シナリオ詳細
〇〇と△△が××しないと出られない遺跡
オープニング
●遺跡探索、完了!
幻想のとある遺跡。いつの時代はわからぬ遺跡だが、今の今まで見つかることのなかった存在。
「新しい遺跡が見つかったのです! きっとお金が稼げるのです!」
と、ローレットのロビーで『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)からもらった情報を元に、無事遺跡に蔓延る障害を打倒してその最深部で古代の財宝を発見したのが君達イレギュラーズ。
財宝といっても一攫千金とはなりそうにはないが、これらを持ち帰って売り捌けばそれなりの報酬となるだろう。
未知の遺跡を踏破し、財宝を手に入れ、強敵にも勝利した。
終わった。そんな一瞬の気のゆるみがイレギュラーズの不意を突いたのだろうか。
カチリ、という何かが起動する音。
それと同時に、イレギュラーズ達の視界は一瞬にして真っ白に染まった。
●なんか診断とかでよくあるお部屋
気が付いたイレギュラーズ達は、いつの間にか真っ白な部屋に押し込められていた。
もちろん全員ではない、八人で入り込んだはずがいつの間にか二人しかいない。
部屋を見回しても周囲に脱出できそうな扉もなく、ドアも見当たらないだろう。
持ち物は失われてはいないが、逆に言えば持ち込んだもの以外のものは一切見当たらない。
そんな君たちをあざ笑うかのように、部屋の一角に文字が浮かぶ。
『〇〇と△△が××しないと出られません!』
は?
一瞬何のことかと思わされる文字が浮かんできた。
ここに刻まれている文字は隔離された部屋ごとに異なる文字が浮かんでいるようだが、少なくとも自分ともう一人が何かしら指定された行動をとらなければならないようだ。
逆に言えばこれを達成すれば、無事に依頼は達成できるのだが。
指示に従うか、従わざるべきか。
とりあえず誰かが見ているわけではないようだし、やってしまってもいいかもしれない。
いやでもそんなことなんてできないかもしれない。
- 〇〇と△△が××しないと出られない遺跡完了
- GM名トビネコ
- 種別通常
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2019年12月27日 22時25分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●葵と洸汰が最高にカッコイイ台詞を大声で叫びながら戦わないと出られない部屋
「はぁぁぁ……」
何事もなく終わると思っていた。
しかし、結果として罠にかかり、今や隔離された部屋に閉じ込められた『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)は深い溜息を吐いた。
「なぁアオイ。これどうすりゃいいんだ?」
『雲水不住』清水 洸汰(p3p000845)も辺りをきょろきょろ見回しているが出口は一切見当たらない。あるのはこの掲示板のようなものだろうか。
「……ん? これ、なんか書いてあるぞ?」
―――葵と洸汰が最高にカッコイイ台詞を大声で叫びながら戦わないと出られない部屋
つまりは、このお題に沿った事をすればいいのだろう。
そうと分かれば、だった。
「なら話は早ェ、かかってこい洸太ァ! まさかこの期に及んでビビってんじゃねぇだろうな!? 今なら誰も邪魔しねぇ……長きに渡る因縁、今ここで終わらせるっスよ!」
まぁ、別に因縁なんて欠片もないのだが。これも演出の一つという事で適当をでっちあげる。
「このシミズコータ様を、止められるもんなら止めてみなー!」
名乗りを上げて、戦いを演出する。洸汰側はとにかく体を動かせばいいんだろう。という理解をしているが、それはそれで正しいし、下手な行動もしないだろう。
何とかなりそうだと思いながら、葵と洸汰がバッと距離を取る。
それと同時に洸汰は独特の構え。どこかの世界の球技では野球といわれるスポーツの投手の構えを取り、葵目掛けてボールを投げつける。
無論それは葵本体へ真っ直ぐ向かう球。弾丸とも言えそうな速度で突き進むボールが葵の体に突き刺さる。
痛い、死ぬほど痛い。叫びたくなりそうだが我慢し、そのまま胴体から足元に転がり落ちたボールをリフティングするように蹴り上げた。
「い、いって……こ、こいつが叫ぶんスよ……血を寄越せ、肉を寄越せ、魂を寄せってな! だが生贄はオレじゃねぇアンタだ! その全て、貰い受けるっスよ!」
真紅のガントレットに手を添えながら、蹴り上げたボールを勢いつけたオーバーヘッドキックで打ち返す。
「やるな! でもどんなにうまく打ち返したってそうはいかないぜ!」
打ち返されたボールをミットを持って受け止める。勢いの付いたボールだけに衝撃は殺しきれないが、完全にキャッチした。
「へへっ、取っちゃえばアウトだぜ」
「だったらオレの音速を超える一撃を受けてみるか!」
「消えた……!?」
音を置き去りにするかの勢いで、葵の姿が消えた。
いや、消えたわけではない。とんでもない速度で、踏み込んできたのだ。
「どんなに早く動こうったってっ!」
踏み込んできた葵に対して洸汰は敢えて前に踏み出す。
抉りこまれる回し蹴りをヘッドスライディングの要領でかいくぐり、背後に回ってボールを取り出した。
「へへっ、今度はこっちの……」
「いいや、逃がさねぇ! 氷の悪魔が地獄の果てまで追い詰めてアンタの心まで凍らせる!」
振りぬいた回し蹴りはブラフ。攻撃をすり抜けたのを狙って回るように降りぬいたキックから放たれるのは冷気を纏った青いコウモリ。
「やっべ!」
躱しきれず、ついに洸汰に直撃する。
冷気が身体に奔り、体が凍てつき動きが鈍りだす。
「行くぞ、今度は……音を超え、そして光さえも超えてみせるっス!!」
一瞬の深い溜め。次の瞬間加速した葵は文字通り神速の踏み込みで距離を詰める。
「森羅万象……ぶち抜けぇぇぇ!」
そして、動きの取れなくなった洸汰へ強烈なハイキックが見舞われる。
「……まだ開かねぇな」
「なんでだろう?」
流石に殺し合いをしろとまではいかない以上、ここで寸止めで問題ないだろう。
「あぁー……クソッ」
さっきから叫びっぱなしで喉が痛いし、恥ずかしいったらありゃしない。
だが、扉は開かない。何が足りないというのか。
「アオイ強いしかっこいいと思ったんだけどなぁ。まぁ、もっとやれってことかな?」
マジかよ、といわんばかりに葵はげんなりするが、ここで止められるわけにもいかない。
「オレもアオイも、めっちゃくっちゃカッコいいじゃん? さっ、もっともっと遊ぼうぜー!!」
悪気のない笑顔で、葵の前に手を挙げてハイタッチする。
ぐったりしていた彼も、その一連の動きで急に元気が湧いてきた。
結局。かっこいいセリフを二人で言い続け、数時間後にようやく二人は外に出ることができたという。
●アトとミルヴィが中央のゴーレムから下着を剥ぎ取らないと出られない部屋(ついでに耳かきもしてね)
「いや、うーん。どうしたものかぁ」
久しぶりにダンジョンを楽しみ、宝物を見つけ、それを持ち帰る。
直前にトラップに引っかかり、部屋の掲示板にでかでかと表示された文字を見て『観光客』アト・サイン(p3p001394)どうしたものかと困っていた。
「頭痛くなってきた……どことなく人の形してるし……」
思っていた以上のゴーレムではなかったものの、割とガタイのいい人の形と肌色をしたゴーレムを見て『Ende-r-Kindheit』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)は頭を抱えている。
しかもそれが妙に落ち着いた雰囲気で正座をしているのだ。
「落ち着いて状況を整理しよう。僕らはあのゴーレムのパンツ……いや、違うな。あれはふんどしか……?」
あれをどうにかしてはぎ取れという事なのだろう。
知り合いに似ていることもあり、一瞬本人かと血迷ったがそんなことはない。
まぁ指示にゴーレムとある以上本人でないことは間違いないのだが。
「ま、まぁ……協力してやろっか……?」
「そうだね……」
実際これが襲ってきたらどうしよう。
そんな気持ちに支配されながらじりじりと距離を詰める。
突然動き出して攻撃してきたらどうするべきか、強さまで知り合いそっくりだったらどうしよう。
「ア、アト。こっちで注意を引き付けるからその隙に……!」
「わかった」
アトが頷いたことを確認すると、ミルヴィはゴーレムの前に躍り出て演舞を展開する。
元は古代の偉大な王国の神と王に捧げる秘伝の舞だが、ゴーレムは意に介さず正座している。
必死に踊るミルヴィだが、非常にシュールな状況になってしまっているのはギャラリーが居たら間違いなくそう思うだろう。
「説得……も聞きそうにないな」
注意をひくことも言葉も効果がないようだ。
ならばと別の行動にミルヴィは出る。
「なら、全力の一撃で!」
明星の剣イシュラーク。黎明の名を冠する儀礼曲刀。その剣の力を制御せずに解放、溢れ出る光がミルヴィを包み輝く刃を形成する。
「はああああっ!」
「あ、いや、まっ……」
この全力を持った一撃。それともってゴーレムに叩きつける。
アトの静止が入った気がするが、時すでに遅し。
強烈な光の刃がゴーレムに直撃し、その存在そのものを一刀のもとに消し去った。
「……あれ?」
拍子抜け、というべきだろうか。
自分達が危惧していたよりもゴーレムは圧倒的に弱かった。それよりも一切動かず、座っているだけだった。
「何も気にせず。取ればよかったね……」
ゴーレムが居なくなったらパンツ、もといふんどしは引き剥がせない。というかふんどしそのものも消えてしまった以上どうしたらいいのだろう。
脱出不可能な空間になってしまったのではないか?
「ご、ごめん……」
「いや、こっちもね……ちょっと意識が取られ過ぎて……うん、ごめん……気づくのが遅かった」
結局何の変哲もないただのゴーレムに過ぎなかったのだろう。
思い込みとやりすぎが招いた悲劇ともいえる。
「あ、これ」
だが、掲示板には小さく記載があった。
「み、耳かき……」
脱出条件の一つが達成できなくなった以上、もう一つを試さねばならない。
おあつらえ向きに部屋に転がっていた耳かきを拾うと、ミルヴィはそっとその場で正座して、自分の膝をぽんぽんと叩く。
「あ、うん」
乗れ、といわんばかりに圧をかけられたアトはそのままミルヴィの膝に頭を乗せる。
ふわりとした柔らかい太ももの感触。それを感じながら体をミルヴィに預けた。
「……はぁ、どうしてこんなしょうもないことに」
優しくアトの頭をなでながらミルヴィは丁寧に耳かきを続けていく。
扉が開く様子は一切ない。
「かゆいとこない……?」
「いや、大丈夫だよ」
「そっか、じゃあよしよししてあげるネ……」
いい子いい子と、子供をあやすようにしながらミルヴィは半泣きの表情になっていた。
「遺跡のばかーーーーーーー!!!!!!」
結局遺跡は開かない。
最終的に丸一日この部屋で放置された二人だが、ローレットの救出隊が壁をぶち破って助けに来てくれたので難は逃れたようだ。
●ワモンとフランが添い寝しなければ出られない部屋
「んー、よくわかんない場所に出たな」
気が付けばそこは真っ白な部屋。何故か部屋の中央には布団が一つ。
不可解な環境に首をかしげる『海のヒーロー』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)の視界に『繋ぐ命』フラン・ヴィラネル(p3p006816)の姿が目に入った。
「お、フランだー! いやーおいら一人じゃなくてよかったぜー……」
何故か壁に向けて思い切り杖をフルスイングしているところで、無論弾かれた杖が天井まで跳ね上がって跳ね返り、フランの頭に激突するところまで見てしまった。
「って何してるの?」
「い゛た゛い゛。あ、ワモンさんだよかったー。一人だったらどうしようかと思った!」
ワモンに気付くなり、フランはいつものように抱きしめた。こんな空間でも彼女が居れば何とかなると、ワモン自身も不安は消えていく。
落ち着いたところで部屋を見渡せば掲示板には文字がいつの間にか書き込まれていた。
「なになに……」
覗き込んだフランが固まった。
「なになに、添い寝しないと出られない?」
添い寝!? と、慌てながら生唾をゴクリと飲むフランに対してワモンはいつも通り平常運転だ。
いつもギフトを発動させる関係でフランに抱っこされることも多い彼は特に抵抗がなかった。
「なーんだ、簡単だな!」
「え、いいの!?」
自信満々で断言するワモンの姿を見てフランは眼を輝かせた。
一度ワモンを抱っこしてお昼寝をしてみたいという気持ちが心の中にひそかにあった。
抱っこされると快適な抱き枕と化してしまう彼を抱きしめて眠ったらさぞ快適に眠れてしまうだろう。
「えへへ、よかった。じゃああのお布団で……さむっ!?」
敷かれた布団の中に潜り込む。全く空調管理されていない部屋の気温に冷やされた布団はとても冷たい。
「うわー、本当だ。これは眼が覚めちゃうね」
「うー、ワモンさん早くっ!」
布団に寝転がり、両腕を広げるフラン。彼女の元にワモンは器用に潜り込む。
ばさり、とそのまま布団を被さり、フランはワモンを抱きしめる。
寒い、とても寒い。
だが次第にその寒さは薄れ、温かさがフランの体に伝わっていく。
「あったかい……」
これがワモンのギフトの力なのだろうか。
それともこんな提案も受け入れてくれる彼だからこそ、与えてくれる温かさがあるのだろうか。
「へへ、ワモンさん子守唄いる?」
自分ばかりが温かさをもらうのは申し訳ないと、提案してみるが返事はない。
「すやぁ……」
「ね、寝てる。いらないかぁ」
残念、そんな気持ちが浮かんでしまったがこれだけ温かいなら眠ってしまっても仕方ないだろう。
最も、普段のフランを知る者達ならばその子守歌は全力で拒否していただろうがそれは別の話。
暖かい。じんわりと広がってくる暖かさが、体と、そして心を温めていく。
これにはきっと、どんな強い誘惑も勝てないだろう。
「おやすみなさ……」
全てを言い切る前に、フランの意識は落ちていた。
「んえ?」
どれだけ眠っていただろうか。自分の頬に何か水のようなものがかかってワモンの意識は覚醒した。
いつの間にか時間が過ぎていて、何が起きたかわからない。
「部屋、あいたかー……?」
目覚めたばかりでまだ周囲を見渡す気力がわいてこない。
何より、自分を抱きしめたまま口から涎を垂らすフランの姿があればそれを無理に振りほどこうという気持ちにもならなかった。
「むにゃ……それは蒸しぎょうざじゃなくてあざらしだよ……」
何やら幸せな夢を見ている様だ、きっとおいしいアザラシを食べているのだろう。
自分の頭もこの暖かさに負けて訳の分からない事を考えてしまっている、これはいけない。
「まぁ……もうひと眠りすっかー……」
扉が開いてたらきっとフランが運んでくれる。
そんな考えを持ちながら再び微睡に沈むことにした。
結局、フランも後で目が覚めては暖かさに負けつつ、ワモンが何とかしてくれると思っていたせいで二人はこの部屋どころか布団から抜け出すことができなかった。
とっくに扉は開いていたが、これは仕方のないことであるのは間違いない。
だが、後でやって来て部屋が空いているのを見た仲間とローレットの救出隊に、こっぴどく文句を言われたのは記憶に近い。
●庚とメリーがそばを食べないと出られない部屋
真っ白で殺風景な部屋。
ただ、その部屋には何故か机とその上にそばとつゆがセットになって設置されている。
異質だ、明らかに異質な光景だ。『宙狐』庚(p3p007370)は間違いなくそう思った。
「ええい、カノエはいたいけでかわゆい狐でございますよ、こんな狭くて殺風景な部屋に閉じ込めるべきではないと良心の呵責は起きないのですか!」
開けてくださいまし、開けてくださいまし! と、連呼しながら庚は自分の小さな肉球で扉をてしてしと叩いてみるが全く持ってびくともしない。
「開きませんね、メリー様。何かありませんでしたか?」
「そうね、これを見て?」
『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)の指示した先には、脱出できる条件と思しき内容が記された掲示板。
「そば……?」
これを食べるだけなのだろうか。いや、絶対何か仕掛けられていると庚は警戒する。
「丁度良かったわ。今日のお弁当はゆで過ぎて余ったおそばだったの」
「はい?」
なぜそんなものをお弁当にしたのか? 浮かんだ疑問を口にするよりも早く、メリーは荷物からそばつゆと一緒の容器に入ったそばを取り出した。
思う存分つゆを吸っており、完全に伸びている。でろでろだ。
「いや、これがそばですか……カノエはこんな状態のものよりもっと普通のそばの方がイレスタ映えすると思うのですけれど……」
正直言って食べたくない。見た目だけならこの机の上に置かれている蕎麦の方が絶対マシだった。
「そう?」
「はい、それはもう。カノエもお弁当に蕎麦を持ってきましたのでこちらを食べましょう」
結局お前もか、というツッコミはさておき比較的まともな状態のそばとつゆを取り出し、心おきなく落ち着いてそばを食べれる。
そう思ったのもつかの間だった。
「メリー様!?」
え? と呆けた顔をするメリー。あろうことか、彼女は手持ちのわさびを大量に、いや全部投入しているではないか。
「賞味期限が今日までだったから使い切っちゃいたくて」
頭を抱える庚はさておき、そばをすすり始めたメリーだったが案の定そんなそばをすすればワサビのダメージは大きいわけで。
「……辛っ!!!! ツーンと来た! ツーンと来た!」
慌てて取り出した硬水で難を逃れる。だが、まだ扉は開かない。
「全部食べなきゃダメなのかしら? ねぇ、どう思う?」
「はっ!? あ、いえ、よく見てください」
圧倒的わさびという現実に正気かどうか判定し、まともな精神状態ではなくなっていた庚だったが正気に戻るなり掲示板を指さす。
小さく、意地汚く記載されていた。『そばを食べ"させ"ないと』と。
「えぇ……」
「諦めてください。そもそもメリー様のお昼ご飯でしょう? ホラ、く・ち・あ・け・て!」
だんだん勢いで勝ってきたことを確信した庚は勢いに乗じてメリーからそばとつゆを奪い取ると、彼女に口を開けるように強要……いや、もう半ば強引にそばを口にねじ込み始めた。
「ちょっ! 涙出てきた……本気で泣きそうなんだけど!」
「大丈夫です、いけます!」
「まって、ちょっと休憩……!」
流石にきついのだろう。ここで休憩してまた食べ直すという事で一旦休戦することになった。
「もうっ! 誰よこんなに沢山わさび入れたの!」
「メリー様です」
庚のツッコミをスルーしながらメリーは不満を垂れる。
だが、そんな折にメリーはとあるひらめきを得た。得てしまった。
「そうだ」
何を思ったか、メリーは荷物の中から無数のお菓子。飴玉やクリームパンといった兎に角甘いものを取り出し始める。
「え、ちょっと何を」
「甘いものを入れればいいのよ! わたしってあったまいー♪」
ダメだもうどうしようもない。庚は彼女の様子を見て一人頭を抱える。
「ほら庚。あーんして?」
「はい?」
この時カノエは気づいてしまった。
そばを食べさせないと出られない。つまり、庚自身も食べなければならないという事を。
「あ、いえ、あのメリー様ちょっとまってくだs」
「あーーん!!」
悲鳴。
後日、庚は語っていた。
もう、お嫁にいけないと。ちなみに一番早く脱出できたのは彼等だったようだ。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
いやぁ。いろんな悲劇が生まれたり、ドラマが生まれたりしたようです。
とんでもない遺跡でしたが、楽しんでいただけたでしょうか。
愉しんでいただけたなら幸いです。
またのご参加、お待ちしております。
GMコメント
たまにはこういうのも書きたいと思ってしまう気持ちが最近ふつふつと湧き上がっているトビネコです。
依頼の息抜き……PC達にはならないかもですが、たまにはこのような依頼はどうでしょうか?
物騒な行動もありますが、実際に死ぬようなことはありませんので愉しんでプレイングをいただければと思います。
とても質の違うシナリオですが、皆さまの参加をお待ちしております。
●状況について
遺跡の探索を無事終えて、財宝を手に帰る直前に起動してしまったわ何より、皆様な陰湿な部屋に閉じ込められてしまっています。
指示通りの事をすれば出られるようですが、できない場合は一生閉じ込められてしまうでしょう。
と、いう事はなく、指示を達成できなくてもローレットから派遣された捜索隊が無理やり壁を破壊して助けに来てくれます。
このことはPC達は知ることが出来ないため、PL情報となるためお気を付けください。
●部屋について
真っ白で外につながる扉や窓は一切ない部屋です。
何故か壁をすり抜けたりワープしたりなどという能力も封じられてしまうようで、完璧なまでの隔離空間となっています。
部屋の中には2名で配置されており、参加者の型は4組のペアに分けられることになります。
誰と誰で部屋に入るかは、プレイングに表記いただけると幸いです。表記がない場合はランダムにトビネコのほうで決定させていただきます。
●〇〇と△△に××しないとでられない、について
部屋に表示された文字の〇〇と△△にはそれぞれPC達の名前が入ります。
部屋に入っていないPCの名前は絶対に表示されません。
・××について
こちらにしなければならないことが記載されますが、こちらは以下の内容から選択していただくか、描写に問題のない範囲で指定いただければと思います。
内容に問題があると判断した場合、一例から近いものを選択させていただきます。
実際に選択するのはPL達になるため、PC達には突然無理難題が割り振られても仕方のないことなんです。
こちらについてもご相談の上プレイングに記載いただけると幸いですが、記載がない場合や異なる記載の場合はトビネコの方でランダムに決めさせていただきます。
・××に入る題目一例
愛を全力で叫び合い
全力で殺し合い(※殺すまでの必要はありませんがこの表示は出ません)
互いにパンツを被りあい
心に秘めたものを告白
相手を本気で泣かす
添い寝
とんでもない状況ですが、きっと無事に戻れるでしょう。
たぶん、その、はい。
何はともあれ、楽しんでいただけると幸いです。
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