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シナリオ詳細

遺跡でミイラとご対面

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●遺跡に棲みついたミイラ
 幻想領内にあるルクソール遺跡は、そこそこの規模である。
 この遺跡を目当てにやってくる者達は、近くにあるテーベ村に泊まり、観光したり調査したりしていた。
 テーベ村にとっては、ルクソール遺跡は重要な観光資源というわけである。
 というより、村は遺跡が発見されてから、この遺跡で稼げると思った者達が集まってできたのだ。
 遺跡を訪れる者が多くなるにつれ、彼らのために宿屋を開く者、居酒屋、飲食店を開く者などが少しずつ集まり、やがて村になっていった。
 今では遺跡に関連するような土産品も作られており、記念に買っていく者も少なくない。

 しかし、ある日この遺跡にミイラが棲みついてしまった。
「ミイラと言えば遺跡、遺跡と言えばミイラ。ゆえに、我がここに棲むのは当然である」
 目撃した観光客が聞いたというミイラの言葉だ。
 何を言っているのか、と言いたくなるが様子を見に行った村人達に対してミイラは襲いかかってきたのだという。
 その体に巻き付けた包帯を自在に操って攻撃してきたミイラに、戦闘の心得も武器も持たない村人達は反撃できるはずもなく、逃げ帰ってきた。
 程度の差はあったが、皆傷を負っていたという。
 このままでは観光客も学者も村に来てくれない。
 土地が豊かなわけでもなく、他に産業もない、元々が遺跡を訪れる者達をあてにしてできたようなテーベ村にとって、この遺跡を失うということは、村を存続させられなくなる程の死活問題である。
 困り果てた村人達は、それぞれがお金を出し合い、ミイラの討伐依頼を出すことにした。

●ミイラ討伐依頼
 ローレット本部でイレギュラーズに今回の依頼内容について説明しているのは、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)だ。
「ミイラなんてボクは怖くないのです。ボクは別に怖くないのですが、テーベ村の皆さんが怖がっていますし、困っているのです」
 そう言いながら、ユリーカの表情は強張っているように見える。
「ミイラは遺跡に人が入ると問答無用で襲ってくるらしいのです。だから今回は、討伐して欲しいのですよ」
 ミイラは喋れるようだが、いまいち会話が噛み合わないという村人達の証言もあり、好戦的で危険度が高いと判断されたようだ。
 このミイラが何故いきなり現れたのか、どこから来たのか等気になることは色々あるが、村の状況を考えれば詳しく調べている余裕もないだろう。
 運が良ければ、ミイラが勝手に教えてくれるかもしれない。
「早く遺跡に人が入れるようにしてあげてください。あまり長い間入れないと、遺跡のイメージが悪くなってしまうのです」
 確かに人の噂は恐ろしいもので、良くない事態が続けば続くほど、尾鰭が付いてどうにもならなくなることが少なくない。
 ルクソール遺跡の調査を今後も続けられるか、テーベ村がこれからも村として存続できるかどうかは、イレギュラーズの活躍にかかっている。
 そう理解したイレギュラーズは、ユリーカに見送ってもらいながら、テーベ村へと向かうのであった。

GMコメント

閲覧ありがとうございます、文月です。
 今回は遺跡に勝手に棲みついたミイラを討伐するのが目的です。
 以下、補足となります。

●成功条件
 ・ミイラを討伐する
  そこそこ強いようですので、準備はしっかりと。
 ・遺跡に人が入れるようにする
  ミイラが来る前と同様、人が入れる状態にしてください。

●遺跡についての確定情報
 ・ピラミッドではありません。
 ・結構広いです。
 ・中は迷路のごとく入り組んでいますが、広い場所もいくつかあります。
 ・入り口は地上にありますが、入ってすぐに長い階段があり大部分は地下です。
 ・古い遺跡なので、テーベの村人により補修工事が時々行われています。

●ミイラについての確定情報
 ・そこそこ強いです。
 ・喋れるし知能もそれなりにあります。
 ・かなり好戦的です。
 ・古い包帯でぐるぐる巻きになっていて、この包帯を自在に操って攻撃してきます。
 ・包帯だけでなく遺跡内にいる虫、動物を少し操れるようです。
 ・大きさは2m弱で、大男っぽいです。
 ・腕力も強いようです。
 ・偉そうです。
 ・既に死んでいるので討伐には工夫がいります。

●その他
 アドリブ不可、アドリブOKなど添えていただけたり、口調や性格等が分かりやすいよう書いていただけたりしますと、大変助かります。アドリブ不可と記載がない場合はアドリブが入ることもありますのでご注意ください。
 皆様のご参加、お待ちしております。

  • 遺跡でミイラとご対面完了
  • GM名文月
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年03月26日 21時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
祝呪反魂
新納 竜也(p3p000903)
ユニバース皇子
リカ・サキュバス(p3p001254)
瘴気の王
佐山・勇司(p3p001514)
赤の憧憬
シルヴィア・エルフォート(p3p002184)
空を舞う正義の御剣
弓削 鶫(p3p002685)
Tender Hound
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
シラス(p3p004421)
超える者

リプレイ

●遺跡探検の準備
 ミイラ退治を請け負ったイレギュラーズ8人は、テーベ村に到着するとまず村長や村人達に会うことにした。
 ルクソール遺跡内の地図があればもらい、内部の状態等について詳細な情報を聞くためだ。
「地図ですか?もちろんありますよ。観光客向けのものですが、それで良ければお渡ししましょう」
 『pick-pocket』シラス(p3p004421)が村長から人数分の地図をもらうと、全員に1枚ずつ配っていく。
 観光客向けの地図なので、発掘品をデフォルメしたイラストが端の方にいくつか入っており、裏には遺跡が発見されてからの歴史、これまでに判明した内容が簡単に記されている。
 『死を呼ぶドクター』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)は、シラスから地図を受け取ると内部の構造をしっかり頭に叩き込んでいく。
 『特異運命座標』新納 竜也(p3p000903)も地図を受け取り、補修工事やミイラについての話を村長からだけでなく村人からも聞く。
「アンデッドが相手ですか?うう…おっかないなあ」
 そんなことを言いながらも、『この後滅茶苦茶たい焼き食べた』雨宮 利香(p3p001254)はもらった地図で遺跡内で戦闘に向きそうな場所を確認し、村人からどの程度の景観なら人が入るのに耐えうるのかを聞いている。
 遺跡内で戦闘となった時に、どれくらいまで派手に動き回れるかを確認しておきたいのだろう。
 『孤兎』コゼット(p3p002755)も地図で広い場所を確認し、万一に備えていくつか候補も探しておく。
「ミイラって、なんか、臭そう…」
 そう言いつつも遺跡についての興味もあり、地図の裏面を見てみる。
 そこに書いてあることを見ると、どうやら遺跡の発掘はまだまだ途中で、宗教施設のようなものだったらしいとしか分かっていないようだ。
 発掘品が多く、そちらの調査にも時間がかかっているせいだろう。
 そして、発掘品が多いために発掘もかなり慎重に行われているのだそうだ。
 迂闊に掘り進めて、発掘品に傷をつけないようにという配慮からだ。
 『誰ガ為』佐山・勇司(p3p001514)は地図で内部の構造を確認しながら、村人から地図に書かれていないような遺跡内の構造、注意すべき点などを聞いている。
 村人から遺跡の修繕ポイント等を聞いているのは『Tender Hound』弓削 鶫(p3p002685)だ。
 自分達にも可能な補修方法がないか聞いてみるが、専門的な知識が必要だと説明されて手伝うのはやめておくことにする。
 出来る限り遺跡本来の壁や床等を残し、見た目も周囲となじませて補修した箇所だと分からないようにしなければならないので、建材や考古学的な知識などを複合的に持っていなければならないらしい。
 村長からは、遺跡内の奥は発掘や調査の許可を得た者だけが入れる場所であり、もし戦闘するならそこは避けてほしいと頼まれた。
 元々が繊細な作業が必須となる場所であり、そこで戦闘になればまだ発掘されていない貴重な物に被害が及ぶかもしれないからだ。
 それぞれが地図の確認が済ませると、内部の明るさについても聞いてみる。
 本来なら観光客のため、遺跡内には等間隔に照明としてランプを設置してあるが、ミイラが来てからメンテナンスを行えなくなったため、今はほぼ確実に全て消えているだろうという話だ。
 そこで村長から人数分のカンテラを借りることにし、遺跡内へ持ち込むことになった。
 『空を舞う正義の御剣』シルヴィア・エルフォート(p3p002184)の案で、カンテラはいざという時には両手が自由に使えるよう、腰にくくりつける。
 準備が整うと、全員で遺跡へ入って行く。
「よろしくお願いします」
 村長や村の主要なメンバーが何人か並び、村の救世主となるであろう8人を見送っていた。

●皆で遺跡へ
 遺跡に入ると、勇司の案で戦闘時に後衛となるメンバーを前衛のメンバーで挟むようにし、前後どちらから襲われても対応できるようにする。
 前列には勇司、コゼット、利香、真ん中にはシラス、鶫、レイチェル、後列にはシルヴィア、竜也が立つ。
 通路の幅が狭い場合は、2人1列になったり1人ずつになったりして進んでいく。
「さあ、先ずは近くの広い部屋に急ごうか」
 目指しているのはシラスが言った通り、事前に地図で確認した中で最も入り口から近くて広い部屋だ。
 まずそこへ行ってから、遺跡内のどこかにいるはずのミイラを探し、その部屋までおびき出す作戦なのだ。
 行く途中でミイラに出会った場合は、そこから最も近い広い場所へ誘導することになっていた。
 歩きながらレイチェルが超視力や看破のスキルで遺跡の状態を確認する。
 ミイラが遺跡に棲みついてから壊れた箇所があれば、危険だからだ。
 結果として、入り込んだ村人や観光客を襲った際にできたらしい、ちょっとした傷をいくつか見付けた。
 後で村人達に教えるため、シラスが自分の持つ地図へと見つかった傷の場所をメモしていく。
「ミイラの目的は何だと思う?」
「さあ、何でしょう」
 歩きながら訊ねる竜也にシルヴィアが首を傾げつつ返すと、竜也が自分の考えを述べる。
「好戦的なミイラらしいが、きっとそれはお腹が空いているからだ! 人は誰でもお腹が減ればイライラするものだからね。
 そこで、村で買ってきたこの骨付き肉が役に立つのさ」
「骨付き肉、ですか?」
 何に使うのだろう、と言いたげな目でシルヴィアが竜也の持つ肉を見る。
「ミイラとご対面したら見せてあげるよ」
 竜也が自信ありげに胸を張る。

「まずい、見つかったかも」
 歩いていると勇司が仲間たちにそう言ったのは、ミイラが操ることができるという虫を見付けたからだ。
 コゼットがすぐに持っていたソードブレイカーで虫を仕留めるが、どういった連絡手段を持っているか分からない。
 もしかしたら、見つけていないもう1匹がいて既にミイラの元へ向かったかもしれない。
「ここからは、より警戒して進みましょう」
 それを受けて鶫が注意を促し、死角ができないように索敵しながら進む。
 しかし、特にミイラから襲われることなく目的としていた広い部屋に着くことができた。
 部屋に入るとすぐ、シラスがファミリアーでコウモリを召喚し、周囲にミイラがいないか探すためにコウモリと視界を共有して巡回させる。
 ズル……ズル……。
「あら?変な音が聞こえません?」
 シルヴィアの言う通り、シラスがコウモリに巡回させているのとは逆の方向から微かな音が聞こえてきた。
 少しずつ部屋へと近づいてきている。
 先程コゼットが仕留めた虫はやはり既に連絡していて、ミイラがやって来たのかもしれない。
 音のする方向にも出入り口がある。
 そちらを向いて8人は前衛と後衛に分かれ、戦闘態勢を取った。
「こ……れ……ぬ……」
 音だけでなく声まで聞こえてきた。
 確実にミイラだろう。
 入ってきたらすぐに攻撃できるよう、それぞれが武器を構え、カンテラを腰にくくりつける。

 8人の持つカンテラが出入り口の方を照らしている中に、事前に聞いていた通りの姿をしたミイラが現れた。
 身体は大きく筋肉質な上、包帯でぐるぐる巻きにされている。
 ズルズルという音は、包帯の端が地面に擦れる音だったのだろう。
 何本の包帯を使って巻いてあるのかは分からないが、いくつか端が地面に垂れている。
 ミイラを見ると竜也が持参した骨付き肉をミイラの足元に投げる。
 だが、ミイラは無反応だ。
「まさか……お腹が空いていたのではないのか!」
 僅かな時間だが、その場にどこか重たい静けさが訪れた。
 シルヴィアは、どうしたらいいのか分からないといった様子で、ミイラと竜也の顔を交互に見ている。
「ミ、ミイラさんなら大人しく遺跡の墓にでも籠ってて下さい! 魂吸いますよ!?」
 その静けさを破りミイラが包帯を操って攻撃してくるより前に、利香がミイラを名乗り口上で気を引いた上に挑発し、コゼットが自分にクイックアップをかけて距離を詰め、コゼットに当たらないようシラスが中距離から魔力放出による攻撃を行う。
 命中するが、ミイラは僅かによろめいただけだ。
 ミイラのくせに無駄に頑丈である。
 利香はすぐにディフェンドオーダーをかけ、防御重視でミイラと睨み合う。
「高貴な我の眠りを妨げる者は許さぬ」
 利香の挑発も聞いているのかいないのか、無視されているようだ。
 そもそも、ミイラはこの遺跡で眠っていたわけではないだろうし、入っただけなのに何故こんなに怒っているのか。
 もしかしたら、どこか別の遺跡で眠っていたところを誰かに邪魔され、ずっと怒り続けているのかもしれない。
 誰でも眠っているところを邪魔されれば腹が立つものだが、何にしても迷惑極まりない。
 距離を詰めたコゼットがミイラに斬りかかると、確かに斬った手応えはある。
 しかし、ミイラは痛みを感じないのか大したダメージを受けた様子もなく、コゼットに向けて包帯を伸ばしてくる。
 巻きつけて動きを封じるつもりなのだろう。
「既に死んでるなら動けなくなるまでぶっ潰す。其れだけの話だろ?」
 それを見て勇司も距離を詰め、コゼットへと伸びる包帯ごとミイラへ一刀両断を放つ。
 今度はさすがにミイラも後ずさる。
 しかし、まだまだ元気なようだ。
 今度は勇司へと包帯を伸ばしてきた。
 だがレイチェルが発動させた遠距離術式によってこれも阻止される。
「名のあるミイラとお見受けする。何ゆえ、この世に迷い出てこられたか!」
 気を取り直した竜也がミイラの包帯をユニバースセイバーで切り落としつつ、レイチェルからミイラの意識を逸らそうと声をかける。
「我は盗掘者によって眠りの地より引き離されし者なり。棺を開け、我が眠りを妨げる者に死の呪いを」
 どうも盗掘者に墓から離され、棺を開けられて怒ったらしいが、呪いと言いつつその攻撃は思いきり物理だ。
 包帯を伸ばすだけでなく、近距離でミイラを取り囲むかたちになっているコゼット達に殴りかかっている。
 当然、コゼット達はミイラの攻撃をかわす。
 壁に当たると石造りの壁が面白いようにボロボロと崩れた。
 その拳の威力は舐めてかからない方が良いだろう。
 幸いにもミイラの動きは比較的緩慢なので、イレギュラーズなら注意していれば当たらないはずだ。
 しかし、できればミイラの攻撃で遺跡が崩れてしまうのも避けたい。
 出入り口の近くで戦い続けていては、ミイラが部屋から出てしまう可能性もある。
 シルヴィアがミイラの横へ回り込んで距離を詰め、出入り口から離れさせようと攻撃しながら誘導した。
 ミイラが広場の中央付近へ移動すると、シルヴィアがその場に留めようとブロックする。
 鶫がスナイパーアイを使いつつミイラの死角に入り、攻撃のタイミングを窺う。
 広いとは言っても遺跡内の1つの部屋なので、長辺で20m程だろうか。
 スナイパーで超遠距離からの攻撃を得意とする鶫には、少し不利な場所とも言える。
 そのため、鶫はミイラが回避できないタイミングを狙って攻撃するつもりなのだ。

●ミイラとの戦い
「そうだ、あとで調べるから、名前、教えて?」
 コゼットが格闘と攻撃集中でミイラを翻弄しつつ、名前を聞いてみる。
「名、前……我の名前……名前、は」
 名前を聞いただけなのだが、ミイラが動揺し始める。
 自分の名前を思い出せないのかもしれない。
「この眼は魔眼…獲物は逃さんさ。それが動く死体でもなァ」
 その隙をつくようにレイチェルが魔弾で攻撃する。
 動揺していたお陰で難なく命中し、ここまでのダメージも蓄積されていたのだろう。
 ついにミイラが膝をつく。
 だが、すぐにまた立ち上がりレイチェルへと包帯を鞭のように使った攻撃を仕掛けてくる。
 距離があるので避けることはできたが、僅かにかすってしまう。
 攻撃を仕掛けることでミイラにはまた隙ができ、そこを勇司がつく。
 ロングソードで繰り返し斬りつけ、ミイラでなければかなり出血していそうなくらいにはダメージを与えている。
 しかし、相手はミイラだ。
 斬られた傷も時間が経つと修復されてしまうようで、非常に厄介である。
 こうなれば手数で押しきって動きを止め、どうにかするしかない。
 シルヴィアがシールドバッシュによる強打でダメージを与えつつ、マークしてミイラの移動を封じる。
 コゼットは、ここぞとばかりにミイラをバラバラにしてやろうとしている。
 動けなくするには、かなり有効な手段ではある。
 これを見てレイチェルがコゼットを手伝うように攻撃し始める。
 鶫は他のメンバーが攻撃している間に溜め、隙ができればスナイパーズワンでミイラを射抜く。

「我が下僕達よ、侵略者に制裁を」
 ミイラがそう言うと、どこからともなく部屋の中に多くの甲虫やネズミ、コウモリ達が入ってきてイレギュラーズの邪魔をし始めた。
 シラスがミスティックロアで魔力を増幅させ、自分の周囲にいる邪魔なミイラの下僕達に威嚇術を連続で使い、追い払う。
 鶫は移動して避け、コゼットが一旦ミイラへの攻撃を中断し、鶫を追い回しているミイラの下僕達を仕留めていく。
 途中、クイックアップが切れたのでかけ直す。
 ミイラの下僕たちは小さくて数が多いので、これではキリがない。
「ミイラが操っているのだから、ミイラを倒せばいいはずだ!」
 頭脳労働タイプを自負する竜也がそう言い、下僕はある程度放置してミイラを攻撃することを促す。
 これに反応し、メンバー内で最も素早いコゼットがミイラの元へと戻る。
「それなら、早く、倒してしまおう」
 これまで以上に激しく攻撃し、ミイラの右腕を落とすと蹴飛ばして本体から離す。
 また本体にくっつかれては困るからだ。
 ミイラはしぶとく、攻撃力も高いがイレギュラーズは8人、ミイラは1体である。
 数を上手く活かせているため、イレギュラーズの被害は少ない。
「粉微塵にしてやる」
 シラスが物騒なことを言いながら、マギシュートや魔力放出、ミスティックロアを上手く組み合わせて攻撃する。
 何度か外れてしまうが、少しでも早くミイラを無力化させようと手は緩めない。
 レイチェルも超視力で狙いつつ、魔弾で激しい攻撃をくわえ、鶫もロングボウによる射撃でミイラにこれでもかというくらい矢を浴びせかける。
 前衛メンバーは巻き添えにならないよう、一旦ミイラから離れている。
 後衛メンバーによる一斉攻撃が一旦終わると、ミイラはさすがに膝をついていた。
 畳みかけるように前衛メンバー達5人が攻撃する。
「ちょっと申し訳ないけど…」
 利香がミイラの足を切って立ち上がれなくし、くっついてまた立ち上がらないように本体から離しておく。
 どうにかミイラを持ち運びできるようにバラバラにすると、集まっていたミイラの下僕達は混乱した様子になり、逃げて行った。
「何と無礼な。高貴な我に何という仕打ちか」
 まだミイラが喋っている。
「まだ喋れるのか。やっぱり燃やすしかなさそうだな」
 呆れたように言う勇司に、他のメンバーも苦笑いする。
「ミイラだから良く燃えそうじゃないか?」
 レイチェルはどこか楽しげにそんなことを言う。
「申し訳ありませんが、情け容赦なく火葬です。ええ」
 鶫までミイラには容赦なかった。
 とりあえず、遺跡内で燃やすと煙や煤で汚れそうなので、遺跡の外へ持ち出すことになった。
 コゼット、シルヴィア、勇司は今回の戦闘で増えたらしい遺跡内の傷をチェックし、地図に大まかな位置を書き込んでから遺跡を出ることにし、他の5人でバラバラになったミイラの身体を手分けして外まで運ぶ。

●遺跡の外で
 5人が遺跡からバラバラになったミイラの身体を持って出て来ると、村人達が悲鳴を上げつつ歓迎してくれた。
 バラバラになっているとは言ってもさすがに怖がって近づこうとする者はいなかったが、燃やすと聞いて薪などの用意はしてくれ、イレギュラーズは燃えている火の中にミイラの身体を投げ込んでいくだけで良かった。
 火の用意ができる頃にはコゼット達3人も遺跡から出てきたので、一緒にミイラを焼いていく。
「一応お墓とか立てた方がいいですかね?…いや、もう死んでますけど…」
 利香がそう言うと、村人達と遠巻きに火葬の様子を見ている村長が困った顔になっていた。
 どうやら盗掘にあったことでミイラがこの地へやってきて、人を襲っていたようだという話をイレギュラーズから聞き、複雑な気持ちになっていたのだろう。

 ミイラの火葬がすむと、コゼットと利香が簡単なお墓を作ってあげていた。
 村長から遺跡の脇になら、と許可をもらったのだった。
 穴を掘ってミイラの灰を流し込み、土をかけて木の板を立てる。
 名前は結局分からないままだったので、コゼットが「ミイラのはか」と書いた。
 これでようやく、彼もゆっくり眠れることだろう。
 今度こそ、2度と誰にも邪魔されない眠りにつけたはずだ。

 その後、イレギュラーズはついでに遺跡の観光をしたり、村を見て回ったりと、自由に過ごして帰っていった。
 彼らは帰る前に村長や村人達から報酬とは別に、お礼にと村のお土産をたくさんもらったのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 大変お疲れ様でした。
 今回は私、文月の担当しましたシナリオにご参加いただきありがとうございました。

 皆様の活躍により、ミイラは永遠の眠りにつきました。
 テーベの村人達も、皆様に感謝していることでしょう。

 少しでも楽しんでいただけましたならば幸いです。
 またの機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

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