショコラーデ。それは他の世界でバレンタインと呼ばれる位置づけの日。
 対になるのは、男性から女性へ花を贈るフローリデ。
「キャロルもルビーもいないし……残ってるのはオスばっかりだね」
 一緒に暮らしていれば性別や個性の区別はつく。
 ちなみに名前はスイートキャロルが好きな子にキャロル、お菓子用の酸味の効いたリンゴが好きな子にルビーとつけられた他は、まだ明確な名前がない。
「……まさか、ショコラーデに合わせて告白するつもりでプレゼント探しに行った!?」
「それはわかりませんが、とりあえずキャロルたち探しに行かないと」
 寒さの山は越えたが、まだたまに雪は降るし積もった雪は溶けていない。
 いくら魔物とは言え、小さく寒さに弱い子たちだ。早く探しださないと危ない。

●ショコラーデを楽しもう
「森の魔法使いの所に居るウサギたちの半分が、家から抜け出しちゃったの」
 角の生えたウサギで、可愛いけど一応魔物。
「丁度この世界では、もうすぐショコラーデって言う女性から男性に、気持ちや感謝を伝える日が近くて、ウサギたちは……うん。抜け出した子は全部女の子なんだけど、男の子やシルバたちに気持ちや感謝を伝えるプレゼント探してる可能性高いの」
 とはいえプレゼントになりそうなのは美味しい葉っぱや木の実で、いるのは多分森の中。
「とりあえずまずはウサギたち探して確保して、時間があればプレゼント探し手伝ってあげると喜んでくれると思うよ」
 リンゴの匂いで簡単に釣れる辺り、色気より食い気な可愛いウサギたちだ。

NMコメント

 もうすぐバレンタインですね!
 それに合わせて、今まで何度か登場した世界でバレンタインをお送りしたいと思います!
 まずは第一弾。ふわふわウサギたちの、可愛いバレンタインをどうぞ!

●目標
・ウサギ(メス)を全て探し出す。
 ウサギたちは以下の通り。
 ・キャロル:スイートキャロルが好きな好奇心の塊。他の子よりもっふり大きめ。
 ・ルビー:製菓用の酸味のあるリンゴが好き。
 ・おっとりのんびりした子。日向ぼっこが好き。
 ・元気いっぱい遊ぶの大好き。目標はリンゴに届く大ジャンプ。
 ・警戒心が強くて慎重さん。誰かと一緒だと安心して遊ぶけど、一人だと安全な場所でじっとする。
 ・一番小さい。よく誰かの後を付いて回っている。

●探す方法
・名前がある子は呼ぶと聞こえる範囲に入ればやってきます。
・リンゴの匂いをさせればつられて寄ってきます。
・それぞれの個性に応じた場所にいる可能性が高いです。

●その他
・無事見つけたらプレゼント探しをお手伝いして貰えると喜びます。そして懐きます。
・全員見つけたらあったかい紅茶であったまりましょう!

 それでは、皆さまのもふもふ愛お待ちしております!

  • ウサギたちのショコラーデ完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月06日 22時20分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
ハロルド(p3p004465)
ウィツィロの守護者
ヨシト・エイツ(p3p006813)
救い手
ネーヴェ(p3p007199)
星に想いを

リプレイ

●ウサギ探しの依頼です。
(おかしい……)
 『聖剣使い』ハロルド(p3p004465)は、目の前の光景に眉間の皺を寄せた。
 境界案内人から厳つい男性二人が依頼を受けているのを見て、強者との戦いだと思い自分も名乗りを上げたが……。
「プレゼントを探しに行った女の子の兎さん達か……」
「こりゃまた濃い面子になっちまったなぁ。まぁ俺含めだから言える立場でもねぇんだけどよ。とりあえずウサギらが怖がって逃げるような羽目にならなけりゃいいんだが」
 もふもふなウサギを想像する『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)と、ウサギの心配をする『救い手』ヨシト・エイツ(p3p006813)を見れば、手に持った依頼書の内容に間違いはないのだと分かる。極めつけは『うさぎのながみみ』ネーヴェ(p3p007199)だろう。
「あの……大丈夫、ですか?」
 眉間に皺を寄せたままのハロルドを心配そうに見上げる、優しく儚げで、見ているだけで守りたくなるようなアルビノの少女に、ハロルドは軽く動揺する。だがすぐに気を持ち直して。
「あ、あぁ。大丈夫だ。それより、今回の依頼はウサギたちの捜索だよな?」
「はい。迷子探しと、兎のお手伝い、です」
 小さく頷くと、ネーヴェはシルバを見た。
「兎捜しなら、わたくしも、力になれるでしょうか」
「勿論だよ。あの子達を宜しくね」
 イレギュラーズなら見つけてくれるという信頼を受けて、四人は力強く頷いた。

「んな危険な奴は出ないんだろ? なら今回は各自散開しつつ探索だ」
「なら今回は始めからジークも一緒に捜索出来るな」
 ヨシトの言葉に誰も異論はなく、それぞれが気になった方向を探し始める。
 ゲオルグとヨシトは森に。ネーヴェは日当たりの良い場所を探して。そしてハロルドは兎たちのことを詳しく聞き出し、必要な荷物を詰めている。
「伊達眼鏡を掛けていくか。丸いフレームの眼鏡は柔らかい印象を与えるらしい。悪人面もマシになるだろう。それと話し掛ける時にしゃがんで目線を合わせる、だったか?」
 ぶつぶつ言いながら丸いフレームの伊達眼鏡をかけるハロルド。鋭い目つきが、丸いフレームのお陰でいつもより柔らかな印象に。
「あとは……兎たちが寒さに震えていた時のために毛布と、暖かい飲み物も必要か? 紅茶は兎が飲んでも大丈夫なのか? しかし魔物だしな……。
 ああ、怪我をしていた場合も想定して治療薬や、腹を空かせている可能性を考え――」
 鞄に毛布、温かい紅茶、傷薬、兎たちのおやつを詰めて行く。
 ガチだ。この男、ガチでウサギたちが遭難したと想定して準備している……!
 ようやく準備が整ったのか、ハロルドは森に向かって歩き始める。
 ほどほどに進んだところで水筒の蓋を開けると、ふわりとアップルティーの香りが広がる。
「これで来ると良いが……」
 手で扇いで匂いを広げてみようとするが、反応は芳しくない。
「確か……キャロル! ルビー!」
 名前が決まっている二匹の名前を呼んで、超聴力で反応を待つ。
 何度か名前を呼んで待っていると、微かな木々が揺れる音を聞いた。その方向を見つめていると、暫くしてやってきたのは一羽のウサギ。
 ウサギは警戒することなく紅茶の匂いを嗅いでいる。
(あの魔法使いに淹れて貰って正解だな)
 シルバの淹れる紅茶は、ウサギたちも普段から嗅いでいる安心出来る匂いだ。
「……キャロル?」
 紅茶の匂いにつられたのか、名前につられたのか。順番に名前を呼んでみる。
「ルビー?」
 ピクリと反応して顔をあげるウサギのルビー。
 何用かとじっと見つめて来るルビーを見て、ハロルドの眉間に皺が寄る。
「ぬ、む……」
(分からん。どう接すれば良いんだ?)
 小さくてふわふわで頼りない生き物を前に、ハロルドは必死になって「兎とのふれあい方」という本の内容を思い出すのだった。


 ハロルドよりずっと奥に行っているのはヨシトだ。
「角生えたウサギを探してるんだ。わりぃけど、探すの手伝ってくれねぇか?」
 精霊たちウサギたちを探して貰うように頼むと、怖がらせないようにギフトで安心感をだし、『自分より小さな生物が安らぐ空気』を作り出す。
 ウサギたちの為に、良い人だ……!
「さて……どのウサギを探すか……」
 むやみに動き回って探しても、すれ違いに生ったり見つけられない可能性もある。ここはウサギたちの個性を考えて動くべきだろう。
「特に注意して探すのは『警戒心が強くて慎重さん』だな。他のが一緒に居るならマシだが、仮に一人の場合は隠れてて見つからねぇかも知れねぇな。『一番小さい』のも隠れてて見つからねぇかもしれねぇから、とにかく精霊たちによる人(?)海戦術をもって探すか」
 見つけたら肩とか頭にでも乗せとくか。
 なんて考えながら、慎重な子が隠れそうな場所や小さい子を探すヨシトだった。


 逆に日の当たる場所を探しているのはネーヴェ。
 まずは近くに居た精霊たちに声をかける。
「ぽかぽか、暖かくて。草花が、よく育ちそうな場所は、ありますか?」
 心当たりがあるなら案内して欲しいと頼めば、快く案内してくれる。
「兎を、探しています。兎はとても、臆病だけれど……ぽかぽか、のんびり、したいのです。寒いのは、苦手だから、なおさら」
 歩きながら、ウサギたちの足音や移動の際に出る音に耳を澄ませる。
 ネーヴェの足音しかしなかった静かな世界に、小さな軽い音が広がる。
 そぅっと音がした方向を覗き込む。
(兎は、臆病なので……逃げる準備は、バッチリ、です)
 おずおずと覗き込んだ先には、日の当たる場所でぬくぬくと日向ぼっこをするウサギの姿。
「いました」
 ぱっと顔を輝かせると、驚かせないようにそっと近づく。
「シルバさんたち、とても、心配されていました、よ」
 ネーヴェの言葉を聞いてネーヴェを見るウサギ。
「プレゼントを、探しに来たのですか? わたくしも、一緒に探しますから……見つかったら、一緒に、帰りましょうね」
 その言葉に分かった。とばかりに鼻を鳴らすと、ウサギはネーヴェの所に行くのだった。


 ウサギたちがリンゴ好きだと聞いて、持参したゲオルグだが、まずは名前を呼んでみることに。
「キャロルー! ルビー!」
 反応を待ってみるがこれと言った反応はない。ならば次の作戦であり、メインのリンゴ作戦の出番だ。
 慣れた手つきで可愛いウサギ型に切って行くゲオルグ。可愛く出来たことに満足してジークに渡すと、その隣にいた毛玉も欲しがるのでもう一切れ。
「ん?」
 見るとジークと並んで、ウサギが一匹美味しそうにリンゴを食べている。
「これがリンゴパワー……」
 だがリンゴパワーはこれだけでなかった。
 軽快な足音。雪を蹴る後ろ足。ゲオルグの持っていた残りのリンゴ目掛けて、もう一匹が見事な大ジャンプを見せてくれた。
「おぉ!」
 見たいと思っていた大ジャンプを見れたゲオルグは、手に持っていたリンゴを奪わるが気にしていない。可愛いジークと可愛いウサギたちがくっついてリンゴを食べる姿に心ときめかせるのだった。


 精霊たちに教えられて、守るように小さいウサギを隣に連れた慎重なウサギを見つけたのは、なんと森の入り口付近。
「まぁ、確かにシルバの家が見えるここなら安全と言えば安全だな……」
 奥の方まで探しに行っていたヨシトは安心半分、疲労半分でその場に膝をついた。
「プレゼント探すんだろ? 手伝ってやるから、早く良いの見つけて帰ろうぜ」
 怖がらせないように優しく声をかけると、慎重な足取りで近づいてくるウサギ。そこへやって来たネーヴェとおっとりウサギの姿を見て、急に飛び出す慎重ウサギ。それを見てヨシトは思わず苦笑してしまった。
「すげぇ勢い」
「びっくり、しました」
 足元に急にウサギが増えたネーヴェも動くに動けない。
「今、プレゼント、探しています」
「俺も今からだ。やっぱ木の実とか花とかか?」
「そうですね。寒い時期でも、成る木の実があれば、いいと思います」
 ウサギたちを抱き上げてプレゼントを探していく。
 見つけたのは赤い木の実に赤い花。二人と三匹で探して、ウサギたちが選んで取ったプレゼントだ。


●至福のモフモフタイム
「全員無事に見つかったようで何よりだ」
 見守るハロルドの視線の先で、綺麗な葉っぱを持ち帰ったルビーはオスたちに渡している。
「プレゼント探しも楽しかったな」
 好奇心のままに動くキャロルと元気いっぱいなウサギに振り回された筈のゲオルグは、紫の木の実を渡す二羽を見てほっこりしている。
「こいつら家族なのか?」
 メスたちが差し出したものをオスたちが取り合うことなく寝床に持って行く姿を見て、ヨシトが首を傾げる。
「うん。キャロルと隣の子が夫婦で、後は子供だよ」
「だから、仲良し、なのです、ね」
 プレゼントを渡し終えた一家は揃ってリビングにやって来る。そしてメスたちはそれぞれ手伝ってくれた人の膝の上によじ登り、オスたちも思い思いの場所に行ってのんびりとしたティータイムが始まる。
「モテモテだな」
 ギフトのせいか空気のせいか、何故かヨシトは膝の上に2羽、肩に1羽、頭のうえに小さい子が乗った全身もふもふ状態。
 ハロルドの言葉にヨシトは顔をしかめるが、ウサギたちを撫でる手は優しい。
「カカカッ、とりあえず何とかなってよかったぜ。あんまりシルバたちを心配させねぇようにな」
 もっと撫でろと頭を寄せるウサギをどこか羨ましそうに見つめるネーヴェとゲオルグ。
「もふもふ、です」
「もふもふだな」
 だがその腕にはしっかりウサギたちが。
 猫舌でも飲める温度まで紅茶が冷めるのを待つゲオルグは、その間にウサギたちを撫でる。冬毛でふわふわなウサギはもふもふだ。
「……幸せだ」
 肩の上に居たジークも膝の上に降りると、ゲオルグの膝の上はあっという間に賑やかもふもふに。
 賑やかなもふもふお茶会はまだ終わらない。

成否

成功

状態異常

なし

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