PandoraPartyProject

シナリオ詳細

バッドなサンタを梱包せよ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

・愛に生きるのはいいけど、何かおかしいだろ
「はーはっはっは!遂に、遂に俺様はやり遂げたぞノー!」
「凄いのねん!流石なのねんナダレ!」
 夜空煌めく深夜。砂漠と言えど夜は寒い。むしろ砂漠だからすっごい寒い。
 それはさておき。
 砂漠のオアシスより少し離れた岩場にて、やたらハイテンションな赤い服に身を包んだ痩せ型の男と、大きな白熊が、巨大な白い袋をずるずると引きずりながら騒いでいた。
「運の悪い俺だが、これさえあればあの子のハートだってしっかりゲットだぜ!」
「ボクも美味しいお菓子が一杯食べられるのねん!」
 一人と一匹が引きずっている袋は、伝説のサンタクロースの持つ袋。そう、クリスマスの夜に子どもたちに配られるプレゼントが詰まった袋だ。
 この袋には特別な魔法が込められていて、プレゼントをあげる相手の望むものが自動で出てくるという素晴らしいものなのだ。サンタクロースはこれを用いて世の子どもたちにプレゼントを配っている。この世界ではそうなのだ。
 その子どもたちの夢と希望が詰まった袋を、この一人と一匹はあろうことかサンタクロースに弟子入りすると見せかけて、だまし取ってきたのだ。自分たちだけの夢を叶える為に。
「待ってろよ、アンジェリカちゃん!もうすぐ君に会えるぜ!」
「ボクのお菓子も忘れないでねん!」
「勿論だぜ相棒!」
「楽しみなのねん!」

・で、オチは?
「でー……この後、そのアンジェリカちゃんにプレゼントを渡すところまでは良かったんだけどね……」
 境界案内人のカストルは苦虫を潰したような顔で、手元の本をぷらぷら揺らす。
「……そのアンジェリカちゃんって人。男の人なんだよ」
 はい?
 と思わず聞き返してしまうイレギュラーズ達。
「もともとはアルベルトって名前の男の人で、過去を捨てる為に女装してアンジェリカって名乗って女性として振る舞っていたんだよ」
 たちの悪い事に、並の女性よりよっぽど可愛くなってね、と付け加える。
「で。その事実を知って絶望したナダレって男が、こんな世界いるもんかってプレゼント袋に手を突っ込んだものだから、世界を滅ぼす終末の魔法が発動しちゃったようなんだ」
 待って。なんでそんなものまで出てくるのプレゼント袋。それプレゼントじゃないでしょ?
「皆にしてもらう事は一つ。ノーは見逃しても害はないから、ナダレだけでも捕らえてサンタクロースのプレゼント袋を取り戻してね」
 戦闘が終わればサンタクロースはやってくるからね。ご褒美として何かプレゼントを貰ってもいいんじゃない?と締めくくってカストルは笑顔を作ってイレギュラーズを送り出す

NMコメント

ライブノベル第二作目です、以下略です。
おバカなノリになる予定の戦闘系シナリオです。多分、きっと、シリアスにはなりません。
■戦闘能力詳細
・ナダレ
 痩せ型の男。アサシン相当の能力を持つ。またプレゼント袋からイレギュラーズ達を排除する為のアイテムを取り出す事もある。
 実はそこそこ強いのだが、絶望的にバカで運がない。普段の暗殺者としての仕事は慎重に慎重を重ねて失敗を排除するタイプなのだが……。
 大毒霧、キャタラクトBSに似た技を使う。
 プレゼント袋からは【業炎】をばら撒く爆弾。ナダレとノーのHPを回復するお菓子を取り出す。
 アサシンらしく回避と命中は高くEXAもそれなり。反面HPと防御技術、抵抗は並以下。何もない状態ではファンブル値は0である。
 【不幸体質】
 ある系列のバッドステータスに抵抗できない弱点を持つ。命中さえすればそのバッドステータスは問答無用で効果を発揮する。またそのバッドステータスの効果が通常の3倍の効果で降りかかる。

・ノー=ス
 身長250cmほどある白熊。人語を解するなど知能は高いが本来はのんびり屋で穏やかな性格。
 アルデバラン相当の能力。非常にタフで反応は低いが物理攻撃力とHPは相当なもの。
 クラッシュホーンに似た技を使う。また【氷漬】【識別】を持つ至近範囲攻撃も扱う。
 ナガレに攻撃が集中すると、ナガレを庇う確率が上がっていく
 【特殊行動】ナガレを見限る
 ナガレがファンブルを3回起こす。もしくはノーのHPが半分を下回るとナガレを見限って逃走。ノーが逃走していてもナガレさえ捕縛できれば成功です。

 以上となります。
 純戦のようなギャグのような何かです。

  • バッドなサンタを梱包せよ!完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年12月15日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い
冷泉・紗夜(p3p007754)
剣閃連歌

リプレイ

■砂漠に咲く花と怒りと
「何だお前達!?……さてはサンタのじじいの差し金だな!?」
 順調に砂漠を歩いていたはずの、赤いサンタ服を着て大きなプレゼント袋を担いだナダレと、白い大きな体躯の白熊、ナダレの前に突如現れた四人組。イレギュラーズ。
「冬の夜に、滑る落語は少し寒すぎるかしらね。落とし所としては過ぎれば喜劇になるという処でしょうけれど」
 紫の瞳に目標を映してそう語りだす『紫雲流月』冷泉・紗夜(p3p007754) はそこで言葉を切り暫し考え。次に
「――ああ、そもそも、まともに応じないのも手ね。」
 と結論づけて、愛用の武器を手にする。
 彼女が敵だと理解したナダレは、暗殺者としての技能を発揮する短剣を片手に持ち。一方のノーも腕を軽く振って。
「戦うのは嫌いだけど…ナダレの為、ボクの為なのねん!」
 と吠える。
 豪腕備える白熊と、駆ける暗殺者の前に仁王立ちで待ちかえるのは『守護する獣』ウェール=ナイトボート(p3p000561) 。薄い光を放ち、温かい刀を手にし。
「はぁー……普通プレゼントというものは頑張って手に入れるものだと俺は思う。」
恋人の為に手作りのプレゼントとか、子供の為に忙しい間を縫って回に走る父親の姿とか。そういうのを想像し…また彼自身も父親であったのでそういった苦労は理解できる。だからこそ、刀に力を込め。
「だから、一児の父として、ナダレは半殺しにする。不殺だからいくら殴っても死なないってこういう時いいよな」
「やってみろよぉ!!」
「いくのねん!」
 普段とはちょっと違った憤怒の感染。しかししっかりとナダレにもノーにも効いたようだ。怒号の矛先はウェールに向いている。
 彼らからほんの少し後方で、少しばかりの同情と大きな呆れをため息と共に吐くは『付与の魔術師』回言 世界(p3p007315) 。ポケットに片手を突っ込みお菓子の在庫を確認し。
「うん、まあ何というか……気持ちは分かるな。絶望から悪事に走るというのも実に人間らしい行為だ。だがなぁ……それで世界を亡ぼすってのは流石にやり過ぎだと思うぞ。」
 そのつぶやきが意味するところを、今のナダレは知る由もない。ともあれ、と気を引き締めて彼は仲間を鼓舞する力を望む。
 月に照らされた彼の身体から不思議な力がイレギュラーズ達を包み、その力と共に 『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611) は砂を蹴る。
「不幸やねぇ。愛に同性も異性も無いとは思うんやけどねぇ?」
 大きな翼を広げ、滑るように大地を駆け、刀を手に狙うはナダレ。とにかく、捕まえないことにはどうしようもないねぇ、と。鋭き一撃で先制する!

■月夜の下での剣戟
「ちっ!この俺様に傷を追わせるとは…ノー、いつものだ!」
「おっけーねん!」
 ウェールの術中に嵌っている二人は、その身に傷をつけさせた紫月を視界から外し。大きな獣へと突撃する。
 まずはノーが大振りからの強打。対するウェールは先とは違い冷静に、盾でその腕を受け止める。が。
「おっさん、俺を忘れんなよ!」
 ノーの背後に姿を隠していたナダレが、短剣でウェールの腹を斬りつける。死角からの、更に防御をノーにまわしていたが故に回避もできずに切り裂かれるが、そこは歴戦の戦士たる彼だ。怯まない。
 それに、死角からの急襲はナダレだけのものではないのだ。
「あなたこそ、私を忘れないでくださいね?」
 『幻魔』を薙刀状にした紗夜が、ナダレの攻撃後の隙を狙い足を踏み出す。一瞬慌てた表情になったナダレだが暗殺者としての体術はたしかな物。足を掠るが少しの出血だけで済ませた。
「っぶねぇな…!綺麗な顔してえげつない武器使いやがる!」
「それはどうも」
「褒めてねぇよ!」
 未だにウェールの術が効いているナダレが苛立ちを顕にする。そして一気に攻め立てようとプレゼント袋に手を突っ込み、取り出したるは爆弾。既に火が点いている。
「ノー!そっから離れろー!」
「え、ちょ、待つのねん!」
 爆弾を振りかぶり投げるナダレ。が一方のノーは先のウェールとのぶつかり合いの衝撃から、身体が硬直していて動けずに。イレギュラーズ共々火に巻き込まれる。
「ギャーなのねんー!」
「けほっ…お前、仲間ごと攻撃とか…!」
 自らも火に巻かれながらも世界はナダレに抗議の声をあげる。その一方でウェールに回復を施すのを忘れずに。
「ち、ちがっ、俺はちゃんと避けろって!」
「状況把握が足りないわねぇ」
 一人範囲外にいた為にナダレの姿を正確に目に捉えていた紫月は、慌てふためくナダレに対しその手の銃を用いて弾を放つ!
 その弾を捌くのに手が塞がれたナダレに、ウェールが接近。手から色とりどりの曼珠沙華が放たれる。
「受け取れ、俺からのクリスマスプレゼントだ」
 ナダレにまとわりつく曼珠沙華。とりわけその中の一輪、白い花は彼には効果覿面で。感覚でナダレは理解した。これはヤバイ、と。
「おっさん、てめぇ…!」
「ナダレー!大丈夫なのねんー!?」
 遅れてウェールに追いつき身体ごと突撃するノー。さすがのウェールもこれにはたたらを踏むが、ノーの追撃はない。ナダレの心配で手一杯なようだ。
 だがその隙を見逃すほどイレギュラーズ達は甘くない。着物を火に焼かれながらも、紗夜は再び『幻魔』の変形機構を使い刀型に。そして走る。
「逃しませんよ」
「危ないねんナダレ!」
 刀を振り下ろし、旋棍と変えて振り回し。怒涛の連撃をナダレに向けるが間にノーが割って入る。まともに食らう形になったノーの腕には傷が付き血が流れる。
「ノー!す、すまねぇ俺のせいで…今菓子を出すから待ってろ!」
 ノーに庇われる形で冷静さを取り戻したナダレが、相棒の大好物である菓子を出すべくプレゼント袋へ手を突っ込む。が、出てくるのは……
「これでもない、これじゃない!」
「な、なだれぇ…」
 出てくるものは何に使うのかわからないガラクタばかり。そんなナダレの不手際に涙を浮かべるノー。崩すならここだとイレギュラーズ達は更に距離を詰める。
「生憎、逃すほど甘くはないのよぉ?」
 間延びした言葉とは裏腹に、鋭い、鋭すぎる紫月の斬撃がナダレを切り裂き。ウェールの曼珠沙華が幾重にもナダレの身体を取り巻く。赤いサンタ服はもはや元が何色だったのかわからないほどに変色していた。
「あわわわ…ま、まずいのねん…」
華に巻かれ、斬撃に襲われるナダレの姿に徐々に怯えを見せるノー。と、そんな彼の肩を叩くものがいた。
 世界だ。いつもお菓子を隠し持っている世界が、振り向いたノーの眼前でチョコバーをちらつかせる。
「どうだ?俺もむやみに戦うのは苦手でな。これで手を引かないか?」
「く、くれるのねん…?でも…ボク…」
 ナダレへの情と眼の前のお菓子との間で揺れるノー。ここで追い打ちをかけると紗夜はぽつりと呟く。
「そこのナダレを捕まえるのに協力してくれたら…私が袋からお菓子をいっぱい出してあげるわ」
 決め手であった。ノーの目の色が変わった。情より食い気だった、獣だもの。
「…ナダレ、ごめんなのねん」
「な、なに…?」
 もはや目しか曼珠沙華から逃れられた場所がないナダレが、その視界を塞ぐノーの、素敵な笑顔に顔を引きつらせる。見えないけど。
「ボクのお菓子の為に捕まってなのねーん!」
「ギャーーーー!?」
 この異世界の白熊は、その気になれば吐息で待機中の水分を凍らせて氷を作り暑さを凌ぐらしい。
 そしてその氷を攻撃に転用すればどうなるか。それは思いっきり氷で顔をぶん殴られ、凍傷と打撲傷ができたナダレの顔を見れば一目瞭然である。やっぱり曼珠沙華で見えないけど。
「はい、これでいいのねん?」
「…意外とやるわね、あなた」
 笑顔でナダレからプレゼント袋をひったくり、イレギュラーズ達に差し出すノーに。ちょっとした悪寒を感じた紗夜であった。焚き付けたのは彼女だけどね。

■サンタさんからのプレゼントは?
「ホーホッホッホ。世話をかけたねぇ君たち」
 約束通りプレゼント袋からお菓子を取り出しノーに分け与えた一行。しばらく休息していたところ、空飛ぶトナカイにソリを引かせた赤い服の白い髭のおじいさん。サンタクロースが現れた。
「ナダレはワシの方から騎士団へプレゼントしておくからの。うむ、助かった」
「プレゼント…ああ、まあそうなるか。」
 ロープでぐるぐる巻にされ項垂れるナダレをみやり、ウェールは納得する。そういえばこいつ、暗殺者だったな、と。ならば騎士団にとっては手柄になるプレゼントか、とも。
「で、ノーよ?」
「ふぁい?」
 喜色満面でお菓子を頬張っていたノーに、サンタクロースが険しい顔を見せる。
「お前は後でお説教じゃ。…まあ最後はこの子達に協力したようじゃから、あっさり目にしてやろうかの」
「…はーいなのねん」
 反省したのかどうかイマイチわからない、お菓子をボリボリ食べるノー。そしてその隣でこっそり同伴している世界は、大した肝っ玉だなと感心した。
「さて、君たちにはプレゼントをあげなければの。ほれ」
 ごそごそと袋から取り出されたのは4つの箱。綺麗な紙包に梱包されている。それをイレギュラーズ達一人一人に手渡し。
「どうせなら綺麗なものが欲しいのだけどねぇ」
 箱をがさっと振ってみながら紫月はぼやくが、サンタクロースは笑って流し。
「君が本当に望めばきっと出てくるわい。それじゃ、改めてメリークリスマス!また来年会おう!」
 ナダレとノーをソリに乗せ、空飛ぶトナカイと共にサンタクロースは砂漠の夜空に消えていった。
「本当に望めば、か」
 できるなら、俺の世界にもあの袋を持ったサンタがいてほしかったな、とサンタクロースが消えた夜空を見つめて小さく呟くウェールであった。

成否

成功

状態異常

なし

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