シナリオ詳細
竜姫童話
オープニング
●【全】
名も無き異世界。そこには『王国』と呼ばれる国があった。王国は非常に強力な軍事力を以て、ほかの国家の根絶と世界の支配を目論んでいた。
圧倒的な軍事力だけではない、王国が強いと呼ばれる理由はもう一つ。『竜』の存在だ。
王家の血を継ぐ者は古くから竜の呪いが掛けられている。竜の呪いをその身に宿した者はその力の一部を貸し与えられる。その代り、呪いが進行すれば竜そのものとなってしまう。
平時は王国の優秀な魔術師たちがその呪いを魔術で食い止め、戦争の時にその力を『解放』し、兵器として活用しながら他国への侵略を繰り返した。
まさに一騎当千、竜の力は災害に等しきもの。止められるものなど何一つ存在しなかった。
──今世。竜をその身に宿す者は美しき竜姫、サウロン。
サウロンは近々、悪名高い兄の第二王子との結婚の儀が控えていた。王家の血を絶やさぬ為、近親婚が正当化された国。
他国との戦争中の真っ最中ではあるが、結婚という一大イベントは国民や兵士の士気をさらに上げるというもの。
ほくそ笑む王は、ついつい忠臣に口を滑らせてしまう。
竜化が進み、もはやそう永くないサウロンを毒で内密に『処分』する予定であると。
子を産ませれば、新しき子はまた兵器になり得る。国家統一の日も近いぞ──そう笑った王は、開いていたわずかな扉の隙間には気付かずにいた。
そして。
「姫が何処にも居ないだと!? 傍に付けていたクライドは何をしているのだ!?」
拳を玉座の肘掛に叩き付け叫ぶ王に、兵士が青ざめた顔で報告をつづける。
「それが、騎士団長が姫の脱走を手助けした模様です! 何人か目撃し引き留めたようですが、あえなく無力化されたようで……」
大臣がぎりりと歯を噛み締めた。
「呪薬術なしではこれ以上姫の竜化を抑えきれぬ。姫の意思は竜に食われ、魔竜そのものとなってしまう! 呪われし魔竜の望みは嘆きと絶望……真っ先にこの国を滅ぼすぞ!」
舌打ち一つ。第二王子が邪悪な顔で兵士に言い放った。
「これより姫の捜索に当たる! 他国に出征していない、残った兵を全てかき集めろ。指揮は私が執る!」
「裏切り者を殺し──サウロンを取り返すのだッ!」
●【個】
──時は少しさかのぼる。此処は姫と騎士だけが残された中庭。
竜姫サウロンと騎士クライドは、幼き頃から互いに恋をしていた。
此処は二人が唯一逢瀬を許された、大切な場所だった。
「クライド」
「は、姫様。クライドは此処に」
戦争時とは思えぬほど、ゆっくりとした穏やかな時間が中庭には流れていた。
でも、それももうすぐ終わり。
サウロンの口が開かれた。
「私、もうすぐ殺されるわ。父上たちが話していたの。私、呪いの進行が随分と進んでしまったみたい。
もうすぐ魔竜そのものとなる。だから、その前に新しい『呪い』を持った子を私に産ませて、用済みになった私を毒で殺し──その子をまた戦争に利用する」
「な……薬呪術があってなお、呪いが進行するなど聞いたことがありませぬ!
まさか……いえ……それが、王の、王国の真意と……?」
クライドが拳を握りしめる。生まれてこの方、身寄りのない己を育ててきてくれた国。
忠誠心が嘘だと叫びたい気持ちを抑えつける。何故なら──愛した姫の言葉が、偽りとは思えなかったから。
「竜になるのが怖い……誰かを傷つけるたび、私の中にいる竜が叫ぶの。
『絶望を見せろ、嘆きを聞かせろ。殺せ。壊せ。何もかもを食いちぎってしまえ』──。
嫌、もう嫌! これ以上、人の命を奪う事も。誰かの悲鳴を聞く事も……もう、嫌……!」
端正な顔を歪ませながら、姫の目から流れる涙。
騎士として。男として。彼の心を揺り動かした。
救いたい。全てを擲ってでも、私の愛した人を救いたいと。
そして。
──泥だらけの二人が、森を駆け抜ける。
「ハァ、ハァッ……」
「……姫様、此処まで来ればしばらくは安全かと」
騎士クライドと竜姫サウロンは、城を抜け出して逃避行を続けていた。
「クライド……本当に、良かったの?」
「……追手というには過剰なほどの兵力が、王国から出征したと噂で聞きました。
恐らく、このままでは逃げきれないでしょう。ですが、姫様。いつまでも私は、姫様のお傍に。最期まで、私は貴女を守りきる。この剣に誓いましょう」
瞬間。
「!」
何者かが近づく足音。王国の追手か?
否──。
●竜姫童話
「──さて。事のあらましは大体わかったかな?」
境界案内人、カストルが絵本の後半部分の白紙ページをイレギュラーズに開いて見せた。
「竜姫童話。呪いを背負った姫と、それを助けたい騎士に、嘲笑うかのように引き裂こうとする国や王子。なんとも悲しい導入だろう? でもね。この絵本には、まだ続きが無いんだ。何故かって? それは、これから作られるからだよ」
首をかしげるイレギュラーズに、カストルはくすくすと笑った。
「そう。君たち自身が作者になるのさ」
トントン、と絵本の表紙をノックするようにやさしく叩くカストル。
「姫と騎士を殺せば、竜の呪いや王族の血は途絶え、いつしか王国は滅ぶだろう。そして他の国に長い安寧と繁栄が約束される。世界としてはいい結果になる筈さ。残った後味はともかく、ね」
続くカストルの言葉。ぐるりとイレギュラーズの周りを歩き、後ろの本棚にある本の背表紙を指でなぞる。
「逆に姫と騎士を助ければ、呪いの進行が進んだ姫がいつか必ず竜と成り果て、世界を滅ぼしてしまうだろう。でも、この『竜姫童話』という『物語』だけを見れば、『二人は幸せに暮らしました。めでたしめでたし』──で終われるんだ」
世界は滅んでしまうけれど、その世界の記録であるこの本は未来永劫、ここに残る。
カストルが振り返る。いつもの笑顔で。
「──さて。君たちはどちらを選ぶかな? 僕としてはどちらでも構わないよ。
ああ──言っておくけれど、選べるのは世界か、物語か。どちらか片方だけ。どっちつかずの選択は、良くない方向に進むよ。世界にとっても、君たちにとっても、ね」
答えは決まったかい? じゃあ、気をつけて。
カストルの声が頭の中に響くと同時に、イレギュラーズの意識は本の中へと飛び立つ。
そして息をひそめる姫と騎士、二人の前に姿を現すだろう。
二人を抹殺する『世界』の守り手として、か。
二人を守護する『物語』の紡ぎ手として、か。
それはまだ、今はわからない。
──『竜姫童話』。
この物語の結末は、イレギュラーズの手に委ねられた。
- 竜姫童話完了
- NM名りばくる
- 種別ライブノベル
- 難易度-
- 冒険終了日時2020年01月04日 22時20分
- 参加人数4/4人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
●『個』を選びし、物語の紡ぎ手たち
木漏れ日も届かぬ深い深い森の中。息を潜める姫と騎士の前に現れた、四人のイレギュラーズ。
「追手か!」
「待って、クライド。城では見たことのない人たちだわ」
腰に下げた剣を鞘から抜こうとする騎士を、姫が制止した。
「初めまして。ご明察の通り、私たちは敵ではありません」
スカートの裾をつまみ上げ、『泡沫の夢』シェリー(p3p000008)が綺麗に一礼してみせる。
「お姫様、貴方の正直な望みを言って欲しい。俺達は、それを叶えるためにやってきた」
『ホンノムシ』赤羽・大地(p3p004151)が静かに歩み寄る。
「助かりたい……クライドと二人で、一緒に……!」
「ならあんた達の物語を終わりまで繋いでやるヨ。これから来る連中の血潮全てヲ、その為のインクに変えてでもナ」
「……何が目的なのですか?」
クライドに聞かれ、困ったように頬をかく『常闇を歩く』ヴァン・ローマン(p3p004968)。
「好きな人と離れてしまうくらいなら……きっと、自分も同じことをすると思ったので」
「しかし、相手は一国の軍勢……たった4人で相手取るなんて無謀です!」
「心配ご無用~」
目にも留まらぬ疾さで抜刀して見せる『ふんわりおねーちゃん』メアトロ・ナルクラデ(p3p004858)。
「わたし達、結構強いんだから」
「さあ、時間がありません。早くお逃げください」
「……どうか、お気をつけて」
走り去っていく姫と騎士の背中を見届けた後。
「本来であればこの様に世界の行く末に干渉する事など望みませんが……今回ばかりは、信念を曲げる他ないでしょう」
──たかが世界1つ程度が愛の行く末を邪魔しようなど、おこがましいにも程があるでしょうから。
様々な世界を旅してきたシェリーにとって、世界一つの運命など塵芥に等しいものである。
四人が選んだ選択は、『物語の紡ぎ手』であるのだから。
●フォレスト・レイド!
「本当に姫と騎士はこの先の森に居るのだろうな?」
「他国へ逃げるならばこの森を抜ける他ございません。間違い無いでしょう」
第二王子と歩兵隊長が草原にあるキャンプで会話を交わす。そこにひとりの兵士が駆け寄ってくる。
「ご報告致します! 姫様の着用していた白い手袋が森の入口に落ちておりました!」
「……よし、兵を出せ! 虱潰しに探すのだ!」
「居たぞ、姫様だ!」
メアトロがドリームシアターで作り出した幻が、木々の陰に走り去る。
「追え!」
兵士たちがそれを追いかけるも、一分間しか維持できぬ幻はたちどころに消えてしまう。
「なっ……居ない!?」
だが、逆に『消えてしまう』という不可解な現象が、兵士たちに困惑と徒労感を植え付ける。
(──うまくいったみたい)
また彼女自身の気配遮断もかなり効果的であり、巨木の枝の上で息を潜める彼女を見つける者は一人として居なかった。
「──きゃああっ!!」
森の中に響く少女の悲鳴。
「あれは姫様の悲鳴だ!」
「あっちか!?」
「急げ!」
枯葉を踏み荒らしながら走り回る兵士たち。
しかし、声の主は何処にも居ない。
(作戦は順調。さて──そろそろですか)
同じく気配消失で完全に存在感を消したシェリーを、兵士たちが見つけられる術も無く。
姫の幻影とクローンボイスにかく乱され、苛立ちを隠しきれない隊長格たち。
「これだけの人数が居て、どうして捕まえられぬ!」
「第二王子にお叱りを受けるのは俺達だぞ! 木の根かき分けてでも探し出せ!」
(さすがですね……よし、僕も)
二人の活躍に感心しながら聞き耳を立てていたヴァンも、同じく行動を開始する。
「はあっ!」
木の上から飛び降り、アクセルビートで一気に切り込む。
「て、敵襲!?」
「痛ぇ! 俺は味方だあ!」
急襲に混乱した兵士たちは右往左往する。
ついぞ同士討ちを始めた兵士たちの囲いをするりと抜け出し、ヴァンはその場から離脱した。
姫を探し回る兵士たちは、男が立ち塞がっている事に気付いた。
「何だ、貴様は……邪魔をするなら容赦はせんぞ!」
フードを目深に被った男の瞳が紅く光る。
「な、あ──ぎゃっ!」
乙兎切草。姿を知覚した瞬間、首をばつんと断ち切られていく兵士たち。
そして、たった今殺害した兵士の霊魂を無理やり支配する。
「成程ネ。王子はあっち、と」
大地は兵士たちの霊魂を道案内に使いつつ、王子の首を狙いに走る。
「部隊の生き残りがもう半数以下だと!?」
「雇われ兵にしては手慣れ過ぎています……強すぎる……!」
「……! 俺が直々に行くッ」
歩兵隊長が剣を握り、森の中を突き進む。
立ち止まる。目の前には鞘に収めたままの刀を腰に下げた女ひとり。
「……アレはお前の仕業か」
「お気に召したかな?」
薄く微笑む美しい女。
「バカにしやがって! ぐちゃぐちゃにしてやるッ!」
鼻息荒く、無謀な突進を繰り出す歩兵隊長。
「──草八薙流抜刀術」
一呼吸。メアトロはゆっくりと息を吐きだすと同時に、ぐんと前に踏み込む。
「破空」
木々に鮮血が飛び散った。
「あ?」
首と身体が泣き別れした男が倒れ込むと同時に、メアトロは刀をゆっくりと鞘に収めた。
「二人の恋路を邪魔しちゃ、めっ、なんだから」
「後方は随分とヒマですね」
「この人数だしな。ピエールに手柄をもっていかれるのは悔しいが、時間の問題だ」
兵士と狙撃隊長が、既に死した歩兵隊長のにやけ顔を夢想しながら笑いあう。
「……それにしても随分遅いな」
「彼らなら、既にこの世界とお別れして頂きましたよ」
「な、な……」
二人の間に立つ、見知らぬ黒髪の少女。
先ほどまで談笑していた兵士が、音も声も無く事切れていた。
「て、敵襲──! 撃て、撃てえっ!」
シェリーは狙撃隊が放つ攻撃を掻い潜りながら、射線を遮る木陰に隠れてやり過ごす。
「たかが女一人だぞ! 殺したら報奨金を上積みするよう王に言付けしてやるっ、だから」
言い切る前に、狙撃隊長の口からごぼりと血泡が溢れ出る。
気配遮断による強襲。喉から突き出た夜刀が、ゆっくりと引き抜かれた。
「……無様ですね」
転がるように駆け込んでくる兵士。
「第二王子、ご報告します! 歩兵隊長ピエール、狙撃隊長ジャン、共に殺害されました!」
「ぬううッ、裏切り者が雇った傭兵か何かか……小賢しいッ!」
歯噛みする第二王子の前に、続いて飛び込んでくる兵士二人。
「王子、偵察隊からの報告です! 歩兵隊の生存者、ゼロ名……!」
「同じく狙撃隊、全滅です! こちらは同士討ちの可能性が高いとの報告!」
「くそッ、どうなってるんだ!」
叫ぶ第二王子──と同時に、前方からわあっ、と声が上がる。
「ぎゃああっ」
「王子を守れェ──!!」
大地がたった一人、後方に位置する支援兵たちと戦闘を開始した。
「彼らの道行きを阻むものは、逃がしはしない。ここデ終わってしまエ」
乙兎切草で立ちはだかる兵士たちを刈り取っていく。
しかし、追いつかない。決死の盾で王子を庇い続ける兵士たちに、消耗を強いられる大地。
「はははは、馬鹿が! この数をたった一人で殺しきれるものかッ。貴様ら、私を守れ、そいつを絶対に近づけるな!」
背を向け、逃げ出す第二王子。
「終われるか、こんな場所で! 私は、いつかこの国を手に入れる男だぞ──!」
走る。走る。
しかし、前に立ちふさがるのは──。
「ぐ……ッ、本命はこっちかあ──っ!!」
少年、ヴァン。
大地とヴァンによる、後方部隊の挟み撃ちである。
「僕達でこの先を作っていいのなら……たとえ世界が滅んでしまったとしても。
僕は二人がほんの少しでも、幸せな時間を過ごせる姿を見たいと思いました。だから……!」
「私を守れ、くそお、死んでたまるかあ──!」
ヴァンの猛攻に、次々に兵士は斃れていく。
そして──もう、第二王子を庇う兵士はいない。
「二人の幸せな物語に、貴方は──要らない!」
スニーク&ヘル。視認不可能な死角から繰り出される攻撃。
「うぎゃああああ──ッ!!」
ヴァンの振るうナイフが、第二王子の首に食い込んでいく。
「死に、たくな……」
一気にナイフを引き抜く。王子の手から取りこぼされた姫殺しのレイピアが地面に転がっていく。
「──さようなら」
びくびくと小刻みな痙攣を起こしていた第二王子は、やがてその鼓動を止めた。
「──終わったようだナ」
大地がやれやれとばかりにヴァンの肩を叩いた。
「ヴァン君! お疲れさまだよ~!」
メアトロが抱きつかんばかりにヴァンの元へ走り寄る。
「皆さん、ご無事で何よりです」
いつの間にか背後に立っていたシェリー。
「はい……はは、良かった……」
安堵のため息を吐いて、乾いた笑いを出すヴァン。
隠れていたサウロンが、四人に問う。
「凄い……一体、貴方達は……もしや、救世主様……?」
「ただの通りすがり……でございますよ」
シェリーは冷淡に言った。自分たちは世界の救世主にはなり得ない。
滅ぶ世界を見逃した、『二人だけ』の救い手なのだから。
「もう、言葉もありません……命の恩人です。私は、貴方達の事を絶対に忘れません」
クライドの言葉に、ヴァンは柔らかく微笑んだ。
「全の為に個を蔑ろにする。僕達は──それが間違っていると思いました」
メアトロがくすくすと笑う。
「二人の愛は、永遠じゃないとね」
大地が最後に締めくくる。
「俺達は正義の味方なんて綺麗な者じゃない。ただ自分達が望む結末を見るためにこの筆を執っタ、それだけダ」
●竜姫童話
絶体絶命の瞬間。四人の英雄が現れました。
四人の英雄は、妖精とも、世界の救世主とも言われています。誰も、その正体を知りません。
ですが、四人の英雄は悪い第二王子が差し向けた千の軍勢をえいやとなぎ倒し、姫様と騎士を救ったのです。
姫様と騎士は無事に逃げ延び、遠い遠い国でひっそりと。
でも、長い長い間、幸せに暮らしましたとさ。
──めでたし、めでたし。
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
りばくると申します。
メリーバッドエンド・フェアリーテイル。
基本的には単純な純戦シナリオとなります。宜しくお願いいたします。
この物語は【全】か【個】のルート分岐がございます。
『必ず相談のうえ、全員が同じルートを選んだ上、プレイングの一行目に【全】か【個】のどちらか一つを記入してください』。
どちらを選んでも構いません。成功判定にも変わりはありません。
ただし、物語の結末は変わります。
【全】ルートを選べば、二人は犠牲になりますが竜という軍事力を失った王国はやがて衰退し、これ以上の悲しみを生むことは絶対にありません。世界にとってのハッピーエンドです。
【個】ルートを選べば、やがて意志すらも竜に食われた姫が愛した人も世界も、全てを滅ぼすでしょう。しかし、二人はそれまで幸せに暮らせます。物語としてのハッピーエンドです。
存続する世界【全】の為に二人の愛【個】を引き裂くか。
二人の愛【個】の為に世界【全】の滅びを運命と飲み下すか。
イレギュラーズの行動次第で決まります。
●成功条件
【全】ルート
・竜姫と騎士の殺害(不殺、逃走は失敗となります)
【個】ルート
・王国軍の絶対殲滅
●エネミーデータ
【全】ルート
この世界に住む全ての人々を守る為。そしてひいては世界を救う為、脱走した姫と騎士を殺害するルートです。
初めに騎士と対峙し、騎士殺害後に魔竜と化した姫と戦闘します。
戦闘場所は鬱蒼とした森の中です。木々や岩陰が障害物として存在します。
魔竜サウロンと戦闘時は周囲の木々や岩が薙ぎ払われ、障害物が一切排除されます。
特に魔竜サウロンは非常に強力ですが、アイテム、非戦スキルの駆使などで弱体化する可能性があります。
【騎士クライド】
竜姫を愛してしまった王国最強の騎士。全般的に高いステータスを持ち、特にEXFが高いです。
また忠誠心も高く、説得や交渉、一喝の類などで弱体化する事は一切ありません。
強力な剣技に加え、回復スキルも活性化しています。
・竜牙剣(物至単:【ショック】【流血】)
・誓いの剣(物至単:ダメージ大、【防無】【必殺】)
・不撓不屈(神自単:HP回復大、【治癒】)
【魔竜サウロン】
愛した騎士を失った姫が絶望と悲しみの果てに、竜の呪いに身を任せてしまいます。
高火力、高耐久。反面、回避や反応は低く必ず先手を取れるでしょう。
会話はもはや不可能ですが……?
・嘆きの吐息(物超貫:【火炎】【業炎】【暗闇】)
・絶望の爪牙(物至単:ダメージ大、【出血】【流血】【必殺】)
・竜姫の涙(???:物攻ー200、???、???、???、FB+20、【時限5】)
【個】ルート
竜姫と騎士を生かす為に、王国の軍勢に立ち向かうルートです。
戦闘場所は軍勢が配置されている、障害物の一切ない草原がメインになると思いますが、近くに木々や岩などの障害物が多い鬱蒼とした森があるので、そこまで兵を引き込む事も可能です。
徹底的に叩いて二度と姫と騎士に追手を差し向けさせない為、撤退勧告も降伏勧告も出来ません。必ず殲滅してください。
軍勢の猛攻に晒される為かなり過酷ですが、【個】ルートの特殊ルールとしてイレギュラーズ側の攻撃全て(スキル含む)に【範】【識別】が戦闘終了まで付与されます。
【統率】スキル活性者が死亡すると、各兵士にBS【混乱】が永続付与されます。(例:歩兵隊長死亡時、全歩兵にBS【混乱】を永続付与)
通常、戦闘ルートはまず歩兵隊と激突→殲滅後に狙撃隊→最後に後方を攻める形となります。リーダーは各隊の中央に位置しています。
納得のいくプレイング次第では先にリーダーを一点集中で叩く事も可能ですが、不利な状況に置かれる可能性があります。
アイテム、非戦スキルなどの駆使でさらに有利に戦闘を進められます。
以下、全エネミーのHPは1とします。
●歩兵隊 剣や槍で武装しています。
【歩兵】×500
・【通常攻撃レンジ1】
【歩兵隊長】×1
・活性化スキル:【逃走】【統率】【一喝】
●狙撃隊 石弓やマスケット銃で武装しています。
【狙撃兵】×300
・【通常攻撃レンジ4】
【狙撃隊長】×1
・【通常攻撃レンジ4】
・活性化スキル:【統率】【言いくるめ】
●後方 すべての兵が攻撃手段を持ちません。第二王子のみ、姫殺しの毒が塗られた細剣で武装しています。
【支援兵】×200
・攻撃方法なし 第二王子をかばう事を優先して動く
・活性化スキル:【医療知識】
【第二王子】×1
・【通常攻撃:毒】
・活性化スキル:【統率】【人心掌握術】【扇動】
●サンプルプレイング
①
【全】
世界を守るためだ、騎士よ、姫よ。
犠牲になってくれ。
●騎士
ああ、おまえのような愚直な男の扱いはわかっている。
小細工など通用しないとな。
まずは【五月雨】を使用し、【致命】の付与を優先させる。
その後は【ヘイトレッド・トランプル】で一気に体力を削り、トドメは【アロガンスレフト】で一撃必殺……だ。
さらば、勇敢な騎士よ、おまえのことは忘れない。
●魔竜
くっ、激しい炎の吐息に、鋭い爪の攻撃……当たれば致命傷は避けられないな。
そうだ。【幻影】を使用し、騎士の残像を作り出してみよう。
これで多少、攻撃の手が緩めばいいが……。
【ハイテレパス】があればこちらの声が届くかもしれないが、そんな余裕も無さそうだ。
危険は承知、【ヘイトレッド・トランプル】で一気に削り取る……!
②
【個】
お姫様と騎士団長の愛を守る為……私は大勢の命を切り捨てます。
でも、これで良いんだよね。この世界が終わってしまっても、絵本の中ではハッピーエンドなんだもの。
●戦闘前
まず歩兵隊を草原から森の中へおびき寄せます。
既に【罠設置】で落とし穴やワイヤーをいたるところに仕掛けています。
後は【クローンボイス】でお姫様の声を真似してみましょう。こっちに居るとアピールして、罠にはめる作戦です。
【戦略眼】で効率的な攻撃方法も思いつく、なんて事もできそうです。
●歩兵隊
いよいよ直接戦闘です!
何故だかものすごいパワーが与えられたので、このように連続で弓を放てます。
あっという間に10人以上も倒せちゃいました。リーダー格がいれば優先して倒したいところですね。
この調子で歩兵隊を倒していきましょう。
以上。
皆様のご参加をお待ちしております。
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