シナリオ詳細
<黒鉄のエクスギア>夜空より降り立つイレギュラーズ
オープニング
●子供達を救うために
鉄帝首都のスラム街、モリブデン。その一角に向けて、車両の群れが進行していた。前後に並ぶ二台のトラックを中心に、八台の装甲車両が囲んでいる。時間は深夜、しかも月が雲に隠されているため暗く、ライトを点けていなければその存在を確認するのは困難であっただろう。
彼らはショッケン・ハイドリヒ麾下の鉄帝軍人であり、地下に眠る古代の巨大兵器にエネルギーを供給するための『血潮の儀』に用いる贄を運搬する部隊である。その贄である年端もいかぬ子供達が、何処からか攫われてきて二台のトラックに押し込められていた。
それを後方の上空から見下ろす、いくつかの影。ミサゴの飛行種で編成される海洋の空中輸送部隊『オスプレイズ』と、彼らによって抱き抱えられ運搬されているイレギュラーズ達である。
「その子達を、むざむざと殺させるものか!」
「好き勝手に攫って行きやがって! 返してもらうぞ!」
まばらに建っているバラックの影から、わらわらと五十人ばかりが車両群の前方を半包囲するかのように飛び出す。前方にいる装甲車からガトリングガンの掃射が浴びせられるが、即席作りの粗末な盾を掲げた者達が飛び出して、弾丸の嵐を受け止めた。その間に、後ろにいる人々が焙烙玉や火炎瓶を投げつけて装甲車の足を止める。
「――始まったな。こちらも行くぞ!」
地上の様子を確認した『オスプレイズ』のリーダーが、号令をかける。イレギュラーズを戦場に送り届けるべく、『オスプレイズ』は急降下を開始した。
●戦うか、助けるか
「――鉄帝将校ショッケン・ハイドリヒが、いよいよ本格的に動き出しました。それに合わせて、『血潮の儀』の贄にするため攫われた子供達が運ばれています。彼らを助けてくれる方はいませんか?」
『真昼のランタン』羽田羅 勘蔵(p3n000126)が、真剣な口調で依頼に参加するイレギュラーズを募る。普段はのんびりだらだらとした調子でいるこの男にしては、珍しいことであった。
依頼人は、クラースナヤ・ズヴェズダー革命派のメンバー。既に二度、鉄帝首都のスラム絡みで勘蔵に依頼を出してきている。『血潮の儀』への子供達の輸送部隊の情報を掴んだため、今回も依頼を出してきた。
「それで、クラースナヤ・ズヴェズダー革命派やスラムの人々が運搬部隊の足を止めるので、皆さんはその隙を衝いて後方の上空から急襲してほしいのです。上空から戦場までは、海洋の空中輸送部隊『オスプレイズ』がやってくれます」
それで、急襲した後についてですが、と勘蔵は話を続ける。
依頼人としては、イレギュラーズに鉄帝軍人との交戦か、子供達の救出かのいずれかを頼みたいと言う。イレギュラーズが前者を担えば依頼人達が子供達を救出するし、後者を担えば鉄帝軍人との戦闘は引き受けるとのことだ。
「どちらの役割を担うかは、皆さんで相談して決めて下さい。また、『オスプレイズ』も直接戦闘に関わらない限りは出来るだけのことをしてくれるそうですから、何かしら頼ってみるのもいいかもしれません。とにかく、子供達を無事に。そして出来れば、スラムの住人達やオスプレイズにも被害が出ないように、上手くやって下さい」
勘蔵は、イレギュラーズ達に向かって深く頭を下げた。
- <黒鉄のエクスギア>夜空より降り立つイレギュラーズ完了
- GM名緑城雄山
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年02月01日 23時20分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●蒼い彗星、降り来る
――ズドォン!
スラムの住人やクラースナヤ・ズヴェズダー革命派達が、鉄帝軍の車両群の前に姿を現して戦闘に入った、次の瞬間。派手な轟音と共に、車両群の先頭にいる装甲車両の天井が、ガトリングガンの銃座や射手を巻き込んで、諸共に大きく凹んだ。上空から、『二輪』アルプス・ローダー(p3p000034)が――正確に言えば、ローダーのブルーコメットの一撃が――直撃したのである。
「ぐええっ!」
「ひいいっ!?」
ぐにゃり、と大きく歪んだ天井は、その真下にいた車長の上半身を前のめりに倒して圧し潰す。車両前部の運転手と観測手も、歪んだ天井とシートに挟まれて脱出不能となった。
「ぎゃあああっ!!」
「ぐわああっ!!」
ローダーの一撃に続くように、先頭の左後方の装甲車両に、複数のドローンが取り付いて断続的に電撃を浴びせかける。『堕天使ハ舞イ降リタ』ニーニア・リーカー(p3p002058)による、空中からのポータードローンβ=マルチプルである。
ニーニアの狙いであるガトリングの射手はもちろんだが、装甲車両の中にいる鉄帝軍人達にも車体を通じて電撃が浴びせられていく。鋼鉄の車体は、電撃への防壁とはなり得なかったのだ。結果、その装甲車両の乗員は全員が死亡した――。
「ローレットが、皆さんの応援に来ました。協力して、子供達を救い出しましょう」
「うおおおおおおおっ!!」
車両群を前方から半包囲するスラム住人やクラースナヤ・ズヴェズダー革命派達の側に降下して、『司令官』桜咲 珠緒(p3p004426)は呼びかける。イレギュラーズによって、瞬く間に装甲車両二台が沈黙させられていることもあり、珠緒の言葉は猛烈な熱気を以て迎え入れられた。
「逃げ延びた子らを守り続けていく方々には、生存の義務があるのです。攻め手には、珠緒でも名前を聞く方々がいます。ですから、無茶はしないで、珠緒の指示に従って下さい」
一人でも多く彼らを生還させるために、最良の指示を出すべく珠緒は目前の戦況に集中する。
鉄帝の車両群は、装甲車両八台、トラック二台。その編成を大掛かりな事だと感じながら、『パンドラの匣を開けし者』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095) は車両群の右側面に降り立つ。
(強き者が正しいというこの国の在り方はある意味で私の理想だが、幼子を犠牲にするやり方が正しい訳がない。嘗ての俺すら、それはしなかったというのにな――!)
過去の自分さえ手を染めることのなかった非道。それを敢えて為す者達への侮蔑と憤怒を込めて、ラルフはレイを放つ。
パン!
渾身の光の弾丸は光線となって、先頭より右後方の装甲車両の、ガトリングガン射手の頭を瞬く間に弾き飛ばした。
「――ふん」
今殺めたガトリング射手の記憶を『ワイルドハント』のギフトで視たラルフは、つまらなさそうに吐き捨てた。子供達がどうなるか知っていながら、軍人としての信念もなく欲望のために唯々諾々とショッケンからの命令に従う姿を視たからだ。
最後尾の装甲車両の側には、『観光客』アト・サイン(p3p001394)が着地する。
(蒸気機関で動くと言っても、前方にでかいエンジン付きじゃなくて、バンみたいな形なのか。わかりやすくて、好都合さ)
アトは運転席側のドアを開き、観光客流剣術奥義『死中求生』の一撃で運転手を文字通りに瞬殺する。死体となった運転手を車外に投げ捨て、入れ替わりにアトは運転席に乗り込んだ。
「おい! どうなって――」
運転手を殺された装甲車両のガトリングガン射手が、車内の状況を把握しようと残る車長や観測手に尋ねようとする。だが、その言葉を最後まで告げる事は出来なかった。
『人生のダイスロール』ライディス・クリムゼン(p3p007498)がブーメランのように投擲した大振りのショーテル『ラ・アドバーン』が、ガトリングガン射手の首を跳ね飛ばしたからだ。
(子供を狙うとはねぇ……鉄帝は強いのが全てって聞いちゃあいたが、結局こんなヘドロが出る様なのはラサと同じってか)
ライディスは今回の事件に、ストリートチルドレンであった時に幼馴染みを奴隷商人に買われた過去を重ねていた。無力な子供達を欲しいままに蹂躙する輩がいるのは、国が違っても変わらないらしい。
「……胸糞悪ィ、とことん暴れるぜ!」
嫌悪と憤怒を吐き出すかのように、ライディスは吼えた。
「あ……、え……?」
車両群の右側中央の装甲車にいるガトリングガン射手は、『彼方の銀狼』天狼 カナタ(p3p007224) が降下してきたのを認めた次の瞬間、喉をパックリと断ち切られて息絶えた。高速で接近して一撃離脱する、シルバーバレットを捉えられなかったのだ。
そして、カナタは車両群から距離を取ると、鉄帝軍人達を威圧するかのようにシリウスの遠吠えを発する。車両群から離れた暗がりから発せられるその咆哮は、これまでの戦況と合わせて、鉄帝軍人達に大いに恐怖を抱かせた。
(――珠緒さん、トラックには子供達だけで、鉄帝軍人はいないよ!)
オスプレイズによる降下の最中、『学級委員の方』藤野 蛍(p3p003861)は透視能力とナイトゲイザーによる暗視の効果で、二台のトラックの中の状況を視ていた。そして、その結果を珠緒に念話で報せる。これで、珠緒は子供達救出の作戦を立てやすくなるはずだ。
スタッと車両群とスラム住人・クラースナヤ・ズヴェズダー革命派達の間に降り立った蛍は、桜界による満開の桜の結界を展開すると同時に、背中越しに彼らに呼びかける。
「子供達のために命を賭ける貴方達のために、ボクも命を賭けるわ! だから貴方達の命は、子供達を助けるために賭けて!」
その背中から伝わる蛍の覚悟に、スラム住人・クラースナヤ・ズヴェズダー革命派達は息を飲み、真摯な表情で頷き合う。
(力こそ全てなんていう鉄帝の論理、ボクは認めない。力ある者が無き者の盾となり矛となり支え合ってこそ、理性ある人間の、本能でしか生きられない獣とは違う心ある人間の、あるべき姿だって信じてる――今ここで、それを証明してみせるわ! さあ来い、鉄帝軍!)
義憤に燃え、理想を思い描く蛍は、非道を働く鉄帝軍人達に対する不屈不当の盾たらんとしていた。
●鉄帝軍人達の反撃
「――ええい、怯むな! 車外に出てあの女を殺し、雑魚共を血祭りに上げろ!」
イレギュラーズ達に瞬く間に戦力をごっそりと削られた事実に内心で怯みながらも、それを隠して車長の一人が指示を出す。蛍の桜界によって植え付けられた強烈な敵対心が、鉄帝軍人達を命令に従わせた。
装甲車両の前方五台とトラック二台の運転席が蛍の桜界の範囲に入っていたが、乗員が全て死亡したり脱出不能になっている二台を除き、五台から鉄帝軍人達が出てきて蛍に群がり、次々とサーベルで斬りつける。
四人に斬りつけられ、傷を負い血を流すも、蛍にとってその程度ではまだ倒れるわけには行かなかった。
最後尾の装甲車両では、車長と観測手が運転席にいるアトの排除にかかっていた。狭い運転席の中では、回避はままならない。アトに向けて放たれた銃弾はことごとく命中し、そのうちの一発は横から腹部を直撃して深手を負わせた。
(――やって、くれるね。ちょっと、厳しいかな)
多少のダメージなら再生で回復するアトだったが、それだけでは手に負えないほど、傷は深かった。
最後尾の前方でトラックを挟んでいる装甲車両二台は、未だ損害はなく健在だった。そのうちの一台のガトリングガンは、ニーニアを狙って銃弾を浴びせかける。
「!?」
だが、銃弾をまともに浴びたニーニアは、痛がる様子も苦しむ様子も見せない。ガトリングガンの射手が狙ったのは、『エーベルヴァインの蜃気楼』で創り出したニーニアの幻影だったのだ。
もう一台のガトリングガンは、遠吠えを発したカナタを狙う。だが、めくら撃ち同然の射撃は、カナタに傷を負わせることは出来なかった。
二台に乗っているガトリングガン射手以外の鉄帝軍人達は、横列に展開するとライディスにアサルトライフルの弾幕を浴びせかけた。ライディスは全ては回避し切れず、数発を食らったものの、ギラリと好戦的な笑みを浮かべて鉄帝軍人達を一瞥した。
●倒れゆく鉄帝軍人
「もう一度、です」
ズドォン!
再度、ローダーのブルーコメットがガトリングガン射手に直撃する。車両群左側後方の装甲車両は、射手諸共にガトリングガンの銃座を潰された。
「これで、ガトリングガンは全て沈黙だな」
残るガトリングガンの射手を、ラルフはレイで片付けてから、車両群の中に突入してトラックの右側を押さえた。
「道は確保した、行け!」
ガトリングガンが全て沈黙し、鉄帝軍人達は前後の蛍とライディスに向かって集まっているため、右側方から回り込めば安全にトラックに至れるようになったのだ。
「ならば、俺はこっちをやるか」
「な……うわあああああっ!」
ラルフが確保したルートをより安全にするため、カナタはライディスに銃口を向けている鉄帝軍人達の右半分を、戦鬼暴風陣で薙ぎ倒す。後ろから迫る暴風域に巻き込まれた鉄帝軍人は対処など出来るはずもなく、吹き飛ばされるとピクリとも動かなくなった。
「よくも、やってくれたな!」
カナタの攻撃に動揺した隙を衝いて、ライディスが先程の報復とばかりに砂塵疾風を放つ。弾幕を張るために横並びになっていた残りの鉄帝軍人達の身体に、『ラ・アドバーン』がパックリと深い傷を刻む。
「ぎゃああああっ!」
鉄帝軍人達は傷の痛苦に悲鳴を上げて、地に倒れ伏した。
「蛍さん、援護するよ!」
「ぐあああああっ!!」
ニーニアは、十人以上の鉄帝軍人に集られている蛍の負担を減らすため、蛍を中心にポータードローンβ=マルチプルを放つ。飛び交うドローン達は、蛍の至近にいる鉄帝軍人六名に何度も電撃を浴びせかけて、戦闘不能に追い込んだ。
「ありがとう、ニーニアさん! さあ、来てよ。どんな力にも決して折れない心があるって、ボクが、スラムの人達が、証明してみせる……!」
蛍は、散華によって創り出された桜吹雪の幻影の中で、はっきりと残る鉄帝軍人達に向けて言い放ち、彼らの意識をさらに自らへと釘付けにしていった。
「今です! 皆さん、左側から回り込んで、トラックに突入して下さい! そうすれば、安全に子供達を救出出来ます!」
珠緒は好機到来とばかりに、スラム住人やクラースナヤ・ズヴェズダー革命派、オスプレイズ達に対して指示を下す。鉄帝軍人は蛍の周囲の六人と、最後尾の装甲車両の中でアトと戦っている者達だけになっていた。前者は蛍の桜界や散華の術中にあり、後者については車両の外に出てきてからでも十分に対応は間に合うため、救出に向かう者達の安全は確保出来ていた。
ラルフの側を抜けるようにして、人々はわっとトラックの中へと入っていった。
「お返しだ。逃がさないよ」
アトは装甲車両の中で、魔力が過充填された銃弾を指で弾いて乱射する。観光客流剣術奥義『盜火線』である。狭い車内でアトが鉄帝軍人達の攻撃を避けられなかったのと同様に、車長と観測手もアトの攻撃を避けることは出来ない。飛び交うマナの強烈な火花をもろに浴びて、車長と観測手は身体を黒く焦がして息絶えた。
蛍の周囲の鉄帝軍人達は蛍に斬りかかるが、うち一名のサーベルが蛍に傷を負わせるに留まり、倒すには到底至らない。
戦いの趨勢は、この時点で既に決まっていた。数の優位を喪った鉄帝軍人達に、実力で優るイレギュラーズ達に勝てる術はない。三度放たれたローダーのブルーコメット、後方から移動してきたカナタのクラッシュホーン、ランディスのカプリースダンス、ラルフの魔狼襲によって各個撃破されていき、残る二人はニーニアのポータードローンβ=マルチプルで倒れた。
●救出終わりて、夜が明けて
イレギュラーズ達の鮮やかな勝利に、スラムの住人やクラースナヤ・ズヴェズダー革命派達は大いに沸き、嬉々として子供達の救出を進めていった。
(皆さんが無事で、本当に良かったです)
鉄帝軍人との戦闘が早々に終結したこともあって、子供達にも大人達にも、犠牲者は皆無だった。その結果に、珠緒は喜びつつ胸を撫で下ろす。
「お疲れ様、玉緒さん」
「お疲れ様です、蛍さん」
そんな玉緒に、蛍が声をかけてくる。最良の結果を得られた喜びを、恋人達は微笑み逢いながら分かち合った。
(俺は、子供を守れたんだな……)
かつては力が足りずに出来なかったことが、力を得た今は出来た事実は、ライディスを満足感と達成感に浸らせた。
(やはり、力があったからこそ、だな。もっと、力を得たいものだ)
しかし、ライディスは今持っている力に満足しているわけではない。さらなる力を、ライディスは欲するのであった。
子供達のうち、親が救出に参加していた者を除いて、一度クラースナヤ・ズヴェズダー革命派の拠点に送られることになった。身元を確認し、必要であれば親元に送り届けるためである。そして半数は、先にオスプレイズによって運ばれていった。
もう半数が、ラルフのゴリアテの荷台とカナタのオフロード車に分乗している。子供達はイレギュラーズ達に感謝を述べたり、ゴリアテやオフロード車に興味津々な様子を示したり、カナタをもふもふしようとしたりしながら、次々と乗り込んでいった。
ローダーはバイクの姿になって、ラルフやカナタと同道することにした。シートに座るローダーのアバターの後ろには、ニーニアが座している。
空が白む中、緊張から解放されたためか、子供達はうとうととして、すやすやと寝息を立て始める。その様を満足そうに見つめながら、イレギュラーズ達の車両群はクラースナヤ・ズヴェズダー革命派の拠点へと進んでいくのだった。
「ヒューッ、一度運転したかったんだよね、車ってさ!」
他のイレギュラーズ達と別れたアトは、夢中になって装甲車両を乗り回していた。他の装甲車に追突する前に戦闘が終わったことこそ残念だったが、装甲車両を疾走させていれば、そんなつまらないことも瞬く間に忘れてしまえた。
アトが混沌の何処を如何走りまわったか、余人には知る由もなかった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
シナリオへのご参加、どうもありがとうございました。
何日もリプレイ提出が遅れてお待たせしてしまい、大変申し訳御座いませんでした。
さて、皆さんの実力も作戦もこちらの想定以上であり、
鉄帝軍人達は瞬く間に蹴散らされることとなりました。
MVPは、鉄帝軍人の多くを釘付けにした蛍さんにお送りします。
GMコメント
こんにちは。緑城雄山です。今回は全体依頼<黒鉄のエクスギア>のシナリオをお送りします。よろしくお願いします。
●成功条件
子供達25名以上の救出
●失敗条件
・子供達6名以上の死亡
・『オスプレイズ』2名以上の死亡
・クラースナヤ・ズヴェズダー革命派、スラム住人のうち25名以上の死亡
●重要
今回のシナリオでは、イレギュラーズ全体として「鉄帝軍人と戦う」か「子供達の救出に当たる」かをプレイングに明記しておいて下さい。これは、誰か一人がやっておいて下さればOKです。
OPで記したとおり、クラースナヤ・ズヴェズダー革命派やスラム住人はイレギュラーズ達が選ばなかった方の役割を担当します。
なお、例えばイレギュラーズ全体として「鉄帝軍人と戦う」としておいて、何人かが救出の援護に回ると言ったことはOKです。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●戦場
まばらにバラックの建っている広場です。時間は深夜。
暗視がなくても、火炎瓶などの火があるため、戦闘へのペナルティーは重くはありません。光源を用意すれば、戦闘へのペナルティーをもっと軽くしたり皆無にしたりすることも可能でしょう。
足場は悪くありませんが、車と車の距離は1メートルあるかないかぐらいですので、車と車の間で戦う場合、狭い場所での戦闘となります。
また、範囲攻撃は状況次第ではトラックにいる子供諸共と言うことになる可能性があるのでご注意下さい。
●装甲車両
厚い鉄板で防御している、蒸気駆動の車です。トラックの前後に各1台、左右に各3台が配置されています。
屋根に車載型のガトリングガン(物遠単)を装備しています。
乗員は運転手、観測手、車長、ガトリングガン射手ですが、もしかすると他にも乗っている兵員がいるかもしれません。
●鉄帝軍人 ✕32+?
鉄帝軍人です。能力は平均的。
装甲車両の編成から32人いるのは確定ですが、それ以上に余剰の人員が装甲車両やトラックに乗っている可能性があります。
戦闘開始時点で、ガトリングガン射手が装甲車両の屋根の上に出ており、その他は装甲車両の中にいます。
ガトリングガン射手以外が車外に出てきた場合、サーベルやピストル、アサルトライフルなどで至近~遠距離に対応した攻撃を行います。
●トラック ✕2
荷台に幌を被せているトラックです。装甲車両に囲まれています。
中には、子供達がそれぞれ15人ずつ乗せられています。
●子供達 ✕30
今回の救出対象です。逃げられないようにロープや手錠で拘束されており、1人の拘束を解除するのに1人が3ターンを費やす必要があります(この時間は非戦スキルで短縮出来る場合があります)。
儀式の贄であるため基本的には攻撃されることはありませんが、逃げられそうな場合には逃がすよりはと攻撃される可能性があります。
攻撃を受けた場合、かなりの高確率で戦闘不能に陥ります。戦闘不能に陥った場合、ほぼ確実に死亡します。
●クラースナヤ・ズヴェズダー革命派、スラム住人 ✕50
『血潮の儀』で子供達を虐殺させまいと立ち上がりました。しかし、一般人であるため戦闘能力では鉄帝軍人に大きく劣ります。
イレギュラーズが救出を担う場合、車両群を半包囲した状況で何とか持ち堪えようとします。しかし、長く持ち堪えるのは厳しいでしょう。
イレギュラーズが戦闘を担う場合、その隙を衝いて一部がトラックに乗り込み、子供達を解放しようとします。
攻撃された場合、高確率で戦闘不能になり、高確率で死亡します。
●オスプレイズ ✕8
ミサゴの飛行種で編成された、海洋の空中輸送部隊です。
依頼人の要望を受けて、グレイス・ヌレでのローレットへの借りを返す形で派遣されました。
機動力6の運搬性能持ちです。暗視ゴーグルを着けているため、移動その他へのペナルティーはありません。
輸送部隊のため戦闘力は低いのですが、今回の依頼では直接戦闘に関わらなければ、イレギュラーズを戦場に送り届ける以外にも出来ることは手伝ってくれます。何かして欲しいことがあるようでしたら、プレイングに明記して指示をお願いします。
反応は極めて高く、1ターン目最初にはイレギュラーズを望むポイントに着地させてくれます。着地したイレギュラーズは、1ターン目はターンの最後に行動することになります(着地を「待機」する必要があるため)。
飛行、媒体飛行持ちであれば、着地を「待機」せずに空中から通常の行動順で行動出来ます(ただし、媒体飛行の場合は副行動で着地する必要があります。飛行したまま戦闘を強行しようとすれば、精度の問題から大幅なペナルティーが入ります)。
2~3回攻撃を受ければ戦闘不能に陥ります。その場合、五分五分の確率で死亡します。
●子供達の運搬について
このシナリオにおいては、子供達を抱えるなどして運搬する場合、運搬性能が無くても1人なら何のペナルティーもなく移動出来るものとします。
運搬性能持ちの場合、2人までなら何のペナルティーもなく移動出来るものとします。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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