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シナリオ詳細

KK妖刀寄生宝石大活劇
KK妖刀寄生宝石大活劇

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●三味線ロック乱弦囃子16ビート
 強化アスファルト道路の中央白線を、わらじが踏んで歩いて行く。
 白い着流し姿に、和笠。
 線の細さとごつごつと節くれ立った手から、それが男だと分かるだろう。
 彼の持つ白い杖が地をつき、男は足を止めた。
 かかる影。その数四つ。
 正面に並ぶ男たちの姿はバラバラだった。
 服装も種族も、恐らく出身も異なる四人組が、それぞれすらりと日本刀を抜く。
 黒鞘に黒い刀身。波紋も見えないその刀に、男は小さく笑った。
「どう探そうかと思ったが……こいつぁ手間が省けたぜ」
 男たちは抜いた刀を構え、一斉に斬りかかる。
 刹那。
 白着の男は杖をひねり、白刀身の刀を抜きはなった。
 斬撃を防御し、払い、一人目を切り抜ける。
 二人目を切りつけ、三人目をかわし、繰り出される刀の下をかいくぐるようにして四人目の脇を抜けた。
 被っていた笠が切れ、はらりと落ちる。
 抜き払った白い刀には、血。
 四人目の男だけがどざりとその場に崩れ落ち、残る三人が振り返った。
 彼らの目に色はなく、奇っ怪な生物に身体を乗っ取られたかのように目のすべてが黒かった。
 白着の男は刀についた血を払うと、一目散に逃げ出した。
「一人ずつは振りも知らねえ素人だが、こう数が多くちゃ危ねえな。たく、仕方ねえ。『なんでも屋』に頼ってみるかね」

●刀鍛冶KK
 白い着流し。頬から左目にかけての十字傷。
 齢にして40台程度の男は、『KK』と名乗った。
 練達のカクテルバーにて、男は集まったイレギュラーズたちの前にどっかりと座った。
「この混沌にゃあ、人の身体に寄生して乗っ取っちまうやべえ宝石がある。
 パラサイトジュエル? ああ、まあ、それと似たようなもんさ。
 俺はそいつの能力を格段に引き上げる刀を作ることに成功したんだが……こいつはとんだ失敗作でな。持ち主の身体を完全に乗っ取っちまう。
 意識は石どうしで同期してんのか、全部でひとつの生物みたいに振る舞って刀を勝手に増やすわタダ同然でスラム街に流すわそうやって仲間を増やすわで、このままだと手がつけられなくなっちまう。
 そうなる前に、残る刀を全部回収して、溶かして固めて始末をつけようってハナシさ」
 KKはかりかりと頬をかき、そして苦笑した。
「まー、最初は俺一人でどうにかなると思ったんだが……あいにく刀は上等でも腕がイマイチなもんでな。数を思ったようにさばけねえ。俺が全員倒すよりも奴らが増える速度のほうが早えだろう。
 ってわけで、ローレット。あんんたらに増援を依頼したい。
 依頼内容は『妖刀の駆除』だ。
 奴らは同期を整えるために定期的にひとつの場所に集まる修正がある。
 そこへ突入して叩く、ってのが作戦だ」
 KKは練達の一部を測量したマップを出すと、ピンを一本立てて見せた。
「いいか? おさらいだぞ。
 妖刀に寄生された連中を倒す。
 全部倒す。
 お持ち帰りは厳禁。オーケー? お前が乗っ取られても俺は責任とれねえからな。じゃ、行こうぜ」

GMコメント

■依頼内容
・妖刀に寄生された人々『寄生体』を倒す
 不殺攻撃を用いない限り大体死亡しますが、特に生かす必要はありません。
・妖刀をカケラ程度であっても持ち帰ったりしない
 色んな意味で責任が持てません。欲しかったら改良されて闇市に流れるのを待ちましょう。
・同行するKKを死亡させない
 追加戦力として存在していますが、特別弱いということもないので放置し孤立させるんでもない限りは死にません。

■襲撃作戦
 妖刀に寄生された人々はある建物に集まっています。
 大事な同期作業を邪魔されないため、一部を見張りないしは防衛のために屋外に配置し、交代で同期作業をするようです。
 そのため襲撃は『屋外戦闘』『屋内戦闘』の2パートにわけて行なうことになるでしょう。

・屋外戦闘
 見張りと戦います。
 フツーに武装したままテクテク歩いて行くつもりですし、敵もエネミースキャン等を用いてこちらを危険だとすぐに判断できるので否応なく戦闘状態に入ります。
 とはいえ、ここにいる多くは刀の扱いに慣れてない人たちなので適当に刃物を振り回す程度の戦闘しかできず、0レンジ通常攻撃しか行なえません。
 格下相手の集団戦闘だと思って戦術を組みましょう。

・屋内戦闘
 なかには刀の扱いに長けた者が寄生されたケースもあり、そういう『熟練寄生体』は刀を用いた様々なスキルを使用します。
 「屋外にいた素人寄生体複数+熟練寄生体数人」がここでの敵戦力になります。
 また屋内の地下で戦うため、動き回って戦う場合攻撃レンジは最大でもレンジ1程度まで狭まるでしょう。
 (実質的にはレンジ2まで。命中減少覚悟でならR3まで使えます)
 レンジ4攻撃も不可能ではありませんが、足を止めて不安定な場所から射撃を行なうため命中-40の補正がかかります。

■味方戦力
・KK
 優秀な武器を装備して戦います。
 自分ではイマイチと言っていますが、そこそこバランス良くそこそこ戦える程度には戦闘能力があります。
 ただし敵の群れに一人で放置しておくと多分死ぬので、そばで一緒に戦っていましょう。PCたちと同じくらいの優先度で回復・代行防御を行なうくらいで丁度いいはずです。
 また知識が豊富なので、状況や敵の特徴など気になったらKKに聞いてみるとそれなりに実りがあるかもしれません。(敵の弱点など戦闘が急に有利になるような情報は持っていません。そういうのは最初に大体話してあります)

  • KK妖刀寄生宝石大活劇完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年09月20日 22時40分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

七鳥・天十里(p3p001668)
ガンスリンガー
アルム・シュタール(p3p004375)
堅牢なる楯-Servitor of steel-
無限乃 愛(p3p004443)
魔法少女インフィニティハートD
すずな(p3p005307)
妹弟子
クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)
宝石の魔女
鞍馬 征斗(p3p006903)
天京の志士
彼岸会 無量(p3p007169)
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
黒狼

リプレイ

●アンダー・ザ・レイン
 地下鉄が停車し、両開きの扉が音をたてて開く。
「『邪悪を断ち切る愛と正義の光閃!魔法少女インフィニティハート、ここに見参!』」
 堂に入った名乗りポーズをキメる『魔法少女インフィニティハートD』無限乃 愛(p3p004443)。
 乗り込もうと左右によけていた乗客がギョッとしたが、愛は素知らぬ顔で通り抜けていく。
「ええト……オッホン」
 あとに続いて列車を降りる『堅牢なる楯-Servitor of steel-』アルム・シュタール(p3p004375)。
 あなたもお仲間なんですかって視線を、アルムは意図的にスルーした。
 気持ちを切り替えるために歩きながら依頼書を広げる。
 依頼内容は妖刀の駆除。依頼主はその制作者であるという。
「随分と物騒な玩具をお持ちのお客様方ですわネ。
 これ以上おいたをする前に纏めて片付けてしまいましょウ」
「妖刀とは面妖なというか、元の寄生宝石が根源じゃっけ……。
 同じく宝石を元とする儂としては……」
 わざわざ言わなくてもいいな、と言葉を止めて胸元に手を当てる『宝石の魔女』クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)。
(KK殿もこう、なんでそんなもの生み出したんじゃろうなあ……。
 セーフティ機能も見当たらぬし、製作者としての好奇心かのう)
 そんなことを頭の中で考えていると、代わりにルカ・ガンビーノ(p3p007268)がKKを小突いて問いかけ始めた。
「妖刀とか、オッサンとんでもねえもん作るな。
 制御できるようになっても悪用される気がしてなんねえぞオイ。
 強い武器にゃ興味あるが、身体をよくわからんもんに乗っ取られるのはぞっとしねえぜ」
「そうかい? これでも寄生系の妖刀は需要あるんだぜ」
「あるのかよ」
「なくちゃあ作ら……いや作るかな。今回のは少なくともオーダーメイドだぜ。どっちみち暴走は俺の責任だけどな」
「ふうん……」
 『天京の志士』鞍馬 征斗(p3p006903)はあまり深入りしないように相づちをうった。
 後は護衛対象を守りつつ任務を完了できればよし、というスタンスを今回は守るつもりのようだ。
 世界にもよるが、征斗にとっては妖刀というものにはおいそれと触れるべきではないと考えているらしい。
 一方で、対象が妖刀でも興味津々といったスタンスの者もいた。
 だれあろう彼岸会 無量(p3p007169)である。
「放っておいても増えるとは、何とも使い回しやすい刀ですね」
「身も蓋もねーことを」
「しかし、刀と人は二つで一振り。
 片方が蔑ろとされた剣筋に一体如何程の力があるのか」
 錫杖をしゃらんと鳴らし、目を細めた。
「いかにも。いいことを言いますね」
 『血風三つ穿ち』すずな(p3p005307)が顎を上げて微笑んだ。
「ちゃんと集めて立派な業物にしてあげたいですね、刀もそれを望んでいると思いますし……完成品は私も是非、手にしてみたいので!」
「あったのう、ここにも需要」
「あるところにはあるんだな」
「だろ?」
 そんな風に話していると、地下鉄のホームから階段を上り、陽光の下へと出た。
 細い路地を通り抜け、幾度か間借り、古びた灰色のビルディングの前へやってくると……。
 刀を持ったビジネススーツの男と商人風の女がそれぞれ抜刀した。
 話に聞いたとおり、白目のない黒目がちな眼球をしていた。寄生体である。
 目視して即抜刀。話し合いの余地もない警戒態勢である。
 『ガンスリンガー』七鳥・天十里(p3p001668)はあえて前に出ると、黒いリボルバー拳銃を引き抜いた。
「さあ皆、お仕事の始まりだよ!」
 もう一丁の拳銃も抜き、斜め下へ交差するように構える。
 魔法を行使して魔法少女フォームへと変身し、マジカルサイズを構える愛。
 錫杖から刀を引き抜き、細めていた目を大きく見開く無量。
 平静な表情からあえて微笑むような柔らかい表情に移ろい、腰の刀を半分まで抜くすずな。
 刀をあえて後ろに下げ、護符を扇状に広げて構える征斗。
 胸元を中指でタップし、正二十二面体状の魔術結界を展開するクラウジア。
 ルカとアルムが前に出て、ルカは背負っていた斧を握り込み、アルムはスカートの中から巨大な盾と剣を取り出し、それぞれ身構えた。
 彼らの戦闘態勢を一通り見てから、自分も刀を抜くKK。
 一方で屋内から無数の寄生体が出現。
 それぞれ職業も種族の年齢も異なる者たちだったが、一様に黒一色の目と刀をもっていた。
「仲間を呼ぶにも言葉はいらねえってか。便利でいいなぁオイ……そんじゃあこっちは」
「はい。力をあわせて――参りましょウ!」
 イレギュラーズとKKが、寄生体たちへと突撃していく。

 一斉に駆け寄る五人組を相手に、天十里は正面から飛び込んだ。
 先頭のひとりを跳躍と宙返りによって回避すると、あえて五人の中央へと着地。
 お互いの刀が当たらないように、そして正しい間合いをとるため反射的に身をひいた五人のうち、先程回避したひとりめがけて脇の下を通すように背面射撃。タイミングを僅かにずらして別の対象を射撃。
 流れるように、もしくは踊るように五人全ての腕の動きを銃撃によって制圧しながら最終的に五人全員を完封。両腕を広げた姿勢で止まり、それぞれの銃口から小さく煙があがった。
 しかし相手は寄生体。天十里の強さにひるむことなく更に大勢の頭数で突撃を仕掛けてくる。
「数だけは多いね……面倒な剣だ……。似たようなものはどの世界にも在るか……」
 先んじるように前に出た征斗がアマルガム・ストレリチアを発射。
 炸裂する氷の華に相手がひるんだ隙に、素早く放ったブラッドウィップが足を縛り上げ、転倒させていく。
 倒した寄生体からは刀が落ち、寄生していた死体のほうは目の色をもどし地面に転がった。
「ある程度の治療ならこっちでするから……無理だけはしないで」
 振り返る征斗に、ルカは小さく応えつつ突撃。あえて斧を相手に向けて放り投げると、思わず防御姿勢をとった相手に跳び蹴りからの組み倒しを仕掛けていく。
「オネンネしてな」
 倒れた相手を足の力でひねり落とすと、地下階から更に飛び出してくる寄生体たちめがけて手榴弾を投擲。
「殺しても構わねえっつーことだが、こいつら完全に被害者だろ? 死なねえですむなら、それにこしたことはねぇ」
 爆発によって砕けた相手に、ルカは再び突撃していく。

 一方で、数を活かしてイレギュラーズたちを囲む一団があった。
 黒い刀を突きつけ、十数人という規模でぐるりと取り囲む寄生体。
 無量は張り付いたような笑顔のまま、横に立つすずなに目配せをした。
 頷き、刀に加えて短刀へ手をかけるすずな。
 その後ろでは刀を下ろした姿勢でスッと背筋を伸ばすKKと、盾を突きだしたやや前のめりな姿勢で剣を横に下ろした姿勢をとるアルム。
「敵は出来るだけ引きつけますのデ――」
「頼みます」
 まるで一個の生命体であるかのように、寄生体たちが一斉に斬りかかる。
 飛び出したアルムは巨大な盾で斬撃をまるごと防ぐと、相手を押しのけるように圧迫していく。
 その間すずなは相手の斬撃を紙一重で回避。
 すずなの研ぎ澄まされた感覚の中では、彼らの刀がスロー映像に見えた。
 波紋のない刀身。しかしよく見れば宝石と鋼が特殊な鍛冶技術によって合成されきわめて細かい層ができていることがわかる。美しい刀だ。
「うう……一度くらい振ってみたいですけど……!」
 五人分の斬撃を、まるで酒に酔った帰り道のようなふらふらとした動きですべて防ぐと、最後の一刀を逆手に持った短刀の背で止めた。
「これも回収のため、依頼達成のため!」
 開いた目の青さが軌跡をひき、寄生体たちの間を妖刀の青白い妖気が走って行く。
 その線に混じり、無量がまっすぐに走り抜け、無量とすずなはそれぞれ剣を振り抜いた。
 仕込み錫杖の柄についた輪状の飾りがじゃらんと強く鳴り、寄生体たちがことごとく倒れていく。
「意志が同期された見張り……つまりは巨大な生物の目、というわけですか」
「関係ありません。むしろ、楽しみです」
 峰を向けていた刀を返し、すずなは表情を柔らかくした。
 一方別の寄生体を倒したKKは、白く透き通った刀を振って血を払っていた。
 何気なく振り返ったすずなの、二度見。
「なんですかその得物!」
「なにって、アストラル体とエルフ鋼の合成刀だけど」
「あとで見せて下さい――というか振らせて下さい!」
「元気だなあアンタ」
「皆様、ここはもう済みましたワ。行きましょウ」
 アルムはKKたちをいつでもかばえるように剣を水平に翳しつつ、先を促すように振り返った。

「さて、もうそろそろ……じゃのう」
 青白い仮想宝石を空中に生み出しては指でスワイプして発射していたクラウジアが、もう何人目かになる寄生体を倒しつつ建物の入り口へ目をやった。
「ぞろぞろ出てきた寄生体が途切れておる。行くなら今じゃろ」
 新たに生み出した仮想宝石を人差し指の上に浮かべると、すぐそばで戦っていた愛へ呼びかけた。
「確かに……超級魔砲『Magen-Ai』のDVD上映会を今開くのはやぶさかではありませんが、やるならばやはり地下では」
「ちがうわ、そうじゃない。突入のタイミングじゃ」
 一足遅れて一人だけ飛び出してきた寄生体に、人差し指で大きくスワイプ動作をして仮想宝石を叩き付けるクラウジア。
 額に直撃したことでもんどりうって倒れた寄生体を、愛は足で踏みつけた。
「『愛は剣より強し』という諺が示す通り、心に愛を強く持てば邪剣に支配されることはありません。
 愛の足りないその心に、そして人に害成す邪剣に、それぞれ私の愛を存分に叩き込んであげましょう」
「う、うむ……?」
 途中まで、というかほぼ全体的に何を言ってるのかわからなかったが、その後の愛の動作からクラウジアはおおむねを察した。
 ハート型のバリアをクラウジアたちに展開し、マジカルサイズの刃を巨大化する愛。
「『撃ち抜きます』」
 豪快な回転斬りが寄生体たちのボディだけを真っ二つに焼き切っていく。
「さて……上映会をしにいきましょう」
「もうそれでいい気がしてきたのう」

●黒蘭咲裂華
 ゴン、という音ののち。
 ハート型のショッキングピンクが薄暗い地下室をぶち抜いていった。
 同期作業を行なっていた寄生体の数人が文字通り粉砕されていく中で、黒い着流しに狐面の男は振り向くと同時に黒鞘黒刃の日本刀を超音速で抜刀。
 空間ごと切断すると、ピンクの波動を破壊した。
「ほう……私のL.O.V.E.魔砲(ライトニング・オーバー・ボルテージ・エンチャンテッド・インフィニティハートシュート)を切り裂くとは……よほど愛のない世界にいたのでしょうね」
「なに、それ……らぶ?」
 マジカルサイズをキャノンモードにして構えていた愛の後ろから、征斗がひょこっと顔をだした。
「――」
「「――」」
 対抗するように、地下室にいた寄生体たちがそれぞれ刀を抜く。
 突撃を仕掛けてくる寄生体たち。
「前居た世界じゃ、そこそこあったシロモノだけど……面倒なのはどの世界でも変わらないね」
 征斗は防御結界を発動。薄氷の華が無数に生まれその全てがカッターのように寄生体たちへと発射。
「こっちは、任せて……皆は、熟練寄生体のほうを」
「ありがてぇ! ――行くぜクラウジア!」
「え、儂? まあいいけどのう」
 クラウジアは胸元を数回タップすると周囲に無数の仮想宝石が出現。その全てが結合し、仮想カーバンクルとなってたかく鳴いた。
「儂、インファイトは苦手じゃから、そっちは任すぞ」
「任せろ――キツメにいくぜ」
 仮想カーバンクルが襲いかかった狐面の男。
 が、それを阻むように鬼の面を被った黒甚平の男が巨大な黒刀を翳して割り込んだ。
 はねのけられた仮想カーバンクルがくるくるとまわり、再度攻撃を開始。
 ルカはタイミングを合わせるように飛びかかり、鬼面の男に斧を叩き付けた。
「気張れよ、でねえと死ぬぜ」

「奴らを相手にすんのは俺にゃあ荷が重いな。フツーの寄生体は俺が処理すっから、そっちを頼むぜ」
 KKは後ろ手をふって愛や征斗たちに加勢しに行いった。
 残された無量とすずなは、それぞれ刀を滑らせる音に振り返る。
 小太刀をふたつ構えた翁面に浴衣の男が、足を止めてこちらを見ていた。
 ――かと思えば、一切動作していないにもかかわらず至近距離まで一瞬で接近していた。
 頸動脈めがけて打ち込まれた刀をのけぞりによってギリギリ回避するすずな。
「いいですね。どれほどのものか拝見させて頂きましょう……!」
 目を大きく見開くと、のけぞり姿勢のまま綺麗に抜刀して横切り。から身をひねり体勢をたてなおす。
 確かに斬ったはずの翁面は残像を作って1m後ろに下がっており、今度はすずなの背後へと瞬間移動してきた。
 が、そこへ繰り出す無量の剣。
「いけませんね。独り占めは」
 再びかわした翁面。無量はすずなと背をあわせるように立つと、あえて目を瞑った。
 音は無い。光も無い。しかし一瞬、空気の揺れと殺気だけは感じることが出来た。
 一度に八つの斬撃が無量を襲う。腕や肩、腹や足から次々と出血するが……。
「嗚呼……心地好い」
 開いた目に狂気だけをうつし、次の首を狙った斬撃を素手で掴み取った。
 錫杖の柄輪に一本。左手に一本。それぞれの小太刀をとられた翁面。その背後へ急速に回り込んだすずなが、音も無く刀を振り抜いた。

 狐面の男が刀をひゅんひゅんと遊ぶように振り回している。
 天十里が二丁拳銃で連射する弾頭すべてを打ち落としているのだ。
「引きつけることはできたけど……なんでだろう、この狐面、隙がなさすぎ」
 頬に汗を流しながらも笑顔を浮かべる天十里。
 ゆっくりと、しかし確実に迫る狐面の斬撃を、割り込んだアルムが剣で受けた。
 打ち込む剣の重さと堅さ。
 そして立ち振る舞い。
 アルムはその一連から、狐面が自分と同タイプのファイターであることを察知した。
「七鳥様……この相手に搦め手は通じませんワ。ワタクシがそうであるようニ」
「つまりは……」
 天十里はポケットから特殊弾頭を取り出し『夕暮れ.s.OA』のリボルバー弾倉に装填。手首のアクションで力強くセット。
「さっきの特殊弾頭の感想聞きたかったけど……もし生きて覚えてたらおしえてね!」
 連続で剣を打ち込んでくる狐面。
 アルムはそれを『護剣アルタキエラ』による徹底的な防御フォームで打ちはじき、ごく一瞬の隙を生み出した。
「今でス――!」
 アルムの肩を踏み台にして飛ぶ天十里。
 頭上をとった状態で、天十里は見上げた狐面そのものを打ち抜いた。

●妖刀の末路
 落ちた刀を回収し、蒔絵細工のなされた箱にしまい込んでいくKK。
 最後に狐面の持っていた刀を拾い上げると、鞘にストンと納めた。
「フウ、やっと戻ってきたぜ――俺の可愛い告蘭咲裂華(ブラックロータス)」
 最後にその刀も箱に詰めると、先程まで装備していた透き通った刀で箱ごと切断した。
 砕け散り、黒い一個の球体へと変化していく刀群。
「ふうん……それでいいの?」
「宝石、っていうより大理石みたいだね……」
 天十里と征斗が見守る中で、KKは球体を袋に詰め込んでいく。
 愛は勝手に上映会の準備をしているしアルムは一件落着と言った様子で帰り支度をしていた。
「まあ、これ以上触らんで済むなら何でも良いのう」
「ええ。私も楽しませて貰いましたし……」
 同じく帰り支度をするクラウジアと無量。
「ま、何人かは殺さずに済んでるし。俺はこいつらの対応しとくわ」
 ルカが『あとはまかせろ』と手を振るので、すずなは球体を入れたふくろをじーっと見つめていた。
「刀が完成したらぜひ触らせてくださいね! 楽しみにしてますね!」
「お、おう」
「さ、帰りましょウ」
 そうこうするうちに事態は片付き、妖刀も回収された。
 死体以外誰も居なくなった暗い地下室で、カタンと狐の面が裏返った。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!

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