PandoraPartyProject

シナリオ詳細

カルネと傭兵デカ猫地獄

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●デカ猫ぺろぺろ
「デラモテ草の買い付けを行うにはメズンノ族の暮らす集落まで行く必要があるんだがそのためにはデカ猫ぺろぺろ地獄を踏破する必要があるんだな」
 早口にとんちきなことをぬかすラサの商人モフリ崎氏。
 デカ猫ぺろぺろ地獄ってなんだよって誰もが思うとおもうし私も思ってるけど現物を見れば誰だって理解できるとおもうのでこのカルネ君をみてくれ。
「うあああああああああ……」
 巨大な虎柄キャットに肉球でむんずって押さえつけられ、ひたっすらぺろぺろされ続けるカルネ君がいた。
 唾液が多い種類のなかわかんないけどもう全身ぬっとぬとである。
 ぬっっとりしたカルネ君が振り返って叫んだ。
「いったよね! 危険な戦闘がある依頼だって言ったよねえ!?
 恵まれない人たちを救うために薬を調達する依頼だって言ったよねえ!」
 この一時間くらい前。
 イレギュラーズ(あなた)と砂漠のオアシス街で合流したカルネ君は依頼書を懐にしまいながらシリアスな笑顔で言っていた。
 『恵まれない人のために薬を調達する。こんなふうに力を使いたいって、僕も思ってたんだ。それが君と一緒にできるのは、とってもうれしいよ』
 からのはいドン。
「あああああああああ……」
 横からやってきた白黒柄の巨大キャットにも肉球でむんずってされて二匹がかりでぺろっぺろされていくカルネ君。
「なんだろうこの唾液くっさ! なんかイワシみたいな匂いがする! イワシと牛乳をませたような匂いがするう!」
「このように南デカラビアキャット通称デカ猫は攻撃さえしなければ友好的なんだがひたすら相手をぺろぺろしまくるのでたまに生贄(?)を出してペロらせる必要があるのだ。
 中には別の理由で凶暴化したデカ猫が襲ってくることもあるから……そうだな……」

 凶暴化したデカ猫の戦闘力はだいぶ高く、南デカラビア地方の守護神とか言われるくらいには強いらしい。
 高い機動力と反応速度。それを生かした攻撃力。HPもだいぶ高く一匹倒すのも結構苦労するってぇハナシである。
 逆に戦闘せずに非凶暴状態のデカ猫に人をペロらせるには『とにかく目立たせる』『ちょっといいにおいをさせる』『やや高い所にかかげる』『キラキラさせる』などの工夫をする、と商人たちは言い伝えていた。

「『凶暴なデカ猫は戦闘で倒し、凶暴じゃないデカ猫は攻撃せずにペロらせる』という手順をできるだけ踏んでくれ。
 中には面倒くさがって全員倒してしまう者もいるが、かなり労力を使うし最悪引き返すはめになるからお勧めできないぞ」
「あ゛あ゛あ゛あああああああああ!!」
 五匹くらいのデカ猫に群がられてペロッペロされ続けるカルネ君が、そこにはいた。

GMコメント

 オーダーはデカラビア地方の砂漠を突破することであります。
 そのためには凶暴化したデカ猫を退治したり、非凶暴状態のデカ猫に誰かペロらせるのが一般的なのでございます。

・デカ猫との戦闘
 OPで述べた通りデカ猫はだいぶ強い生き物ですが、死ぬまで戦ったりしないのである程度HPを削ってやると逃げ出します。
 どうしても自分の威力が強すぎて殺しちゃいそうだと思ったら【不殺】攻撃を利用してみてください。

・ペロらせる
 OPで述べたような方法でペロらせます。
 同行者にはカルネ君がいるのでお気軽にペロらせてあげてください。
 彼がもっとペロられやすくなるように飾り付けたり掲げたりするのも忘れないようにしましょう。
 他にも『俺はペロリストだぜ』って方は是非トライしてみましょう。

・カルネ君のステータスシートはこちら
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3n000010

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • カルネと傭兵デカ猫地獄完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年01月27日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
ロゼット=テイ(p3p004150)
砂漠に燈る智恵
フィーゼ・クロイツ(p3p004320)
穿天の魔槍姫
ティエル(p3p004975)
なぁごなぁご
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
エストレーリャ=セルバ(p3p007114)
賦活
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
アスタ・ラ・ビスタ(p3p007893)
星の砂を望む

サポートNPC一覧(1人)

カルネ(p3n000010)
自由な冒険

リプレイ

●にゃんこがでかいと手間もでかい
「薬を取りに行くのは、大事な仕事ですよね」
 ルールールーという謎のバックコーラスとともにきらめくそよ風がぬけ、砂と太陽の匂いをはこんでくる。
 一月だというのにまだ激しく照りつけるラサ砂漠の太陽の下、『賦活』エストレーリャ=セルバ(p3p007114)は閉じていた目をあけ、かすみのように微笑んで振り返った。
「それにしてもデカ猫さんが凶暴化してしまうのは、謎ですね。人なつっこい猫さんなのに」
「そうだね」
 二匹係の肉球で押さえつけられ、ひたっすらぺろぺろされつづけるカルネ君がそこにはいた。
「そろそろ行く準備をするんだな。キャルネくんていったんだな? デカラビアキャットと遊ぶのもほどほどにするんだな」
「遊んでないよ。あとカルネだよ」
 依頼人のモフリ崎氏がパカダクラにまたがり、ハリアップと叫んで手招きした。
「ねこ……」
 歩き出すパカダクラ。
 一緒に別のパカダクラにまたがっていた『葬列』アスタ・ラ・ビスタ(p3p007893)は、ゆんらゆんら背にゆられながら、カルネに飽きてどっかいくデカ猫たちを振り返っていた。
「あれが、ねこという生き物か。あらかじめ勉強は、した」
「あら、偉いわね。いいわよね猫」
 『穿天の魔槍姫』フィーゼ・クロイツ(p3p004320)が横を歩きながら話に加わってきた。
「あれだけ大きいともふもふしがいがありそうだわ」
「素晴らしい生き物なんだな。みなあの大きさなのか」
「う、うーん……」
 普通は違うよ? と言いたいフィーゼだったが、混沌世界って本当にいろんな生物がいるので一概に異常とも言いがたかった。なんならもっとデカいのもいるし。
「まあとにかく、基本的に友好的って言うのなら、余程の事が無い限りは攻撃する必要はなさそうね。寧ろ、あんな大きな猫と戯れる機会なんてそうそうないし、折角だから私も混ぜて貰うわよ」
「まざるのか」
 アスタは脳裏に、ついさっきカルネがもみくちゃのぬとぬとにされながら『あああああ』って言ってた様子を想像した。でもって、そこにフィーゼをまぜた。
「ああなりたいのか」
「うん?」
 ところで、ねこといえば。
「ラサ砂漠巨大ねこ、謎の親近感を感じるのは何故だろう。
 いや、何故も何もない気はするのだけれど。
 大体身長も同じか、もしくはこの者が少し小さいくらい?」
 『へっぽこ砂サーファー』ロゼット=テイ(p3p004150)は『違いは二足歩行なくらいか』と言いながら自分の手のひらを見つめにぎにぎとやった。
「なぁごなぁご!」
 同じく二足歩行の猫。もとい猫系獣種の『なぁごなぁご』ティエル(p3p004975)。
「でっかい猫、ライオンとかあんなのじゃないちゃんと猫してる猫だねー。なぁごなぁごを伝授せねば?」
「なぁごなぁご?」
「なぁごなぁご」
 なぁごなぁごってなんだろう。
 実際なんだかよくわからないので、いつも通り『そういうものかー』と軽く流す『猫さんと宝探し』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)。
「でかくてもふいのはいいんだけど、イワシ牛乳のにおいがするのはちょっとな……オイラの羽毛がぬとぬとになったらだいぶ困るし」
「まあ、まあ、そうよね……」
 『熱砂への憧憬』Erstine・Winstein(p3p007325)はしばらくデカ猫にうもれてすやすや眠る想像をしていたが、よく考えたら口くっさいんだったと思い出しふるふると首をふった。
「それによく考えたら、サイズがサイズだからのしかかられたら窒息しかねないわよね。凶暴化した個体だっているわけだし……頑張りましょ!」
「がんばろー!」
 じゃあそろそろ飾り付けの準備を――と思ったところで。
「オーーーーッホッホッホッ!!!」
 『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)がいつもの高笑いをあげた。
「まさにわたくしが活躍するための依頼! ですわねー!
 目立つならば、そう! このわたくし!」
 ぱちーんと指を鳴らし、なんもない砂漠に声がこだまする。

  \きらめけ!/
  \ぼくらの!/
\\\タント様!///

「――に、お任せですわー!」
 ていいながら砂地に寝っ転がって両手両足をばったばったさせる珍しいポーズをとった。
 そんなタントさーまーにぃー?
「えい」
 ティエルが香水をぶっかけた。
「ぴゃー!?」
「甘い香りをさせたいって聞いたから」
「かけすぎですわ! わたくしすっごいいいにおいしてますわ! 一週間はとれないやつですわ!」
「まあまあ」
 とかいいながらモフリ崎氏のパカダクラに乗っけると、クラッカーを鳴らして紙吹雪をまいてやった。光り輝くタント様。
「わらって」
「オーッホッホッホッホッ! オーッホッホッホッ――くさ! くっさ!」
 すごい勢いで飛びついてきたデカ猫がタント様をジャンピングキャッチすると、頭んところひたっすらぺろぺろし始めた。
「何ですのこの唾液の匂い! あっでもわたくし嗅いだことございますわ何故か頭にイルカの姿が浮かんで参りますわーー!?」
 具体的に浮かんだのはイルカの着ぐるみを着たアザラシやねんけどな。
 ひたすらぺろられまくるタント様とそれを抱えるデカ猫。
 ティエルはそれを見つめてなぁごなぁご言っていた。

 その一方で。
「こっちもデカ猫をおびき寄せられるように飾り付けようね」
 アクセルがフィーゼに金のモールや銀のリボンや紙を折ってこうなんかひらひらしたやつをめっちゃ服にくっつけた。
 フィーゼ自身は自分の胸に『CHARLES PETAL』をさして甘い香りをさせたり、なんかキラキラした飾りを掲げたりしてみた。
「これでいいかしらね」
「いいんじゃないかな」
 見て、と指さすロゼット。
 遠くから猛烈なスピードでデカにゃんこが突っ込んできた。
「待ってたわ。さあ存分にも――っ」
 ラグビー選手がタックルして人をさらっていくあの感じに近かった。
 デカ猫は猛スピードでフィーゼを加えるとずさーってスライディングしたあち両腕でホールド。顔や頭をめっちゃペロペロしはじめた。
 うわあって顔で見るアクセル。
「だ、だいじょうぶ……?」
「大丈夫。折角だから、私も存分にデカ猫と触れ合うわよ。
 折角友好的な相手なのに危害を加えるのは、私のポリシーに反するし、何より仲良くなって損はないじゃない?
 あ、折角なら肉球とか触らせて貰えないかな」
「案外平気そうだね」
 猫豆知識。
 猫好きは猫の口が臭くてもあえてペロられまくることがある。
 ご自宅の猫の口が臭くて嫌ってひとは歯磨きカリカリを買ってくるとかなり改善するぞ☆
「とりあえずこの者は乱暴者達の相手をするね。まだ来ないみたいだけど……」
 ふと振り返ると、カルネくんがさっき以上に飾り付けられていた。
「カルネ君、あとで水とタオルでふいてあげるから頑張ってくださいね」
 て言いながら、溶かしたチョコをカルネの肩とかにてろーってかけていった。
 日差しや気温もあいまってめっちゃ甘い匂いが広がっていく。
「え、なあにこれは」
「リフレッシュも兼ねて、グラオクローネのチョコレートをとかしてみました。
 甘い匂いならこれでバッチリです!」
「バッチリかなあ!?」
「カルネ、これもつけろ」
 アスタは自分用に持ってきた『貴公子の仮面』をカルネにガッて装着させると、パンツをガッて頭にかぶせてゴム紐んとこにガッてキャンドルを立てた。
「きらきらでかわいいな、カルネ」
「本当にそう思う? 僕いまだいぶ奇怪なことになってると思うんだけど」
「あとは『ピョエー』とか鳴いてデカ猫をおびき寄せてくれ」
「もうそれ完全に奇人だよね。もしくは怪人だよね」
「任せたぞカルネくん」
 よいしょとパカダクラの背にカルネをしばりつけ、アスタはパカダクラをはしらせた。
「ピョエー!?」
「「にゃー!」」
 甘い匂いとキャンドルにつられたデカ猫たちが追っかけていく。
「あ、ああ……なんだかいいわね……」
 多種多様なペロられかたをするタントやフィーゼたちを眺め、Erstineはほうっとため息をついて頬に手をやった。
「これ……今のうちにちょっと触ったりしてもいいのかしら。
 ええ、ええ、無理に触ろうなんて思わないわ。
 ただちょっと……興味があるだけ、なの」
 そーっと近づき、そーっと手を伸ば……そうとした時。
 遠くから、とても友好的とは思えない声をあげて走ってくる猫の気配を察知した。

●ばとるおぶでかにゃんこ
 牙をむき出しにし、目を鋭く光らせ、熱を持った砂地を疾走する巨大な猫。識別名称デカラビアキャット。
 虎がそうであるように、人体を軽々とえぐりとってしまえるような鋭くおおきな爪を出し、跳躍によって勢いをつけた。
 狙うは黒髪の乙女。
 しかし、乙女は。
「――」
 手の中に血の魔力を発生させると、びきびきと氷結した鋭い氷の刀を高速形成。振り向きざまに空気摩擦で研ぎ上げつつ『抜刀』すると、今まさに頭をえぐりとらんとしていた爪を氷の刃で受け止めた。
「やんちゃな猫ね。少しおしおきが必要かしら」
 一拍おいてさらりと流れた髪が頬にかかるや、刀を流してデカラビアキャットを後方へ放り投げる。
 それまでぺろられ尽くしていたフィーゼがハッとしつつもペロ猫の肉球をもみもみしていた。
「こっちは任せて。攻撃を巻き込まないように注意してね」
「もちろんよ。そっちは任せたわ」
 投げたデカラビアキャットを追うようにフィーゼと猫に手を突いて飛び越えると、身をひねった回転を乗せてデカラビアキャットを空中で蹴りつけた。
 『ギャッ』と声をあげて吹き飛び、柔らかい砂地をワンバウンドしてから四つ足で着地。ブレーキをかけてグルルと獣らしく唸った。
「悪いけど、ぺろぺろさせてはあげられないの。だって帰りに……」
 頬にかかった髪を指でどけながら、Erstineはくすりと笑って頬を朱に染めた。
「とにかく、戦いたいならかかってきなさい。逃げたくなるまで相手してあげる」
「応援は任せてください」
 エストレーリャは彼女の後ろに陣取ると、腕輪をなぞってバラの花を生成。突き立てたポールに巻き付くようにのびたバラはたちまち自らを凍り付かせ、美しい鈴へと変化した。
 音階の異なるローズベルによる演奏が鳴り響き、清浄なる力が波状に広がっていく。
 特にダメージの大きい仲間にはピンポイントでエネルギーを送り込めるように、ラッパのように音を指向化した大きなバラをポール頂点に作り、エストレーリャは深く深く祈り始める。
「よーし、それじゃあオイラも!」
 アクセルはエストレーリャたちの上を低空飛行で飛び回ると、デカラビアキャットを妨害するように神気閃光を連射。
「戦闘はこっちで引き受けるよ! ペロられてる皆、がんばってね!」

 時を同じくして、ロゼットやティエルの援護攻撃をうけながらアスタはぴょんぴょんとデカラビアキャットから飛び退き、爪による攻撃を回避していた。
「ペロペロ猫はあんなになつっこいというのに、随分な差だ」
 四つ足を張り、牙を剥きだして唸るデカラビアキャット。
 まっすぐににらまれながらも、アスタは背筋を伸ばしやや顎をあげる余裕そうな姿勢でデカラビアキャットを見つめている。
「――来るか」
 デカラビアキャットが飛びかからんと後ろ足のバネを縮めたのとほぼ同時に、アスタは背後に連結していた水晶状の義翼羽根を一斉にパージ。
 ゆるやかに開いた手のひらを踊るように振ると、離れた羽根がデカラビアキャットへと襲いかかった。
 飛びかかろうとした寸前に放たれた羽根にびっくりして、空中であばれるデカラビアキャット。
 巨体のあちこちに爪をかけるように羽根を刺し、アスタはわずかに目を細めた。
「勉強をしたときに、こんなことも知った。猫の爪は鋭いらしい」
 手のひらでぐるりと円を描くように空をかきまぜると、連動したかのように羽根がデカラビアキャットをぐるんと回しながら放り投げ、空中制動をとって着地したデカラビアキャットへさらなる追撃を打ち込むべく羽根の鋭利な先端を打ち込んでいく。
「それと。猫はにゃあと鳴くそうだが」
「にゃあ」
 ティエルは『そうだよ』みたいなトーンで述べると、大きなアタッシュケースのロックを解除。
 中から飛び出した無数の猫型人形が首からさげた鈴を鳴らした。
 よく見ればティエルが広げた両手の指指に細い魔力糸がつながり、猫たちを操っているのがわかるだろう。
「なぁごなぁご」
 大きく腕をふる踊りのように、ティエルは砂の上でステップをふみながら無数の猫人形を操っていく。
 デカラビアキャットを取り囲んだ猫人形たちは一斉になぁごなぁごと鳴いて、鈴の結界を発生させる。
 半球状に張り巡らされた結界内、アストラル体となった猫人形たちが次々に突撃、斬り付けていく。
 その一方でロゼットは指輪をかちかちとならし、魔術的に発生した炎をデカラビアキャットへと浴びせ始めた。
「ねこだし、火は嫌がるだろうから……怖がらせたり、他のペロねこを巻き込まない様によけておこうね」
「今のウチなんだな。ペロられ係を回収して走るんだな」
 パカダクラの上からよびかけてくる依頼人のモフリ崎氏。
「ええ。かまわないわ。カルネはどう」
 全身ぬっとぬとになったフィーゼが案外平気そうにカルネを見ると、カルネが無表情で振り返った。
「大丈夫そうに見える?」
 仮面とパンツとろうそくを装着したチョコまみれでぬっとぬとの人が大丈夫そうに見えたら、それはそれで問題な気がした。
「皆様バテ気味ですわね……ハッそうですわ!」
 タントはポケット(?)をごそごそやってあれでもないこれでもないって探ると……パカパカーンという謎の効果音とともにぬいぐるみを掲げた。
「『ビューティーぬいぐるみ』ですわー!」
「ハッ、それは!?」
 頭にシグマを出すカルネ。
 タントは勢いをつけてぬいぐるみをカルネめがけて投げた。
「『ギャグキャラ』スキルが強化されるアイテムですわ! これを使ってくださいまし!」

 もくもくもく(回想シーンがはじまる音)
『――恵まれないNPCのためにぬいぐるみを調達する。
 こんなふうにギルドショップを使いたいって、わたくしも思っておりましたの。
 それがカルネ様と一緒にできるのは、とってもうれしいですわ……』
 少女漫画みたいなタッチになったタントが目尻の涙を小指で拭いながらはにかむように笑った。

 くもくもくも(回想が終わる音)
「はぶ!?」
 顔面にぬいぐるみがクリーンヒットしたカルネはもんどりうって倒れた。
「まって僕『ギャグキャラ』もってない」
「そこまで振る舞っておきながら!?」
「そうだから僕――ああああああああああああ」
 デカ猫にぱくっと襟首をくわえられ、そのまま走って持って行かれるカルネ。
「か、カルネ様ーーーーーーーーー!」
「とはいえチャンスよ。今のウチに走り抜けましょう」
 凶暴化したデカラビアキャットを払いのけ、傷を負って逃げていくのを確認してからErstineは刀をかざした。
「今日は、勉強になってしまった」
 アスタは飛ばしていた羽根を戻して義翼に接続すると、Erstineにならって走り出す。
「あとでみんなキレイにしてあげますからね。それと猫さん、ここまでです!」
 エストレーリャは走りながら振り返り、瞬間的に開いたゴースト・ローズから凝縮マナを発射。
 追いかけてくるデカラビアキャットの鼻にぶつけてやった。
「もう一発!」
 空中でターンしたアクセルがとっておきの魔砲を発射。とびかかろうとしたデカラビアキャットを真っ向から撃退した。
 きゃんといって跳ね、逃げていくデカラビアキャット。
「猫にペロペロされるのは悪くないですけど、あそこまで大きいと困りますね……」
「たしかにね」
 苦笑しながら、エストレーリャは仲間とともに走り出した。

成否

成功

MVP

御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの

状態異常

ロゼット=テイ(p3p004150)[重傷]
砂漠に燈る智恵
ティエル(p3p004975)[重傷]
なぁごなぁご

あとがき

 ――mission complete!

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