PandoraPartyProject

シナリオ詳細

四神柱を守護せよ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●迫りくる影
 ある月が輝く夜。桜葉リョウは喫茶あじさいのカウンター席にてある連絡を待っていた。
「……来たか」
 震える携帯端末に表示された名前に顔を顰める。
「もしもし……ああ、話は聞いてる。とりあえず、落ち着け。まったくお前は昔からそうだな……」
 呆れたような口ぶりからは親しさが垣間見えた。
「……ああ、分かってる。明日、合流するとしよう。ああ、それじゃ」
 通話を切り、息を吐いた桜葉は店内の奥へと姿を消す。

 そして次の日ーー
「やっほー! 相変わらず閑古鳥が鳴いてるね、ここは! カナタ君、ツカサちゃん久しぶりっ!」
「お前は静かに入ることを覚えやがれ、この脳筋! あー、なんだ久しぶりだな。二人とも、元気にしてたか?」
 勢いよくドアが開くと唐突の訪問者に、草薙カナタと南条ツカサは驚いた表情をする。一人はスレンダーな女性、もう一人は所謂猫又の男性だ。
「左京さんに須賀さん! お久しぶりです!」
 表情を明るくした南条の挨拶におひさーと、軽く返事をする左京と呼ばれた女性。須賀と呼ばれた猫又の男性はその様子にため息を吐く。
 事情が呑み込めていないあなたたちに、草薙は二人の紹介をした。
「ああ、この人たちは万屋で……そっちの賑やかな方が左京アヤメさん。んで、猫の方が須賀ジンさんだ。二人ともマスターとは知り合いで……ってそういやなんか用があったんです?」
 くるっと二人の方を向いた草薙。その場の視線が二人に集まる。
「……それに関しては俺が説明しよう」
 その時、店内奥から現れた桜葉が難しい顔をして現れた。

●四神柱を守護せよ
 カウンター席に二人が座り、桜葉が事情を説明する。
「単刀直入に言うと黒子狐の次の狙いが分かった」
「え、マジですか!つか奴らなんで人さらいみたいなことしてんのかは分かったんです?そこすらも俺は分からねえんだけど……」
 草薙はバツが悪そうに頭を掻いた。南条も困惑したように頷く。
「……『信仰者』を増やすためさ」
 須賀がホットミルクを口にしながら答えた。
「調べた感じ、黒子狐のボスの正体は別世界の神的存在なんだけど。『カミサマ』ってのは人から信仰があってこそ存在意義があるのよ。つまりそれなりの力を発揮するにはそれだけ『信仰者』が必要になる」
 指先を動かしながら左京が真面目な顔で告げる。
「ここの住民たちは四神に守られているから、別世界を経由して連れ去るって感じだったのもそれ。四神の元から離しちゃえば後は洗脳するなりなんなり、なんとでもなる……ってのがアイツらの見解」
 別世界……前回の事件であった鏡の怪異や幽霊電車か。あなたの問いに左京は頷く。
「そそ。それで今回私たちが来た理由は……四神柱の破壊を一緒に止めて欲しいの」
「……四神柱は街の四ケ所に設置されている小さな祠だ。四神……青龍、白虎、玄武、朱雀が祀られている。あれが壊されれば人間も妖怪もはあっという間にやつらの操り人形だ。……おそらく奴らも焦っているんだろう。あんたたちという『イレギュラー』に邪魔されてるからな」
 そこで桜葉はあなたたちに目をやった。そして言葉を続ける。
「……数で押そうとしてくるだろうから全力で止めるぞ」
 桜葉の言葉で不思議に思ったのか草薙が疑問を口にした。
「でも、やつらが今まで四神柱を壊さなかったのってなんでだ……?」
「人数ってのもあるだろうが、自分たちの神を守るので必死なんだろうよ。信仰の差で比べた時、低い方は消える運命にあるからな。……力技で押し切りたいってのが本心か。表立った行動をしてでも俺たちのような中立側を潰したいんだろうな」
 ふうと須賀がため息を吐く。そして、左京がにっと笑いかける。
「だから、奴らも焦ってるってこと!……ということで共同戦線、一緒に頑張ろー!」

●急展開!深夜の共同戦線!
「やあ、前回から話が進んでね。ここがターニングポイント……正念場ってとこかな?」
 カストルがにっこりと微笑む。
「もちろん、行ってくれるよね?」
 カストルは答えなど決まっているかのように笑みを崩さない。
 あなたたちは様々な思いを馳せながらライブノベルの世界へ飛び込むのだった。

NMコメント

*挨拶*
この物語は中盤……そして終盤に向かっていきます。その勢いは増していき、色んなものを巻き込んでいくことでしょう。
NMの唐草稲荷です。今回はがっつり戦闘依頼となります。

*目標*
「四神柱の守護」。NPCたちと協力して祠を守護してください。

*世界観*
現代日本ファンタジーです。妖怪と人間が対立していて、その中立側となり「協定を結ぶ協力」と「黒子狐の調査・撃破」をしてもらいます。対立させている「黒子狐」と名乗るものたちとの戦闘依頼が多めです。たまに非戦闘の依頼になります。

*敵*
黒子狐のチームリーダー×1
式神×1
黒子狐の下っ端×10
→チームリーダーと下っ端はもともと一般人なので戦闘能力は低いです。
→式神は体が大きく戦闘能力高めですが、弱点である頭にある石を破壊すれば無効化できます。

*四神柱について*
街の隅に配置されている小さな祠。黒子狐たちはそれを破壊するためにやってきます。NPCたちと協力してそれを阻止してください。

*NPCについて*
・草薙カナタ
20歳の青年。木刀を所持。『青龍』の祠を守護する。
性格はぶっきらぼうだが兄貴肌。喫茶あじさいのアルバイト。

・南条ツカサ
18歳の少女。術式にて攻撃したり援護します。『白虎』の祠を守護する。
性格は大人しいが芯が強い。しっかり者。喫茶あじさいのアルバイト。

・左京アヤメ
年齢不詳の女性。日本刀を所持。『朱雀』の祠を守護する。
性格は大雑把で明るい。テンション高い。万屋。

・須賀ジン
猫又の男性。体術メインで戦う。『玄武』の祠を守護する。
性格は冷静沈着で、クール。万屋。

*NPCの行動について*
基本的に貴方たちの指示に従います。何も指示がなければ自由に戦うことでしょう。

*特殊ルール*
『四神の加護』
四神柱を守ろうとするあなたたちに四神たちは力を貸します。
普段より力がみなぎることでしょう。

書き方としては、どこの祠を守護するかとどういう風に戦うかを描いてください。
例)【朱雀】真っ先にリーダーを倒す。
上記みたいに。書いていただければ。

今回のシナリオでは戦闘描写があります。NPC四人と二人一組となって祠の守護に当たってもらいます。お好みのキャラと組んで頂き、好きなように戦ってください。
ご参加お待ちしております。

  • 四神柱を守護せよ完了
  • NM名紅榴あきら
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月27日 22時30分
  • 参加人数4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
ノースポール(p3p004381)
差し伸べる翼
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯

リプレイ

 作戦決行の夜。喫茶あじさいでは事前の打ち合わせを行っていた。
「よし、ペアは決まったな。青龍はラダと草薙」
 その言葉に草薙は『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)の方を向き二ッと笑いかける。
「よっしゃ、やってやろうぜ!ラダさん!」
「ああ、焦った相手は恐ろしいものだからな。気を引き締めてかかろう」
 軽くその様子に頷き、桜葉は次の組を淡々と話していく。
「玄武は亘理と須賀」
「よろしく頼むぜ、亘理の旦那」
「おうよ、事情は分かった。難しい事はできねぇが、敵を殴り倒すんなら訳は無ぇ。
 存分にやろうじゃねぇか」
『義に篤く』亘理 義弘(p3p000398)のその言葉に須賀は頼もしい限りだと拳を突き合わせた。
「白虎はノースポールと南条」
「よろしくお願いしますね、南条さん。頑張りましょう!」
「はいっ、ポーさん!お役に立てるように頑張りますね!」
 南条と『差し伸べる翼』ノースポール(p3p004381)はお互いに笑い合い、頷き合う。
「朱雀はアーリアと左京」
「アヤメちゃん、よろしくねぇ」
「こちらこそー!思い切りやっちゃいましょ!」
 キャッキャッと左京がはしゃぎ、『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)はその様子を見て微笑ましそうに見ていた。
「……よし、じゃあ頼んだぞ、ここが要だ。一気に押し切ってやろう」
 桜葉の一言に一同が団結する。
「ってマスターは加わらねえの?」
「俺は俺で動かなきゃならなくてな」
 草薙の疑問に桜葉はふっと笑い、店の奥へと去って行った。

「……いやあ、あんたがペアで安心したぜ」
 ここは青龍の祠前。小さな池の前にその祠は佇んでいる。到着した草薙とラダは軽く打ち合わせを兼ねて話をしていた。
「先日の件で互いの動きは多少分かっているし、お互いやりやすいと思ってな」
「そりゃあ言えてる」
 ラダの一言にヘラッと笑った草薙。その顔はすぐに強張り、緊張感を増す。
「……分かるか」
「おう、来やがったぜ」
 お互い武器を構え、暗闇に向かって睨みつけた。飛び出してきたのは真っ黒い姿の式神、暗闇の中で頭の鉱石がぼんやりと光っている。その後ろからぞくぞくと現れるのは黒子狐たち。真っ先に狙われたのは草薙だった。
「……ッ」
 ラダがいち早く反応し、構えた銃で頭の鉱石を狙い撃つ。式神は紙切れに姿を変えた。
「まずは、数を減らす!手伝ってくれっ」
「了解!」
 彼女の言葉と共に草薙が動く。
 鋼の驟雨が黒子狐達に襲い掛かった。祠に近づけさせないコンビネーション。次々に倒れていく黒子狐達の中には影となって消えない者たちもいた。
「……四神よ、聞こえていたら倒れた者達の洗脳を解いてやってくれないか……」
 小さく呟いたラダのその言葉に呼応するように祠が光り輝く。その光は眩く、とても、清浄なもので。
 その眩さに一瞬目を閉じた二人が再び目を開けるとそこに倒れていたのは数人の学生たち。彼女が駆け寄り様子を窺うと彼らは気を失っているようだった。
「草薙……」
 ちらっと草薙に視線を移し言い辛そうにするラダに、彼は息を吐く。
「分かってるっつーの。……手当てして家に返してやるんだろ?俺も手伝う」
「ありがとう」
 青龍の祠は無事守られ、学生数人の保護に成功した。

 一方、玄武の祠に到着していた亘理と須賀は動きの確認をしていた。
「……まあ、こんなもんか」
 事前に自分たちの出来ることを把握することは大切なこと。そこで合致した二人は軽く手合わせをし、力量をはかっていた。
「攻めるトコ、守るトコを見極めて、戦いを進めよう。まあ、協力してうまく事を進めようぜ、ジン」
「応、よろしく頼む」
 その時。ぴくっと須賀の耳が動く。亘理も構えを取った。
 須賀の影の中から背後を狙って出てきた式神。が、すでに把握していた須賀の回し蹴りで吹っ飛ばされる。祠から離れた場所へと飛ばすと、二人は立ち位置を変えた。祠の側に須賀が、敵陣へは亘理が突っ込んでいく。
「ギャアアアアアッ」
 威嚇するように叫ぶ式神に亘理が強烈な一撃を食らわせた。地面にめり込むように式神が潰れ、紙切れへと姿を変える。
 そして物陰から現れた黒子狐達に対して笑み、亘理は腕を振りかざした。その攻撃は小さな暴風域を作り全てを巻き込む。
「オラァッ!」
 巻き込まれた敵に攻撃をする亘理。その背に攻撃をしようとその場のリーダーらしき敵が構える。すぐさま反応した須賀が敵を一蹴した。
 そのタイミングで立ち位置は入れ替わる。軽い身のこなしで須賀は敵陣に飛び出していった。残っていた敵を排除し、黒子狐達は姿を消す。
「……お前さんも、一本どうだい?」
「ん、俺はいい。吸わない訳じゃあないんだが人間用とは違うんでな」
「そうか。……さて、他ん所はどうなってるかねぇ?」
 煙草の煙が虚空へと消える。月夜が二人を照らしていた。

「やああっ!」
 白虎の祠では絶賛交戦中だった。ノースポールの攻撃が黒子狐たちに降り注ぐ。
「祠には手出しはさせない!私が全員蹴散らしてやる!」
 声を上げるノースポールに黒子狐たちが注目し、攻撃が集中する。が、白き羽の嵐がそれを相殺した。
「……っポーさん!」
 祠の守護をしている南条が治療符を使用し、ノースポールの傷を癒す。その直後、素早い動きで式神が南条に飛び掛かったのを彼女は見逃さなかった。
 ひらりと舞ったノースポールが、式神に短刃を突き立てる。
「隙ありっ!!」
「ギィイイイイィィッ!!」
 式神が紙切れへと姿を変える。ノースポールは次々と敵を蹴散らし、その後に残っていくのはキラキラと輝く氷のみ。
「さて……南条さん、お怪我はありませんか?」
「はい!でもポーさんが……」
 傷が残るノースポールに南条は肩を落とす。その様子に彼女は首を振る。
「私はボロボロでもいいんです。人々を守ることができたのですから。祠も無事で良かったです!」
 にこっと笑いかけるノースポールに南条も強く頷いた。

「ふふー、サポートはおねーさんに任せなさぁい!」
「頼りにしてますよう、アーリアさん!……っよし!暴れちゃうぞー!!かかってきなさーい!!」
 一方朱雀の祠。密集した黒子狐達の中に左京は飛び込んでいく。ふうとアーリアが囁きを下っ端達にお見舞いすると一気に陣形が崩れていく。酩酊したようにふらふらとし始めた所に、左京の鋭い一閃。下っ端たちは訳も分からぬまま倒されていく。
 アーリアに飛び掛かった式神に左京が素早くその動きを止めた。
「はぁい、くらくらさせちゃうわよぉ!悪酔いには注意してちょうだいね?」
「グギャァァア……ッ」
 式神が一瞬動きを止めた所をアーリアの攻撃が狙い撃つ。それは急所である頭の鉱石に見事命中した。
「さぁて……」
 残った黒子狐のリーダーらしき人物が肩を震わせる。圧倒的に力が足りていなかった。逃げようとした黒子狐のリーダーの前に立ちふさがるのは左京、そして振り返ればそこにはアーリアの姿がある。
「貴方達のリーダーのこと……何でもいいから、話して頂戴なぁ。女二人に泣かされたくなければ、ね?」
 ふふふと笑う女性二人に黒子狐のリーダーは降伏するのみだった。

 こうして防衛に成功した4つの祠は輝きを増し光の柱を作り出す。美しいそれは街を囲み、結界を張るように壁になった。
 黒子狐のリーダーを悪酔させたアーリアと左京はある情報を手にし、喫茶あじさいへと急ぐ。
「……っ急がないと!この情報が本当なら……桜葉の奴!!あんの真面目バカをほっといたらマズイ!!」
「焦りは禁物よぉ、アヤメちゃん?でも、急がなきゃって言うのには賛成だわぁ」
 走りながらアーリアと話す左京の顔は真っ青になっていた。左京には桜葉との付き合いが長い分、お互いの行動は分かっていた。この情報を先に手にした彼が何を考えるかも。
 喫茶あじさいに着くと他のメンバーは揃っていた。
「あっ、左京さ……」
 南条が声をかける前に冷静に努めて左京は訊ねる。
「……桜葉は?」
「マスター?なんかいなくってさ。奥の部屋も見たんだけどまだ帰って来てねえみたいで……」
 草薙の答えに左京は頭を抑える。そのいつもとは違う彼女の様子に須賀が訊ねた。
「なにかあったのか?」
「大ありだよ……!黒子狐たちのリーダーの名前……分かったんだ。奈沙アイ……ここの前マスターだよ」

 物語は終盤戦を向かえた。各々の想いと裏腹に進んで行く。それはもう止まられない所まで来ていた。

成否

成功

状態異常

なし

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