PandoraPartyProject

シナリオ詳細

底知れぬ水槽

完了

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ぶぅぅぅぅん
 此処は理想郷。水槽の中に入った、住民(脳髄)達の幸福(世界)だ。
 其処には一人だけ。一個体だけ。一存在だけ。
 肉体を有している『もの』が居た。
 名を持たない彼or彼女を『管理人』としよう。
 管理人に一定の輪郭は無い。常々崩れるような貌を持ち、それらは千にも万にも至る奇怪だ。管理人に真実の精神は無い。常々溢れるような思考を成し、それらは『人類』には理解出来ない。管理人に脅威的な負の面は無い。常々世界、理想郷の為に働き、それらは無限螺旋の如く――そして。素晴らしく。グロテスクな水槽に異変が起きた。
 汚れだ。穢れだ。闇黒から沸騰するかのような『シミ』が水槽に付着した。粘液じみたドロドロが感染症を思わせる速度で『幸せ』を嘲笑する。早く取り除かねば。早く拭い取らねば。理想郷が不幸の魔の手に落ちて終う――管理人は歯車だ。
 ぶぅぅぅぅん。ぶぶ。ぶぅぅぅぅん。

●あくむ
「今回の導き手は私よ。自己紹介しましょうか。私は『境界案内人』こすも。こすもお姉さんと呼びなさいな。お母さんみたいだってよく言われるけれどね」
 緑の視線をイレギュラーズに向け、宇宙色とも呼べるだろう衣を弄ぶ。ふんわりとした女性。どうやら案内人が変わったようだ。向かう先は『理想郷』だろう。
「前回のおさらいよ。思考する動物が『水槽の中の脳髄』になった世界。それが理想郷。脳だけになった人々は、半永久的に幸せを見続けている。それは素晴らしいもの。だけれど。ちょっとした事件があったのよ。水槽に突如奇妙な『けがれ』が発生したらしいわ」
 穢れもしくは汚れ。感染症のように水槽から水槽へ広がり、やがては理想郷を悪夢に塗り替える。これを阻止する為には『管理人』のお手伝いをしなければならない。
「そうね。脳髄を水槽から取り出して、慎重に慎重に違う水槽へ。汚れた水槽を拭ったら、脳髄を元に戻す。極めて単純かつ困難な作業よ。矛盾した言い方だけれどね――ああ。管理人さんは酷く無口らしいわ。音にも敏感で、怒らせないように注意してくださいね。図書館だと思って『お掃除』しましょう」
 かちり――ノイズ――ぶぶぶ。
 望みを守る為に。

NMコメント

 にゃあらです。
 理想郷、続きました。

 このシナリオは『底知れた脳髄』の続きです。
 参加していない方でも問題ありませんし、読まなくても大丈夫でしょう。

 やること。
 脳髄入った水槽がけがれに塗れてさあ大変。
 管理人と一緒に清掃しましょう。
 私語厳禁。脳味噌を扱うので慎重さが重要と成ってきます。
 脳髄を別の水槽に移して、汚れた水槽を綺麗にして、また戻す。
 因みに管理人は名状し難い感じです。

 イレギュラーズ、個々に思ったことを書きます。
 気が触れそうになったり。黙々と作業したり。楽しんだり。
 脳髄達の幸せを守りましょう。
 あと。理想郷ではお静かにお願い致します。

  • 底知れぬ水槽完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年10月17日 23時05分
  • 参加人数3/4人
  • 相談2日
  • 参加費100RC

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (3人)

ロゼット=テイ(p3p004150)
月光
赤羽・大地(p3p004151)
遺言代行
クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)
宝石の魔女

リプレイ

●清掃
 道具の使い方や脳の扱い方。管理者の囁きを呑み込むように学んだならば、理想郷の黙々として清掃も『容易い』現実だろう。真実、悪魔が其処に存在するならば契約を違わず『歯車』と化す――不定形の存在が布巾と思われるものをイレギュラーズに渡し、けがれを拭う作業が始まった。
 ぶぅぅぅぅん……ぶぅぅぅぅん。

●この『もの』ども
 かなり変わった世界だとこの者は、『月の旅人』ロゼット=テイ(p3p004150)は思考した。マッドな魔術師が知識の為に脳髄を集めたかのような、グロデスクで『よくある』実験室とも解せる。病的なまでに管理者が働けば、理想郷の幸福が生まれるのだろう。兎角――自らの脳髄に耽っていては仕事に成らない。お豆腐のようなグリスの塊が毛で傷つかないように、この者は変化を選択した。褐色の少女(この者)はせっせと小柄が水槽を操作する。小さいのも大きいのも丁寧に慎重に、砂漠で道を決めるように移動させるのだ。生臭い熱にもっていかれないよう――神経を狂わせる移動を為せば、漸く水槽の掃除に取り掛かれる。粘つくような闇黒を、付近でぬらりと拭き取るのだ。
 この汚れはどこから来るのだろうか。脳髄も代謝するならば老廃物は爛れるほどに。垢のようなものか。もしくは要らなくなった幸福の滓か。更に深くへと……そう。ロゼット族に曰く、世界は対になる二つのもので出来ているのだとか。光と闇、清浄と淀み、温と冷、潤いと乾き、太陽と月――純粋と反転。そのような。もしかしたら。この汚れ・けがれは幸福の副産物、不安のような『人』の要素かもしれない。世界への疑念。世界への否定。理想郷への違和感。警鐘……そう言った、ものの表れなのかもしれない。この『もの』どもは本当に幸せを視ているのだろうか。他のイレギュラーズは確かに幸せを認識したが、生かされる『もの』は如何だろう。不幸は肉体が生み出すもの。脳髄も肉体に違いないのだ。
 幸福は不幸からの脱出に他ならない。ならば全きこの『もの』等は叶わなかった夢を叶えた。ならば脳髄は何を思う。最終的には何を望む。なににカルタシスを見出し何を幸福と定義し、何を――ノイズが酷い。渇いた脈動がこの者に太陽を向ける。火を注ぎ込む。炎を魅せる。みず――気の所為だ。やめよう。どちらにせよ、だ。人の身では許されない、実験の如き『幸福』を管理者が施すならば。読者のこの者たちが行うべきなのは、それを見、知り必要なら――この『もの』どもを戻し、警句とする事だ。パンドラの箱を開く。からからと削がれる生命と、ぷかぷかと浮かぶたんぱく質。
 古き砂漠の呪いが、染みつく気配だ。月に誘われたこの『もの』どもの、安らぎが深まる事を祈ろう。この者からの贈り物が、脳髄の幸福に新たなる反射光を。

●底は知れない
 ぐんにゃりと世界が歪む。廻る。顔色と共に理想が混濁する――ううっ――眩暈と吐き気が『彼岸に根差す』赤羽・大地(p3p004151)を。大地を蝕んだ。本の虫は普通だ。ずらぁりと並んだ水槽と中身とけがれが頭蓋を通して『見え』てしまう。とにかく、先方の希望はここの清掃、なんだったか? 疑問が暗んでたまらない。早く清掃を終わらせて、埃一つ残さずに帰ろう。手を抜いてはいけない。隣で黙々と作業する『管理者』が怒り狂い、何が起きるのか理解出来ない故だ。掃除が長引くのは構わない。だが――この不定形が、人間とは思えないのだ。こういうクライアントはもっと『ヤバイ』と知っている――少なくとモ、俺は先日いい夢を見させてもらった恩もあル。
 赤羽の思考が裏側で、大地の震えを感じ取った。俺としてモ、この仕事は投げたかねェ。顔色が紫とも見える『大地』は先の依頼、早々に気を手放したが。真の『死なない』を経験した恩は在る。また気が遠くなったら言えヨ――語り掛けたのは『これが』理想郷で初めてだろうか。手を動かし、脚を手繰り、脳髄を脈動させ、呼吸を行う。二重の働きが清掃を遅らせない。
 赤羽はともかく。兎に角。角度のような硬度は無いが、管理者の『囁き』通りに清掃作業を開始しよう。慎重に。丁寧に。徹頭徹尾粛々と――万が一声を……出す必要は無い。ハイテレパスじみた『もの』を携えているのだろう。管理者の指示が聞こえてくる。ぶぅぅぅぅん。ぶぅぅぅぅん――ぐぅぅぅぅ。足元で空腹を訴えるキャトラトニー。ウルタールと名付けられたよく食べる仔の頭を撫で、静かに『居るんだ』と貌で伝える。それにしても……このひと(脳髄)? 達は何を思考しているのだろうか。一個一個。一人一人が幸福を視ているに違いないが。
 いっソ、ここの住人の考エ、リーディングで読んでみるカ――赤羽の呟きが大地に届く。この状態での読み取りが可能なのか否か、確かめるのも悪くない。お前(大地)が本を捲るように、大好きな物語を優しく解けばいいのサ。ごくり。大切に管理されてる物を傷付けず、ゆっくりと――ぶ。ぶぶ。ぶぶぶ。ぶぅぅぅぅん。ザァ――ァ――アァ!!!
 どくん。どくん。心臓が爆発しそうだ。こんな状態で『読み解ける』とは思えない。それは『対象』に読もうとした存在を『報せる』最悪。読み続けたら『脳髄』達が【現実に気が付いて発狂してしまう】可能性。平常心を維持せよ。あとは汚れの分析だ。液体の状態などを逐一記録する。記録する記録する記録する記録――把握は為された。管理者に状況を引き継いで、おサラバしよウ。

●術式(みそ)
 珍妙な……ぶぶぶ……依頼じゃよなあ。まあ。ぶぶぶ。よい。これも……ぶぶ……経験じゃ。『宝石の魔女』クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)の肉体か、脳髄の水槽からノイズが発生するのは気の所為だ。宝石の中身は如何なる場合でも『己』なのだ。兎に角――素性とか色々と気になるところはあるのも確かじゃが。依頼を為そう。依頼を成すのだ。依頼は依頼に違いない。口にチャックして音を避け、水槽の中身を覗き込む。自らのそれが軋むようだ。
 発声は不必要だろう。所以は向こう側の『青年』を視れば判る。おそらくは直接語り掛ける類なのだろう。全く不可解な管理者じゃ。三角巾とマスクを装着し、菌を殺せば作業開始だ。水槽の中に※※を突っ込み、丁寧に脳髄を包み込む――感触は伝わらない。伝わらなくても理解は出来る。触れられた経験が在るのだから。別の水槽へ……きゅっきゅ。きゅっきゅ。きゅっきゅ。
 拭い終われば脳髄を戻す。これの繰り返しが、みその数だけ存在する。しかして思考は脳と汚れ、そして理想郷へと飛ぶだろう――脳髄の認識する世界とはなんぞや。
 理想郷なのか。反理想郷なのか。ヘドロに喰われ、失われる記憶、白い地図のようなものか。けがれとはなんぞや。単純な汚染なのか。排泄された不幸なのか。何故発生したのか。精神汚染の物理的かつ超自然的な顕現ではないのか。理想郷とはなんぞや。脳髄の夢か。世界の中に生まれた、小さな仮想世界なのか。それとも。ただ、ただ、時間を過ごすだけの場なのか。
 管理者とはなんぞや。機械か有機か、知性か無能か。舞台装置か機械神(デウス・エクス・マキナ)か――ほほ。哲学じゃな。酷い悪夢なんてのは、必ずや真実なのだろう? 哲学の迷い路に迂闊に踏み込めば、容易に出れぬが道理――たとえ神でも機械でも人間でもイレギュラーズでも、絶対に変えられぬ、曲げられぬ、文字列の螺旋――さて。
 沈思黙考。作業途中に顔を上げ、現実を確認してみよう。時計は如何ほどか。時間は如何ほどか。隔絶された術式(みそ)の濃密な……5分? 10分? 1時間? それとも――過去も現在も未来も変動しない。総ては一だ。管理者の蠢動。

●作業
 ぶぅぅぅぅん…ぶぅぅぅぅん。
 けがれなきよう。

 三人は淡々と。黙々と清掃を終わらせた。ふと、振り返ると、其処には管理者が居た。
 拭った『もの』を飲み、噛み、啜り、取り込む不定形が在った。
 もしかしたら。この『存在』こそが不幸そのもの。人間の『垢』なのかもしれない。
 総ての水槽がピカピカと光を反射する時、理想郷は再び『幸福』に溢れていた。
 さあ。帰還するのだ。イレギュラーズ。
 ――この理想郷(世界)の管理者は永久に、住人の罪と罰を背負うのだろう。
 今現在、最も思考しているのは、定められない肉を有した、脳の【無】い。

 ――脳髄が思考する部位だと、誰が決めたんだい?

成否

成功

状態異常

なし

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