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シナリオ詳細

坑道の悪魔討伐でござる!
坑道の悪魔討伐でござる!

完了

参加者 : 8 人

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オープニング


 鉄帝某所。
 人里離れた高い山の上。断崖絶壁に館が構えられていた。
 そこに住む鉄騎種の老人『GG助五六』からの依頼。
 先日、ローレットのイレギュラーズ達は、彼らと力試しをして認められ、本格的な依頼を預かるに至る。
 力試し後に彼の執事やメイド達からもてなしを受けた際、GG助五六がローレットへと依頼していたのは2件の武具回収。
 今回は、そのうちの片方へと向かうことになる。
「ちと、厄介な相手でござってな」
 その時、齢を重ねてなお筋肉粒々の彼が語ったのは、こんな話。

 場所は、鉄帝内のとある廃坑。
 比較的最近まで鉱石を掘り出していた山間の洞穴。年季の入った炭鉱らしく、まだ、鉱石を発掘することは可能とされてはいるが、とある事件があって以降使われていない。
「なんでも、そこに悪魔が現れたという話でござる」
 悪魔といっても人型をとった魔物であって、魔種になったわけではないらしい。
 ただ、その魔物はあるタイミングで突然坑道内に現れ、炭鉱夫達を次々に傷つけていったとのこと。
 鉄帝の手練れの者達数人が討伐に当たったのだが、残念ながらその際は数人が死傷してしまい、やむなく撤退。
 坑道入り口に結界を張って何者も立ち入りを厳禁とし、魔物が外に出られないようにした。
 その後、幾度か関係者が結界を解いて様子を探りに向かったそうだが……。
「悪魔は自我を失い、発掘現場の1つから動かなくなったそうでござるよ」
 その後ろには、最初に討伐に来て悪魔に倒された鉄騎種の男が所持していた刀が地面深くに突き刺さっているという。
 武具蒐集の趣味を持つGG助五六が求めているのは、この刀だ。
「鉄騎で鍛え上げられた名刀『夜月(やつき)』。噂に聞く業物があの坑道に放置されておるのは惜しいでござる」
 暗さを感じる刃に煌めく光。それが夜空に浮かぶ月を思わせることから名づけられた刀なのだとか。
 すでに持ち主が亡くなっており、親族も遺品として引き取っているものの、刀の所有権は放棄している。
 なにせ、刀を回収しようと思えば、悪魔を討伐せねばならない。諦めざるを得ないというものだ。
 幸い、入り口の結界はGG助五六の口利きで解除は可能とのこと。
 彼が認めた者であれば、悪魔も討伐できるだろうという話だった。


 その後、しばらくしてローレットにその魔物討伐と刀の回収依頼が貼りだされた。
 ローレットの誰が今回の依頼を受けてくれるかは分からぬこともあり、依頼主であるGG助五六に仕える老執事が改めて依頼に訪れたのだそうだ。
「今回の依頼は、廃坑となった場所にいる魔物討伐ですね」 
 海種の情報屋の少女、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)は集まったイレギュラーズ達へと話す。

 場所は、鉄帝の山間にある使われなくなった鉱山。
 比較的長く鉱石を掘り出していた場所とあって、悪魔が出現した後は炭鉱夫達もこぞって別の場所へと移動したとのこと。
 依頼主が求めているのは、魔物の背後の地面に突き刺さった刀である。
「ただ、結界を解く必要もあることから、管理者から魔物の討伐も推奨されています」
 坑道は多少入り組んではいるが、魔物のいる場所は地図で記されており、迷うことはなくたどり着けるはずだ。
 問題の場所は、炭鉱夫が襲われた元・作業現場らしい。
 比較的空間の広い場所であり、頭上は7,8mほど。悪魔は翼を持つため、頭上から強襲することもできるようだ。
 また、元作業現場の幅は数人が横に並ぶことができる広さがあり、ある程度は自由に立ち回ることができる。
「あと、魔物はどうやら知らぬうちに使い魔を呼び出しているようです」
 使い魔は2体。自我を失った主を護り、援護するよう動く。
 主には劣るが、その力は使い魔とて侮れぬ為、油断せぬよう立ち回りたい。

 事後は、ローレットに刀を持ち帰っても大丈夫とのこと。報告を受け、老執事かメイドが回収に来てくれるそうだ。
「それにしても、その刀、一体どれだけの名刀なのでしょうね」
 アクアベルの説明もあって、刀に関心を抱いたイレギュラーズ達。
 一体どんな業物なのかと語りつつ、メンバー達は一路鉄帝へと向かい、坑道の魔物討伐へと臨むのである。

GMコメント

イレギュラーズの皆様こんにちは。なちゅいです。
関係者依頼ですが、どなたでもご参加いただけます。
筋肉爺様の依頼で、鉄帝内某所の坑道に潜む悪魔の討伐を願います。

●敵……魔物3体
○野良デーモン……1体
 何らかの形でこの地に現れた黒い肌、角を生やして翼を生やした半裸の悪魔です。
 自我を失っていますが、坑道の元発掘現場からは動くことがないようです。
 武器を持たず、近づく者には本能のままにその肉体や悪魔の力を使って襲ってきます。

・荒ぶる本能……(A)物近列・乱れ・物攻+
・特攻爆砕……(A)物遠貫・万能・反動
・汚れた力……(A)神中範・暗闇・窒息・呪い
・忍び寄る不運……(A)神遠単・不運
・悪魔の身体……(P)毒、火炎、凍結、痺れ無効

○使い魔……2体
 野良デーモンの従える下級悪魔達。
 自らの意思を持たず、主の野良デーモンが使役するままに三又の槍を手に襲ってきます。

・連続突き……(A)物近単・連
・飛翔強襲……(A)物中範・移
・毒ブレス……(A)神中扇・毒
・呪いあれかし……(A)神遠単・呪い

●関係者
 今回はOPでの顔見せのみ。リプレイには登場しません。

○GG助五六
 今回の依頼者。エーラ・アルブム・ビィストール(p3p002585)さんが鉄帝で仕えていた館の主です。
 鍛え上げられた体の上から無骨な鎧を纏っており、
 老いてなお血気盛んな爺様です。

○従者×6人
 老執事、お抱え鍛冶職人、メイド長とメイド3人。
 館で主につき従う者達です。それぞれ、戦闘スキルを有する者が多く変人揃いとのことです。

●状況
 鉄帝内の廃坑に住み着いた魔物討伐です。
廃坑はかなり掘り広げられており、通路は数人が横に並ぶことができる広さがあります。
 廃坑奥に自我を失った野良デーモンが住み着いており、近づいてくる者を敵視し、使い魔と共に襲ってきます。

 GG助五六さんの依頼の品は、野良デーモン背後の地面深くへと突き刺さった一振りの業物の刀。
 それを持ち帰ることができれば任務完了です。
 鞘も近くに転がったままのようですので、合わせて回収を願います。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

それでは、よろしくお願いいたします。

  • 坑道の悪魔討伐でござる!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年10月30日 22時55分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

主人=公(p3p000578)
ハム子
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
心だって強さに
藤野 蛍(p3p003861)
学級委員の方
桜咲 珠緒(p3p004426)
司令官
美咲・マクスウェル(p3p005192)
見敵必殺
華懿戸 竜祢(p3p006197)
応竜
アリーシャ=エルミナール(p3p006281)
流転騎士
ゼファー(p3p007625)

リプレイ


 鉄帝某所。
 ローレット所属、イレギュラーズ達はとある坑道へと向かっていた。
 絶壁のおじーちゃんからの依頼だと、狐の獣種『ボク達が、ローレットだ!』ヒィロ=エヒト(p3p002503)はにこやかに叫んで。
「絶対お宝回収して、ボク達イレギュラーズの力を見せてあげたいな!」
「ダンジョン攻略にボス敵とお宝が付いてくるみたいよね」
 今回の依頼について、黒目、黒髪の眼鏡っ子。『学級委員の方』藤野 蛍(p3p003861)は事前入手した地図を手に坑道の構造を把握し、敵の位置を特定する。
 どうやら、死者が出るほどの強敵。油断は禁物なのだが、蛍は今回の依頼を少し楽しみにしていたようである。
「此処までさせて回収したいってぐらいなんだから、相当な名刀なんでしょうね?」
 腰まで伸ばした銀髪の少女、ゼファー(p3p007625)はそんな小さな懸念も抱く。
「結局、噂ほどじゃありませんでした……なんてオチだったら、赦さないんだから」
 一方で、虹色の魔眼を持つ『見敵必殺』美咲・マクスウェル(p3p005192)は別の心配もしていて。
「業物……魔物を引き付ける妖刀とかじゃないよね?」
 とはいえ、依頼者のGG助五六は武具のコレクター。
 彼が妖刀名刀業物の区別がつかないわけがないだろうと美咲は考え、自らの考えを否定していた。
「あと、あっさり回収出来ても御家族さんはノークレームでお願いしますってことで!」
 こちらは、元の持ち主の遺族は所有権を放棄しているとのことなので、大丈夫だろう。

 程なく、イレギュラーズ達は目的の坑道へと至る。
 まずは、すでに入り口付近に待ってもらっていた人に結界を解いてもらう。
 その際、入口の結界付近に何かが暴れた跡に美咲は着目する。
「悪魔は結界から出ようとしたのかしら」
 もしかしたら、これが自我を失ったという原因だろうか。
 それなら、内部でイレギュラーズ達に悪影響が出ることはないだろうが……。
 ただ、現状は奥の元発掘現場に留まっているらしく、メンバーはそこを目指すことになる。
「灯りが必要だね」
 ヒィロは松明を手に持ち、また蛍もランタンを手にして前方を照らす。
 また、蛍は蝙蝠のファミリアーも前方に飛ばし、現場の偵察にも当たっていた。
 そして、その蛍と密にやり取りし、司令塔として今回皆を支えるのが、毛先に向けて白くなる桜色の髪が印象的な『要救護者』桜咲 珠緒(p3p004426)だ。
 彼女も予め地図によって坑道の確認と合わせ、仲間達から一人一人事前準備に関して、瞬間記憶する。
 照明は十分。足元が多少不安定なのは、簡易的な飛行術式「空踏呪」で僅かに浮遊して対処していたようだ。
「洞窟に潜り、魔物を討伐して名のある剣を手に入れる……」
 もちろん、油断できるものではない。
「少しわくわくするのですよ」
 ただ、彼女もまた、書物の冒険譚を読んでいるような胸騒ぎを感じていたようだ。
「この悪魔は何で、坑道に現われたんだろうね?」
 それにしてもと、異世界の学生服を纏う『ハム子』主人=公(p3p000578)が疑問を呈する。
 ギフト「デュアルアバター」で男女の姿を使い分けられる公は今回、女性の姿での参戦だ。
「坑道にデーモンとは、珍しいところにいるものです。なにかに引き寄せられたのか、あるいは召喚されたか」
 ロングの黒髪ストレートを揺らして歩く『流転騎士』アリーシャ=エルミナール(p3p006281)。
 いつ遭遇するかもわからないと判断したアリーシャはすでに、自らのギフトによって出現した鎧を装着し、音を鳴らして歩く。
 なお、普段同行する馬は坑道での戦いとあって、アリーシャも連れてこなかったようだ。
「過去に封印でもされていたのかな……」
 公は推測を巡らせるが、残念ながら、その辺りの情報は得られなかった。
「いずれにせよ、使い魔も呼び出せるのであれば放っておく選択はありませんね」
 アリーシャの言葉に頷くメンバー達。現状は、使い魔が増える前に倒すのが最善策のようだ。
 そんな仲間達の会話に、独特の色の髪をポニーとした軍服姿の『応竜』華懿戸 竜祢(p3p006197)が含み笑いして。
「名刀に野良デーモン、くくっ、つくづく混沌は愉快だと感じるよ」
 いずれにも興味を持つ竜祢は狂気じみた笑いを浮かべているが、それでも任務遂行を第一には置いているようで。
「ああ、勿論お前達の輝きに期待している。精々無理だと諦めてくれるなよ?」
 存在な態度をしながらも、彼女は仲間達へと依頼への尽力を確認するのである。


 元、発掘現場。
 そこは比較的開けた空間になっていたが、発掘に使われた器具などが放置されていた。
 逃げ出した鉱山夫達は咄嗟のことだったと思わせる状況。
 そこから、唸り声が通路にまで聞こえてきており、イレギュラーズ達も討伐対象がそこにいることを確信する。
 ヒィロが持っていた松明を投げつけると、それらが炎に照らし出された。
 サイバーゴーグルを装着していた美咲も照明は十分と判断し、肉眼でそれを確認する。
「ぐ……ううぅぅ……!」
 そこにいたのは、黒い肌、角を生やして翼を生やした半裸の悪魔……野良デーモン。
 狂気を感じさせる声ではあるが、魔種を思わせる原罪の呼び声とは違っていた。
 その両サイドに三又の槍を持った使い魔2体。
 だが、主の指示が出ていない為か、ただ暗闇の中で直立したままだ。
 そして、悪魔達の背後、発掘を行っていた途中の壁の手前。そこには一本の刀が地面に突き刺さっている。
 依頼人の求める刀はこれだろう。
「目標はデーモンの撃破、名刀の回収だ」
 改めて、竜祢がそう告げると、やってきたイレギュラーズ達に気づき、悪魔は目を赤く輝かせて睨みつけてきた。
 相手はそこそこの腕利きを仕留めた野良デーモンを、ゼファーが見つめて。
「ま……、気を抜かずにやるとしましょうか?」
 傍の使い魔2体が動き出したことを受け、メンバー達はすぐさま応戦を開始していく。

「はああああっ!!」
 同時に向かってくる使い魔達の片方へ、ヒィロが真っ先に裂帛の気合と共に狐火を直線上に放っていく。
 体を貫通するその狐火の妖気にあてられ、使い魔は戦意の塊となって向かってくる。
 うまくいったと感じたヒィロは、そいつの槍をしっかりとホールドしながら仲間達へと呼び掛けた。
「皆、コイツはボクに任せて安心して戦ってね!」
「では、作戦通りにお願いします」
 すると、珠緒が続けて仲間達へと告げる。
 彼女は全員が高威力の攻撃を放つことができるようにと、各メンバーへと事細かに位置を伝達する。
 ヒィロと珠緒を除く6人を2班に分割し、もう1体の使い魔と野良デーモンの抑え、討伐に当たらせる形だ。
 前方から襲い来る野良デーモンは自我を失っており、その動きを予測するのは難しいが、珠緒はうまくメンバー達が動けるようにと指示を出す。
「先に仕掛けるよ?」
 公は纏めて敵を狙える好機と見て、自らの力を瞬間的に高め、その力を魔力に変換して一気に放出していく。
 向かってくる使い魔と野良デーモンを貫く一撃。
 それに怯んだ悪魔達……奥の野良デーモンへと蛍と竜祢が迫ろうとするが、手前の使い魔が進行上立ち塞がる形だ。
「ちょっと! 邪魔よ!」
 まずはデーモンに接敵すべく、蛍は一喝して邪魔な使い魔を吹っ飛ばしてしまう。
 元居た世界で委員長の任を預かることの多かった蛍だが、この場は珠緒に指揮を託して仲間と連携を取ろうとする。
 使い魔が進行上からいなくなったこともあり、デーモンへと迫った竜祢。
「ぐ、おおおおおおおおおっ!!」
 吠える敵が荒ぶるままに拳や蹴りを叩きつけてきたのを受け止めた竜祢はその威力に耐え、仲間達の視線を受けて声を張り上げる。
「心配するな、そう簡単に倒れるほどヤワではないさ。くくっ、お前達は自身の本分を全うしていけ!」
 デーモンの攻撃を防いだ彼女は相手へと鋭く踏み込み、手にする巨大剣を叩き込んでデーモンの態勢を乱そうとしていく。
 竜祢が抑えている間に、公と竜祢が足並みを揃えるように近づく。
 公と竜祢はそのまま攻撃を続け、蛍が彼女達をカバーする形で布陣し、しばらくデーモンと交戦することになる。

 吹っ飛ばされた使い魔の方にも3人が向かう。
 態勢を崩したようにも見える使い魔だが、上手く着地して近づくメンバーへと応戦の構えを見せる。
「サクっと倒してすぐに行くから、少しだけ頑張ってて頂戴!」
 抑えに当たるメンバー達へと呼び掛けたゼファーは、先に攻撃することでスペースが確保できると判断する。
 直後に、ゼファーは古びた槍「Remembrance」を思いっきり振り、渾身の力で叩きつけていく。
 使い魔の攻撃に備えるアリーシャは、自らの鎧の上から信念の鎧で包み込んで防御を一層固め、相手の攻撃に備える。
 続けざまにアリーシャは「名工の剣」で使い魔の腕を狙うが、相手もそうやすやすと傷つけさせぬと槍で受け止めてみせた。
 そして、素早く槍を突き出し、手数でこちらを攻め立てようとしてくる。
 アリーシャはそれをマントと剣で払い、ダメージを軽減して。
「さすが、使い魔といえど、デーモンの眷属と言ったところですか。手技が多い」
 敵の攻撃を注視する美咲も、聞こえてくる珠緒の呼びかけを踏まえて位置取りながらも、射線が通ら得ないと判断すれば、瞬間的に「神足通・偽三ノ序」を使う。
 それによって少しだけ浮遊した美咲は、敵の貫通攻撃で纏めて狙われないよう気を付けながら、「腐食結界『ラヴィアンローズ』」より茨を投擲していく。
 遠距離をこのまま保って攻撃したいと美咲は考えるが、スペースが限られた坑道内。敵も攻撃の為に迫り、飛翔して強襲し、槍を突き出してくる。
「……場所が場所だしね」
 美咲も多少は許容しながらも、立ち回っていたようだ。

 そんな仲間達へと事細かに状況と指示の伝達を行う珠緒。
「このままいきましょう」
 布陣はうまく機能していると珠緒は判断しているが、デーモンを抑える形となる蛍と、使い魔を1人で抑えるヒィロの負担は大きい。
 その為、珠緒は調和の力による癒しを振りまき、戦線を維持する。
 あとはどれだけ持つか。
 彼女は仲間を信じ、戦況を見守るのである。


 坑道の悪魔と交戦を続けるイレギュラーズ。
 互いに疲弊していく中、大きな動きがあったのは、3人で相手していた使い魔だ。
 立ち位置を気にして、横につっかえないようにと立ち回るゼファー。
 幸い、美咲とアリーシャは距離をとって戦うこともあり、ゼファーは比較的前線という立ち位置を有効に利用でき、槍を振るえていたようだ。
 ゼファーが直接対して槍を叩きつける後ろから、美咲が魔眼の力を込めて殺意を込めた視線で敵を射抜く。
 使い魔は苦しみながらも呼び寄せる呪いで応戦してくるが、手前のアリーシャがそれに頑張って抵抗しながらも、騎士の雷なる一突きで使い魔を仕留めてみせた。
「手強い相手ですが……流石にこんな所では死ねませんね」
 目の前の敵が消えてなくなったのを確認し、一息つくアリーシャへと少し近づいた珠緒が号令をかける。
「お疲れ様です。他の方々の援護を願います」
 すると、彼女達は1人でもう1体の使い魔を抑えていたヒィロの元へと向かう。
「ほらほら、ボクはまだまだ戦えるよ! もっともっと楽しく殴り合おうよ!」
 仲間に攻撃が及ばぬよう壁を背に敵を抑えていたヒィロ。
 さすがに苦しい状況が続くが、体力が尽きかける前に仲間が駆けつけてくれて。
「ありがとー!」
 感謝を見せるヒィロは駆けつけてくれた仲間の中に大好きな美咲の姿を見つけ、さらに気合を入れて狐火を放ち、眼前の敵の引きつけに当たっていたようだ。

 続いて、野良デーモンと交戦していたメンバーにも動きが。
「ぐ、おおおおおっ!!」
 吠える敵は汚れた悪魔の力を解き放ち、相手する3人に振りまく。
 負の力を使う敵は近づく者から振りまくようだが、自我を失った状態では思考が読みづらく、珠緒も感じるままを仲間達へと伝えるのみだ。
 メインとなってそれを抑えるのは蛍で、公や竜祢への攻撃のほとんどを防いで見せていた。
「何に縛られてここにいるのか知らないけど、貴方の本来在るべき場所へ還ってもらうわよ!」
 自らのその正義的な響きで敵の精神を貫く蛍。
 ただ、彼女の負担はあまりにも大きい。
「おおおおおおお!!」
 一際大声で吠えたデーモンが自らの力を爆発させて特攻し、有り余る力を蛍へとぶつけてきた。
 さすがに、これにはパンドラに頼らざるを得なかった蛍。2撃目は苦しいところで公が徐々に高めていた力を解き放つ。
「ボクの力……見せるよ……!」
 魔神の指輪に高まる魔力を、公はそのまま目の前の悪魔へとぶつけていく。
「ぐおおおおおっ!!」
 これに苦しむ敵へ、竜祢が尋ねる。
「どうした悪魔め、死が怖いか? ならば、もっと足掻いてみせろ、剥き出しの本能で生きたいと叫んでみせろ!」
 もはや、目の前で荒ぶる悪魔はただ本能のまま生きているだけにすぎないと竜祢は判断し、猟犬の如く食らいつく。
 生に縋り、死に抗おうとするデーモン。それはあまりにも滑稽に見えて。
「くくっ、これは生命の神秘とも呼ぶべきか、あぁ実に素晴らしいじゃないか! お前達もそうは思わないか!?」
 嬉々とし、竜祢は『破壊』と『殲滅』の力を宿した「蒼翠剣・八十禍津」で眼前の敵を薙ぎ倒す。
 さすがのデーモンも体を大きく裂かれ、どす黒い血を噴き出して坑道の地面に崩れ落ちていったのだった

「あと一息です。回復が必要な方は要請を願います」
 珠緒は敵が残り1体となったことで、布陣の入れ替わりなどを提案し、天使の歌声を響かせて仲間達の癒しに当たる。
 残るは使い魔。先程倒した敵だ。
 ゼファーは仲間と攻撃を合わせて、手にする槍で正面から使い魔の身体へと突き入れる。
 畳みかけるようにアリーシャが相手の間合いへと踏み込み、刃を一閃させて切りかかる。
 使い魔はすでに、主を失っている状況だ。
 交戦こそ続けているが、止まるに止まれず自らの力を解き放つのみ。そこに使い魔の意識などは全く存在していない。
 そんな敵を抑えていたヒィロは仲間が来てくれたこともあり、一気に攻勢に出て狐火を撒き散らし、使い魔を苛む。
 動きが鈍ったところで、改めて狐火をヒィロが直線上に放ち、使い魔を恍惚とさせて。
「美咲さん、今だよ!」
 親愛なるヒィロからの呼びかけに合わせ、彼女はすでに溜めていた魔眼の力を解き放ち、、目の前の使い魔を射抜く。
 殺意を込めた美咲の視線は、まさに見敵必殺。
 その衝撃に耐えきれなかった使い魔は意識を失い、煙の様に消えてなくなってしまったのだった。


 野良デーモン達の討伐を終え、ヒィロは改めて地面に突き刺さった刀に注目して。
「あのおじーちゃんが欲しがってた刀って、コレかぁ」
 早速、彼女は地面から刀身をゆっくりと引き抜く。
 近寄ってくるメンバー達がその業物『夜月』の刀身を見つめる。
「刀身が欠けたりしてないかは一応見ておきましょうね」
 ゼファーがその黒い刀身をじっと見つめる。
「一度その刀、持たせていただいてもよいですか?」
 珠緒が受け取り、手元でその輝きを確認する。
 名刀というから大丈夫だとは思っていたが、その直刃は照明の光に煌めく。
「ふむ、私にも少しいいだろうか」
 竜祢も興味があるとのことで、触らせてもらう。
 確かに職人の鍛え上げた刀。その切れ味を試す機会がないのが残念だ。
「愛でる人がいてこそ、ますます輝くんだろーね!」
 その夜の月の輝きを受け、ヒィロはにこやかに笑って告げた。
 美咲は近場に落ちていた鞘を回収し、用意していた袋へと納める。
「もしかしたら、汚れやゆがみがあるかもしれないからね」
 そのまま納めたら傷つくので、整えてからと美咲は告げる。
 GG助五六の元にいた刀鍛冶職人がきっと、綺麗に刀身を整えてくれることだろう。
「後はおじーちゃんに引き渡しておしまい!」
 お気に召してくれるといいけれどと、口にするゼファー。
 原型はしっかりと残っており、輝きも失われていない。きっと、GG助五六もお気に召してくれることだろう。
「しかし、名刀かー。それを作った刀鍛冶はまだ存命なのかな」
 公は刀もそうだが、刀を鍛えた職人に興味を示す。
 現状、その情報がない事もあり、公は解析して新たな名刀を作ることができればと告げる。
「取引出来る様になって、ショップに名刀が並んだら楽しそうじゃない?」
 公の考え通りに事が運べば、冒険者や刀剣好きに需要はありそうだ。
 それともう一つ。
「これでこの鉱山も再開できるのかしら」
 坑道から脅威が消えたこともあり、再び鉱石を発掘できるかなと蛍は考える。
「依頼も果たせて人々のお役にも立てて、ボク達も冒険気分が味わえて……、いいこと尽くめだったわね!」
 入り口へと引き返す仲間達へ、彼女は仲間達へと眼鏡越しに年相応の笑いを浮かべていたのだった。

成否

成功

MVP

桜咲 珠緒(p3p004426)
司令官

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPはチームの司令塔、回復役として皆を支えたあなたへ。
今回の関係者からの依頼の品はもう1つありますので、
11月中にはそちらの依頼を提供できればと思っております。
ご参加、本当にありがとうございました!

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