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シナリオ詳細

アイアンファイトクラブWX
アイアンファイトクラブWX

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●テメェに教えるのはチンピラの喧嘩じゃねえ。本気のスポーツだ!
 多くのファイターを在籍させている鉄帝闘技事務所『スパルタンWX』。
 高度に鍛えられた彼らの肉体は剣で銃弾を斬り槍で魔法を薙ぎ払う。ある種の脳筋思考を高純度にまで高め、真剣に『万能の脳筋』を目指したチームなのだ。
 そんなスパルタンWX所長にして筆頭ファイターのレオは、鉄帝のスラム支援にも熱心であった。
「鉄帝という国は個人部力への信仰が根強い。
 それは王や政治家のみならず、スラム街の若者たちにすら言える」
 スプレーペンキによるアートが並ぶ煉瓦の壁。
 いわゆる『ストリート』と呼ばれるエリアを進むと、レオは舗装された広場へと出た。
 コンクリートによってあらく舗装された地面。
 周囲を囲むくたくたの金網。
 へし折れたバスケットゴールがひとつたっただけの、そこは広場としか言いようのない場所であった。
「若者たちは喧嘩に明け暮れ、覚えたての自己流ファイトでカツアゲをする日々だ。
 いや、自己流が悪いとはいわない。だが、力をつけてマネーを手に入れたいのなら……光さすステージへ上り詰めたいのなら、つけるべき力がある」
 レオは大きな絵筆と黒いペンキ缶をとると、壁に大きく『WX』の字を描いた。そこへ小さく『fight club』と書き付け、豪快に下線をひいた。
「力を学ばせるものがいないならば、作ればいい。
 俺たちスパルタンWX事務所はここに、ファイトクラブを設立する。
 イレギュラーズ、お前の力を貸してくれるか」

●ファイトクラブ
 これはスパルタンWXから出されたスターティングスタッフ募集の依頼である。
 舗装された広場をまるまる使ったこのクラブは、ほぼ無料でスラムの若者や大人たちに戦い方を教え、そして力を使うべきルールと治安を教えていく。
「事務所の連中をコーチや用務員にあてるつもりだが、まだ立ち上げたばかりで人手不足だ。人が集まるまでしばらくの間、ここで働いて欲しい」
 業務内容はイレギュラーズの得意分野や個性によるが……。
 主には『ファイトコーチ』と『用務員』の二種類だ。
 ファイトコーチは自らの戦い方をスラムの若者たちに教え、鍛えるのが仕事になる。
 用務員はそれ以外の全般。といっても一人であちこち手をかければパンクしてしまうので、複数人で手分けするのがいいだろう。
 毎日健康的な食事を出してやったり、クラブ(というか広場)を掃除したり、宣伝したり、もめ事を解決したり……とやるべきことは色々だ。
「イレギュラーズ。お前たちの心の強さは知っている。俺と一緒に、あいつらに光さすステージを見せてやろう」

GMコメント

■ファイトクラブのスタッフ
 OPにあるとおり、スタッフとなって暫くの間若者たちに戦い方を教えます。
 レオは剣を使った格闘を鍛えまくったファイターですが、柔道やボクシング、魔法や銃、爆弾やその他トリッキーな戦い方を教えてもOKです。
 ゆくゆくはラドバウのような闘技場でファイトマネーを得るファイターになるのが目的なので、戦い方は自由なのです。

・レオ
 ファイターチーム『スパルタンWX』のリーダーです。
 スラム育ちでファイターの夢を掴んだという経験から、同じスラムの若者たちへの支援に熱心です。
 チームメンバーの戦いぶりはこちらでうかがい知ることができます(レオは登場していないので読まなくても全然OK!)
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/1288

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • アイアンファイトクラブWX完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年11月15日 22時15分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)
無敵鉄砲暴象
郷田 貴道(p3p000401)
人類最古の兵器
風巻・威降(p3p004719)
悲劇を断つ冴え
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)
鞍馬 征斗(p3p006903)
天京の志士
ソリッド=M=スターク(p3p007305)
ぶたやろう
伊達 千尋(p3p007569)
Punch Rapper

リプレイ

●WXに集え
 壁にでかでかとかかれたWXの文字。
 依頼人であり当ファイトクラブのオーナー、レオは腕組みをして壁に寄りかかっている。
 彼の屈強な腕や体つきを見れば、基礎体力や筋力がどれほど高いのかすぐに分かるだろう。
 そんな彼の宣伝もあってか、クラブという名の広場には沢山の若者たちが集い、クラブの始まりを待っていた。
 といっても、ほとんどの連中は『ケンカに強くなれると聞いて』とか『暇だから』とか『メシがタダで食えるから』といったふわふわとした理由ばかりで、レオはそれを『たいそうなことだ』と広く受け入れていた。
 というのも、力を欲する究極的な理由はこういった単純な欲であるからだ。
「あー、モテたくてギターやるみたいなモンね。わかるわかる。鉄帝って聞いてたよりいい場所(トコ)じゃないの」
 スラムにどこか懐かしい空気を感じて、『Punch Rapper』伊達 千尋(p3p007569)はポケットに手を入れたままクラブを見回した。
 壁により掛かるもの。新たに落書きをするもの。座り込んでだらけるもの。すでに喧嘩を始めているもの。
 リングどころか建物すらないクラブだが、ここは自由と若さにあふれている。
「レオリーダー! よろしくおねがいします!」
 きをつけの姿勢をとって見上げる『無敵鉄砲暴象』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)。
「色々なひとの受け皿と場所をつくられて本当にすごいです。
 クラブがより良い場所になるように、ボクにも全力でお手伝いをさせてください!」
「おう、頼むぜボーイ!」
 ガッと突然拳を叩き込んでくるレオ。リュカシスはそれを反射で受けて小さく笑った。

 当クラブにキッチンなんていう上品な設備はない。
 長机と古代遺跡からパクってきたという樽型ジェネレーターがあるのみである。
 そこへカセットコンロや圧力釜やおひつを並べ、食事の準備をすすめる『天京の志士』鞍馬 征斗(p3p006903)。
「ファイトクラブか……似たようなものは、前の世界で見たことがあるけど。道場に近いのかな……。
 立ち上げの手伝いとはいえ、中々面白そうな話だし……出来る事は、させて貰おうかな」
 フィールドの掃き掃除をしていた『星依御子』リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)がくるりと振り返る。
(魔法とかもあるみたいだけど、人に教えるよりもサポートの方が得意だし、私の役割は用務員さんってところかな。
 体調管理に食事に、身の回りの世話……ふふ、忙しくて困っちゃうかな?)

 世の中にはベストマッチというものがあって、『人類最古の兵器』郷田 貴道(p3p000401)とファイトクラブという組み合わせは梅にウグイス味噌に田楽。これ以上無いほどぴったりの人選であった。
「HAHAHA、ミーについて来れば間違いないぜ!」
 貴道数秒ほど小刻みなシャドウを見せたあと、なんとなくその場にあった岩石をパンチ一発で粉砕してみせた。
「いいかファッキンヤンキーども、これがボクシングだ」
「これがボクシング……」
「俺が知ってるのと違う……」
「今は拳を保護するグローブやバンテージ、ガントレットといった装備が必要だろうが、いずれは要らなくなる。武器は落とせばお終いだが、コイツは違う!
 ユーたちに真のボクシングってものを教えてやるぜ」
 一方、『ぶたやろう』ソリッド=M=スターク(p3p007305)は誰にいわれたでもないのに一人でひたっすらにスクワットをし続けていた。
「太ももが歓声を上げてるぜぇ……!」
 目ぇかっぴらいて筋トレに快楽を見出してる人がいたら誰だって引く。
 が、ここまでどうかしてる奴ならそれだけ学ぶものもあるだろう。
 クラブに集まった一握りの若者たちはソリッドの周りに集まっていた。
「約束通り立派なファイターにしてやるぜ、ついてきな!
 けど俺の修行は厳しいぜ……フフフ」
 どう厳しいのか。なんで笑ってるのか。ちょっとだけ想像して、若者たちは更に引いた。(そしてちょっとだけ期待した)

 流派、というものがある。
 戦いにおいて最強が無敵がないように、流派においても最強はない。
 ゆえにそれぞれの流派をもつ者たちはそれらを鍛え、整え、研ぎ澄まし、より高みへと登っていく。
「強くなりたいと思うその心は良し。
 だが、敵をやっつけたいというその惨めな気持ちはとっとと拭い去れ。
 それが錬鉄徹甲拳の入り口であります」
 『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)は鋼の拳をがつんと打ち合わせてみせた。
 あらゆるものを取り込み自らの道を突き進んでいくエッダのスタイルは、なにも武具を取り込んで純腕力に変える力だけをさすものではない。
 技術や精神、兵法までもを取り込み、彼女は自らの道としていった。それらを伝授できれば、一体どれほどのファイターが生まれるのか……。
 一方で『悲劇を断つ冴え』風巻・威降(p3p004719)は彼の雰囲気にひかれて集まってきた若者たちに対して、かんたんな風巻流の講義を行っていた。
「風巻流は誰でも強くなれるけど、その成長はゆっくりなんだ。
 でも今回各コーチが選んだ代表で模擬戦するので、その時間が無い。
 つまり地獄の修練になるけど皆頑張ってついてきてほしい」
 小太刀をトン、と地面に突き立てる威降。
 これより、多種多様十人十色の訓練が、始まるのだ。

●筋肉は裏切らない
「ラド・バウのチャンピオンになりたいひと!
 挙手! ハイ! ボクもです!」
 全員一斉に手を挙げるなか、リュカシスは恐ろしくでかいダンベルを片手で振り上げていた。
「一番大切なのは気持ちですよね。
 次に大切なのは、沢山筋肉をつけること!
 気持ちと力と、合わされば無敵ですから、たくさん筋トレしましょう。
 そうすればどんどん力が強くなりますからネ!」
 リュカシスはナチュラルににっこりとしながら、両手でやっと持ち上げるようなダンベルを高速で上下させてみせた。『リピートアフターミー?』みたいに手をかざしてくるリュカシス。
「ところでみなさん喧嘩はしますか?
 ボクはたくさんする!
 本番で全力を出せるように、場外で怪我は避けるべき、なんだけど。
 悔しい時は話が別だからね。向かうなら、仲間と!
 仲間と一緒にバチボコにしましょう」
 リュカシスはグッと拳を握ると、なんか背景に『リュカシス派四天王』とかいう顔ぶれが並び始めた。知らないかもしれないけど彼らリュカシスの同級生ね。

「とりあえず走れぇぇえええ、ファッキンシットどもぉぉおおおおッ!!!」
 ボボボボボというありえない空圧音によるシャドーをしながら走る貴道。
 ヤンキーたちは彼に追い立てられる形で必死に町中を爆走していた。
 誰だって後ろから人間掘削機みてーなやつが追いかけてきたら逃げる。HAHAHAとか笑いながら走ってきたら必死で逃げる。
「殴り倒されても足を止めるな! このあとは地獄の無限シャドーとスパーリングだ。ボクシングを骨の髄まで物理的に叩き込んでやる! 徹底的にイジメ抜くからなあああああ!」
「「ヒイイイイイイイ!!」」
 悲鳴をあげながら追い抜いていく群衆(?)を横目に、威降はひたすらマイペースに走り続けていた。
「走り込みは大事だよ。走れなくなるまで走って、回復してまた走る。
 そのあとは歩法だ。下半身が整えば人間はだいたい整うものだよ」

 予告どおりに走り込みを終えた威降は、へとへとの若者たちを一通り休憩させてから次のレクチャーへうつった。
「水の流れをイメージするんだ。滑るように移動するんだよ」
 このあたりは古来から共通で、ジークンドーの始祖でおなじみの格闘家も初めて大学生にカンフーを教えるにあたって『流水のように』と説明したことで知られている。
 といっても威降は長年の蓄積でそれらを獲得した努力結晶である。
 短期間で一定の成果を出すには、やはり実践して身体に叩き込んでいくのが早いだろう。
「――崩れるな。崩れれば相手に隙を晒す。晒すと、こうなる」
 威降は若者たちを次々とひっくり返しながら、自らの技術を教え込んでいった。
 ひっくり返すといえば。
「習うより慣れろであります。自分が教えるのは立、突、防」
 それこそ中国拳法を教えるように、エッダはどっしりとした立ち方から順番に教えていった。
 そもそも動き回ることの少ないエッダのスタイルは大地を味方につけるような立ち方や防ぎ方を身につけることから始まるのだ。
「膝をやや曲げ、手は丹田の前に、頭の先から丹田と会陰を通り力が逃げていく感覚を掴むのであります。
 そして突くときは全身を連動し、拳に身体がついてくるイメージを掴むのです。そして突かれたなら――」
 立てた人差し指を急速に相手の額におしつけるエッダ。
 それだけで大抵の人間は転倒してしまうが、力を受け入れて流す感覚を覚えれば立っていることができる。
「基本を覚えるのです。基本は全てに通じるのであります」

 この世界というフィールドでめりめり鍛えられてきたイレギュラーズの鍛え方はスパルタ式でおなじみのレオから見てもなかなかのものであった。
 リウィルディアはそんなトレーニングでへとへとになった若者たちにボトルを配って回っていた。
「はい、これ。水分補給はしっかりね?
 そっちは挫いた? ちょっと見せて。……うん、これでよし。ほら、動かせるでしょ」
 スキットルめいたボトルとタオルをかごに入れて配り、時折救急箱から出した薬や包帯で傷の手当をしていく。
「今日のご飯、鶏の唐揚げとレバーの煮物と、ゴボウサラダに……お味噌汁がいいかなぁ?」
「いいと思うよ。器具の片付けと掃除をしておくね」
 料理は主にリウィルディア。一般的な家事は征斗。という振り分けがいつの間にかなされ、作業を分担しつつ積み重なる雑務をもりもり片付けていった。
「ちょっと時間が空いたな……。そうだ、ちょっと宣伝をしてくるね」
 征斗は『つけるべき力がある』とがっつり書かれたポスターをいくつも抱えるとスラム街へと出ていった。
 大道芸で注目を集めたりしてチラシやポスターを配って回ろうという考えらしい。
「強くなる……か。どの世界でも、似たようなものだよね。手段と目的はハッキリしてるなら言う事もないよ」

 手段と目的がハッキリしている男こと、ソリッド。
「戦いにおいて重要なのは2つだけだ。
 1つは、相手を倒す事。
 もう1つは、相手が倒れるまで倒れない事。
 ……な、簡単だろ?」
 ハンサムに語ったあと、着ていたジャージの上着を一瞬で脱ぎ捨てた。半裸である。
「以上を踏まえた上で、全員俺を殴れ!」
 殴らなければこっちからいくぜ! と謎の圧(名乗り口上めいたなにか)をかけて手招きすると、ソリッドはヤンキーたちにひたっすらボコボコにされた。
 されたが、むっくりと立ち上がる。
「おいおいこんなもんか? 俺を倒せ。俺を満足させろォ!」
 格闘技を収めているものとそうでないものの違いは、人を殴ることを学習しているかどうかにあるといわれる。
 ただ殴るだけなら誰でもできるが、どこをどう殴ると相手に効くかを確かめるには試行を繰り返すしかない。相手が生の反応を返さなければ意味がない。そういった意味で、ソリッドの訓練はやけに効果を発揮した。
 これはいわゆる喧嘩慣れからくるストリートファイトだが、なにげにラド・バウでもちゃんと通用する技術である。伊達に弓とレーザーガンが肩を並べる世界ではない。ストリートファイトとガチ格闘もまた、肩を並べて然るべきなのだ。
 その一方で、千尋はストリート仕込みのファイトをレクチャーしていた。
「イケイケの反骨精神……いいぜぇそういうの。元いた世界を思い出す。
 テメーらは今から『悠久-UQ-』の仲間だ! そして――」
 コーチがどうしたナメんなオラつって殴りかかってきたやつを踵角度の高いカウンター飛び蹴りでのした後、襟首を掴んで立ち上げる千尋。
「『悠久-UQ-』は……仲間を見捨てねえ!」
 千尋が教え込んだのはいわゆる『泥臭い戦い方』である。
 バーリトゥードには転倒させてマウントをとって顔面を潰して終わるようなところがあるが、『転倒してからの逆転』が本来は可能なのだ。
 様々な格闘技で禁止されていたが、ここは混沌自由の世界。
「ケンカはぶっ倒してぶっ倒されてからが本番みてーなもんよ。限られた状態でうまくフィニッシュ決めるか立て直すかだぜ」

●代表戦
「へえ、さすがはローレット。数日で仕上げてきやがった」
 レオは杭とロープだけで作ったリングの前に立ち、数人のファイターをみやった。
 それぞれの後ろに立つのはコーチたち。
 リウィルディアと征斗は救急箱とお弁当をそれぞれ積んで、これから起こる『代表戦』を見守っていた。
「ルールは簡単。僕らがくじ引きで決めたカードで対戦を行う。審判は……そうだね、征斗に頼めるかな?」
「いいよ。多少怪我しても続行、ってことでいいんだよね」

 第一試合。
 リュカシスコーチ選抜、ヘイデン。
 千尋選抜、ハヤブサ。
 ヘイデンは柄の長いウォーハンマーを装備。
 ハヤブサは黒ジャケットに素手というありさまだが、ブーツの靴底には鉄板が仕込まれていた。
 ハジメの合図とともに突撃したヘイデンは大地を粉砕するほどのハンマースイングを打ち込み、ハヤブサは転がることで脇を抜けていく。そして打ち込んだ杭を駆け上がり、反転キックを繰り出した。
 身体を鍛えに鍛えて何度でも立ち上がるファイターを生み出したリュカシス。技術を叩き込み続けて何度でも立ち上がるファイターを作り出した千尋。方向性は違えどどちらも生き残るためのファイターである。
 それはつまり、意地と意地のぶつかり合いだった。

 第二試合。
 ソリッドコーチ選抜、エイジー。
「俺に最高の一撃を打ち込んだガールだ。昇天モノだぜ。なにせ俺のパンドラが砕け散った」
 貴道コーチ選抜、アルメド。
「ミーのパンチにいち早く追いついた男だ。将来が楽しみだぜ!」
 二人は試合開始と同時に一気に間合いを詰めあい、そして互いの顔面めがけて拳を叩き込んだ。
 ボクサーにとってパンチは弾丸。場合によっては一撃で相手を気絶させる武器である。貴道のもはや兵器としか言いようのないパンチに憧れ、いち早く追いついたのがアルメドだ。
 その一方Sにとってパンチは愛である。ソリッドをひたすら罵りながら嫌悪むき出しで殴っていたエイジーはその実、ソリッドを完璧に喜ばせるパンチを会得していた。
 どちらもコーチに追いつくべく最高の一撃を磨き上げ、それぞれの顔面にクリティカルヒットさせた。

 第三試合。
 威降コーチ選抜、小太郎。
「風巻流小太刀初伝『断頭』……必殺の一撃だ。すべてを覚えるには時間がたりなかったけど、このひとつを徹底的に教え込んだ」
 エッダコーチ選抜、クーゲル。
「錬鉄徹甲拳は不退不動の鉄壁拳術。クーゲルはそれを最も体現できました。たとえ強者と相対しても、きっと立ち向かうことでしょう」
 それぞれの流派に従い、目指す理想を教え込んだ二人のファイター。もはや弟子ともいうべきその仕上がりが、見るものを圧倒する。
 まるで巨大な壁のように構えるクーゲルと、それを真っ二つに切り裂かんと小太刀を構える小太郎。
 無論、エッダや威降は努力と研鑽によるいただきだが、それを目指そうとする精神は同じ。
 鋭く放つ小太刀と、それを完璧に受けようとする拳。
 二つの信念が、正面からぶつかり合う。

 ――と、彼らの勝敗について、あえて語るのはよそう。
 彼らがコーチの背中を見て強くなろうと決意し、そして今リングにすべてをぶつけている。
 これが最高の成果であり、最高の勝利なのだから。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――MISSION COMPLETE!

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