PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<Sandman>イルカがまた攻めてきたぞ!!!!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●穴塞いだばっかりだろーがテメー!
「イルカァァァァァアアアアッ!!!!」
 ラサの砂漠のどっか。砂地をボッて吹き飛ばして地中から顔を出した巨大な一角イルカ型パワードスーツ。
 コックピットを開いて外に出てきたイルカめいたヤツが、あたりをぎょろぎょろと見回した。
 ゴーグルヘルメットをつけたイルカ……なのか?
 頭に水で満たしたヘルメットを被り、どういう理屈かわかんねーけどあのヒレで物を持ち、尾びれ式二足歩行で砂地をざくざく歩くイルカ。てめーみてーなイルカがいてたまるか!
「キュグルルルル……見ないうちに随分と砂っぽくなったものだイルカァ。
 人間(ゴミクズ)どもは掃除がなってないようであるなァ」
「「手を上げろ! イルカ警察だ!」」
 迷彩マントをきて砂に伏せていた複数の傭兵たちがバッと立ち上がり、拳銃を突きつける。
 彼らの胸にはドルフィンポリスのワッペン。腕には『売りさばこうエロリエルフ』の腕章がかかっている。
 ポリスたちは拳銃を突きつけたままゆっくりと近づいてくる。
「貴様、ここがザントマン派の中でもロリエルフ舐めるマンでおなじみの大商人長耳ペロ次郎氏の屋敷前と知っての蛮行か!」
「さてはディルク派の傭兵だな? ふざけた格好しやがって!」
「手を上げろ! 地面に伏せろ! ロリエルフのいいところを十個言え!」
 イルカピンチ!
 と見せかけてェ!
「人間(ゴミクズ)どもが、調子に乗るなッキュウ! 貴様らが乗るのは地獄への直行便だけだッキュウウ!!」
 パチンと指(?)を鳴らした途端、大地が突如吹き飛んだ。
 先刻とは比べものにならない巨大な爆発によって大地に飛び出したそれは、見上げるほどに巨大なイルカタンク。
 その名も――!
「『バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号』――だイルカァ!」
 トウ! とジャンプし謎の光でコックピットに吸い込まれて行ったイルカは、バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の脇腹から背にかけての砲門を次々に開き、にゅにゅっと大砲の筒を露出させた。
「イルカミサイル!」
「「イルカァ!」」
 次々と発射されるクローンイルカトルーパー。
 ジェット噴射でホーミングするイルカたちはデカい屋敷に突っ込むと次々に自爆した。
「続いてイルカデスペラード!」
「「イルカァ!」」
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の口が開き無数のイルカトルーパーが水平発射されまたも自爆。
「おまけにイルカマッドファイヤー!」
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の全身が炎に包まれ崩壊した屋敷をメギョっと踏みつぶしながら駆け抜けていく。
「ついでだ! イルカエレクトニカルオンパレード!」
「「イルカァ!!」」
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の全身が無数のLED電飾で光り輝き飛び出したイルカトルーパーが狂ったように踊りながら自爆するわ歌うわロリエルフのいいところを十個言うわでもうしっちゃかめっちゃかになった末……。
「ぬーん?」
 もう誰も生き残ってない屋敷の中に、一枚の計画書らしきものを発見。
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の口から伸びたマジックハンドでひょっと掴み取ると、イルカはそれを凝視した。
「ナァニィ~!? 深緑侵略計画だとォ~!? 人間(ゴミクズ)風情がナマイキなぁ~!
 これ以上チョーシに乗る前に叩きつぶしてやらねばなるまいなァ~!?
 いくぞクローントルーパーどもォ!」
「「イルカァ!!」」
「このサラサとかいう猿顔混沌人どものすみかをメチャクチャにしてやるのだァ!」

●まーたトンチキなこといってこの子はー
「みなさん大変ですよーーーーーーーーー!!!!」
 『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ (p3p000638)が石版片手に飛び込んできた。
 ここはラサの首都ネフェレストにあるファミレス『こびろ雌猫天国』。
 打ち合わせ中の傭兵やドリンクバーで時間潰す大学生やセクハラに耐える猫耳ウェイトレスたちが暮らす日常の空間。
 全員が大声で入店したヨハナに振り向いたが、相手がヨハナだったことですぐ日常へ戻っていった。
「この石版によると混沌はイルカによって破滅するんですよ!
 前回現われたイル閣下クローンたちは先兵に過ぎなかったのです!
 今度こそ混沌を破滅させるべく古代イルカ文明の末裔である蛮道海豚たちが地上侵略にやってくるんですよォ!」
 石版を頭上に掲げて熱弁するが、みんなスルーしてるし店員はメニューブック渡してくるしで。
 ヨハナは店員に『ドリンクバーと半ライス!』て叫ぶとドカッと席に着いた。
「皇帝インペラール・ボトルノーズ・トゥルシオプス・ティトランケイトス・イル――通称『イル閣下』は新たなクローンと地上侵略怒濤兵器バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号をこのラサ……それも首都へ今にも侵攻させているのです!
 石版にあったこの年のこの月に巻き起こる恐るべき大事件で封印が解かれるというのは、幻想種拉致事件などという小さなものではなくもっと巨大な……恐ろしい大事件をさしていたのです!」
 ヨハナのいう恐ろしい大事件というのは、現在ラサ傭兵商人連合がかかえている厄介な分裂騒ぎのことだろう。
 『ザントマン』オラクル・ベルベーグルスによる深緑侵略計画はそれがもたらす富によって多くの悪徳商人及び悪徳傭兵を動員したが、同時にディルク率いる体制派閥がこれを撃滅せんと動き始めている。
 ローレットにも少なからずお呼びがかかりいまこのファミレスにもそれなりの人員がたむろしていた。ただ暇つぶしに来ただけの人もいたけど。
「とにかく来てください! 来てくださいってばあ! あっ半ライスこっちです!」

 一旦軽くメシ喰ったヨハナたちはなかば強引に首都郊外の砂漠地帯へと連れてこられた。
 いやーイルカとかいるわけないじゃんこんな砂漠にーってみんな思ってたしそれが分かればヨハナも落ち着くだろうなって思っていたが……。
「イルカァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
 彼らの横をバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号が猛烈な勢いで通過。
「あれがサラサの首都ネフネフだなァ!? いまぶちこわしてやるイルカァ!」
「「……ほんとにいた!」」

GMコメント

■成功条件
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号を破壊せよ!

 トンチキな妄言に付き合ってやるかーみたいな気持ちで首都郊外の砂漠に出たらホントに巨大イルカタンクが首都を狙って進撃していたのでヤッベーこれほんとに壊さないとダメな奴じゃん! となったのが今です。
 後付けなハナシになりますがちゃんとディルク派閥の連名で依頼報酬が支払われるので安心してGOしましょう。
 出てくる単語が全部どうかしてるけど状況的には本当に首都がぶっ壊されかねないピンチなので、皆さんはりきってGOしてください。

■追撃パート
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号はもう皆さんを抜いて首都にGOしているので、こいつを追っかけねばなりません。
 馬車は1~2台。みんなが乗れる程度あります。あったことにします。
 手持ちにお気に入りの馬車とかあれば是非それに乗っていたことにしてください。だって楽しいから。

 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号は追いかける皆さんを撃退すべくイルカトルーパーを大量に射出してきます。
 これを破壊しながら追いかけましょう。
 イルカトルーパーはジェット噴射で皆さんめがけてホーミングしてきますが頭に被ってるガラスヘルメットを破壊すると『グワー』つって死にます。
 彼らは地上の外気が弱点なのです。だからあんなの被ってたんだね。

■対決パート
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号に追いついたら相手も相手で積極的な攻撃を行なうようになります。
 ここからは直接的な戦闘パートです。バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号と戦いましょう。
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号は以下のようなスキルを使ってきます。

 イルカミサイル 物遠域【連】
 イルカデスペラード 物近単【連】
 イルカマッドファイヤー 神超貫【移】【業炎】
 イルカエレクトニカルオンパレード 神中貫【移】【痺れ】【必殺】

 冒頭の様子からも分かるとおりイル閣下クローンは外気に耐性をつけているのでガラスを割ってもしにません。こいつちょっとずつ学習してやがる。
 けどバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号さえ破壊すれば一緒に爆発しさんするので、頑張ってバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号を倒しましょう!

■アドリブ度(イルカ)
 イルカぁ!!

  • <Sandman>イルカがまた攻めてきたぞ!!!!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年10月10日 21時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)
自称未来人
ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
プラック・クラケーン(p3p006804)
昔日の青年
Dr マツリカ(p3p007547)
特異運命座標
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!

リプレイ

●祭りはイルカ通せや
「……ハッ! ここは!? 俺はトラックに撥ねられた筈。『悠久-UQ-』はどうなったんだ……!」
 胸を押さえて起き上がる伊達 千尋(p3p007569)。
「イルカアアアアアアアアア!!!!」
 横を通り過ぎていくバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号。
「えええ……」
「目覚めたか。どうやら私たちはだいぶ異世界に来てしまったらしいな?」
 ニヒルに笑う『特異運命座標』Dr マツリカ(p3p007547)。
 誰だお前そしてここはどこだとあたりを見回す千尋に、マツリカは小首を傾げた。
「おい。ウォーカーは皆空中庭園に召喚されるんじゃあないのか? 説明をうけてないのか彼は」
「あっそれなら」
 『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)がビッと親指を立て、馬車の扉を開けて見せた。
「召喚された時気絶してたんで、ヨハナが担いでここまで運んできましたよ!」
「大事な依頼ヴァージンになにしてくれてんだこいつ」
「くっそヤベえ。マジでここはどこなんだ。俺は何すりゃいいんだ」
「オイラいろんなパターンのウォーカー見てきたけど、こんな可哀想なパターン初めて見たかも」
 『魔動機仕掛けの好奇心』チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)が世にも可哀想な目で見ていると、ブルンブルーンとバイクのような音(鳴き声)をたてて一頭の軍馬が千尋の横にとまった。
「このエンジン音……お前、なのか?」
 ブルンと鼻息を荒くする馬。何でか知らないけど手綱があるべき部分にバイクのハンドルがついていた。あと脇腹にHarleyって書いてった。
 明らかに違うが実家みたいに安心する乗り心地。千尋は馬に跨がると、目をぎらりと光らせた。ダンサブルなBGMが鳴り響き、ひねるアクセルに応えるように馬が走り出す。
「事情は分からねえが分かったぜ。要するにあのイルカをぶっ潰せばいいんだろ? 行くぜ!」
「あいつ……友達になれそうな気がしてきた」
 さっきからBGMを担当していた『幸運と勇気』プラック・クラケーン(p3p006804)が、取り出したクシでリーゼントをぐいっと整える。
 そんな彼を手招くヨハナ。
「さあ馬車に乗ってください! バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号が首都へ到達する前に……バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号を止めるのです!」
「やっべ、そういやそういう話だったぜパネェ!」
 ずばっと跳躍し幌馬車へと乗り込むプラック。
 なんでか御者席を担当していたマツリカがホラ貝を吹き鳴らす。
「サラサの首都ネフネフ破壊計画だとォ~~!? イルカクローン風情がナマイキな!
 この世紀の大天才Dr.マツリカの前でそんな破壊活動が行えると思ったら大巻貝!」
 ぶおおーんと巻き貝を吹き鳴らすと、馬にむちをうって走り始める。
「これ以上チョーシに乗る前に、そのゴキゲンな乗り物ごと叩きつぶしてやらねばなるまいなぁ~!?
 さあ行くぞイレギュラーズ怪人共!」
「誰が怪人が話を更にややこしくするな」
「然様我こそは秘密結社XXX大総統であるぞ!」
 『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)が幌馬車の上(屋根?の上)で腕組みしながら吠えた。
「ほう? 異世界と聞いていたが……実はここ私の世界なのではないか? 実家?」
「誰か止めてくれ……こいつらもイルカも全部とめてくれ……」
「我の世界征服への道は止まらぬ! ドクターマツリカよ、暗黒世界征服号を発進させるのだ!」
「合点招致!」
 奇跡みたいに重なった『どうかしてるやつら』のバイブスが、馬車をノリノリなBGMと共に走らせる。
「「ダラァ!」」
 ばっからばっからいいながら左右に合流するチャロロたちのパカダクラ。
「ああもうザントマン派の討伐に向かうはずがまさかの第三勢力出現だしイルカだし馬車はクラブミュージックで走り出すし乗員が半分悪の組織だしツッコミが追いつかないよ!」
「充分つっこんでますけどね(byヨハナ)」
「しかし再登場の気配は充分にありましたわ。今回はメンバーがこう……こう……? あれですわね……?」
 合流してきたパカダクラにしがみつきキラキラの尾を引く『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)。
「とはいえ……いいでしょう!」
 手を翳し、パカダクラの上にすたーんと立ち上がった。

  \きらめけ!/
  \がんばれ!/
  \ぼくらの!/
  \われらが!/
\\\タント様!///
\\\総統閣下!///

 ポーズにダークネスクイーンがかぶせてきた。
 ――説明しよう! 今回敵が敵なうえ味方が半分以上どうかしているせいでカオス耐性のつよいダークネスクイーン総統閣下が絶好調なのだ!
「割り込まれましたわ!?」
「すげえ、タント様が存在感で押されてる」
「そろそろ合流してもいいでしょうかー」
 装甲騎馬パルモーラ(鎧を纏った精悍な軍馬)に跨がった『氷雪の歌姫』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)がしれっと合流してきた。
 カオスに一旦距離を置くという常識人的必殺技であろうか。
「まぁ、あれは噂に聞くデストロイルカデスペラード号……!
 民〇書房に載るのみならず、よもやこのようなところで見ることができようとはー」
 あっちがうわトドメさしたかっただけだわこのひと。
 ハッとして振り返るプラック。
「知ってるんスかメリルナートさん!」
「言ってみたかっただけですわー」
「この人……!」
「というわけでヨハナさま、解説おねがいしますー」
「そうですね。では未来人ことヨハナが解せ」
 ――解説しよう!
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号とは古代イルカ帝国の皇帝インペラール・ボトルノーズ・トゥルシオプス・ティトランケイトス・イル閣下がイルカテクノロジーによって作り出した地上侵略兵器である!
「解説をとられました!?」
「フハハハハ! 負ける気がせんなあ!」
 腕組みして笑うダークネスクイーン総統閣下。
 今日は誰もこの人を止められないらしい。
 御者席からびしっと指を突き出すマツリカ。
「ではゆくのだタント様怪人!」
「怪人!? そんな呼び方はじめてされましたわ!?」
 タント様はパカダクラの上に立ち乗りすると『ぱっぱっぱ~ぱかだくら~』とボサノババージョンで歌いながら加速を開始。
 徐々にバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号へと距離を縮めていく。
「おのれ人間(ゴミクズ)ども、邪魔をするなッキュウ!
 どうせこの辺が砂っぽいのもお前らが魔女の後始末をサボったせいだイルカァ!?」
 こいつで吹っ飛べっキュウ! とか言いながらバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号から無数の砲を展開。発射されたイルカトルーパーたちがジェット噴射で馬車へ襲いかかってくる。
「そうは行きませんわ!」
 パチーンとエコーつきで指を鳴らすタント。

  \キュッキュウ!/

  \キュッキュウ!/

\\\イルカッキュウ!!///

 とかいいながらバンザイ姿勢をとるイルカミサイルの皆さん。
「今ですわ! オーッホッホッホ!」
 おでこをぺかーっと光らせながら高笑いを放つタント様。
 継続して腕組みしていたダークネスクイーンが馬車から大砲を露出させた。
「世界征服砲――っ撃てぇ!」
 空に向けて斜めに発射されたビームがイルカミサイルを飲み込み爆発四散させていく。
 負けじと大型ロケット花火を連射するマツリカ。
「イルカが邪魔で近づけん。未来怪人、何か手はないか」
「怪が余計ですけどいいでしょう。たとえ各世界の様々な常識が混じり合ったこの混沌であってもルールは同じ。不在証明によってイルカはイルカを脱することはありません。
 こんな言葉を知っていますか……?」
 ヨハナはぱらっと本をめくると、すっごい知的に振り返った。
「イルカは水を飲まず、食料(肉類)からしか水分補給をしない」
「なん……だと……?」
 シリアス100%の顔をするマツリカ。
「これが何を意味するか、賢明なイルカスレイヤーマツリカ殿はアンチイルカブレインにて理解いただけていると思う」
「無論だ。未知のバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号といえどイルカ。この天才的頭脳にかかれば弱点など一目瞭然!」
「即ち、この砂漠という渇きやすく水分補給し辛いロケーションは、イルカにとっての死地」
「恐らく奴らが地上を闊歩していた時にはこの辺りの土地は海か川だったのだろうな!」
「そうです! え、なんですそれ」
「恐らくは巨大な国か文明……。しかし生物は須く死に虫や植物の科学的輪廻によって必ず土となる。今ある砂もそれに違いない」
「違いないと言われましても」
「とにかくイルカの弱点は乾き。つまりこの砂漠そのものだ」
「なるほど確かに! このままパッサパサにすれば勝てますね!」
 さっきから会話のラリーがすごいことになってるけど画面の前のみんなは突いてきてる?
「なるほどですわねー」
 メリルナートは全然ついていけなかったので完全に聞き流すモードになっていた。
「要するに何をすればいいのでしょうー」
「イルカの口パッサパサにして欲しいです」
「わかりましたわー」
 メリルナートはぬちょっとした生イカと袋いっぱいのふえーるわかめちゃんを両手にそれぞれ取り出すと、わかめをイカの中にどざざーっと詰め込み始めた。
「何をするつもりッキュウ!」
「関係ないッキュ! 吹っ飛ばしてやるッキュウ!」
 そんなメルナリートを破壊(?)しようと突っ込んでくるイルカミサイル。
 対して、サングラスを光らせた千尋が叫んだ。
「よっしゃあ、行くぜプラック!」
 ハーレー(馬)をウィリーさせて叫ぶ千尋。
 放った投げ縄がプラックの足に引っかかった。
 馬車からシュバって浚われていくプラック。
「任せろイルカといえば好物はタコ。この俺が美味しそうな空気を出してやうわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 ドラップラー効果をおこしながら砂地をぶおんぶおん引きずられていくプラック。
 どういう理屈かわかんないけど火が付いたプラックは美味しそうな香りを放ち始めた。
「うおおおおおおおどうだたこ焼きのいい香りがするだろう! かかってこいよイルカぁ!」
「こいつ……ハンパねえ。根性見せるぜオラァ!」
 ハーレー(馬)を横倒しにしてイルカミサイルの下をかいくぐっていく千尋。
 派手に蛇行しながらイルカミサイルの注意をひく千尋。
「二人とも……なんて無茶を……」
 その様子を見ていたチャロロも負けてられぬとばかりにパカダクラを加速。
 機煌宝剣を抜くと炎のオーラを噴出させた。
「お前たちに地上を支配されてたまるか!」
 とう! とパカダクラの背から跳躍するチャロロ。
 飛びかかろうとしたイルカたちを次々と切りつけると再びパカダクラへと着地。
「「グワー!?」」
 走り抜けるチャロロの後ろでイルカたちが爆発四散した。
「イルカはオイラとプラックたちが引きつける。バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の方は頼むね!」
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の前方に回り込み、目立つように交差蛇行を始めるチャロロと千尋。
「ピッチャービビってる! ヘイヘイヘーイ!!」
「オラァ! 焼きタコだぞオラァ! オあっつ! あっちい! かかってこいやオラァ!」
「『悠久-UQ-』ナメんじゃねえそコラァ! テメェどこのモンだァ!!」
「タコ喰えオラァ!」
「そうだぞオラァ!」
「醤油もってこいオラァ!」
「どうしようオイラこれに混じるの!?」
 気合いだけで引きつける(案外引きつけに成功してる)プラックと千尋。その一方で名乗り口上を使って引きつけを試みるチャロロ。
「それで、パサパサにするって実際どうするの!?」
「フフフ、決まっているだろう。私は天才科学者だぞ?」
 ありもしない眼鏡をちゃきってやって、マツリカとヨハナは懐からでっかいカステラを取り出した。
「バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号にこのカステラを水無で喰わせて口のなかパッサパサにしてやるのだ!」
「…………えっ」
 チャロロの背景が一瞬だけ宇宙になった。
「任せてください。ヨハナの未来的クッキングとマツリカ博士の科学力によってこのカステラは従来の10倍の吸水力を誇るのです」
『そうだぜ、よろしくな』
「もうそれカステラじゃな――喋った!? いまそのカステラしゃべった!?」
 うにょうにょかつパンパンになったイカを掲げるメリルナート。
「わたくしも加勢しますわー。この乾燥わかめ満載のイカを食べれば誰でもぱっさぱさになりますわー」
『ぱさぱさにしてやるぜ』
「おまえは喋っちゃだめだろ!」
「道はこのわたくし――」
 両手でぱっちーんと指を鳴らすタント。

  \きらめけ!/

  \ぼくらの!/

\\\タント様!///

「――が、開いてみせますわー!」
「やれるもんならやってみるイルカァ!」
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号がイルカエレクトニカルオンパレードを発動。全身にLED電飾で点滅させながら踊り狂うイルカトルーパーをまき散らす。
「ちょいやー!」
 そこへ飛びかかっていくタント。
 飛んできたイルカにおでこで対抗すると、爆発を突き抜けてバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号へと張り付いた。
 そこへ急接近するメリルナート。
「わたくしもイルカの端くれ……イルカの恥はイルカが濯ぎますわー」
 とかいいながら『こっちむいて』のプラカードを取り出した。
「イルカァ!?」
 ぎろっと目(?)を向けるバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号。
「ちょーっとこちらを向いてはくださいませんかー。インタビューおねがいしますわー! 今年のノーベルドルフィン賞受賞の意気込みを聞かせてくださいませー!」
「んあーそうイルカねぇ……」
 くわっと開く口。
 そこへ。
「かかりましたわね!」
 わかめイカをシュート。
 更に未来科学カステラをシュート。
「「入った……!!」」
 全員の目線カットインが重なった。
 が。
 千尋とプラック(引きまわし中)が真顔でイルカへ振り返った。
「こんなんで効くのか?」
「メカだろ? 効くわけ……」
「グワーーーーー口の中がパッサパサイルカァアアアアア!!」
 バンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号が白目を剥いて発狂した。
「「効いてる!?」」
「えっとあのそうだ一斉攻撃だ!」
 状況においてかれまいと(状況に)しがみついていたチャロロが咄嗟にパカダクラから跳躍。
 口パッサパサになって発狂しているバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号へと張り付いた。
 同じくハーレー(馬)からプラックを引き連れてジャンプする千尋。
 千尋とプラックのエモーショナルダブルキックがコックピットのガラス窓に炸裂。
 更に張り付いていたタント様のタントビーム(おでこの光反射で紙とか焼くビーム)とメリルナートのアブソリュートゼロ、さらにはチャロロの剣が炸裂した。
「ま、まずいッキュウ! このままでは爆発するイルカァア!」
「逃げますわよ、とーう!」
 慌てふためくイル閣下をよそに、チャロロたちはバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号から離脱。ヨハナたちの馬車へとがしりとしがみつく。
 ヨハナがコックピット(というか御者席)のマツリカに呼びかけた。
「爆発に巻き込まれます! 急いでここから離脱を!」
「やっているがパワーが足りない! あとちょっとだけ足りない!」
 レバーっつーか手綱を握りしめるマツリカ。
「全員がしがみついている状況では重量オーバーなのだ!」
 万事休すか。このままイルカと砂のもくず(?)と消えるのか!
 否!
「案ずるでない」
 ダークネスクイーンがパチンと指を鳴らした。

  \がんばれ!/

  \われらが!/

\\\総統閣下!///

「――に、任せておくがいい!」
「ああっ、それわたくしの芸風!」
「今こそ轟け、必殺必中――世界征服砲(ダークネスキャノン)!」
 両手を馬車の反対側に向けて放った砲撃がバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号に直撃。その反動で加速した馬車はバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号の大爆発を逃れたのであった!
「ば、ばかなッキュウ! 話が違う……こんな世界戦は無かった筈じゃなかったのかッキュウ……!」
 イル閣下ごと爆発し、煙をあげるバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号。
 片車はずれてきゅらきゅらした馬車はやっととまり、しがみついていたタントたちはくずれるよに砂へおっこちた。

 かくして破壊されたバンドウマックス怒りのデストロイルカデスペラード号。
 しかしラサをめぐるおおいなる戦いはまだ終わっていない。
 戦え、イレギュラーズ!

成否

成功

MVP

ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!
 ラサへのイルカ侵略は免れました
 外壁の破壊とマーケットの破壊、同時進行していた戦場の混乱を避けることが出来ました。

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