シナリオ詳細
<Abschied Radio>声が呼び寄せる機械生物
オープニング
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練達北西部。
そこで現在、殺人事件が頻発している。
殺人鬼の犯行などではなく、もとから仲の悪い者同士の間柄が悪化した末のものが殆どだ。
「殆ど」というのは、先日行われた『多世界評議会』(『<終末放送局>Tiny Evil』)以降、「社会に不満を持つ者の無差別殺人」も発生しつつある為だ。
一連の事件に関して、『道化師姿の鉄騎種』の目撃情報が寄せられている。
その人物が魔種であり、呼び声によって発狂させ、人々の仲を裂いている……のだと類推された。
それと同時に、会場に現れた謎の機械生物が彼の『声帯』として呼び声をばら撒き、狂気に陥らせていることも。
ローレット、こと事件を担当した情報屋である日高三弦は区画内の情報収集を続け、鉄騎種の男の動向を追っていた。
結果として、『声』を聞いた者が既に相当数いること、しかし突発的な犯行を起こしていないことが確認された。
警戒態勢を敷く練達とローレットをよそに、当該地域内で大規模な人々の混乱が始まる。
まずは、事態の沈静化を目指さねばならない。
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この事態を収集すべく、多くのイレギュラーズ達が動く。
「ちょっといいかい?」
『海賊淑女』オリヴィア・ミラン(p3n000011)も集めた情報を元に、事件解決の為にと呼びかけを行っていた。
彼女が言うには、かなり厄介な魔物が練達の街に現れ、破壊活動を行っているというものだ。
「一連の事件によって、発生した機械の魔物が暴れ回っているな」
いずれも、音響機器と生物が融合したような魔物。
それらは力を高めながらも建物を破壊し、見境なく人々に襲い掛かっているという。
また、厄介なことに、その魔物の中で最も強力な個体は魔種の『声帯』として呼び声を発し続けているというから厄介だ。
「練達の街中に現れる魔物は5体だ」
全長3m程で、人の上半身を象ったような魔人が中心となり、鳥と蛇を従えている。
いずれも音響機器の特徴を備えており、魔人は両腕の上腕と前腕にそれぞれスピーカーを備え、さながらコンポを思わせる。
鳥はそのままメガホンに翼が生えたような姿で、蛇は頭がマイクとなっている。
それぞれの種族特徴を備えながらも、音響機器の攻撃を合わせて行ってくる事を踏まえて討伐に当たりたい。
「魔人が呼び声を発する以上、周囲の人々は避難させる必要がある」
また、周囲の人々もそうだが、混沌出身の住人であれば、常に呼び声の影響を受ける可能性は頭に置いておくべきだろう。
事態を収拾出来たなら、街を歩いて状況確認をしてから帰路につくといいだろう。
「アタシはもう少し情報を集めてみるよ」
オリヴィアは事態の解決をイレギュラーズへと託し、ギルドを後にしていったのだった。
- <Abschied Radio>声が呼び寄せる機械生物完了
- GM名なちゅい
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2019年11月25日 22時20分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
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練達へとやってきたローレットのイレギュラーズ達。
「この騒ぎが首都にまで到達しちゃったら……はやく沈静化させないと!」
多世界評議会であった混乱が拡大する状況に、『クソ犬』ロク(p3p005176)が危機感を募らせる。
「妹が育った練達がこんなことに……」
頻発する事件を、『誰かの為の騎士』カイト・C・ロストレイン(p3p007200)もこの事態を憂いて。
「誰かが困っているなら、捨て置くわけにはいかないんだ!!」
『百錬成鋼之華』雪村 沙月(p3p007273)も被害の拡大を防ぐべく、この場にはせ参じていて。
「事態を収束させられるように尽力しましょう」
今回現れた魔物は、間接的に原罪の呼び声を拡散しているという。
魔物を討伐するのも大事だが、二次被害まで考慮せねばならないことを沙月は指摘する。
「私は私にできることをやるとしましょう」
彼女は仲間と共に、現場へと急ぐ。
現場が近づき、倒すべき敵の姿を『当たり前の善意を』ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)は目視で確認し、改めて憤る。
「まーた、このパターンであるか!」
機械だけ放ち、黒幕は呼び声のみという戦況。
悔しさを感じるローガンだが、住民が危険にさらされている状況を見過ごすわけにもいかない。
「今回もまずは機械の対処であるな!」
『果ての絶壁』オラボナ=ヒールド=テゴス(p3p000569)もまた、今回の1件をありきたりな物語と捉えていたようで。
「世界の維持を成す為に、混乱齎す厄介事は悉く駆除せねば為らぬ」
自分達を物語と例えるオラボナは壁役であり、皆の縁の下。寄せるべきは真実と語る。
彼女の高説は続くが、それは魔物が発する爆音ノイズでかき消されて。
「ええい、この五月蝿い魔物共め! 少しはご近所迷惑と言うものを考えよ!」
『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)が大きな上半身のみの魔物へと呼び掛ける。
胴体がコンソール、両腕の上腕、前腕がそれぞれスピーカーの役割を果たすコンポ魔人は大音量を響かせていた。
毎度お騒がせ云々が礼儀とダークネスは言うが、さすがにチリ紙交換のような考えをこの魔人が持ち合わせているとは思えない。
「これは些か耳障りであるな」
『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)があからさまに不快感を示すが、旅人の彼女でさえそうなのだ。これが混沌の住人なら、どれほど耐え難い音となっているのか……。
この音が害を成す事態は、音を愛する精霊種の『幸福を知った者』アリア・テリア(p3p007129)としては立腹案件。
「こうなったら、音には音だよっ!」
アリアの発する音は、この事態を止める力となるだろうか。
「狂気とは突き詰めた理性だろう。反転とは純粋へのノイズだろう」
旅人であるオラボナは自らの身に宿る、壁の向こうの雑音を……ギフトを聴けと魔人に言い放つ。
それに応えるかのごとく大音量が響き渡り、街の空気を伝って全てを震わせる。
「壊れた機械はスクラップにするのが習いよな?」
百合子はそう告げつつ、仲間達と共に魔人へと接敵していくのだった。
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現場についたイレギュラーズ一行は、敵の抑えと周辺住民の避難とに分かれる。
「逃げて下さい、ここは危険ですよっ!」
「これは見世物じゃないよ、みんな逃げて!」
スピーカーボムを働かせるアリアは大声で人々に避難を促し、ロクもまた吠えるようにして声を響かせる。
ローガンもカリスマを活かして呼びかけ、さらに保護結界を展開し、周囲への被害軽減に努める。
「結界で皆の家財も守る。安心して避難するのである!」
人々がスムーズに避難できるようローガンはそんな周知にも動いていたようだ。
沙月はハイセンスを活かし、逃げ遅れた人がいないかを探す。
聴覚、嗅覚、視覚。いずれかの感覚で察知したものを受け、すぐさま彼女は避難を促す。
だが、魔物の襲撃に、動揺している人々も少なくない。
「落ち着いてください! ローレットです! 誘導しますので、戦闘区域から外へ逃げて!!」
式神使役で出せるだけ式神を出し、避難誘導に当たらせていたカイト。
「人死を出さないのは絶対だ! こんな所で死なせてはならない!!」
複数で動けぬ人々の搬送も行っていたようだが、対応できぬ人はカイト自身が運び出しを行っていた。
カイトと要救助対象者の情報を共有する沙月。
「大丈夫ですか?」
動けぬ者に手を貸し、沙月はこの場から外へと連れ出すが、戦闘のことを考えてその手伝いは程々にしていたようだ。
なぜなら、この場にはさらに頭と胴体がメガホンの形をした鳥と、頭がマイクの形をした蛇が各2体、魔人の前に現れていたからだ。
コンポ魔人を止めようとするメンバー。
「貴様等の在り方に慣れ遭う所以は無い」
オラボナはブロッキングを使い、直接魔人の抑えに当たる。
「3mの真っ黒な蠢きを魅せてやろう」
巨躯の彼女は敵にその存在感を示すつもりだ。
魔人と共に存在感を示す音響生物どもへ、ダークネスが叫びかけた。
「貴様らそれでも悪役のつもりかッ! その根性、ロシア式で叩き直してやる故、覚悟せよッ!」
そうして、彼女はメガホンバードに狙いを定めつつ、全身のオーラを高めていくのである。
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周囲にこだまするほどの騒音を立ててくるコンポ魔人。
魔人は魔種の『声帯』として、この街に呼び声をもたらし続けている。
それらをサポートする鳥と蛇も合わせて襲い来る中、オラボナは魔人の前に立って。
「登場人物の個体ども。我等『物語』のノイズも聴くが好い」
まずは不惑の心を持って相手と対し、オラボナはアタッカーとなる仲間を庇いに当たる。
魔人はそのまま彼女に狙いを定め、全力で殴り掛かっていく。
さすがに一定範囲に及ぶその攻撃から全ての仲間を庇うとはいかないが、オラボナはしっかりと身構えていた。
その間に、攻めに当たる百合子は溜め込んだ美少女力を開放し、刹那百合の花を背負って。
「最初から全力ははしたないやもしれぬが、許されよ。務めである」
百合子は鳥を相手にその美少女の概念をもってして衝撃を与えていく。
その衝撃……美少女リアリティショック(BRS)は相手を狼狽させ、硬直させる。
あとは丹田に力を込めて、拳を打ち込むだけ。
「吾は前座よ、本命は後から来るぞ」
鳥達の隙を作ることに重点を置いて、百合子は立ち回る。
続き、その鳥を狙ってダークネスが叫ぶ。
「食らえ、世界征服砲ッ!」
説明しよう! 世界征服砲とは悪の総統ダークネスクイーンの必滅奥義である!
溜めたオーラを一気に開放し、暗黒の極太ビームを発射していくのだ。
相手を貫通するその一撃は、うまく鳥2体を巻き込んで撃ち抜いていった。
ある程度、避難を進んだところで、そちらに当たっていたメンバー達も戦線に加わる。
ロクはローガンと協力し、鳥に怒りを覚えさせることを徹底し、自分達へと攻撃を引きつけようとする。
頭上を飛ぶ鳥だが、攻撃を行う都合もあって、さほど高くは飛ばない様子。
「コヨーテのロクだよ。ほら、こっちこっち!」
ロクは可能な限り蛇も含めて、注意を引きつけようとするが、蛇はするりと逃れていたようである。
「ローガンである。いざ神妙に、勝負である!」
そんな彼の態度に残る鳥や蛇が釣れ、強襲に噛みつきにと攻撃を仕掛けてくる。
鳥……メガホンバードの強襲は彼らの態勢を乱し、蛇……マイクスネークの噛みつきは毒を伴い、大量の血を流れ出す。
なお、魔人はというと、ローガン曰く。
「魔人はいいや、なんか乗ってこないオーラ感じるである」
……とのことである。
続々駆けつけるメンバーは、メガホンバードが仲間を呼ぶ前に、集中して攻撃を叩き込む。
沙月は神速の動きで、美しい所作による無拍子の一撃を叩き込む。
「体力が回復できなくなれば、こちらのものです」
相手が致命状態に陥れば、蛇の支援回復は及ばなくなるはずだ。
鳥に対抗して6枚羽を広げるカイトは、衝術を使って鳥を地面へと叩き落とす。
多少飛び回っても、カイトはエスプリの効力で飛行の不利をカバーできる。まずは鳥を自由に飛ばせず、一気に倒しにかかっていた。
アリアは駆けつけてから災厄の元凶たる宝玉「Ri-a-terria」を使い、鳥を紅き光で照らす。
そのアリアの放った光で動きを奪われた敵をロクが狙い、高い意志抵抗力を破壊力に変え、敵へとぶつけていく。
少しだけハウリングするような音を鳴らしたメガホンバードは苦しみながらも、力尽きて地面に倒れていったのだった
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序盤は見事な連携で相手を攻めていたイレギュラーズはなおも攻勢を強める。
両腕で殴り掛かってくるコンポ魔人を、オラボナは壁となって受け止めた。
攻撃を捨てた彼女は、自らの能力のほとんどを体力に全振りしていた。
他メンバーの3倍はゆうにあるタフネスを持って、オラボナは全力で仲間を庇い続ける。
コンポ魔人の攻撃は威力こそあるが、至近から抑えることでオラボナは上手く押さえつけていた。
メガホンバードは残り1体。
仲間を呼ぶ危険がある為にイレギュラーズ達も全力で鳥を叩いていたが、まだ魔人や蛇が万全とあって、抑えるローガンやロクを強襲し続ける。
ローガンもまた高い意志抵抗力をぶつけて鳥を圧倒し、一気に弱らせていく。
こちらにはアリアが黒いキューブで包み込み、あらゆる苦痛を与えてその動きを止めていった。
そいつへと百合子がすかさずBRSで強く衝撃を与えて撃ち落とし、撃破したのである。
鳥が落ちたことを確認し、ダークネスは魔人へと張り付いて。
「我こそは悪の秘密結社ッ!! 『XXX』(トリプルクロス)総統ッ!! ダークネスックイーンッであるッッ!!!」
魔人が放つ騒音に負けじと、ダークネスは腹の底から大声を上げる。
そして、彼女はスピーカーとなっている腕を自在剣で切りつけ、集中して攻撃を続けていく。
そのスピーカーからは呼び声を伴う騒音が鳴り響き続けている。混沌の住民にとって、それは耐えがたい音のはずだ。
そんな魔人をダークネスと挟み込むカイトは、少しずつ体勢を崩しかけていたオラボナや蛇を相手にするメンバーの為に大声で叫ぶ。
「俺の声を聴け! 揺らぐな! 己の力を信じて突き進め!!」
カイトの叫びによって、皆幾分か調子を取り戻し、さらに魔物達を強く攻め立てていたようだ。
だが、ここにきて、蛇……マイクスネーク達が本性を見せ始める。
メガホンバードが呼び寄せるのは、間違いなくこの蛇だ。
それだけ戦況を覆す力を持つこの蛇は回復だけでなく、マイク部分が割れて牙を煌めかせる。
そして、こいつが脅威なのはその支援能力。回復だけでなく、力をかなり高めてくるのだ。
ロクに近寄っていた蛇は防御集中する彼女目がけて、噛みついてくる。
防御に集中していたはずのロクだが、クリティカルの一撃を食らってパンドラを使うほどに追い込まれてしまう。
チーム2位の体力のあるロクですら、あっさり倒される攻撃力を持つのだ。
蛇1体を引きつけていたローガンもまた、その身を噛まれて体力を失い、同じくパンドラの力に頼ってしまう。
だが、ただでは倒れぬローガンは素早く騎士盾を叩きつけ、マイクスネークの頭を叩き潰していた。
沙月も相手を致命状態にした上で動きを止めようとしていたが、蛇も思った以上に抵抗力が高くなかなか押さえつけが難しい。
その間に素早く迫ってきた蛇が沙月に噛みつき、卒倒させてしまう。
パンドラの力で起き上がる沙月はすぐさま神速の踏み込みによる一撃を打ち込み、蛇をのたうち回らせて倒してしまう。
マイクスネークは思いの外強敵であり、その相手をしていたメンバーの傷は想定以上に深かったようだ。
残るは、魔人1体のみ。
序盤から抑えに当たっていたオラボナも気力が尽きてくると、体力が減る一方となってしまう。
だが、先に仲間達が駆けつけてくれたこともあり、パンドラを使うまでには至らなかったようだ。
「おらぼなくんけーき」を相手に振舞い、気力の回復に当たるオラボナは壁役を維持。
だが、コンポ魔人が連打してくる拳はダークネスを殴り倒し、地に這わせかけて。
「まだだ、貴様を回復させるマイクスネークはもうおらぬぞ?」
パンドラに頼って起き上がったダークネスは流した鼻血を拭き取りながらも、自在剣で両腕の攻撃を続ける。
メンバーは速攻撃破のスキル編成をしている為、これ以上の疲弊は厳しい。
だが、弱ってきたイレギュラーズ達へと、魔人は容赦なく騒音を響かせてくる。
「魔種の声になんか耳を傾ける必要はないよ。己を見失わないよう、きちんと見極めるんだ」
目の前の魔人は『声帯』でしかないが、その向こうにいるはずの魔種に侵される人々の希望にならないといけない。
カイトはそう強い意志を持ち、仲間が十全に戦えるよう立ち回る。
アリアはそうした援護を受けながらも、ダークネスのサポートに当たり、敵の押さえつけに当たっていた。
鳥のときと同じく、相手の行動阻害に動いていたアリアだが。
(魔人が音を出して人々を苦しめるなら……)
もっと大きな音を立てれば、影響が小さくできないかと考える。
少しずつ追い詰められていく敵が大きな声で叫ぼうとしたその瞬間、アリアも合わせて叫ぶ。
「や、め、な、さ~~~い!!!」
アリアの叫びは敵の注意を引く。
コンポ魔人も彼女を狙おうとするが、オラボナがしっかりマークして前進を許さない。
その間に、他メンバーが一気に魔人を攻め立てる。
ロクが意志抵抗の力を伴って前足で蹴りかかると、沙月も触れるような所作で魔人の動きを止めてしまう。
追撃をかけたローガンは騎士盾で強く殴りつけ、敵の態勢を崩しにかかる。
魔人の動きは鈍り出してはいるが、スピーカーは健在。
相手の胴体を潰すか、腕を破壊せねば、この呼び声を伴う騒音は止まらない。
「何やらごにょごにょとご高説は結構! 吾を狂気に誘いたくば、直接来るがよいわ!」
百合子は魔人が意図することを読み取ろうと、肉体言語で殴り合う。
狂気を発する為にコンポ魔人とされたそいつは、魔物として創られた存在でしかない。
さすがに、百合子は目の前の魔人から製作者の意図まで読み取ることができなかったようだが、それはそれとして。
「美少女を前にして、戦い以外を行わば、即ち死である」
百合子は渾身の力で相手を殴り倒そうと、なおも拳を叩きつけていく。
次の瞬間、ダークネスが渾身の力で、血管がブチ切れるくらいに全力で叫んで。
「見るが良い! これを我が必滅奥義! 世・界・征・服・砲ーーーッッッ!!!」
再び、放たれた暗黒の極太ビーム。
渾身の一撃は、敵の胴体に風穴を穿つ。
よろけるそいつへと、オラボナが直接意志抵抗力を魔術として直接魔人の身体へと叩き込むと、カイトが宙から相手を狙って。
「すまないコンポ魔人。きっと多くの人に歌を聞かせる人であったろうに」
その魔たる姿からの解放を。
魔剣を振るうカイトは、機動の慣性を切れ味に変えてその巨体を断ち切ってしまう。
コンソールが破壊された魔人もまた僅かにハウリングのような音を立てて、その場へと崩れ落ちていったのだった。
●
音響の魔物達を討伐したイレギュラーズ一行は、休む間もなく周囲の被害の確認へと移る。
「正直苦手であるが、仕事であれば致し方なし」
闘争を求める百合子としては、こうした事後作業は不得意なようだが、仲間と足並みを揃えて丁寧に確認へと回る。
ローガンは怪我人の有無や建物、貴重品などの破壊がなかったかとチェックしていて。
「しかし、件の道化鉄騎、人を争わせることを楽しんでいるような印象であったが……」
今回のように、魔物が暴れる状況に違和感を抱くローガンである。
「人か物か、何を優先的に攻撃していたか、聞き取りができればいいのであるが」
その思惑を、彼ははかりかねていたようだ。
また、メンバーが気にかけるのは狂気に中てられた者がいないかの確認。
人の多いところを重点的に見回っていたアリアは、小競り合いなどが起きていないかとチェックする。
2組ほどそういった場に立ち会ったが、話して解決する程度の者だった。
僅かでも影響を受けている人を確認すれば、オラボナがその人達を一時的に隔離し、ロクがメカ子ロリババアに命じて監視に当たらせる。
とはいえ、イレギュラーズ達の対処も早かったこともあり、そうした人も少なかったようだ。
ある程度状況が落ち着いたと判断したメンバー達。
無事に解決したとの報告をすべく、ローレットへと戻ることにしたのだった。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
リプレイ、公開です。
MVPは避難誘導に動き、
戦闘でも仲間の回復支援や、魔人の止めを刺すなど活躍を見せたあなたへ。
今回はご参加、ありがとうございました!
GMコメント
イレギュラーズの皆様、こんにちは。なちゅいです。
練達で起きている事件の解決に力をお貸しいただきますよう願います。
●注意
この依頼に参加する純種は『原罪の呼び声』の影響を受け、反転する危険性があります。
●目的
魔物全ての討伐
●敵……魔物5体
音響機器と同化したような生物達です。
この地に現れた魔種が呼び寄せた魔物だと思われます。
◎コンポ魔人……1体
全長3mほど。人の上半身のみの見た目をした魔人。
胴体を本体とし、スピーカーとして機能する左右の腕を持ちます。
また、魔種の声帯として、呼び声をばら撒く一因ともなっています。
・シャウト……(A)神遠範・足止・混乱
・殴打……(A)物近単・ブレイク・崩れ
・めった殴り……(A)物近列・連・痺れ
・超音波……(A)神遠範・万能・不吉
・機械の身体……(P)精神異常、怒り無効
○メガホンバード……2体
2mほどの頭が拡声器を思わせる鳥です。
自重のせいか高くは飛べませんが、新たに魔物を呼び寄せる可能性のある厄介な相手です。
・強襲……(A)物近単・乱れ
・咆哮……(A)神遠範・足止・怒り
・音波の羽……(A)物遠範・ショック
・呪いのボイス……(A)神遠範・呪い・呪殺
〇マイクスネーク……2体
2m程度ある頭がマイク型の蛇です。
相手に突進してくる他、コンポ魔人のサポートにも当たります。
・噛みつき……(A)物近単・猛毒・流血
・尻尾……(A)物近列・乱れ
・集音……(A)神中範・付与・物攻+・神攻+
・入力デバイス……(A)神中単・HP回復
●状況
昼間、練達の街中に現れた魔物の群れの討伐を願います。
周囲の人々のも悪影響を及ぼす為、迅速な避難、討伐が求められます。
事後は、被害状況の確認も願います。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
それでは、よろしくお願いいたします。
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