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シナリオ詳細

箱庭の守護者/無色の牢の番人
箱庭の守護者/無色の牢の番人

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●深緑の民の/
 深緑とラサの間で、にわかに騒ぎが拡大しつつある。
 ……ざっくり言えばラサ側の手引による深緑のハーモニア達の誘拐だ。
 両国の関係性が崩れかねないこの事態に対し、ローレットは行動を開始したが……彼らの中でも、この状態を憂慮しつつも、深緑へ赴くことに二の足を踏む者達がいた。
 錫蘭 ルフナ(p3p004350)も――実際の彼の行動や功労は疑う余地もないが――その1人と言えようか。
 だが、今回。イレギュラーズを、特にハーモニア達を優先して呼びつけた者がいるという段になり。続けて依頼主の名前が出れば、彼が忌避する(ないしは忌避『できる』)理由がなかったのである。

 ――錫蘭 ディンブラ。
 ルフナの兄であるその男は、近頃、自分の「里」の周辺がにわかに騒がしくなっていることに懸念を覚え始めていた。
 そのうえで、業腹だがイレギュラーズの手を借りる必要あり、と。周囲警戒のために支援を要請してきたのだ。
 事態は決して悠長に構えていられるものではない。もしかしたら、明日にでも。否、彼が庇護する子供達が眠っている今この時にでも現れるかもしれない――緊張感を孕んだ文面から伝わってくるのは、ひたすらに自分の囲う者達を護る為に形振り構わぬ焦燥感だ。
 それに危ういものを感じなかったと言えば嘘になるが、彼らは急ぎ、ディンブラの管理する「里」へと向かった。

●/護る為ならば
「幻想種は幻想種とだけで過ごすのが一番の幸せなんだ。君達は分かっているよね? 分かっているだろう? ちゃあんと僕が教えてあげたんだ」
 ディンブラは、夜闇の中横一列に並んだ子供達1人ひとりに噛んで含めるように言い聞かせる。教えたんだ、伝えたんだ。彼らは僕の言葉を疑うはずがない。「あの子」だってきっと、イレギュラーズとして行きていくより深緑で育ち、老い、朽ちていくことを望んでいるはずなのだ。
 ああ、なのに……そのはずなのに。
「ええ、幸せだと思います。だけど行かないと」
「はい、私達は幸せですが、それより大事なことがあるのです」
「行きたくないよう。行きたくないけど、行かなきゃたいへんなんだよう」
 子供らは口々に己に言い聞かせるように言葉を紡ぎ、ディンブラの手を振り払って歩いていこうとする。熱に浮かされたような表情からは、理性や知識と切り離して衝動的なものを抱えているようにすら感じ取れた。
 そして、彼らが熱っぽく視線を送るその先には、不定形の砂、それにまじるように目玉が浮いていた。砂の塊が視神経を持ったようなグロテスクな外観のそれは、しかし腹部に無機質な檻のようなものを抱いている。それが人工物か否かなど、どうでもいい。あれは明らかに『なにかを攫う』ことに特化した生物だ。
 あれを倒さなければ、間違いなく不幸は連鎖する。
 だが、子供達を守りながら、複数ゆらめくあれに対処することはできるのか?

 迷っているディンブラの前にイレギュラーズが現れた時――果たして彼が見せるのは歓喜か嫌悪かはたまた憎悪か。
 猶予なき戦いは、しかし不安の予兆を孕んでいた。

GMコメント

 このシナリオは錫蘭 ルフナ(p3p004350)さんの関係者シナリオです。
 なお、今回のシナリオには重要な点がいくつかありますのでご確認をお願いします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●成功条件
・檻の目の魔物の全滅
・戦闘終了時までに錫蘭 ディンブラを戦闘不能状態に至らせぬこと
・子供達の被害を最小限に抑えること

●檻の目の魔物×3
 砂状の体、催眠効果のある単眼、腹部に人工物の檻のようなものを備えた異形の魔物。
 単眼の睨みつける動作は超遠まで届き、精神系BSをいくつか付与します。ダメージを伴いません。
 砂による遠貫・万能属性の攻撃をしかけてきます。出血系BS、AP減少系BS等を伴います。
 『幻想種に対してのみ』檻に捕えようとしてきます。行動を制限する系統のBSを伴い、囚われている間常にHPとAPが中程度減少し続けます(束縛解除はBS解除ルールに従います)。
 総じてタフネスが高く、物理攻撃に若干の耐性を有します。

●錫蘭 ディンブラ
 錫蘭 ルフナ(p3p004350)の兄。三兄弟の長兄にあたる。年齢は『自称アラハン(アラウンド ハンドレッド)』。
 女性とも見間違える外見ながら、OPの通りの強い思想を持ちます。なお、ルフナに対しては「深緑で暮らし続けたほうが絶対にいい」と思っており、特異運命座標として引き裂かれた(と思っている)ことに強い懸念を抱いています。
 戦闘時は強力な神秘系スキルを使用、『グリーンオブマナ(深緑内でのみ強力な充填・神属性攻撃UP)』を有しますが、幻想種以外の種族に対して優先的に攻撃に巻き込んでくる懸念が大きいです。
 戦闘では注意してください。

●子供達×5
 魔物により強烈な催眠効果に陥っており、BS回復が2回成功しないと正気を取り戻しません。
 なお、小柄なため1人で2人ブロック可能です。

●戦場
 深緑内・ディンブラの里入口付近。
 夜の為木々の見通しが悪いですが、里として足場が十分に保証されています。突っ込みすぎると木々に阻まれるかも。

 では、ご参加お待ちしております。

  • 箱庭の守護者/無色の牢の番人完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年09月03日 00時05分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

マルク・シリング(p3p001309)
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈る暴走特急
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
グリムペイン・ダカタール(p3p002887)
わるいおおかみさん
錫蘭 ルフナ(p3p004350)
猫派
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
さいわいの魔法
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
繋ぐ命
フィール・ティル・レイストーム(p3p007311)
特異運命座標

リプレイ

●/閉じられた世界を/
「なんで……なんで僕の言うことが聞けないんだい? 聞き分けがよくないのは感心しないな?」
 ディンブラは混乱の極みにあった。
 当たり前、といえばその通り。彼は幻想種の子供達を外部に出したことも、外部との接触を許したこともない。彼らが求める物は与えた。自由とか無意味な知識以外は、すべてすべて与えた筈だ。
 なのに、彼らは目の前の相手に、歪な、生き物とすら呼べない不可解な造形物に操られるままに自分の手を離れようとしている。
 なんて不幸、不遇。『里』の中だけで自分の幸せを体現してきたのに、外から来て何もかも奪うのか。理不尽すぎやしないか。だから外の世界の者達は、幻想種以外の連中は信用できない。
 濁った光を湛えた目で、ディンブラは幻想種の子らを見る。傷つけてはいけない――彼らだけは。
 全身から魔力を迸らせた彼が一歩踏み出す、それより早く。
 子供達と奇怪な造形物との間に、イレギュラーズが割って入った。

「成る程…こうやって子供達を誘拐していましたのね。でも私達が来たからにはもう大丈夫! どうかご安心下さいまし!」
「笛吹き男ではないのに誘拐とは穏やかではないね」
 『祈る暴走特急』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)と『わるいおおかみさん』グリムペイン・ダカタール(p3p002887)は口々に告げると、魔物の元へと歩み寄ろうとする子供達を止めに入る。
 同時に、グリムペインは魔物の姿を視界に収めることで相手の実情――彼らが噂に聞く『ザントマン』か否かを推し量ろうと試みた。
 結論から言えば否。噂話に上るような汎用的な存在ではなく、これといって深い背景を持つ者でもない、と判断できた。
「さあさあ、巨大な鴉が飛んでくる。子供は大人しく帰る時間だよ」
 どこか演技がかった彼の声は、その異様とも言える外見と相まって非現実的なものに聞こえるだろうか。伽藍と鳴る鐘の音は、夢の終わりを告げて回る。果たしてその音が、夢の終わりをどれほど自覚させたかは定かではないが――。
「目を覚ますんだ。それは偽りの眠り、君を浚おうとする悪い夢だよ」
 マルク・シリング(p3p001309)はヴァレーリヤ達と足並みを揃えるようにして子供達へと歩を進めると、声を張り上げ、子供達の正気を取り戻そうと努める。強い催眠状態にある彼らの表情に変化が訪れることはないが、それでも僅かに、動きが鈍ったように思えた。
「その子達に近づいてどうするつもりだ。僕の大事な子供達に手出しする気でいるなら、お前達も奴らと変わらない」
「ふむ、この里の方針について口をだすつもりはないが……それはそれとしてあの魔物の所へ行っても面白いことはなさそうだよ?」
 突如現れた他種族の者達に、ディンブラは警戒を顕にする。『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は彼の態度を是としつつも、頑なに拒むことと現状を打破すること、どちらが優先されるべきかを問いかける。子供の行く手を阻みつつ発せられた祈祷は、範囲に収めた子供達をすべて治療することはかなわないが……マルクの声とあわせ、1人だけならなんとか正気に戻せた様子だった。
「どちらがいいか、悪いかじゃない! 今すぐ離れるんだ、でないと」
「『子供達もろとも』、は無理だよね? ディン兄、その子達は大事だろうから」
 『猫派』錫蘭 ルフナ(p3p004350)は、混乱露わなディンブラに向けてきっぱりと言い切った。唐突に訪れた肉親との再会は、ディンブラから一瞬、声と思考を刈り取りに行く。
 すかさずルフナが放ったブレイクフィアーにより、子供達は完全に正気を取り戻した。
「さあ、お探しの幻想種はこっちだよ! そう簡単には捕まらないけど、ね!」
「ほら、あたしもハーモニアだよ! 連れ去るならあたしにしなよ、魔物さん!」
 『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)と『繋ぐ命』フラン・ヴィラネル(p3p006816)はそれぞれ、自らの耳を曝け出して魔物達へとその存在を強調する。
 魔物の目的は幻想種の強奪である。それが強者であるか弱者であるかの別は問わない……捕まえられるなら等しく弱者であるゆえに。
 だからこそ、アレクシアの力は魔物達からすらも魔力を奪い取り、その敵意を殊更に集めることに成功する。彼女の魔術のカラクリを知らずして近付けば、仲間ですらも敵となる危険な技術だ。
「あの子達は何をやってるんだい?! ルフナくん、あの子達を止めないと!」
「その必要はないよ、ディン兄。幻想種は、兄さん達に守ってもらうだけの弱者じゃない」
 ルフナは兄へとそう告げると、自らも戦うべく前進する。正気を取り戻した子供達は不安と恐怖、現状への無理解から涙を浮かべ、叫び、恐慌一歩手前の状態に陥るが……そこは『特異運命座標』フィール・ティル・レイストーム(p3p007311)が間に入ることで、抜かりなく混乱を抑えにいく。
「ボク達はこの子達を守る為に来た。信じて欲しい。――ボクのことが信用できないなら、ついてきてもらってもいい」
「この子達を連れて行くのは、君だけなんだね?」
 フィールの言葉に、ディンブラは探るような視線で問いかける。静かに頷いたのを確認すると、小さく息を吐いて子供達の背を押し、フィールの耳元に口を近づけた。
「信用したのは『君だから』だよ。失望させないでおくれよ」
 薄暗い感情を煮染めたような声音は、フィールをして緊張と恐怖、いずれの感情も喚起させるものだったが……『彼に対しては』害意がないことは明らかだった。
「ボクは君を裏切らないよ。仲間も君も、信じてるから」

●/誰一人欠けずに
「主よ、慈悲深き天の王よ。彼の者を破滅の毒より救い給え。毒の名は激情。毒の名は狂乱。どうか彼の者に一時の安息を。永き眠りのその前に」
「夜が来た。朝が来る。黎明に居場所はないけれど、誰そ彼の中には君達は不要だ。……そうだろう?」
 ヴァレーリヤの聖句と共に突き出されたメイスは、魔物の一体を強かに打ち据え、守りなどなかったと言わんばかりの破壊力で叩き込まれる。よろりとよろけた姿に叩き込まれるのは、夢見がちな調べと共に放たれたグリムペインの魔術。高い精度をもって打ち込まれたそれは、魔物の肉体を蝕んでいく。
 ぎしぎしと軋みをあげて振り上げられた手のような器官は、しかしその2人を狙わず、アレクシアの逃げ場を奪い、腹部の檻を開け放った。
「そんな雑な手付きで花を摘もうだなんてとんでもない、そう思わない? なおさら無視できなくなったね!」
 だが、彼女の言葉通り、魔物の捕獲動作はアレクシアを捉えることはかなわない。捕まえられたとして、瞬きのうちに逃げ出して終わりではあるのだろう。だが、捕まることそれ自体がなにかのトリガーなら、捕まらないに越したことはない。
 2体目の魔物は、アレクシアへと圧縮した砂を打ち込み、その継戦能力を削ぎにかかる。連携は上等なものだったのだろう、彼女の胴を僅かに貫くことに成功はしたが……魔物もまた、不意をついて一撃を食らっていた。
「随分と奇妙な生物だね。遺体でも砂の一粒でもいい、残ってくれるなら好都合なのだがね」
 それは、気配を殺して死角から襲いかかったぜフィラだった。敵の詳細を調べたい、知りたいと考える以上、相手を倒さなければ意味はない。深緑をじっくり見て回りたいという気持ちが無いと言えば嘘になろうが、後方で詠唱を続けるディンブラを思えば不用意に突出したり、後ろに残っては危険に晒されよう。できるだけ速攻での撃破に努め、以て信頼を勝ち取るのが最善手だ。
「頼もしい限りだよね。信頼できる仲間はいいものだよ」
 マルクは仲間の猛攻を視界に収め、ふっと表情を緩めると聖なる光を解き放つ。邪悪と見做した者のみを狙うそれは、乱戦の状況下にあって魔物達だけを打ち据えていく。魔物の命を刈り取る力はないが、弱らせるには十分すぎる。
「アレクシア先輩、大丈夫!?」
「私は大丈夫だよ! フラン君は?」
「あたしも大丈夫っ! ちょっとやそっとで倒れるような鍛え方はしてないよ!」
 フランはアレクシアが引き受けた魔物達の猛攻を肩代わりする形で、3体目の魔物の攻撃をしのぎつつ癒やしの音色を奏でていく。神秘に属する汎ゆる魔物の攻撃が、不調を齎す厄災の技の数々が、彼女らを前にして陳腐な砂遊びや眼差しに堕してしまう。それでも無視できぬ傷は、治療に回れば呆気なく消えていく。
 本来なら今少し善戦できたであろう魔物も、状況と巡り合わせが悪ければこのようなものだ。余りに雑な末路と言わざるを得ない。
「……彼らは邪魔だね。ルフナくんのお友達も巻き込んじゃうじゃないか」
 ディンブラは苛立ちまじりに術式を切り替えると、アレクシアを捕らえようとした個体の頭部へと一筋の光芒を向ける。光の貫通は一瞬、数秒置いて、それは大穴を空けて爆ぜた。砂が本体だけに元の形へと戻ろうとするが、それでもペースは遅々としたものだ。あれが範囲魔術の類で仲間に降り注いでいれば、と考えるとぞっとする。
「ディン兄、あれが僕の仲間なんだけど」
「そう。幻想種の子達はいい仲間だね。他の連中は知らないけど」
 ルフナは、術式発動の直前で翻意したディンブラに少しばかり自慢気に胸を反らした。グリムペインは彼らの近くに、そして前に出た仲間はその多くがアレクシアとフランを主軸として、敵味方入り乱れた陣形を取っている。マルクがやや離れているが、彼を無意味に打ち据える行為はそれこそ無意味だ。
 それだけの状況を作り出したという事実と、幻想種とその他の種族が手を取り合って最大効率を叩き出している戦いの状況。胸を張らずしてなんとするというのだろうか。
「ディン兄の言う通り意地を張ってるよ。でもこれは帰りたくないって子供のワガママじゃない」
 だから、今は戦える。魔物の単眼がルフナを捉え、呪いの類を叩きつけようとするが、ルフナが命を吸い上げる方が何倍も速い。霧散した術式ごと、ヴァレーリヤのメイスがその単眼にねじ込まれ、燃え上がる。
「子供達は里に戻ったよ。多分、眠れないほど怯えてる筈だよ。……寝かしつけてきてあげたほうがいいよね」
 フィールは戻ってくるなりそう言ってディンブラをじっと見つめた。手元はまるで別の生き物であるかのように術式を編み上げ、魔物達を切り刻んでいる。
 ディンブラは何事か言い返そうとしたが、相手は幻想種で、口にする言葉はいちいち正論で。彼に抗弁をする余裕も、正しい理もなかった。
「おやおや、子供達も子守唄を聞く時間だね……つまりはお伽噺もおひらきといったところかな?」
「そうだね、物語の終わりは盛大にいかないと。皆もそう思わない?」
 グリムペインが子供達の状況に絡めて冗談を飛ばせば、ルフナも軽妙に相槌を返す。
 そうだ、これが僕の仲間で、僕の在り方だ。
「……ルフナ先輩、ディンブラさんは分かってくれたかなぁ?」
 未だ魔物の猛攻を引き受け、浅からぬ傷を受けながら。しかしフランの声は弾むような響きを伴っていた。問いかけつつ、どこか答えを知っている。期待している。そんな響きだ。
「さあね」
「分かってくれようがくれまいが、私達は目の前に助けるべき人がいればそうするだけですわ」
 弱者の灯火であるために。ヴァレーリヤはそんな教えを頼りに走り続けてきたのだから、これからもそうするだけだ。
「僕たち余所者が一朝一夕で認めてもらえるとは思わないよ。でも、子供が悪い夢を見るべきじゃないのは当然だから」
 マルクは繰り返し閃光を放ちながら、敵の動きを機敏に読み取って立ち回る。
 仲間の不調は治療し、隙あらば攻めに周り、一刻も早く脅威を打ち払わんと心血を注ぐ。癒やしと守りに徹する常の彼とはまた別の戦い方は、仲間の充実あってこそ。

 イレギュラーズの戦力の充実は、翻って魔物達にとって極めて不幸な結末でもある。
 ディンブラが再び戻るのを待たずして、それらは静かに土へと還っていった。

●//もう一度その言葉が言えるように
「外の世界には確かに怖いことも危ないこともいっぱいで、そしてディンブラ君が何よりもここの子たちを大事にして護りたい気持ちもわかる」
 それでも外の世界は恐れるだけのものじゃない。わかって欲しい……アレクシアはそう告げた。
「あたしも召喚されて深緑の外に出て、びっくりすることも沢山あったけど、でも、外に出て知ったことや出会えた人もいて、故郷や同類の皆はもっと大事になった」
 だから、外に出ることで仲間を忘れることはないのだとフランは続ける。ここに現れたイレギュラーズが、裏なき者であることも。
「君達の言い分は聞いておくよ。でも、ルフナくんは無理をしているんだろう? 嫌な事もいっぱいあっただろう? なら」
「……幸せになれなくても後悔はしないって約束するから、ごめん。今は、戻れない」
 追いすがるディンブラに、しかしルフナははっきりと拒絶をしめす。彼が嫌い? そんなわけがない。
 彼の考えは理解した上で、今、この世界こそが彼の自由意志の結果である、といいたいのだ。
 ――彼がこなしてきた依頼について口を噤む気持ちもあるが。だが、今、彼はディンブラに小さく挨拶をして踵を返す。

 ところで。
 ゼフィラとヴァレーリヤが探して調べ、グリムペインが持ち帰った魔物の残骸だが。
 なんらかの神秘の介在があったことが、後に明らかになる。つまりは、何者か――『ザントマン』か――の手引により活性化したものかもしれない、そんな事実だ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした。
 ……抵抗3桁?

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