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シナリオ詳細

<第三次グレイス・ヌレ海戦>死線踊るラムー・リィブル

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 地平が交わる様に点と点が巡りを知った。美しき蒼にのっぺりと落ちた影は落陽を示すかのようにも見える。
 遙かなる外洋『絶望の青』、その先に広がる新天地(ネオ・フロンティア)を目指すネオフロンティア海洋王国が発した『海洋王国大号令』の響きは麗しく、イレギュラーズという『期待の星』の力を得て益々の活気を得ていた。
 しかし――近海掃討を行いイレギュラーズの海上実践訓練を芳しく感じないものも居るのだ。温厚なる海洋王国。その動きが活性化したことで近海掃討の主目的とされる海賊連合は生き残りの道を模索する。
「ドレイクだなんだか知りはしないが、成程な。あながち間違いじゃないようだぜ」
 テーブル上に開かれた地図はリッツパークより進んだ近海に位置するグレイス・ヌレ海域が描かれていた。
「ここに屑鉄がやってくる――ってなりゃ、面白ェことしない訳にはいかないだろう!? このカルネロ様が転寝してんじゃ海賊の名が廃るってもんだ」
『屍鴎』カルネロ。海洋王国にもその名を轟かせる海賊の一人だ。海賊連合旗艦『ブラッドオーシャン』の中でも武闘派たる彼は折角の戦の機会を逃すまいと立ち上がった。
 大号令以降、彼等の本隊は活動の縮小と警戒を余儀なくされ――その実傘下とも言える中小の海賊団は相当数が海洋海軍の拿捕、撃沈の餌食になっているのが現状だ。フラストレーションは堪りに堪り苛立ちと共に『気の短い』おとこの腹の中では堪え切れない苛立ちが煮え立っているのだ。
「屍鴎! どうします? 屑鉄共に攻撃仕掛ける前の海洋軍に奇襲をかけるにゃ、グレイス・ヌレを真直ぐ進んだ方がよさそうですぜ」
「さあ、野郎ども! 屑鉄ばっかり見て周りも見えないイイコちゃんに海賊の力を思い知らせてやろうじゃねぇか!」


 病院船『パスツール号』の船長ヴゼットプランドゥシャルより特異運命座標へと救援要請が届いたのは第三次グレイス・ヌレ海戦と呼ばれた戦いの火ぶたが切られて少し経った時であった。
 海域では鉄帝国による進軍を抑える様に海洋正規海軍が戦っておりパスツール号も救護の為に向かう予定であったそうだ。しかし、鉄帝戦艦へ向けて進軍していた海洋正規海軍戦艦『ブルーグラス』が突如として現れた海賊船に襲われたという。
 至急の事であるがパスツール号はブルーグラスの救援に向かい、彼らをリッツパークへ帰島させる任務を担う事となったそうだ。
「申し訳ないけれど、今回の敵は非常に強力だって聞いてるわ。
 何せ……屍鴎が出て来たんですもの。私達だけでは太刀打ち出来ない。それで、皆の力を借りたいの」
 凛と言い放ったヴゼットプランドゥシャル。精神科医を主とする彼女は貴族達にも繋がりが深く、海賊たちの名を聞く機会は十分に存在した。
 屍鴎――海賊連合旗艦『ブラッドオーシャン』の中でも武闘派に数えられ、彼自身も『スカーレットアナーキー』と呼ばれる船を率いている。のっぺりとした影を落とす落日。その赤々とした色彩は屍鴎の通った後に広がっているというのだ。
 ヴゼットプランドゥシャルーーシャルにとってはあまり相手にしたくない相手なのは確かだあろう。戦力的には病院船であるパスツール号が目を付けられては今後の活動に支障を来す事は間違いはない。
 しかし、総動員でこの戦線を越えねばならぬというならば腹を括るほかにないのだろう。冬の凍て付く空気を肺に満たしてシャルは言う。
「行くわ。あの海域へ。患者が待って居るもの」
 迷っている間にスカーレットアナーキーはブルーグラスを襲い、更に傷付くものが増えるのだ。『聖女の殻』エルピス(p3n000080)は頷く、その為に特異運命座標はこの場に居るのだろうという強い矜持を抱いて。
「……みなさんの、ちからが必要です。怖いです、けれど。
 必ずかみさまは、護ってくださいます。だから――」
 共に行こう、と。
 大号令による『鬱憤晴らし』の意味合いもあるだろうカルネロが暴れ回れば負傷だけで済むわけなく死人が出る事だって分かり切っているのだ。
 恐怖を、感じないわけではないのだろう。掌に力を込めてヴゼットプランドゥシャルは、パスツール号の船長として言った。
「オーダーは屍鴎率いるスカーレットアナーキーから逃げ切ること。
 そして、ブルーグラスの乗組員を必ずや帰島させましょう!」
 ヴゼットプランドゥシャルは唱える。
 それは、大号令で姿を消した父の口癖で、彼女の心に刻まれた言葉だ。

 ――海で喪われていい命なんてないのだ。
 ――だから、手を伸ばす。救える命がある。それが出来るなんて、今日も良い日だ。

GMコメント

 日下部あやめです。よろしくお願いいたします。

●成功条件
 海洋正規海軍戦艦ブルーグラスの帰島(乗組員過半数以上の無事)

●海洋正規海軍戦艦ブルーグラス
 青を基調とした艦隊を持つ戦艦です。それなりの装備は整っていますが、特異運命座標到着時ではその内部にまで『スカーレットアナーキー』の海賊たちが入り込んでいます。
 パスツール号の救援を待ち負傷者は戦艦内部の救護室内に。外では乗組員たちが攻防を続けています。

 ・負傷者*10
 現時点で敵襲により負傷した船員です。回復手によりある程度の応急措置は施されていますが不十分の様です。

 ・船員*30
 敵襲に対応する船員です。その中には船長メルタと操縦士セージの姿も存在しているようです。
 10名ずつの班に分かれ(メルタとセージは同じ班となります)統率を武器に海賊と戦っていますが特異運命座標の救援が無い場合は間違いなく負けます。

●スカーレットアナーキー
 海賊連合旗艦『ブラッドオーシャン』の中でも武闘派たる『屍鴎』カルネロの率いる軍団です。
 皆、前のめりの武闘派であり、血潮滾る戦いを好みます。非常に海賊らしい海賊であり善悪の区別は余りありません。
 カルネロが非常に強力なユニットであるため、接敵した際はくれぐれに用心するようにとヴゼットプランドゥシャルより告げられています。

 ・『屍鴎』カルネロ
 非常に強力なファイター。短剣を使用し、前のめりで苛立ちを隠せずに戦いに挑みます。
 海洋正規海軍戦艦をイイコちゃんと呼んでいます。実力者であるために注意が必要です。

 ・海賊*10
 カルネロ配下の精鋭。非常に強力なファイターです(また数には含みませんがスカーレットアナーキーの船にはまだ乗組員がいるようです)

●病院船『パスツール号』
 長らくの間は活動を休止していた船医が乗る船です。元船長は以前の大号令で行方知らずになって活動を休止していたそうです。
 乗組員として医師がヴゼットプランドゥシャルを含めて3名待機しています。特異運命座標はパスツール号で移動を行います。

 ・ヴゼットプランドゥシャル
 通称をシャル。人間種。病院戦パスツール号の船長の娘にして船長代理の医師。
 医学と錬金術を合わせた得意の自作ポーションを注射して患者を癒す。本業はメンタルのお医者さま。精神科医です。保護した救出対象の回復などを担当します。

 ・『聖女の殻』エルピス(p3n000080)
 同行NPCです。回復を行います(少しなら神秘攻撃も可能です)
 ご指示があれば従います。特異運命座標の皆様に信頼を。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●重要な備考
<第三次グレイス・ヌレ海戦>ではイレギュラーズ個人毎に特別な『海洋王国事業貢献値』を追加カウントします。
 この貢献値は参加関連シナリオの結果、キャラクターの活躍等により変動し、高い数字を持つキャラクターは外洋進出時に役割を受ける場合がある、優先シナリオが設定される可能性がある等、特別な結果を受ける可能性があります。『海洋王国事業貢献値』の状況は特設ページで公開されます。
 尚、『海洋王国事業貢献値』のシナリオ追加は今回が最後となります。(別途クエスト・海洋名声ボーナスの最終加算があります)

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

  • <第三次グレイス・ヌレ海戦>死線踊るラムー・リィブル完了
  • GM名日下部あやめ
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年01月03日 22時45分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人
デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)
共にあれ
コラバポス 夏子(p3p000808)
八百屋の息子
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
イリス・アトラクトス(p3p000883)
光鱗の姫
ニル=エルサリス(p3p002400)
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
蒼穹の魔女
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌

サポートNPC一覧(1人)

エルピス(p3n000080)
聖女の殻

リプレイ


 何処までも続く艶やかなる蒼。その先に或るものが希望であるか、絶望であるか――
 熱に魘されるが如き夢の先(ネオ・フロンティア)を求めし人々は地平の交わり青が出会ったその場所に焦がれた。リッツ・パークより出立した病院船『パスツール号』。頬を撫でる海風に混じり込んだ戦の気配にヴゼットプランドゥシャルの心は騒めいた。「父さんも――」と囁いたのはどうしてだっただろうか。その昔の大号令。20年余りの時を経ても尚、探し続ける父の痕跡を辿る様にパスツール号は進み往く。
「シャル船長」
 頬撫でる潮を払う様に指先を添えて『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)は地平の深く昏き気配を感じ取り美しき水面の瞳でシャルを捉えた。彼女も、そして自分自身も海の恐ろしさを知っている。
 誰もがまだ知らぬ前人未踏の果てを目指す無謀さも、勇敢さも、海洋王国に住まう以上は寝物語としても聞いてきた。その高揚感は胸を締め上げ、万人の心を震わせることも知っていた。
 ヴゼットプランドゥシャルは云った。

 ――海で喪われていい命なんてないのだ――
 ――だから、手を伸ばす。救える命がある。それが出来るなんて、今日も良い日だ――

 彼女の父は何時だってそう言って笑っていた。その豪快な笑みを、ヴゼットプランドゥシャルは忘れる事はしない。そして、イリスはその横顔を見る。凛々しくも海へと踏み出す『手を伸ばすだけのおんな』。
「私も手伝う。まだ間に合うはずだから――」
 唇からついて出たのは、その言葉だった。『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)は頷く。まだ間に合う。万感の思いを胸に湛えて、何度も繰り返したその言葉はオーダーのように頭へとこびり付いては離れない。
「喪われていい生命なんてない……そうだよね!
 一人でも多く……ううん、絶対にみんな助けてみせる! それがヒーローでしょう!」
 ヒーロー。それは、誰かに手を伸ばす者をいう。その手を伸ばす相手が只の一人であったって良い。
『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)という少女が立ちあがったのは未来の為だった。
『君と生きるために強くなる』――‬そう誓った瞬間、只の町娘はその身に大いなる期待と夢を抱き、誓いと覚悟を背負った。その人生は誰かを護りたいと願った、その刹那のただのひとつ。ウィズィニャラァムはだからこそ知っていた。誰かの為に手を伸ばす事が間違いではない事を。
「ココロちゃん」
 妹分の名を呼んだ。可愛い幼さを滲ませた孤独(どく)に蝕まれぬ寂しがりの少女。顔を上げて覗く美しいまでの地平線の色が瞬いた。マリンブルーは鮮やかなる絵の具で塗りたくった様な不安と覚悟を湛えていた。
「ウィズィお姉様?」
「……頑張ろう」
『蒼海守護』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)は頷いた。何時になく真剣なかんばせは大いなる海の恐怖をその胸に刻みつけている。海は容赦なく、人はいずれは死ぬ。飲み喰らう海の暴食は歴戦の勇姿であれど、美しき乙女であれど、そして――『英雄』であれどお構いなしにやってくるのだ。
「がんばる。折角――力があるんだ。わたしが望むから、助けに行く」
 誰かに望まれたから? 義務だから? 仕事だから?
 勿論、ヴゼットプランドゥシャルは助けてほしいと乞うた。けれど、それだけではないのだとココロはその小さな掌に力を込めた。斃れずに済むいのちがあるなら、助けたい。大いなる海の胃袋に収まる前に、そのいのちを抱き締め、未来(はて)を歩みたい。
「ええ。ええ、そうだわ。そうね、弟子――いいえ、戦友。
 ココロも、シャルも。貴女達は、斃れる人をなくしたいのね。
 応えましょう。友が望むならば、立ちあがらぬ者はいないでしょう?」
『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は海風に煽られた紫苑の揺らぎを見詰めながら常の言葉を口にした。「神がそれを望まれる」と。祈りのように、そして、希望のように告げたそれを聞いてから『大いなる者』デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)がうん、と背を伸ばす。
「さあ、大いなる海を進むのじゃ。妾達が目指すは水溜りにいのちを溢さぬという事。
 民草が望む事を叶えずにして、何が権力(ちから)で、何が『クラーク』家か!」
 其れこそが海洋王国の名門と呼ばれる所以であった。クラーク家の名を廃らせぬ為に。堂々たる乙女は甲板より海鳥を派遣する。か細い鳴き声遠ざかるその白き背中を見遣りながらニル=エルサリス(p3p002400)は「がんばるんだぬ」とその両掌に力を込めた。
 美しき剣豪は修羅の魂を抱き、その大いなる海を見遣る。遠く見えるは二隻の船か。デイジーの海鳥の偵察を巻きながらニルは静かに息を飲んだ。
「あれが――『そう』か」
『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)はそう言った。その声音は確かめるような、そして、囁くような響きを感じさせた。
「ええ、あれが『スカーレットアナーキー』――屍鴎の船よ」
 ヴゼットプランドゥシャルの言葉に「おっかねぇ名前だ」と『うそもまこともみなそこに』十夜 縁(p3p000099)は茶化した。
「座して待つより自ら飛び込むとは良い意気だ。助力しよう。
 海洋の正規軍艦と人命、どちらも高くつくもの。失えば大損だ」
「あれだけやる気と体力が有り余ってるなら、鉄帝の連中にぶつけてくれりゃぁ面倒事も少なくてすむんだがなぁ。……ま、そううまくはいかねぇか。面倒だねぇ」
 ラダの言葉に縁はやれやれと溜息を混じらせた。『一兵卒』コラバポス 夏子(p3p000808)は縁の嘆息を聞きながら「まあ」とぽつりと言葉を零す。
「海賊だもん。襲うことに理由なぞ、特にないのかも知れん。
 僕も深い理由はないが、どうにかして助けたいもんな。悪い事しても絶対にやり直せる――償うチャンスは必ずある」
 何とかできる自分になりたいだけの自分ではもうだめだ。人間なんて理由が必要な一種族なのだ。ヴゼットプランドゥシャルの桃色がなびいている。そっと自身のローブを握り締めた『聖女の殻』エルピス(p3n000080)に笑みを残して夏子はヴゼットプランドゥシャルの言葉を口にした。

 ――海で喪われていい命なんてないのだ――

「だから全く同意。海に限った話じゃない。失われていい命なんてない」
 遠く近づく船を見て、ウィズィが身構えた。縁は嘆息し、その双眸に『国敵』を映し込む。
 美しき海。大いなる全て。世界を創った遥かなる青。ばしゃん、と音がした。船より避難用ボートが無残にも切り裂かれて落とされた音だ。

 ――だから、手を伸ばす。救える命がある。それが出来るなんて、今日も良い日だ――

「今日も皆で、良い日にする」
 大手を振っていえるように。今日も、佳き日でした、と。


 耳を澄ませる。息を呑む、ラダの耳朶を擽るは叫声、下卑た笑い声。射干玉の翼揺らした海鳥をその指先に侍らせてデイジーは唇を静かに形作る。

 ――内部へ――

 それは上空からの索敵に第一目標である『船長』『操縦士』の姿がなかったことを意味していた。軍閥である以上は、その姿はデータベースに保存されている。事前にその姿、そして階級を情報屋より仕入れていた事も功を為したのであろうか。豪奢なフリルを揺らし、圧倒的なカリスマ性を発揮したデイジーが「行こう」と堂々と声発する。
「はいはい」
 ひらりと掌返して、地面を踏みしめる。その両手にはグロリアス。果て無き栄光は『果て無き』この海に似ているのかと輝かんばかりの叡智を手に夏子はその唇を三日月の形に歪めた。鮮やかなる青き海に響く戦闘音をも劈き裂くように、槍の穂先が宙を踊る。
「奇襲で一泡吹かせられてラッキーだった? だがソコまで!」
 堂々たる声音が降り注ぐ。一番槍は頂いたと声を張り上げ夏子のそのかんばせに笑みが浮かぶ。
 閃光と共に突如として鳴り響いた炸裂音に顔を上げた海賊を見遣ってから夏子は『意味など大してないけれど略取行う存在』だとぼんやりと男たちを見下ろした。
 アレクシアの傍へとゆっくりと降り立つ海鳥はキュウと軽やかな声を返す。
「ありがとう」と静かに返す。穏やかな声音はそこまでだ。晴れ渡る空色を細め、戦い挑むがために咲かせるは勇気の花。その美しいかんばせに緊張の色を走らせて、自然彩る色彩をその身に宿す。
「助けに来たよ! すぐ治すね!」
 白き花弁が舞い散るは海洋正規海軍戦艦ブルーグラス。その甲板へと滑り込んだ特異運命座標の姿を見て乗組員達が安堵したように息を吐く。彼らにとっては『絶海の地』であったその場所に訪れる救援は蜘蛛の糸。一縷の望みを託すように「イレギュラーズ!」と誰かが呼んだ。
「イレギュラーズだぁ?」
「俺らの屍鴎の言うとおりきやがったぞ! 英雄サマの凱旋だってよ!」
 朗々と並べ立てるその言葉は何よりも楽しげな響きを持っている。流石はその名を轟かす『屍鴎』とその一味だとでも言う様に一方的なまでの暴力を受けるブルーグラスの乗組員が「船長を」とイレギュラーズへと声を張り上げた。
「五月蝿――」
 拳振り上げた男の体がぐるり、と舞った。鮮やかなるその一撃は歌舞くが如く捩じ伏せる。気怠けな息を漏らした縁の目が追いかける。空往く雲が如く、河流れる水が如く、それはあるがままに抗わず受容れる唯一つの術。
「良く鳴く鳥は居場所を示すだけだろうに」
 ラダの囁きと共に放たれたは鋼の驟雨。甲板上の制圧を目指すイレギュラーズ達が第一に救援を目指す船長メルタと操縦士セージはこの場所には居ないのか。
 甲板にて戦う隊の救援を第一にしながらも『司書』その直感を頼りに仲間たちの情報を収集し続ける。ラダの耳は喧騒く海の『上』には船長は居ないといった。
「だァれが船長かなんざ知らないね! 俺たちゃ『屑鉄』と一緒に王国(アホこっか)に打撃を与えられれば良いんだよ」
「その気合で鉄帝を叩いてくれさえすりゃ、おっさん達が出張る必要なかったんだが……」
 やれやれと肩を竦めた縁。『屍鴎』達、海賊連合旗艦『ブラッドオーシャン』の言い分は簡単だ。
 海洋王国の大号令での海上実践訓練は近海を根城とする海賊たちの掃討が中心であったのだ。それが、彼らの未来(さき)を脅かした。その報復なのだろう――「言っても無駄だ」と吐き出したラダ。
 目を細めたデイジーはカリスマ性を発揮し、救出した船員たちを鼓舞し続ける。ラダによる帰島準備指示を聞き、各員は配置へと向かう。依然として続く海賊たちの攻防を受けながら、奥へと進むことを選んだイリスは水の守護帯びた短棒をその白き指先で握り締めた。
 戦旗を振るイーリンを庇うように、その身を躍らせながらイリスは海賊を受け止める。その細腕で短剣を受け止めて、盾を起用に翳したイリスの背後より、ぐんとニルは前へ前へと飛び出した。
「な~んか乱戦になりそうな感じがするんだぬ」
『すると』と『ふんぐ』を手にしながら『ける』を身に纏ったニルは足を靭やかに動かした。銀の髪を大仰なほどに靡かせたニル。その動きは彼女の兄・ヨルの『真似』だ。その耳はしかと物音を聞き分け、薄く遮る壁向こうに目を細めるニルはターゲットは何処にもいないのだと警戒したように息を吐いた。
 甲板の早期制圧を目指したイレギュラーズ。救出した船員たちには夏子が『自分第一』を心がけるようにと声をかけた。イーリンによる指示はスカーレットアナーキーからの増員への警戒だ。相手が逃がさぬ為にロープを切り落としたならばこちらもその手を使わせてもらうとイーリンの視線を受けてウィズィとココロが対応を続けていく。
「船長の位置は分かるのかしら」
 司書――それは忌むべき呪いを避けた言葉であった――は問う。船員たちは口々に内部に入り込んだ『屍鴎』を追いかけて、船員を救うために別動班の救護に向かったそうだ。
「……カルネロの位置もまだ分からない――なら、内部制圧に向かおう」
 アレクシアの緊張が滲む。甲板を放置するわけにも行かないが、アレクシアは一先ずは出来る限り船をスカーレットアナーキーより引き離してほしいと船員たちに頼んだ。10名の船員たちは甲板を死守するために怪我を負ってはいたがいのちに別条はないのだろう。
「大丈夫かしら。ここで……彼らをおいていっては……」
 医師として、その怪我の容態をうかがうヴゼットプランドゥシャルにココロは大丈夫と強く言った。
「中にいるもっと辛い目にあっている人たちを救わないと……シャル船長の力が必要なの」
「うむ。言っておったじゃろ? 『失われていいいのちなんてない』と。
 それならば、出来る最善を尽くすべきじゃ。船員全員、自分たちのいのちを優先するのじゃぞ」
 全員が生き残るため――緊張を滲ませたデイジーに船員たちは頷き、配置についた。
 その様子に夏子は上空を眺める。乗組員たちで距離を離すことで出来るだけの増員を防ぐことは出来るが空だけは防ぎようがない。
『我が身第一』。無理はせず、危険を感じたら直ぐに救援を呼ぶことと言いつけて未だ、戦禍の気配させる内部へ向かう夏子へと「イレギュラーズ、危険では」と乗組員たちは言った。
 彼らは軍人だ。だからこそ、命を賭けるのは自身の仕事だと――歯を食い縛る彼らに夏子は笑った。
「無理はウチラの仕事でさ?」
 遠く、聞こえる剣戟の音が近づいてくる。それが、赤々とした血のにおいをさせていたとしても、足を止めるわけには行かないのだ。
 帰島準備を始める船員たちを見回した後、ラダは静かに息を吐いた。
「では他の賊も追い出そう。さながら病気の治療だな」


 アレクシアと共に在った小さな海鳥はウィズィへと預けられる。内部へと入り、ぐんぐんと奥――救護室――へと向かい歩むウィズィとヴゼットプランドゥシャルと医師、そしてエルピスを護るためにと殿を勤めるココロ。
 それと共に走るイリスとデイジーは周囲を見回し、カルネロの姿を探した。全員で踏み入れた船内では所々から男たちの声が響く。劈く叫声と共に鼻を突く鉄錆のにおいがする。水の加護を纏いながら、前線を行くイリスは索敵を任せる仲間たちの情報を聞き、ど、ど、と高鳴る胸を感じていた。
 ぎん、と鉄のぶつかる音がする。それは鈴鳴らすような美しい音ではない、酷く重たい気配であった。
「ウィズィ、ココロ! 後は任せた!」
 くるりと振り返る。赤き瞳が閃き、かしゃりとラ・ピュセルの鎧が音立てる。
 その視線を受け止めたはウィズィ。切り揃えた髪が海風靡き、その指先で握る巨大な愛(ナイフ)。大きく膨れ上がった感情(ナイフ)を一気に振り下ろし海賊たちを切り伏せる。
「オッケー! 弟子は私に任せてよ、イーリン! ……いくよ、ココロちゃん!」
 渾沌なるその世界に進むようにその両の足に力を込める。緊張がその四肢を支配した。けれど、止まるわけには行かないとココロは頷きその口内を甘味で満たす。
「ヴゼットプランドゥシャルさん、エルピスさん、それに医師の皆。進むよ!」
「はい。……力に、なります」
 頷いたエルピスにウィズィは茨をその身に纏うように誰も彼もを拒絶した。美しい花には棘がある。おんなはそれを示すようにその唇に笑みを乗せたのだ。
「わたしだって一人前だってとこ、見せないと」
 師匠様はきっと認めてくれるはずだ。弟子ではなく、戦友として。きっと――その為にとココロは走る。
 イーリンのその言葉は、ここより班が分かれることを意味する。船内の完全制圧を目指すがため、奇襲を心がけたラダが物陰より躍り出て海賊へと欠陥ライフルを向けた。
 ――何かと鋏は使いよう――スタンガンも出力次第で今時弾にもなるのだと、不出来な蜂を思わせたそれを投げ入れ、宙を躍らせる。
 それを追いかけるように、ぱきり、ぱきりと音を鳴らせた氷。その美しき気配は苦悶を与え、もがきを与えるだけであった。
 冷徹な顔をして、縁はじいと海賊たちの苦悶を眺めた。表情は窺うことは出来ない――否、感情はそこには存在していなかったのかもしれない。
 ニルは『めっちゃ痛い一撃』を海賊へと放った。クルねーちゃん――本来は『かーちゃん』ではあるのだがそういうと彼女は酷く怒るのだ――直伝のその技を一気呵成に叩き込む。
 耳を澄ます。甲板に居た海賊は三名。それでもイレギュラーズ達は彼らそれぞれが脅威であることを知っていた。一人を相手にするにしても夏子は気を抜かずに海賊を手招いた。
「我々はどんな状況でも生還して来た! ソレは君達の様な 勇者の助力があるからだ!!」
 堂々と船内の奥、救護室へと進めぬようにと布陣する船員たちを振り返る。その中に彼らが情報屋から提供された写真の男がいることに気づいてイーリンは「メルタ船長!」と声をかけた。
 船長と操縦士。彼らが居れば帰島の確立はぐっと上がる。甲板より新たに奇襲する敵の数を出来うる限りは廃除できた――しかし、カルネロがそうであるように飛行してくる敵に関しては『距離』を離すことしかできない。操縦士セージを救いリッツ・パークへ向けてパスツール号と共に進ませる事で課されたオーダーは果たされる。
「潮時って分かる? 海賊じゃ解んないか」
 煽った。
 コレでもかというくらいに口撃を放つ。唇を吊り上げて、海賊を受け止めた。
 その間にもイーリンは直ぐに操縦士と船長に甲板への救援や操縦を依頼した。其の侭、リッツ・パークへと逃げ果せてほしい。内部はこちらに任せてほしいと、鮮やかなる紅の瞳に強い色を宿す。
 アレクシアは船長と操縦士を癒し、顔を上げた。『煌花の書』の鮮やかな光が揺れている。鮮やかな桃と儚き白を纏いながら魔女は「行こう」と確かめるように、そう言った。
「……奥に行かなきゃ」
 まだ、『屍鴎』は居ない。奥へと向かった救護班とカルネロを抑えるイリス達が心配だとアレクシアの胸は僅かに高鳴った。困難退ける鮮やかな華。その気配を感じながらラダは船員たちを鼓舞した。
「あと少しだ、踏ん張ってくれ!」
 イレギュラーズは走る、奥へ。奥へ。

「カルネロ――」
 そう呟いたウィズィ。イリスは「行って!」と叫んだ。デイジーが登らせる月の気配にカルネロは身構える。
 その声に押されるようにウィズィとココロは走り出した。救護室で篭城する乗組員たちにイレギュラーズであることを堂々と告げたココロは直ぐにヴゼットプランドゥシャルは医療と錬金術を合わせたポーションをココロや医師へと配り、救護の指示をした。
 医療知識を所有するココロたちの様子をちら、と振り返りながらウィズィはバリケードの構築を始める。冒険知識を活かしてバリケード作成について指示したウィズィはその耳を活かし周辺の確認を続けていく。
 一人、外に出た彼女は護るために鋭く、深くその意識を研ぎ澄ます。

 ――さあ、突き進め。

 ――熱を持って、止まらないもの。それが私。そうありたいと願う心が私。

 ――心なら、絶対に負けない。そうと信じて灯す炎は、踏み出すための私の力。

 未来へ。未来へ。一人、近寄る海賊の気配がする。敵襲を室内へと告げたウィズィはバリケードと救護の完了を待った。
 道中での怪我人のことを考えれば篭城する彼らのいのちは護りたい。甲板で傷を負った乗組員たちは今はどうしているだろうか。迷わない。誓いを胸に、ウィズィは感情を振りかざした。


「『屍鴎』カルネロ、名を上げたいならイレギュラーズを直接攻め落としてみたいとは思わない?
 貴方程の相手なら、全力で相手になるわ。――もう、殺させない」
 遥かなる大海の恐怖を知っている。
 果てを目指す無謀さと勇敢さを知っている。それは強敵にだってそうだ。
 ここで、足を止めるわけには行かぬとイリスはカルネロを受け止めた。痛みが、体を支配する。
 救護室からこちらへ向かってきているはずのウィズィやココロを船内を制圧しながらもうすぐ辿り着く筈である仲間たちを待ちながらデイジーは笑った。
「イレギュラーズと話す機会なんてないじゃろう? どうじゃ、少し話し相手にはなってくれんかの?」
「英雄サマから話し相手に指定だなんざ光栄なこったなァ……」
 血潮滾ったその男はその体中の神経を研ぎ澄ませ、拳に力を込めて一気にイリスへと飛び込んだ。
 衝撃に、ぞ、と背筋が粟立った。強敵だ、そんなこと『会った時から分かっていた』!
 攻撃での対話を望んでいるのだと感じ取りながらデイジーは笑う。不吉と凍てつく月の気配をその背に感じ、少女は『本気モード』でカルネロへと向き直った。
 受け止め続けるイリスを支援し、苛む災いの気配をデイジーを見遣ったカルネロが苛立ちながらイリスを殴りつける。
「噂は聞いて居るのじゃ。『屍鴎』カルネロ。
 海賊連合旗艦『ブラッドオーシャン』たっての武闘派らしいのう?」
 堂々と、淑女としてデイジーは言う。鮮やかなにレェスを揺らし、美しく冴えた月の魔力を生み出すデイジーは前線を押す様にイリスを壁へと跳ね除けるカルネロに小さく息を呑む。
「ッハ――……凄いね?」
「女の誘いを断るほど無粋じゃねェさ」
 下卑な笑みを零したカルネロにイリスはゆっくりと向き直る。それはあらゆる障壁に臆することなき強敵へ向ける確かな興味だった。カルネロはイリスとデイジーというイレギュラーズに興味を抱き――そして倒しきると決めているのだろう。
 距離が詰められる。その身を苛むようにデイジーは災いを降らせる。
 鮮やかなる月の魔的な光を帯びて、男のかんばせに浮かんだ笑みは色めき立った。確かな、脅威を感じデイジーは救援を待つ。
 海鳥の鳴き声が聞こえる。もう直ぐ、あと少しーーああ、けれど。
 意識が『ぐらり』と。心の臓が跳ねる。ど、ど、ど、とリズミカルな鼓動が痛い。
 
 ―――カルネロ!

 声が聞こえた。アレクシアの声であると認識したときイリスの意識は刈り取られた。
 それを留めるように海賊が姿を現し、ラダが撃ち抜く。デイジーが「後は任せるのじゃ」と囁くその声を聞き、イーリンは唇を噛む。
「さて、お前さんの部下は全員伸びちまったみたいだが……どうする、まだやるかい?
 おっさんを除けば、こっちは精鋭揃いのイレギュラーズだ。退いた方が身のためだと思うがね」
 おざなりな態度は本心を隠すかのようだった。煙管をとん、と音立てた縁にカルネロは気怠けに息を吐く。
 彼らにとっては遊びの一環なのだろう。足元に倒れ伏せたイリスとデイジーを見下ろした男は頭をがりがりと掻く。
「テメェらは乗り気じゃねぇんだろ? 詰まらない。詰まらねぇな、圧倒的に詰まらない。
 軍人サマの救援に来たのが病院船だぜ? 戦えねえ奴らを襲った所で俺にゃ『弱い者虐めをするズルイカルネロ君』――なんてな。下らねェ呼び名で莫迦にされんじゃ堪ったもんじゃねぇ」
 だん、と地面を踏みしめた。
「へえ? イイコちゃんに? 良いように封じられたぁ? 海賊の力かぁ~?
 それでぇ~? イイコちゃんに負けましたぁーって言われるのも困るもんなぁ~?」
 カルネロの前に立った夏子。彼を見つめるカルネロが言うじゃねぇかと低い声音で言った。
「カモメ撃ちは初めてだが、落とし甲斐はありそうだ」
 そのカルネロの頬を掠めるは歪な蜂。翼を広げた男に深追いをしてはいけない、嗚呼、けれど、もう少し――と求めるラダの傍らよりニルが前線へと飛び込んだ。
「どぎつい一撃お見舞いしてやるんだぬ!」
 手を抜かず、ただ、前線へ。
 ニルのその声を聞きながらラダはライフルの引き金へと指添える。さあ、「他人の不幸は蜜の味」とは欠けた信頼性に寄せてか、哀れな的への嘲笑か――定かでなくとも放て、唯、前へと。
 夢見るような星空に、燃え盛る流星に。踏めば倒れ、払えば散る。困難から逃げることはない。それすら抱きしめるようにイーリンは言った。
「奮い立て海洋の勇士達よ! 果てへと向かう凱歌は、誰が為の物か思い出せ!」
 炸裂するは突撃。戦旗が揺れる。その隙間から見えた燐光にカルネロが「クソ女」と吼えた。
「頭に血が上り易いんだね?」
 声が響く。救護室より救援に向かったウィズィ。その背後より絶望の響きを纏わせた歌声でココロは爛にして絢爛、醜悪にして悪辣たる人形劇を繰り広げる。
(私だって――一人前なんだ!)
 非力。けれど、それだからと引くわけには行かないのだ。コマンドは、 623+A or C(空中可)。全力で飛び込み、全力で『ぱんち』を放つ。
 カルネロが一歩引く。縁が「さあ、どうする?」と問うたその声にカルネロはひらひらと手を振った。これ以上の戦闘は無用であると縁は感じていた。
 勿論、カルネロをここで討ち取ることも必要だが、彼がこの場に長期滞在すれば空より援軍が来る可能性も棄てきれない。カルネロは「興醒めだ」と言った。
「帰れよ」
 吐き捨てるように、言う。乗組員は数人の犠牲を出してはいるが救護室のバリケードが功を為していたことは確かだ。
 翼を広げ、自身の船へと戻るおとこの背を見送ってから足より力の抜けたヴゼットプランドゥシャルは呆然と言った。

 ――海で喪われていい命なんてないのだ――
 ――だから、手を伸ばす。救える命がある。それが出来るなんて、今日も良い日だ――

「シャル船長?」
 ココロは静かにその背に声をかけた。恐ろしく、そして、不安ばかりであった。
 けれど、良い日だ。救えた命がある。それだけが、確かな救いで。
「……よかった」と唇から漏れ出したその声はリッツ・パークで待ち望む人々たちの感性に飲まれた。

成否

成功

MVP

ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌

状態異常

デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)[重傷]
共にあれ
コラバポス 夏子(p3p000808)[重傷]
八百屋の息子
イリス・アトラクトス(p3p000883)[重傷]
光鱗の姫

あとがき

 この度はご参加有難うございました。初めてのEXで大変緊張しながら執筆させて頂きました。
 深追いせず、救出を中心としてとても難しいオーダーをこなして頂けたと感じております。
 MVPは非戦スキルなどの対策を行った貴女へ。

 また、お会いいたしましょう。どうぞ、ご縁がありますことを。

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