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シナリオ詳細

クソザコ美少女と人力パンジャンドラム
クソザコ美少女と人力パンジャンドラム

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●こういうことをする依頼だよ
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
 『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)が水車状の物体にX字姿勢で組み込まれ、猛烈な側面回転をかけられながら転がっていった。
 車輪は目標物に接触すると同時に爆発。クソザコ美少女はそのままの勢いで回転しながら敵の頭に突き刺さった。

●紅茶をキメろ!
「やあ、バズーカ博士やで」
 イギリスめいた音楽を背に、バズーカ砲がみんなに挨拶をした。
 いきなりこんなこと言われて混乱するだろうけど、すまない、そのまんまの意味なんだ。
 M9スーパーバズーカから手足がはえた奇っ怪な生物ことバズーカ博士は幻想や海洋、練達などで幅広く活動する兵器デザイナーである。
 人を砲身に詰めて飛ばすファイナルファイティングファイヤー砲や待ち一つ吹き飛ばせそうな勢いのサバンナキャノンなど、強力な兵器から珍兵器を実績にもつ彼による……今回は試験運用依頼であった。

 始まりは幻想王国から正式な依頼が入ったからと、イレギュラーズたちがいそいそと広大な演習場へとやってきた時のこと。
「私はホーク=J=トールキン。王国に仕える騎士です。好きな言葉はビクトリー。よろしく頼みます」
 騎士ホーク。名の通り鷹のような鋭い目と美しい翼をもつスカイウェザーで、王国騎士の中でもエリートコースと噂の三本槍エンブレムが鎧の胸に光っていた。
「我々は『兵器検討部門』の騎士です。王国が導入するかどうか考えるまえにまず検討しレポートするのが私たちの使命。
 軍に正式採用されれば高い実績と富が手に入る。検討を求め製品を送ってくる者は後を絶ちません。ですがそれを全て我々がテストしていては人員も時間も足りない。というわけで、そのうち一つの実戦テストをまた依頼しようというわけです。
 そのテスト兵器がこちら……
 『人力パンジャンドラム』です!」
 帰ろうとするな! ええいにがさん!

●バズーカ博士はバズーカでできている
 人力パンジャンドラム。
 乗組員をバンザイして身体をX字型にした状態で組み込み、猛烈な速度で側面方向に回転させていくことで敵にぶつけ、爆発させ、案外無事らしい乗組員を即座に近接戦闘を開始させるという画期的なのか馬鹿なのかわかんない兵器である。
 どういう配慮なのか身長30センチから3メートルまで対応しており『みんで特攻(ブッコ)もうぜ!』をキャッチフレーズに売り出そうとしているらしい。
「今回はこの荒野に出現するという陸サイクロプスと戦って頂きます。
 皆さんも知っての通り陸サイクロプスは直立二足歩行する巨人で弱点はどうみても目です。
 できるだけ積極的に人力パンジャンドラムを使って戦闘を行なってください。報告と観察は私、ホークが担当したします! どうぞよろしくお願いします!」
「しますやで!」

GMコメント

■おさらい!
 人間を組み込んでジェット推進で転がすという狂気ウェポンの実戦テストが依頼されたゾ! デジャビュ!
 ンなもん即座に突っ返せよと思うけどこういうのでもちゃんと検討しないとダメなあたりが真面目な騎士さんっぽいね。
 さておき、こいつをつかって陸サイクロプスを倒しにいくぞ☆
 できるだけ積極的にこの狂気ウェポンを使って、モンスターと戦おう!

■戦闘について
 陸サイクロプスは探すとそのへんに居るモンスターです。ので、何度でも再戦が可能です。
 依頼目的は『実戦テストをすること』であってモンスター退治ではないので、効率的な戦闘パターンを考えなくても結構です。というか考えてたらパンジャンつかわんじゃろ?

 パンジャンはたーっくさん用意してあるので、いくらでも特攻(ブッコ)んでください。
 『俺、パンジャンに組み込まれるのはちょっと……』という方は敵をパンジャンが当たりやすいように誘導する係や敵に突き刺さった味方(主にクソザコちゃん)を回収する係をやってみるのもいいでしょう。

■人力パンジャン
 ジェット推進で転がっていき敵に自爆特攻をしかけた後さあ戦えという、名前を軽く裏切った狂気ウェポンです。
 バズーカ博士がすごいのかなんなのか、組み込まれた人は回転酔いをしたり転がっていくのがなんか恐かったりする以外はさしたるダメージをうけないように出来ているらしく、自爆特攻のダメージはぶっちゃけ50とかそのくらいらしいです。
 案外有効そうなのがムカつくよね。

 今回は依頼メンバーに『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)がばっちり入っているので、困ったら彼女だけ詰めてころがしーの回収しーのまたころがしーのを繰り返して貰っても構いません。

【クソザコ美少女成長記録】
※クソザコ美少女は依頼での出来事をもとにこっそり成長します。これまでの成長で得たスペックは以下の通り
ステータス:低ファンブル、高防技、高HP
戦闘スキル:遠距離、味方支援型
非戦スキル:料理(悪)、騎乗、食材適正
アイテム:応援団長のタスキ、クソザコ神クリアファイル、ダンボルガーZ変身セット、借金、身に覚えの無い婚姻届、未来ファッション
職業適性(見習い):掃除、鍛冶、嬢、ウェイトレス
自宅がキャノン:住んでるアパートから時折発射されます。
『クソザコ神Z』:おだてられるとなんでもやる子になりました。
『囮・砲弾適正』:いろんなものが顔面に飛んできますし、自分もよく飛びます。
『ビューティードリル』:皆に投げられることで回転しながら飛んでいきます。相手はきっと死ぬ。

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • クソザコ美少女と人力パンジャンドラム完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年09月19日 22時45分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

マグナ=レッドシザーズ(p3p000240)
緋色の鉄槌
デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)
大いなる者
マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)
かくて我、此処に在り
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
エリーナ(p3p005250)
フェアリィフレンド
ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
橘花 芽衣(p3p007119)
鈍き鋼拳

リプレイ

●パンジャンジャン!
 デーン!
 という効果音と集中線。そしてパンジャンドラムをご想像いただけようか。
 折角なのでそこに組み込まれた『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)もご想像頂きたい。
 ルーレットに貼り付けられた人みたいな。そういう拷問をうけてる人みたいな……。
「ぶはははっ、こいつが名高い練達面の極みたるパンジャンドラムか!
 いやぁ、よもや実物を見てしかも乗り込むことになるたぁなぁ」
「うん……うん……いや……パンジャンドラムは人を組み込む兵器じゃあないな」
 腕組みをして全景を眺める『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)。
 『捨ててしまえそんな非人道兵器』とまではいわないが、ここ混沌では案外非人道的でもない気がする(このくらいじゃ兵士は大して怪我しない)のが恐いところだった。
「まあ、何事も経験と言うし、私も一度試してみようか。皆はどうする」
「まあ、テストが主な目的だから、な」
 『かくて我、此処に在り』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)もまた同じように腕組みをして、『人力パンジャンドラム』とその開発者を見た。
 開発者はバズーカ砲に手足が生えた奇っ怪な生物である。
 こんな人に『なんでこんな兵器作った!』て聞いても素で返されそうでちょっと恐かった。
「まあ……なんだっけ、こういう輪っかに入ってやるスポーツ」
「ラートだな」
「ラートはジェット噴射で敵に突撃しないと思う」
 『鈍き鋼拳』橘花 芽衣(p3p007119)が非武装状態のままパンジャンの各部をぺちぺちと叩いてみる。
 思ったより頑丈で、思ったより転がらない。
 これ自体結構な重量があり、転がすにはそれなりの推進力を要するのだろう。そんなもんに組み込まれて無事でいられる技術のほうがむしろすごい。
「これに乗って突撃して初撃で爆発、その後部隊を展開する……うん、やっぱり頭おかしいよね、この乗り物。お仕事だからしっかりやるけど」
「何事も検討しなければならないというのも、大変なお仕事ですね……」
 今回の依頼人こと幻想騎士ホークさんが日夜こんなもんと戦っているのかと思って、『フェアリィフレンド』エリーナ(p3p005250)はちょっと遠い目をした。
 さらには自分が組み込まれて飛んでいくさまを想像して……。
「用事を思い出したので帰っていいですか?」
「だめ」
「ですよね」
 エリーナは諦めの笑顔で、懐(?)からスッと酔い止めの粉薬を取り出した。

 エイサホイサって言いながら丸太を担いでくる三角頭巾に褌姿の男たち。
 いや、丸太ではない。
 藁で簀巻きにした人に『大いなる者』デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)が跨がった謎のなにかを運んでいた。
 ホイサーっていいながら地面に放り捨てると、簀巻きがびたんびたんして中から『クソザコ美少女』ビューティフル・ビューティー(p3n000015)がうにゅるって飛び出してきた。
「な、なんですの!? ここはどこですの!? わたくしファッション誌の撮影に来たはずでは!?」
「騙して悪いが兵器テストじゃよ」
 デイジーはばさっと扇子を広げると飴ちゃん投げて男たちを帰らせた。
「大丈夫なのじゃ。これを渡しておこう。苦痛に耐えられぬ時飲むと良いのじゃ」
「それなら安心ですわー。早速のませてもらいま――あイタッ!」
 渡されたカプセル状のなんかを即座に飲もうとしたので、『緋色の鉄槌』マグナ=レッドシザーズ(p3p000240)がクラブハンドでべしっとたたき落とした。
「その流れで飲もうとするな。ったく……で? あのパンジャンとやらにはどう乗ればいいんだ。
 お前こーゆーの得意だろ。自宅に大砲付けてるくらいだし」
「わたくしがつけたんでしたかしら、あれ?」
「まあ安心しろ、もし不良品だったら開発者を中に組み込んで飛ばしてやる」
 マグナが世にも恐い顔でニイイっと笑った。
 その後ろにスライドインで現われる『noblesse oblige』ガーベラ・キルロード(p3p006172)。
「オーホッホッホッホッホ!」
「その声は――ガーベラさん!」
「いかにもですわ、ビューティー様!」
 『noblesse oblige』ガーベラ・キルロード(p3p006172)はマグナをぐいぐい押しのけるとビューティーの前に割り込んできた。
「御久し振りですわ! 相変わらずお元気な様子で……私も安心いたしましたわ」
「さっき簀巻きにされて担がれてたけどな」
「そして次はパンジャンに組み込まれるのじゃ」
 後ろからにゅっとはえるマグナとデイジー。
「色々大丈夫ですの……? けれど、ビューティー様が挑戦するのですからライバルである私が挑戦しない理由はありませんわね!」
「えっわたくし挑戦するんですのこれ」
「しますのよ!」
「しますのね!」
「さあ、どこからでもパンジャンなさいませ!」
「「オーッホッホッホ!!」」
 流れで承諾しちゃったビューティーを、係員がよいしょと担ぎ上げてパンジャンに組み込んでいった。

●ぱんころ
「ぴゃああああああああああああああああああああああ!!!!」
 巨大な車輪に組み込まれてジェット噴射ですっとんでいった経験おありだろうか。あったら大変なことである。
 だが今回この依頼に参加したメンバーはみな、胸を張って『あるぜ!』と言えるようになるだろう。
 その第一号であるところのビューティーは高速回転しながら陸サイクロプスに突っ込んだ後激しく爆発四散した。
「ぁぁぁぁぁぁぁああああああむっ!」
 爆発のなかでひとり垂直発射され頭から陸サイクロプスの目にささるビューティー。
「目がーーーーー!!」
「ビューティーが目に物見せたぞ! ブハハハハ! 突っ込むぜェ!」
 続いて次々に陸サイクロプスへ突っ込んでいくゴリョウたち。
 同じくパンジャンのジェット噴射開始ボタンを押し込んだガーベラは、ノンブレーキで突っ込んでいくパンジャンの回転に頭両サイドのドリルが逆立った。
「オーホッホッホ! 見てなさいビューティー様!
 私が真の気高きパンジャンを見せてあげま――あれ? これ思ったより怖いですわね、ちょ、大丈夫ですわよね、あっ、ああああああああああああ!?」
 高速回転したガーベラが陸サイクロプスの腹に直撃。
 爆発したパンジャンから放り出されたガーベラが目を回したまま根性で立ち上がった。
「オーホッホッホ!私はキルロード男爵家が長女、ガーベラ・キルロードですわ!
 陸サイクロプス! 貴方達など私達の敵ではありませんですわ!」
「ガーベラさん、陸サイクロプスは後ろですわ!!」
「――敵ではありませんわっ!」
 180度反転してビッとクワを突きつけるガーベラ。
 なんだなんだとゆるやかに集まってきたリクサイクロプス。
「そこだー!」
 芽衣は丁度いいタイミングを狙ってパンジャンスイッチオン。アーンド、ヘカトンケイル・トランスファード。
 異空間ゲートから各パーツが飛び出しジェット噴射で追いついたかと思うと『うーわ装着者回転してんじゃん』という戸惑いの動きを見せたあとなんとか根性で装身。したかと思うと――。
「参上! ヘカトンケ――ぶべっ!?」
 集まってきた陸サイクロプスに激突したあと爆発し垂直発射された後頭から落ちた。
 うーんといって起き上がると装着しそびれたヘッドパーツがジェット推進で飛んできて顔面にドーンした。
 おわーと言いながら後ろ向きに転がっていく芽衣。
「まぁ常に相手の陣地に肉薄してヘイトを稼ぐ必要のあるタンクとしては、一気に接近してヘイト稼げるパンジャンはマジで有用なんだよなぁ、困ったことに。タンクだから多少の爆発ダメージなんのそのだし、重みがあるから割と安定して突っ込めそうな気がしないでもない――と」
 高速回転しつつもなぜか平然としていたゴリョウが、なんか、なんともいえないタッチの顔になった。
「思っていた時期が俺にもありました」
 爆発。垂直発射。空中で回転。身をひねり地面に片膝と拳を打ち付けて着地!
「膝ァ……!!!!」
 着地の衝撃で膝関節がどうにかなっちゃったゴリョウが一旦その場をごろんごろん転げ回ると、何事もなかったようにさっきのポーズに戻って目をギラーンと光らせた。
「ぶっははははは! 世のため人のためパンジャンの性能を検査する、ゴリョウ・クートン! このエルフ鋼の輝きを恐れぬのなら、かかってこい!」
「「――!?」」
 三人いっぺんに飛び込んだヘイターチーム(とクソザコ)に、陸サイクロプスたちは棍棒を振り上げウラーとか言いながら突撃していった。
「っしゃあ! 今だ!」
「特攻(ブッコ)みましょう!」
 バリバリにエッジの利いた外見してるマグナはともかく、童話から出てきたようなエリーナが『特攻(ブッコ)む』という単語を常用してるさまは軽く周囲に常識酔いを起こさせた。
 さておき。マグナは大地をクラブハンドで殴るようにして勢いよく宙返り&ライドオン。
「俺は考えた。多少敵から外れそうな時も魔術射撃の反動で多少の軌道修正ができうおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
 真っ赤な車輪がオーラの轍をひいて陸サイクロプスに突撃していった。
 車輪術式クラブパンジャンである。
「ねえよそんな技!」
 赤い爆発とのけぞる陸サイクロプスを背に陸サイクロプスに突き刺さるマグナ。
「クソザコにできて、オレにできねえ道理はねえ!」
「目がーーーーーー!!」
「よし、追撃だエリーナ!」
 といって振り返ると。
「いま特攻(ブッコ)みます」
 アゲハチョウのようなキラキラを振りまきながらパンジャンが猛烈に転がってきた。
 大まじめな顔で組み込まれたエリーナが陸サイクロプスに激突し爆発四散。
 妖精の光を幕のように纏い爆破を逃れると、敵からやや距離を取った場所にスタンと着地した。
「なんて綺麗に特攻(ブッコ)みやがる……平気なのか?」
「…………」
 エリーナは真面目100%の顔で振り返ると。
 小刻みにぷるぷるしていた。
「すごくきもちわるいです」
「平気じゃなかったのかよ!」
 粉薬(フェアリー印の酔い止めパウダー。妖精が異空間の花園から集めてくるという花蜜を粉にしたもの。船酔いに効くと海洋で人気)をさらさら飲み始めるエリーナ。
 その左右を、ゼフィラとデイジーのパンジャンがジャンプしながらすりぬけていった。
「段差を用いれば飛べる。当然の道理だな。目だ。目を狙え」
「"待"ってたのじゃァ!!この"瞬間(とき)"をよォ!!」
 作画のかわったデイジーたちが高速回転しながら陸サイクロプスの顔面に直撃。
「「目がーーーーーー!」」
 爆発と顔を押さえる陸サイクロプスを背に、ゼフィラはぐらつきながらも着地。
「き、気分が悪い……頭がゆ、ゆれる……」
 直立状態もままらなねえって調子で左右にゆれるゼフィラに、エリーナがそっと粉薬を差し出した。
「まだまだ修行がたりぬのじゃー」
 壺にしがみついてふわふわ浮遊しながら下りてくるデイジー。
「妾のように常に冷静でいればいかなる回転にも動じないのじゃ」
 とかいいながらずっとくるくる横回転を続けるデイジー。
「もう物理的に動じちゃってるみたいですけど……」
「あんずるなー」
 とかいいながらもう完全に逆さになっちゃってるデイジーである。
 もはや壺からぶら下がった人である。
「おー、そろそろいいか」
 仲間が一通りパンジャンしたのを確認すると、マカライトもパンジャンに搭乗。手足をがしりと器具に固定させると、ジェット噴射開始ボタンをポチっとなした。
「気は進まんが行くぞー、パン殺ー」
 マカライト視点ではこうである。
 ドシュンという音が聞こえたかと思うと世界が急速に横回転をはじめ、暴風によって音が消え回転によって光が乱れなんかもうわけわかんないうちにボッていう音と共に視界が白い光に包まれる。
 キーンという音とゆっくり戻ってくる視界と環境音。
 手足の感覚が戻ったなと思ったらもう自分は地面に倒れているという有様であった。
 そこへすぐさまかけつけたティンダロスにつかまり離脱。首を振って感覚を取り戻す。
「思ったよりも激しいな。ダメージは少ないようだが……」
 発射地点(?)にはまだ数台のパンジャンがスタンバイ状態で設置されている。
 博士も検討部門員も『次はまだかなー』って顔して突っ立っていた。
 振り返れば、追加の陸サイクロプスがもりもり接近している。
「さて、第二派を始めるか」

 第一のコース!
 クソザコパンジャン!
「なんですの? わたくしなんでもう一度組み込まれてますの!?」
「じしんをもておまえならいける」
 すげー棒読みでサムズアップしてみせるマグナ。
「えっほんとうですの? いけますの? わたくしさっき刺さりましたけど……」
「いいからもっぺん行ってこい」
「説明が途中からなげや――へぷん!」
 ぺちーんとひっぱたくマカライト。
「お馬鹿ッッッ!!」
「いまなんでペチンされましたの!?」
「己の持ち味をいかせッッッ!!」
「持ち味……!!」
 って、なんだろう。
 と停止したビューティーを放置して、双眼鏡(らしきもの)を使って陸サイクロプスたちを観測。発射角度を修正し始める。
「修正よし……いつでもいけるぞ。他に行く者は」
 くるりと振り返る、と。
「紅茶がうまいのじゃー」
「ですねー……」
 デイジーとげっそりしたエリーナが小鳥さんと戯れながらお紅茶しばいていた。
 これが天使の歌使用シーンだっていったら、信じる?
「優雅なアフタヌーンティーを楽しんで疲れを癒やすのじゃ。お茶請けはジャムパンなのじゃ」
「ジャムパンー……」
 知能指数が三歳児くらいまで下がったエリーナが、世にも平和そうにジャムパンをもふもふしていた。
 これがスーパーアンコールの使用シーンだって言って誰が信じるか。
「ビューティー! ついに頂上決戦になりそうですわね!」
 自分からパンジャンに組み込まれたガーベラが、ビューティーへと振り返った。
「ガーベラさん……!」
「流石私のライバル……一気にいきますわよ! オーホッホッホ!」
 高笑いしながら高速回転するガーベラ。
 アーベントロート派名門貴族キルロード家の令嬢が高速回転してすっとんでいくという貴重なシーンである。
 それと一緒になってすっとんでいくビューティー。
 爆発して陸サイクロプスの目に突き刺さるビューティー。
「目がー!」
「今ですわ!」
 早速回転に慣れ始めたガーベラは垂直に飛び上がると陸サイクロプスの首にがしりと組み付き……。
「キリングロード式格闘殺戮術――七転蓮華」
 人体の構造上きわめて抵抗の難しい角度に首を捻り特殊な力を加えることで気道はおろか血流や神経その他を瞬く間に切断してしまう恐ろしい必殺技である! なんで巨人にも使えてるのかはキルロード家に聞いてくれ!
「んご!?」
 首の骨が折れる音をさせ、崩れ落ちる陸サイクロプス。
 その様子を見て、芽衣は装甲腕をがつんとぶつけ合わせた。
「そろそろ仕上げちゃおうか。使い方もだいぶ分かってきた」
「致命的な欠陥があるということを覗けばおおむね使える兵器だな」
「それってつまり使えねえってことじゃ……まあいいか。よしいくぜ!」
 ババッとそれぞれのパンジャンに搭乗するゼフィラとゴリョウ。
 三台のパンジャンがいま、スタートラインに並ぶ!
 カウント
 参!
 弐!
 壱!
「――轟!」
 マカライトが発光バーを掲げると同時にパンジャンは同時に出撃。
 ふらふらやってきた陸サイクロプスへ同時にぶつかり同時に爆発した。
「ヘカトンケイルミサイル!」
 爆破の勢いですっとんでいった芽衣が『きをつけ』の姿勢で頭から陸サイクロプスの目に突き刺さった。
「目がー!」
 そこへ予め用意して置いた魔砲打ち上げ花火を垂直発射するゼフィラ。
「こんなこともあろうかと」
「目がー!」
「とどめだァ!」
 ゴリョウのフライングローリングオークアタックが炸裂。
「目がーーーーー!」
 回転しながら跳ね返り、ズドンと両足で着地するゴリョウ。
「ある程度の重さがありゃあ多少の悪路でも問題ねぇ程度安定するが、重すぎると今度はスピードが出ねぇから、乗る奴の体重に合わせて推進力の調整とか出来るといいかもしれねぇな……」
「よく考えたら、爆発のダメージ抜きにしても車輪に括り付けられて転がされるのは肉体的に無視できない負荷なのでは?」
 とか真面目にゼフィラと話し合い始めた。
 さらっと加わるバズーカ博士。
「よしわかった。じゃあ大砲に詰めて発射しよう」
「なにもわかってねえこいつ!」

 と、こんな具合に。
 一連のあれこれを一通り観察したホーク検討部門員は、『不採用』のスタンプを書類にドンと押した。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!

 採用されてたまるかこんな兵器!

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