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シナリオ詳細

<黒鉄のエクスギア>熱光線を掻い潜れ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●動向
 第三次グレイス・ヌレ海戦が勃発していたことはローレットに出入りしている者には周知の事実だろう。
 その時期と重なる頃、ゼシュテル鉄帝国では鉄帝将校ショッケン・ハイドリヒがスラム街地下に眠る巨大古代兵器を狙い陰謀を企んでいた。
 しかしローレットの活躍により事がうまく運ばなくなったショッケンは先の戦からいち早く国へと帰還し、多大な兵力を投入し強硬策を打ち出したのであった。
 古代遺跡にはコアルームと呼ばれる、古代兵器を起動・操縦するための部屋が存在している。
 そして古代兵器を動かすためのエネルギー源になるのは人間の生命力。
 大量の人間、それも若者や子供など生命力が高い者を虐殺する儀式を行うことでエネルギーが補給される。
 ショッケン軍や雇われた者たちはこのコアルームの確保、また儀式に必要な人間を運搬する部隊などにわかれ進軍を開始している。
 中には今後邪魔となるスラム街や宗教団体クラースナヤ・ズヴェズダーを壊滅させるために動き出す者たちもいるようだ。
 クラースナヤ・ズヴェズダーからの救援依頼によりローレットは彼らを救うべく動き始めるのであった。

●モリブデン地下古代遺跡
 場所はスラム街の地下に眠る古代遺跡。
 様々な形式や空間が融合して構築されているこの遺跡は、場所により広さも形もまったく異なった造りをしている不思議な空間となっていた。
 ショッケン軍などが狙うコアルームへ通じる道も1つではなく、入り組んだ通路や設置された罠などがコアルームを目指すものを苦しめていた。
 そのような中、コアルームへ通じる道を見つけたイレギュラーズが罠を掻い潜り始める。
 罠は人が3人ほど横並びで通れる通路に、定期的に出たり消えたりする熱光線が張り巡らされたものだ。
 通路を3分の2ほど進んだ時、後方からショッケンに雇われた傭兵が追いついてきた。
「あらやだ! イレギュラーズがいるってことはここは『当たり』ってわけね!」
 野太い声でありながら女口調で喋るリーダーらしき男……と思われる人物。
 その男に付き従うのはごく一般的に見られる荒くれ者といった風貌の男女合わせて10名ほど。
「アタシたち、前金たーっぷりもらってご機嫌なのよ。あんたたちを倒せば更に報酬は上乗せ。そういうわけだから覚悟おし。お前たち、やっちゃいなさい!」
「おー!」
 イレギュラーズの前後には定期的に現れる熱光線。
 そして向かい来る傭兵たち。
 熱光線が移動や直接攻撃の妨げになることは双方同じ条件だ。
 この通路を抜けた先には戦闘に支障がない部屋の広さはあるようだが、ただ先へ進むのは敵も黙っていはいないだろう。
 この戦場にてどう戦うかはイレギュラーズ次第である。

GMコメント

 <黒鉄のエクスギア>のシナリオ郡の1本となります。

●戦場
 通路の端から端までが超遠距離攻撃がぎりぎり届くぐらいの距離となります。

●敵戦力
 向かってくる荒くれ者男女合計10人。
 攻撃・魔法共に使用。
 リーダーは戦闘には参加しません。荒くれ者が全滅したら逃亡します。

●罠情報
 出たり消えたりする熱光線が通路に張り巡らされています。
 消えたタイミングのみ移動可。ただし主行動を使えば掻い潜ることも可能です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • <黒鉄のエクスギア>熱光線を掻い潜れ完了
  • GM名天野奈々
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年01月30日 22時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人
無限乃 愛(p3p004443)
魔法少女インフィニティハートC
ハロルド(p3p004465)
ウィツィロの守護者
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
蒼穹の魔女
久住・舞花(p3p005056)
氷月玲瓏
雪村 沙月(p3p007273)
月下美人
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
ゼファー(p3p007625)
祝福の風

リプレイ


 モリブデン地下古代遺跡。
 コアルームで行われるという残酷な儀式を阻止するためイレギュラーズたちは動いていた。
 正常な建造物とは違う造りの古代遺跡に苦しめられながらも、熱光線の罠が張り巡らされた通路が目的地に通じる道だと判明。
 罠を掻い潜りながらイレギュラーズはその通路を進んでいた。
 通路を半ばすぎまで進んだあたりでふいに後方からイレギュラーズへ声がかかる。
 先を急ぐイレギュラーズにかけられた声は無情にも敵のものであった。
「あっは、『当たり』を見つけちゃったわぁ! お前たち、やっちゃいなさい!」
「おおー!」
 野太い声に女口調で喋る男が指示を出せば、荒くれ者男女10名が声をあげイレギュラーズめがけ通路へと雪崩込んでくる。
「こいつらを倒せば後金は報酬が上乗せよぉ!」
 リーダーらしき男はその様子を通路から離れた位置に陣取り、荒くれ者たちの戦意を煽っていく。
 かなりの報酬をもらっているのだろうか、荒くれ者たちは熱光線が出たり消えたりする罠がある通路に臆する様子はない。
「まあ、まあ。報酬上乗せだなんてね、ちょっとキツめのお仕置きが必要かしら」
 イレギュラーズが簡単に倒されるとでも思っているのだろうか……ずいぶんとナメられたものだとゼファー(p3p007625)は思う。
 彼らは前金を貰ってるというなら今懐は潤っているのだろうか。
 それとも前祝いにパァと使い込んでしまっているだろうか。
 全員捉えた後はちょっと懐具合を確認してみようかなどと考えながら武器を手にとり構える。
 しかしリーダーからの号令とはいえ、いきなり敵全員が我先にと通路に雪崩込んでくるというのは、歴戦のイレギュラーズ相手では不用心そのものであった。
「ずいぶん珍妙な方がリーダーなのですね。それはさておき……」
 進行方向からみれば最後尾近くに位置していた『百錬成鋼之華』雪村 沙月(p3p007273)は、後方からやってきた敵に対し、最前衛の位置にいた。
 だがその位置取りはこの狭い通路で初手を撃つのに、有利に働く。
 敵は都合よく直線上に並んでくれており、さらには現段階では味方に攻撃があたる心配もしなくて良い。
「利己的な考えのもとここへやってきた事、後悔していただきましょうか」
 立ち位置を変えることなくそっと手が差し出されたかと思えば、沙月の前方へと衝撃波が飛び、荒くれ者たちから悲鳴があがった。
「ええ。ショッケン派に与するのみならず、このような場所で邪魔をしてくる愛の心も空気を読む力も無い輩たちです」
 『魔法少女インフィニティハートD』無限乃 愛(p3p004443)も沙月の言葉に大きく頷き同意を示し、ポーズを決める。
 キラキラとしたハート型のエフェクトが愛を包めばピンク色のオーラが体を覆いはじめる。
「愛の力と熱光線の烙印をもって修了証をお渡ししましょう! 悪を寸断する愛と正義の輝光! 魔法少女インフィニティハート、ここに見参! くらえハートキャノン!」
 魔法少女へと変身した愛が放つのはハートキャノン、もとい魔砲。
 しかもハートエフェクトを思う存分ふりまき蛍光に光るピンク色であった。
「ぐあー!?」
 こちらも同じく前方へ一直線に伸びた攻撃は数人の荒くれ者を巻き込む攻撃なのであった。
「前金だけでも割が合う仕事になると本当に思っていたのならば、甘く見られたものね」
 今はちょうど通路の熱光線は消えている。
 『月下美人』久住・舞花(p3p005056)は武器を手に、攻撃を繰り出し終えた愛の前へと躍り出る。
 それにより今前衛に立つのは舞花、ゼファー、沙月の3人である。
 狭い通路であるこの場所では立ち位置は気をつけなければならない。
 この通路はこれ以上人が横に並んで立つことができない通路の幅だ。
 後方から味方の間を縫い攻撃を通すことはできても、簡単に敵へと突撃していくことはできない。
 イレギュラーズは互いの立ち位置を把握し声をかけあうことで通路の狭さをカバーしていく。
「さあ誰から斬られたいのかしら。私たちを倒せると思っているのでしょう、さあ掛かってきなさい」
 舞花は斬魔刀をいつでも抜刀できるよう構えながら、敵を挑発する。
 荒くれ者たちは地団駄を踏み声を荒げ、武器を握りしめる力を強めていく。
「ちくしょうバカにしやがって!」
「後悔するのはてめぇらのほうだ!!」
「――ぎゃ!!」
 やいのやいのと騒ぎ立てる荒くれ者たちだが、その陰で冷静に魔力を練り上げていた敵に突如光る物体が複数突き刺さる。
 よく見ればそれは闘気が剣の形に圧縮された『聖剣使い』ハロルド(p3p004465)の能力、幻月である。
「軍がわざわざ雇うほどには腕が立つってことだろ。楽しめそうで良いことじゃないか」
 闘気の塊を操り飛ばすことで攻撃を仕掛けられるハロルドは前衛を担う3人の後方から敵を見据え、歪な笑みを浮かべる。
 これから展開される楽しい戦闘の時間へと思いを馳せているのだ。
 実際敵の動きを見る限りこちらを甘く見ているせいか行動は迂闊ではあったが、それぞれの実力はそこそこありそうな様子。
 戦闘狂を自負するハロルドのことも多少は満足させてくれることだろう。
 通路の罠は再び発動し、熱光線が張り巡らされ通路に居る者たちの移動を阻害する。
 近接武器がぶつかり合い火花を散らし、それぞれの仲間を縫うように魔弾が敵に向かい飛び交っていく。
 定期的に熱光線は消えるとはいえ、前後への身動きが迂闊に取れないということもあり、攻撃の主体は魔力や闘気による遠距離攻撃になる。
 熱光線にあたらぬよう敵味方ともに位置取りを確認しつつ次第に攻撃の応酬は激しさを増していく。
 『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)はもとよりヒーローでありたいという思想、そしてこの戦場の空気に当てられ敵へと問いただす語気は強い。
「あなたたちは軍が何を企んでるか知ってて協力してるの!?」
 アレクシアの周囲に現れ始めるのは黄色い花弁の魔力の塊。
「ギャハハ、知ってたらなんだってんだ!」
 アレクシアはその言葉を受け唇を噛み締める。
 なぜそんなにも簡単に人の生命を粗雑に扱えるのだろうか。
 なぜこんなにも世の中は無情で残酷なのだろうか。
「あなたたちのような人たちは絶対逃したりしない! 必ずここで倒すから!!」
 彼らに遠慮など必要ない。
 強い意志の力を花弁へと注ぎ込み敵へと放つ。
「ええそうですとも、私たちは雑魚に構ってる暇ないんですよねッ! さっさと終わらせましょう!」
 『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)は左目を隠し右腕で己の身を抱く。
 激戦となる中すでに何度目かのそのポーズ。
「さあ再び喰らえ、恋の魔眼!」
「ひぃー!!」
 それは恋の魔法――つまるところスーディヴィライによる攻撃。
 さらにいうならば目からビームである。
 そのビームは直撃した敵を基点に周囲の者たちをも巻き込み爆ぜる。
 何度も放たれる恋の魔法だが、集中したウィズィの攻撃は的確に敵へと命中。
 集中が切れれば気を取り直し再び集中状態を維持している。
「ココロちゃん、ちゃんと付いてきてますかっ!?」
 味方の間を縫いながら敵と遠距離交戦を行うウィズィだが、自分の背後にいる妹分の心配も欠かさない。
「はい! ウィズィお姉様! 今は回復が必要な人もいませんし、わたしも攻撃に参加しますねっ」
 ウィズィのことをお姉様と慕うのは『蒼海守護』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)。
 一見冷静に見えるココロではあるが、その心中は不安と怒りに燃えていた。
 弱者だから、身分が低いから、そのような理由で虐殺が正当化されるわけない、されていいわけがない。
 どんな命であろうとも、救える命があるならば。
 それはココロ自身が教わったこと。
 今度手を伸ばすのはココロの番なのだ。
 ここから先には絶対に行かせないし、敵を倒すのにもモタモタしているわけには行かない。
 コアルームでいつ何時虐殺の儀式が行われるか分からないのだ。
 複数の人形劇団を操り容赦なく呪われた攻撃を放つ。
「ちくしょう、こいつら本当に強いのかっ!?」
 数で上回っているはずの荒くれ者たちだが、一向に崩せない戦線にあきらかな動揺が広がりはじめる。
 すでにイレギュラーズと対面し通路半ばまで進んでしまっている荒くれ者たちはイレギュラーズと通路に張り巡らされた熱光線によってただ逃走することもできない。
 もちろん後方に控えているリーダーの男がそれを許すこともないだろう。
 両者の攻防は続き、次第にイレギュラーズたちの優勢が明らかになっていくのであった。


「3……2……1……今だよ!」
 アレクシアは沙月に向かい叫ぶと同時に、沙月に向かい調和の力をあたえる。
 その力は白黄の花のように咲き乱れ沙月の肉体を癒していく。
 合図を受けた沙月といえばその言葉を受け、前方へと飛び出した。
 飛び出すと同時に通路に張り巡らされた熱光線は消え、通路を普通に移動することが可能になる。
 アレクシアは熱光線の出現と消失の間隔を測り続け、完璧に把握しきっていた。
 熱光線の間隔を仲間へと伝え始めれば、より有利にこの通路で戦うことが可能となっていた。
 飛び出した沙月の流れるような所作から周囲へと繰り出された攻撃は、2人の荒くれ者の意識を沈めることに成功する。
 今しがた意識を沈めた荒くれ者は通路に対し最も入り口近くにいた者たちだ。
 沙月がくるりと背後を振り返れば、武器を構え立っている荒くれ者は3人。
 イレギュラーズは全員健在、そして荒くれ者は10人中7人が倒されてしまったのだ。
 彼らの顔色は明らかに悪く、激しく狼狽するが時すでに遅し。
「私たちに出会ったのが運の尽き……いい加減私たちに勝つことを諦めて投降されても良いのですよ」
「ふ、ふざけるな誰がっ――」
「ならば倒れるのみなのです、リリカルスター!」
「ぐはっ!?」
 虹色のハートが幾重にも生まれ襲いかかり、荒くれ者を1人ハートで攻め落とす。
 愛が横から敵の油断を突きリリカルスターを炸裂させたのだ。
 ハートのエフェクトになるからといって威力が変わるわけではない。
 しかし大量のハートエフェクトが襲いかかる様子であったり、ハートの尖った部分が刺さったように見える時は気持ち上は若干威力が増している。
 あくまで威力は変わらないのだが。
 愛が荒くれ者1人を倒したことにより、これで荒くれ者は残り2人。
 イレギュラーズは互いに視線を交わし互いの意思を確認しあい、行動に移り始める。
「っは?! てめぇらどこにっ!」
「ボ、ボスー!?」
「なんだいあんたら、とっととそいつら一人でも倒して……ギャー!? なんでこっちくんのよぉお!?」
 通路、もとい、通路に入る手前の部屋に野太い声が響き渡る。
 イレギュラーズは荒くれ者の横をすり抜け荒くれ者たちのリーダーの男の元へと向かい始めたのだ。
「ははははっ! そんな声あげてどうした、俺が怖ぇか!?」
 ハロルドは高笑いをあげながらリーダーの男に向かって駆け込んでいく。
 戦いによってランナーズハイのような状態になっているのだ。
 しかし攻撃のコントロールは冷静そのもの、ハロルドは闘気の剣を放ち男の動きを牽制。
 そのままハロルドは通路の外へと走り抜け、現在地点から地上へと戻るための道を塞ぐ。
「ま、そこそこ楽しめたがそろそろ終わりの時間ってことだ」
 荒くれ者たち程度では数でまさっていようともイレギュラーズの相手にはならないということだ。
 一応荒くれ者たちにも仲間意識があるのか、リーダーの危機に駆けつけようとはする。
 しかし前もってリーダーと荒くれ者の間に位置とりを変更していた沙月によってその行動は阻止された。
「戦闘に参加しなければ狙われない、とか思ってましたか?」
 ハロルドに続き通路を抜け出たウィズィはハロルドよりも、よりリーダーの男に近い位置へと陣取る。
 完全に男の逃亡防止のための布陣であった。
 荒くれ者が倒されてしまったらとっとと逃げようなどと考えていた男は想定外のイレギュラーズの動きに翻弄され反撃すらままならない。
 行動に余裕があるウィズィはさらにその位置からまだ通路にいる荒くれ者へと、巨大テーブルナイフの形に固めた魔力を叩きつけ、さらに立っている荒くれ者の数を減らした。
「付く相手を間違えた――なんて思っていたとしても手遅れです。残念ですね」
 リーダーの男を他の仲間が押さえ込んでいるのを見て、舞花は残り一人となった荒くれ者へと刀を振るう。
 神速で放たれる斬撃は残像を生み出しながら荒くれ者へと襲いかかり、舞花が刀を鞘へと納刀した瞬間、荒くれ者はその場に崩れ落ちる。
 通路には荒くれ者たちが壁にもたれかかり、床に転がり果てている。
 中には命はまだあるものもいるが、到底動ける状態ではない。
 これにて荒くれ者は全滅となった。
「大方、勝ち馬に乗ったつもりだったんでしょうけど……お生憎様」
 ゼファーは槍の刃先をリーダーの男の首元へと突きつける。
「ひぃ! アタシたち単に雇われ傭兵よぉ! 別に軍の味方とか敵とか関係ないし、このまま見逃してくれてもいいんじゃないかしらっ。ねっ? ねっ?」
 味方の荒くれ者はあえなく全滅。
 そしてイレギュラーズに完全に包囲されたリーダーの男は狼狽しながら助けを乞う。
「命をベットする覚悟も無いのに、こんなとこへ踏み込んだのがそもそもの間違いなのよ」
 どれだけ命乞いをされたとしても見逃してあげる義理はない。
 ゼファーの言う通り、命が惜しいならば金銭目当てにこの事件に首を突っ込んだのが大間違いなのである。
「これ以上のやり取りは無駄っぽいですよね――だから」
 ココロは男の腹に向けほたてぱんちを繰り出した。
 それは非力なココロでありながら直接敵を殴り飛ばすと吹き飛ばすことができる必殺技。
「げふぅ!?」
 華麗な弧を描きながら吹き飛んだ男はそのまま壁へと激突。
 男は打ち所が悪くそのまま伸びてしまうのであった。
 あっけないリーダーの終わりに一部のイレギュラーズは肩をすくめる。
 現在までに後続の追加もなく、これにて一旦戦闘は終わりとなるだろう。
 しかしイレギュラーズの表情は晴れたわけではない。
 この先にある肝心のコアルームがどうなっているのかまだ何もわからないからだ。
 リーダーの男と、まだ息のある荒くれ者たちはまとめて縛り上げ捕らえておく。
 彼らは後で回収し、ローレットへと突き出せば良い。
 戦闘で上がった息を整え傷を癒し、再び熱光線が現れている通路を見る。
 戦闘中に熱光線の出入りの場所や間隔はすでに掴み切っている。
 今度は簡単に一気に通路の向こう側へと抜けられることだろう。
 イレギュラーズは互いに鼓舞しあいながら再び先へと進んでいくのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

見事なタイミングで行われた数々の逃亡阻止行動によりリーダーも逃げることができずイレギュラーズによって捕縛となりました。
立ち塞がる敵の排除お見事でした、お疲れ様です。

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