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シナリオ詳細

勇者進水グッドクルーザー! 始まりと出会いと、覚醒
勇者進水グッドクルーザー! 始まりと出会いと、覚醒

完了

参加者 : 8 人

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オープニング

●ワタツミ遺跡にて
 したたる水滴。反響する暗闇。ライトを照らす道は煉瓦によって舗装さてはいたが、しかし永きにわたる自然の浸食が見て取れた。
 ここは幻想と海洋の間に位置する無人島ワタツミ。
 その地下にて発見された古代遺跡を、あなたは探索していた。
 ローレットを通し幻想貴族より遺跡調査を依頼されたためである。
 警戒しながら道を進んでいくことしばし。
 顔のような紋章が描かれた石の扉を発見し、あなたはその解錠を試みた。
 だが、その扉に鍵などない。
 あなたが触れたその瞬間に、不思議なことに紋章が光り出し、扉がゴトゴトと両開きに開放されたのである。
 そして開いた部屋の先に待っていたのは。

 ――大きな古代船と、青い棺であった。
 ――棺に刻まれた、名は。

●ペンドラゴン一族の伝説
 経緯を詳しく説明するべく、依頼を説明された日まで遡ろう。
「こちらが今回の依頼人、ブレイブ・ペンドラゴンさんです」
「いかにも幻想南方貴族エトワール十二家門がひとつブレイブ・ペンドラゴンである」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が紹介したのは、首から上が青いワニの頭となった法衣の男であった。
 背につけた義翼は黄金に輝き、『運命は勇者に微笑む』という意味の古代文字が彫刻されていた。
「我が一族に伝わりし秘宝のありかが判明したが、土地は海洋と幻想の間……おいそれと大兵を放っては悪い刺激になりかねぬ。ただでさえ我がペンドラゴン一族は勇気と正義を家訓とするもの。いたずらな混乱をただ探索のみで起こすわけにはいかぬのだ」
 そう説明するブレイブ・ペンドラゴン氏の横で、ユリーカはひとつの地図を広げて見せた。
 それは話にあった土地。もとい無人島の位置を示すものである。
「この島の海中に、古代遺跡の入り口があることを発見したのです。
 ですがこの周辺をナワバリとしている海賊が邪魔になって、どうしても少数での調査ができなかったそうなのです」
「海賊については、諸君たちのほうが詳しいだろう」
「ですです」
 これを見てください、と手配所を広げるユリーカ。
 賞金こそかけられていないものの、軍や村からの略奪をはじめとする様々な犯罪を起こしていたらしく、海賊たちの悪逆が見て取れる。
「彼らはデストロ海賊団といって、ディープシーとオールドワンで構成されたチームなのです。情報によると彼らも古代遺跡の中身を狙っているようなので、注意が必要なのです」
「我が一族の伝承によれば、遺跡に眠っているのは『古代の勇者』……悪と戦う力をもちながら一度は敗北し、混沌に希望が満ちるその時まで永き眠りについたとされている。
 我々はその『希望』こそ、君たちのことだと考えた。世界中に君たちの力が満ちようとしているこの時こそ、勇者復活の時だ。
 この力はきっと君たちの力にもなるだろう。どうかこの仕事、君たちの手でこそ受けて欲しい」
「ブレイブさん。ところで、この勇者に名前はあるのですか?」
 ユリーカに問われて、ブレイブ氏は勇猛に笑った。
「今こそ述べよう。伝説に語られた勇者。その名は――」

●勇者進水!
 棺に刻まれた名と、ブレイブ氏が述べた名は全く同じであった。
「――『グットクルーザー』」
「へえ、そいつがお宝ってワケかい」
 背後に聞こえた声と周囲を照らす明かりに、あなたたちは振り返った。
 厳密に警戒していたにもかかわらず察知できないほど巧妙な潜伏能力があったのだろうか。それとも遺跡に秘められた仕掛けを利用したのだろうか。
 どうあれ、彼ら――。
「デストロ海賊団だ。そいつは渡してもらうぜ」
 ギラリと笑うサメ顔の男が、魔法の銛を突きつけた。
 戦うしかない。と、構えたその時。
 棺がこうこうと青い光を放った。
 蓋が開き、内側から白いスモークが吹き上がる。
「勇気システム起動……正義プロトコル実行開始……作戦名……希望!」
 内側から聞こえる電子音めいた声。
 起き上がるシルエット、たちあがる巨躯。
 3mはあろうかというその人型シルエットは、あなたの横に立ち、グッと親指を立てて見せた。
 青いボディ。まるで全身が機械でできたオールドワンのようで、異世界におけるロボットにも見えた。
 だがその外見特徴をもつ純種をあなたはもう知っている。
 『秘宝種(レガシーゼロ)』――彼こそが、古代よりの眠りから目覚めた勇者なのだ!
「当機の識別名称はグッドクルーザー。戦闘の必要を確認。希望の戦士よ、どうぞご命令を」

GMコメント

 古代遺跡の探索中、偶然にも戦闘に巻き込まれた皆さんは目覚めた秘宝種グットクルーザーと共にデストロ海賊団と戦うことになりました。
 ここから先の解説はメタを含みますので、相談にもどうぞメタ込みでがしがしお楽しみください!

■【出会い】のパート
 目覚めたグットクルーザーはあなたのことを知りません。
 しかしどういうわけかあなたを味方だと確信しているようです。
 あなたは彼に対して手短かに自己紹介をする必要があるでしょう。
 デストロ海賊団は突然のことに驚き、こちらの様子をまだうかがっている最中です。
 出会いははじめが肝心。ここでしっかり友達になっておきたいですね!

■【遺跡戦闘】のパート
 デストロ海賊団との戦いです。
 彼らは6人組のグループで遺跡内に侵入しており、完全武装状態で今にも襲いかかってくる所です。
 グットクルーザーと協力し、彼らを撃退しましょう。
 グットクルーザーはハイ・ウォールのスキルを持っており、敵を二人同時にブロック・マークすることが可能です。
 また肩に装備した大砲から『物超貫【万能】』のビーム砲を放つスキルをもっています。
 前衛に立たせてコンビネーションアタックを仕掛けたり、彼のブロックを活かしつつ彼を庇うことで鉄壁コンビと化したりと色んなことができるでしょう。
 今のところ武装は大砲だけなので、他は拳や蹴りによる格闘になるはずです。

 敵のデストロ海賊団は副長のサメ海種シャクラザキを筆頭に6人構成のチームです。
 総合戦力ではこちらよりだいぶ下。余裕をもって戦うことができるでしょう。
 前衛アタッカーのシャクラザキを中心に中衛砲撃担当とカメ海種の防御と回避高めのヒーラーで構成されています。
 お勧め戦術は集中攻撃によって前衛アタッカー→中衛砲手の順で回復されるより早く倒し、最後に残ったヒーラーを囲んで叩く作戦です(連続被弾ペナルティによって回避を殺せるのがポイントです)。

■【船戦】パート
 デストロ海賊団を撃退することは決して難しくない筈ですが、海賊団の一人が遺跡にあった『宝玉』を持ち去ってしまったようです。突然のことで最初は気づきませんでしたが、グットクルーザーが遺跡戦闘後に気づいてくれるでしょう。
 デストロ海賊団は船で逃げ出しますが、古代船を緊急浮上させ追いかけることができます。

 ここではグットクルーザーの操縦する古代船(小型船と同じもの)に乗って、海賊団と戦うことができます。
 敵の船に飛び込んで格闘をしかけたり、走り回る船から狙撃したりと好きなスタイルを選んでください。
 自分の船を持っているなら、グットクルーザーの船と連携してサンドラムアタックや囲い込みといった戦法をとることもできるでしょう。
 海の戦いを楽しもう!

 デストロ海賊団の船は一隻。乗員は8名。団長のデストロ(オールドワン)とその部下たちです。ライフルやサーベルといった装備で格闘タイプと射撃タイプにわかれているようです。

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • 勇者進水グッドクルーザー! 始まりと出会いと、覚醒完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年11月06日 22時30分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
魔動機仕掛けの好奇心
主人=公(p3p000578)
ハム子
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
清水 洸汰(p3p000845)
雲水不住
ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)
当たり前の善意を
伊達 千尋(p3p007569)
Punch Rapper
ゼファー(p3p007625)
ンクルス・クー(p3p007660)
敬虔なる徒

リプレイ

●勇者覚醒
「当機の識別名称はグッドクルーザー。戦闘の必要を確認。希望の戦士よ、どうぞご命令を」
 スモークが足下に広がっていく中で、3mという巨躯の秘宝種グッドクルーザーは親指を立て、ゼファー(p3p007625)の横へと立った。
 ちらりと振り返るグッドクルーザーに、小さく手を振ってみせるゼファー。
「ハロー、ハロー。私はゼファー。ただのしがない旅人かしら! 今は――」
「私はンクルス・クー」
 ゼファーの脇の間から頭を出す『…神様は居るよ?』ンクルス・クー(p3p007660)。
 シスターベールをたれさせながら、身体ごとひねるようにグッドクルーザーの顔を見上げた。
「貴方にも創造神様の加護がありますように。あなたも私と同じ秘宝種なのかな」
「秘宝種(レガシーゼロ)……確かに、当機はそのようにカテゴライズされていた筈です。スリープ状態に入ってよりどれだけの時間が過ぎたのか……。
 希望の戦士ゼファー、希望の戦士ンクルス。今は一体どのような……」
「あっオイラはチャロロ! チャロロな!」
「オレはコータ! シミズコータ!」
 額に指を当てて時間感覚を取り戻そうとするグッドクルーザーの両サイドから、全く同じテンションで『魔動機仕掛けの好奇心』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)と『雲水不住』清水 洸汰(p3p000845)が顔を出した。
「いつも元気なコータクンって覚えてくれりゃあ良いぜ!」
「いちおう、正義の味方ってやつだよ!」
「正義……貴官から希望の光を感知したように思いましたが、やはり……」
「正義とは、おもばゆいであるな……」
 『当たり前の善意を』ローガン・ジョージ・アリス(p3p005181)は頬をかいて照れ笑いをした。
「吾輩は鉄腕のローガン! よろしくお願いするのである、鉄の身体の勇者殿!」
「了解。鉄腕のローガン!」
「そして俺は悠久の切り込み隊長チヒロ」
 『Punch Rapper』伊達 千尋(p3p007569)が立てた親指で自分の顔をさした。
「グッドクルーザーって言うんだろアンタ。何かグッとくる名前だな!」
「グッと……くる……?」
「グッディって呼んでいいか? 俺の事は千尋でいいぜ」
「グッディ……?」
 首を傾げるグッドクルーザーの背を、千尋は自販機の側面でも叩くかのようにばしばしとやった。
「俺はもう正義や希望っつートシでもガラでもねーけど、カッコいい事なら出来るつもりだぜ。差し当たっては、海賊退治とかな!」
「そう。今はあそこにいるデストロ海賊団を倒さなくちゃあいけないんだ」
 『ハム男』主人=公(p3p000578)はポケットからポータブルゲームマシンを取り出し、親指で起動スイッチを入れた。
 涼やかな音と共に液晶画面が点灯する。
「ボク達はローレットイレギュラーズ、キミを探してここまで来たんだ。
 良ければボク達と協力して奴らと戦ってくれないか。
 キミの力がボク達には必要なんだ勇者グッドクルーザー!」
 グッドクルーザーがまわりのチャロロやゼファーたちを見ると、彼女たちもこっくりと同意のうなずきを返した。
 その様子を確認して、グッドクルーザーの目に細かい古代文字列のような光が走った。
 『風読禽』カイト・シャルラハ(p3p000684)がニヤリと笑う。
「で、俺は船乗りのカイトだ! それじゃあ早速」
「おいおい待ちやがれ! 俺様を無視して話を進めてるんじゃあねえ!」
 銛を突きつけ、もう半歩踏み込んでくるデストロ海賊団のサメ海種。
「そこのロボも古代船もオレらのもんだ。さっさと渡しやがれ!」
「いいや違うぜ。この遺跡はそもそも俺たち……いや、ペンドラゴン一族のもんだ。不当に忍び込んだ海賊をまずは排除しねーとな、グッドクルーザー!」
「任務了解!」
 肘や腰から水蒸気を吹き出すと、グッドクルーザーは背中に負っていた煙突状の筒を肩にセット。大砲として構えた。
「グッドクルーザー、戦闘を開始する!」

●新しい伝説は君と共に
「先手必勝!」
 公はポータブルゲームマシンの画面を高速でスワイプ&タップすると、自らの前方に半透明な大砲を、自らの周囲にパワーアップアーマーを出現させた。
 それぞれを瞬間装着。デストロ海賊団めがけて大砲から青白いビーム砲を発射した。
 発射と共に砕け散る大砲とアーマー。
 ビームの直撃を受けたタコ海種が吹き飛び、その後ろにいたエイ海種は慌てて飛び退いた。
「なんて威力だ、まともに相手してたらひとたまりもねえ!」
 サメ海種たちが武器を構え、それぞれ突撃を開始。
「ひるむな、囲め!」
「おっと、そういうワケにはいかねーな」
 遺跡室内を赤い熱風が駆け抜けた。
 否。
 翼を広げたカイトが暴風を纏って駆け抜け、サメ海種を蹴り飛ばしたのだ。
 飛ばされたサメ海種を高い位置から見下ろし、片頬を上げて笑ってみせるカイト。
「はっ、遅い遅い! そんなんじゃ奪われる側だぜ? 海賊が奪われてどうする」
「侮辱しやがったな!」
 放たれる銛。
 しかしカイトは熱気の残像を残して攻撃を回避。さらなる反転キックを叩き込んだ。
「なんだこいつ、室内だってのに風が味方に付いてるってのか」
「『風読禽』を知らないとはモグリだな?」
「おい、によそ見してんだ!」
 公ひとりに集中しようとする海賊二人組。
 しかし。
「ホームはとらせねーかんなー! 二人ともタッチアウトだ!」
 凄まじく俊敏な反復横跳びで二人分の道を塞ぐ洸汰。
 海賊たちがマスケット銃による射撃とサーベルによる斬撃を繰り出してくるが、飛んできた弾丸をバットで打ち上げ天井にめりこませ、続いて飛びかかる海賊のサーベルをミットでキャッチしたまま固定した。
「こいつ、堅え!」
「へへ、頑丈さには自信があるからなー! ローガン、グッドクルーザー! やっちまえ!」
「「了解!」である!」
 両サイドからヌッと迫り、回り込むように走り込むローガンとグッドクルーザー。
 それぞれの巨体を活かし、海賊たちをパンチとキックで吹き飛ばす。
「初共闘であるな勇者殿! 覚悟せよ海賊! ぬう!?」
 そんなローガンめがけて銃を乱射してくる海賊。
 直撃をうけそうになって鋼の腕をクロスした防御姿勢をとった……が、予想したダメージはやってこなかった。
 かわりにグッドクルーザーが前に立ちはだかり、頑丈なボディによって銃撃を弾いていく。
「お怪我はありませんか、勇者ローガン!」
「ヒュー! さっすが頑丈じゃねーのグッディ。ヘイヘイどうした海賊ゥ! リトルリーグのガキの方がまだマシな球投げるぜ?」
 グッドクルーザーの後ろに隠れ右へ左へ顔を出しながら挑発をかける千尋。
 銃撃ではらちがあかないと突撃を仕掛けてきた海賊を迎撃すべく、広げたグッドクルーザーの腕を鉄棒のようにして逆上がりキックを繰り出――そうとして手を滑らせた。
「ほぐあ!?」
 背中からいった。
 石の床にいった。
「ぐおおおおお!? こ、腰、やっ……くっそ痛え!?」
 びたんびたんとのたうちまわる千尋。
「動きがまるで大振り隙だらけじゃねえか!」
 掲げた銛が突き刺さ――る寸前。
 振り上げた千尋の両足が銛の先端を挟むようにキャッチ。ぐるりと身体ごとひねり奇跡的なまでの運動伝達によって海賊を無理矢理転倒させた。
「なんだこいつ、さっきまでとは」
「別人ってか? 覚えときな海賊」
 反撃しようと降った銛を、バックスライディングによってグッドクルーザーの股下を通り抜けることで回避する千尋。
「俺の異名は『HIGH&LOW』。ファンブラーとナメてかかったら大怪我するぜ」
「白旗上げるんなら今の内かしら? 海賊サン?」
 手を翳し、指を波打たせるように振ってみせるゼファー。
「てめぇこそナメるなよ!」
 銛を握り直し、鋭い突きを繰り出してくる海賊。
 対するゼファーは突きを紙一重で回避すると、槍の石突きで相手の軸足を打ち弾いた。
 積み木でも崩すようにバランスを失った海賊は突きの勢いそのままに転倒。
 ゼファーはくるりと槍をまわし、海賊の背へと突き立てた。
「この女!」
 マスケット銃を構える海賊。
「グッドクルーザーくん、チェインよろしく」
 ゼファーは槍を回転させて飛来する弾丸を弾くと、踊るように身体をひねって槍を投擲。
 対処の一瞬で距離をつめて蹴りを繰り出し、よろめいた所で相手の腕を掴んでひねり上げる。
 体勢を固定され隙を晒したその瞬間を――。
「標準セット――グッドブラスト、ファイア!」
 体勢を硬くしたグッドクルーザーが、肩に装備した大砲から赤いビームを発射。海賊たちを打ち抜いていく。
「勇者チャロロ!」
「まかせて! 機煌蒸着!」
 チャロロのコアから熱が伝わり全身を炎が覆っていく。
 次の瞬間には真っ赤な魔動アーマーが彼の全身を覆っていた。
「機煌宝剣・二式!」
 炎の中から呼び出した燃えさかる片手剣を握り込み、残る海賊たちへと突撃。
 カイトが翻弄していた海賊とその周囲で協力しようとしていた海賊へ斬撃を繰り出すと、あえて自分を標的にさせた。
 打撃や斬撃がアーマーに浴びせられるが、チャロロの炎が反射し逆に彼らの肉体を焼いていく。
「こいつ、メチャクチャ厄介なボディしてやがる」
「どうする、こいつを無視するしか……」
「みーんなー!」
 チャロロが戦っているその後ろから、ンクルスがスローモーションで手を振りながら走ってきた。
「悪い事はしちゃ駄目なんだよー! 今すぐ神様に懺悔しよう!」
「なんなんだこいつ!?」
「懺悔しないなら」
 スローモーション中断。
 海賊の腰にがしっと抱きついたかと思ったら、次の瞬間豪快な懺悔バックドロップが炸裂した。
「させるまでだよ!?」
「ぐおお!?」
「この位置……素晴らしい!」
 グッドクルーザーは砲撃に最適なラインを策定。脚部のローラーを走らせ滑り込むと、グッドブラストを放射した。
 吹き飛んでいく海賊たち。
 だが、しかし。
「ひい! こいつら強え! お頭に報告しねえと!」
 青白く光る球体を持った小柄な海賊が、とんでもないスピードで遺跡から逃げ出した。
「あれは――!」
 走り去る瞬間をしっかりと見ていたチャロロ。
 光る球体……いや、宝玉は、扉や棺にあった顔のような紋章と同じものが刻まれていた。
 そして、ついさっきまで宝玉がはまっていたであろう古代船から、それがぽっかり喪われていることにも気づいた。
「宝玉を盗まれた!」
「許さん、それは勇者殿の遺跡にあったもの! 昔から寝てて今起きた勇者殿には貴重な思い出の品! かもしれない!!」
 拳をがしがしと鳴らすローガン。ゼファーが咳払いをして槍を握りなおした。
「んんっ、小物かと思ったら案外ちゃっかりしてる奴がいたみたいね。
 それなら、こっちは海の果てまで追いかけてやろうじゃない。ねぇ?」
「当然です、勇者ゼファー!」
 グッドクルーザーはジェット噴射によるジャンプで古代船へととびのると、操縦桿のあるべき場所に手を突っ込んだ。
「永き眠りより覚醒せよ! 海の勇者――シークルーザー!」
 部屋が、青白い光に包まれていく。

●大海原に希望を照らせ
「ほう? こいつは……」
 目を細めるアイパッチの海賊。片手がフック状になった彼こそ、悪逆海賊デストロ・クレーン。
 そこへ、海を割り一台の古代船が急浮上をしかけてきた。
 エアシールドによって守られた洸汰たちが立ち上がる。
「待て! デストロ海賊団! その宝玉は返してもらうかんなー!」
 洸汰はどこからともなく野球のボールを取り出すと、猛烈なノックによって海賊船にボールを打ち込んでいく。
「ぬぎゃあ!?」
 カエル海種が直撃をうけ、くらくらと頭に星を回し始める。
「今だ――来い、紅鷹丸!!」
 予めアンカーを切っていたカイトの船『紅鷹丸』が、風にのって猛烈に直進してくる。
 それを読んでいたかのように飛び乗るカイト。
「鷹の旗――奴め『風読禽』か! 全速で逃げろ!」
 デストロが指示を飛ばすが、船は上手に風をとらえることができず、逆に猛スピードで突進する紅鷹丸に吸い寄せられる始末であった。
「この風……!」
「いくぜ皆、そのへんの物に”つかまるな”よ!」
 鷹のくちばしめいた船首が海賊船に突き刺さる
 激しい衝撃に押されるようにゼファーとローガンが激しく跳躍。
「粉砕!」
 拳を打ち付けるような着地で海賊を殴り倒すローガン。
 一方でゼファーマスケット銃を乱射する海賊たちの中へあえて飛び込むと、彼らの間を転がるように抜け、ダンと踵をつけて立ち上がる。
「~~っ! ねぇ見た!? 今のジャンプ、かなり決まったわ!」
 そう言いながら槍の首をひっかけるようにして海賊を転倒させ、ぐるりとスピンしてみせる。
「デストロ! 宝玉を返せ!」
 同じく飛び込んだチャロロが機煌宝剣を構えて突撃。
 デストロは繰り出された剣をサーベルで受け止めると、チャロロの額に頭突きを食らわせた。
 その程度でチャロロは退かない。ごうごうと炎が燃え上がる。
 が、今の狙いはデストロ本人ではなかった。
「そこだ!」
 チャロロは素早く剣をふると、デストロの腰に下がっていた袋を切った。
 青白く光る袋。宝玉の入った袋である。
「しまった!」
 慌てて手を伸ばそうとするデストロ。
 しかし魔砲を放ちながら突撃した公によって、デストロは激しく突き飛ばされてしまった。
 宝玉を拾い上げ、振り返る公。
 他の海賊たちが宝玉を取り返そうと迫ってくる。
「コータ! これを!」
「まかせろー!」
 肩の力をフル活用して宝玉をパスする公。
 洸汰がそれをミットによってジャンピングキャッチすると、船のぽっかりと空いた宝玉スロットへとそれをはめ込んだ。
 その途端。
 宝玉とグッドクルーザーのコアストーンに同じ紋章が浮かび、光の線でつながった。
「これは……!」
「まさに神の導きだね」
 ンクルスは拳に接続した空圧ポンプをグローブ状に変化させ、海賊船に空圧弾を打ち込みながら振り返った。
「私に『拡張性』があるように……グッドクルーザーさん、あなたにも引き合う力があるんじゃないかな」
「お? お? ってことは? つまりー!?」
 千尋が両手の人差し指を立て、グッドクルーザーと船の操作盤コアを交互に指さした。
「今なら分かります……皆さん、捕まっていてください!」
 光を放つ古代船シークルーザー。
 青白い光が蒸気をまいて、船とグッドクルーザーたちを包み込んでいく。
「――希望合身(パンドラ・フュージョン)!」
 グッドクルーザーのオーブを前面に出し、グッドクルーザーそのものを大砲に変形させ、船にがっしりと接続させた。
「ロマンだぜグッディ!」
 千尋はレバーを握り込むと、大砲を海賊船へと向けた。
「食らえ! 赤青黄色の三色の光線を! これが俺達の『Traffic Light』だァァーーーーッ!!」
 三色の光線が螺旋状に混ざり、海賊船もろともデストロを打ち抜いていく。

●未来を切り開け
 沈み行く船と暁。
 浮かぶ古代船シークルーザーと小型船『紅鷹丸』。
 イレギュラーズたちは、再び棺のある遺跡の部屋を訪れていた。
「しっかし、元の世界だったら絶対来なかったなこういう所……伝説の勇者とかゲームとかマンガの世界だしよ」
 千尋は両手をジーパンのポケットに入れたまま、永き刻を超えてきたであろう遺跡の様子を観察していた。
 一応、依頼目的は遺跡探索である。やるべきことはやっておかねばならぬ。
「吾輩、勇者といえど秘宝とか言うから、てっきりすんごい武器の比喩と思ってたら……ガチ勇者出てきてほんとは驚いていたである」
 ローガンもあちこち調べてみたが、船が発進する通路があること以外、とくに変わった様子はないようだ。
 こっくりと頷くンクルス。
「私が希望の戦士かは分からないけど世界を守るシスターさんとして一緒に頑張っていくつもりだよ。
 それに、一緒に世界を守る仲間が増えるなら嬉しいよ」
「みなさん……」
 部屋の壁を撫でてみる公。
「そういえば、ここにグッドクルーザーは眠っていたんだね」
「どれだけ長く眠ってたんだ? 昔の出来事、教えてくれよ。秘宝種ロボの友達、はじめてだしさ」
 振り返る洸汰に、グッドクルーザーはしかし小さく首を振って見せた。
「すみません。目覚める前の記憶は残っていないのです。
 私が分かるのは、皆さんが味方であるという確信と、『魔を討つべし』という使命のみ……これから、私はどうしたらいいのか……」
 顔を見合わせるカイトとゼファー。
「なあ、俺と一緒に冒険にでも出るか?」
「冒険……いいのでしょうか。当機の使命は魔を討つことだというのに」
「その中でやるべきことがきっと見つかるわ。
 然るべき時には、お姉さん手伝うのも吝かじゃありません!」
 ぐっと胸を張ってみせるゼファー。
 チャロロがぱしんとグッドクルーザーの背中を叩いた。
「折角だし、ローレットにきなよ。色んな仲間がいて飽きないよ」
「仲間……」
 グッドクルーザーは俯き、そして――突如、希望の光に包まれた。

 後日談をしよう。
 グッドクルーザーとはその後、空中庭園で再会した。
「当機はどうやら『イレギュラーズ』に選ばれたようです。
 自由にしてよいとは言われましたが……私も、皆さんと共に『冒険』がしてみたい。そう考えています。
 そして倒すべき魔が現われたその時には、共に戦いましょう。希望の勇者よ!」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――古代の遺跡から目覚めた勇者ロボット、グッドクルーザーが仲間になりました!

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