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シナリオ詳細

Pantu Under Battle Game!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●バトルロワイヤルPVP(Pantu VS Pantu)
「フッ……フフ……クハハハハハハハハハ! ようこそ決戦のバトルフィールドへ! 歓迎しようイレギュラーズ……否、パンツァーズよ!」
 全身パンツまみれの変態。もといリュグナー (p3p000614)が玉座の上から叫んだ。
 巨大なパンツエンブレムが掲げられた玉座には無数のパンツが縫い合わされ背には『パンツを我が手に』と書かれていた。
 やっぱ変態だった。
 石でできた円形の舞台に集められたのは彼を含め八人のイレギュラーズ。
 ヨハン=レーム (p3p001117)。
 シュバルツ=リッケンハルト (p3p000837)。
 セティア・レイス (p3p002263)。
 道子 幽魅 (p3p006660)。
 ネージュ・クラウベル (p3p006837)。
 アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム (p3p000669)。
 アニー・メルヴィル (p3p002602)。
 ……以上のメンバーである。
「え、なんで僕たち集められたんですか。練達で娯楽アイテムのテストをするって聞いたんですけど?」
 きょろきょろするヨハンに、シュバルツが『俺に聞くな』という顔で首を振った。
「おいリュグナー、お前は説明できるんだろうな」
「我はリュグナーではない……パンツの王者キングパンティストだ!」
「だめだ、こいつ話が通じるクチじゃねえ」
「あ、あの……じゃあ、私帰りますんで……」
 幽魅がその場から出ようとするが、見えない壁にばりーんと阻まれて出ることができなかった。
 腕組みして頷くセティア。
「ここ、バーチャル空間だから。勝手に出るの、無理」
「そんなバーチャル空間聞いたことないんですけどぉ……!」
「よしんば出られたとしても、俺たちは依頼を引き受けてしまった身。努力義務を怠ることはできない」
 ネージュがなんか既に順応した顔をして見えない壁にもたれかかっていた。
 一方で状況が飲み込めてないアニーはまわりの顔を一通り見てからアリシアへと問いかけた。
「えっと……具体的には、何をしたらいいんでしょうか」
「心配しなくても説明してくれますよ。彼が」
 アリシアがピッとリュグナーことキングパンティストを指さすと、彼はもっかい三段笑いをしてみせた。
「よかろう! ルールを説明するのでよく聞くように!」

 ルール!
 リアルなバーチャル体感ゲーム『Pantu Under Battle Game』、略してPUBGは参加した全てのプレイヤーが互いのパンツを奪いあい、最後に全てのパンツを手にした者が勝者となる。
 つまりパンツをかけたバトルロワイヤルなのだ!
「この世界では自分と同様のリアルなアバターを使ってもらうが、服装や武装は自由に選択可能だ」
「自由……? それじゃあ核ミサイル装備した人の勝ちでは?」
 小首を傾げたアリシアに、リュグナーはもっかい高笑いした。
「クハハハハハ! 心配はいらぬ。なぜならここはパンツワールド! パンツ力こそが全てを支配するのだ!」
 リュグナーの頭上に浮かぶ大きな『パンツ力』の文字。
「パンツ力とはパンツに込めた想いと気合い。それが攻撃力であり防御力であり体力となる。いかなる武器を装備したとてそれは変わらないのだ」
「なるほど、装備や身体能力を一度リセットして決められた軸の中で戦うということか」
「まるで混沌に召喚し直された気分だが、レベル差が気にならないってのはおもしれえ」
 すげー真面目な顔で頷くネージュとシュバルツ。
「同感ですけど内容……っ! 内容が……! お二人ともなに真面目に頷いてるんですか!」
 幽魅が両手をぱたぱたたさせた。
 その一方で、理解はするけど慌てはしないマイペースなアニー。
「つまり、パンツをとられたらリタイアなんですね。そうならないようにパンツへの気持ちを高めておく……と。なるほど」
「ぱんつぱんつ言い過ぎじゃないですかこのゲーム」
 ヨハンが真顔で振り向くと、同じく真顔のセティアがガッツポーズしてみせた。
「パンツなら自信ある」
「言い方」
「舞台は海洋にあるとある島……を再現したバーチャル空間。このどこかに貴様たちをランダムにワープさせる。準備は良いな? いざ――!」

GMコメント

 ご用命ありがとうございます。黒筆墨汁でございます。
 皆さんは練達で開発されたリアルな体感型バーチャルゲーム『Pantu Under Battle Game』のベータテストを依頼されました。
 依頼されたからにはやらねばならず、やるからには真剣に挑まねば鳴りません。それがローレットってやつさ。

●ルールのおさらい
 皆さんは島のあちこちにランダムでワープさせられ、そこを初期位置としてバトルがスタートします。
 全員でパンツを奪い合い、最後まで自分のパンツを履いていた者が勝者となります。
 逆にパンツを奪われた場合その場から消滅(リタイア)してしまいます。

●フィールド設定
 実際に海洋にある島をモデルとしており、多くの民家があちこちにたっています。
 人間や小道具のたぐいは再現されていないので利用できるのは建物の壁やら屋根やらのみ。それらとは別にあちこちに馬が配置されているので、島の移動に活用しましょう。

●能力設定
 服装や武装は好きに選んでください。なにをどう選んでも有利不利は変わりません。
 バーチャル空間でのことなのでレベルやステータスは関係なく、力の源はパンツとなります。
 その日はいてきたパンツへの気合いや想いをプレイングにぶつけることでパンツ力が増し、攻撃や防御などに大きく影響します。
 パンツ力を高めることにプレイングを使うか、戦術や戦闘スタイルを練ることにプレイングを使うか。このバランスとりも重要になってくるでしょう。

 非戦スキルとギフト能力は一応使えますが、状況を有利にしすぎる能力はリミッターがかかることがあります。たまに利用しつつ頼りすぎないくらいでいきましょう。

●サドンデスルール
 今回の実験要素として、プレイヤーが一箇所に閉じこもってイモるのを防ぐためと島からの脱出を防ぐため、島外周にはパンツ破壊フィールドが広がっています。
 破壊フィールド内にしばらくいるとパンツが消滅し、強制リタイアとなります。
 島内は安全ですが、安全なエリアは時間と共にどんどん狭まっていき、最後には半径10メートルの円程度しか残らなくなるでしょう。島のどこが最後の10m円になるかはそのときが来るまでわかりません。
 要するにどんどん近づいていけってことですね。

●キングパンティスト
 バトルロワイヤル優勝者にはパンツの加護が与えられますが、今回は初回ということでリュグナーのパンツが黄金色になるだけとします。

●おまけの説明
 バトルロワイヤルに勝利すると何がいいかって、純粋に描写量が増えます。
 優勝者と準優勝者が特に増えることになるでしょう。
 奪っていけ! 互いの描写量と、パンツを!

 相談することないと思うので、いまはいてるパンツの色か好きな駄菓子を宣言してください。

  • Pantu Under Battle Game!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年08月14日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リュグナー(p3p000614)
虚言の境界
アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)
双世ヲ駆ケル紅蓮ノ戦乙女
シュバルツ=リッケンハルト(p3p000837)
死を齎す黒刃
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
セティア・レイス(p3p002263)
妖精騎士
アニー・K・メルヴィル(p3p002602)
零のお嫁さん
道子 幽魅(p3p006660)
成長中
ネージュ・クラウベル(p3p006837)
雪原狼

リプレイ

●Pantu Under Battle Game!
 『むらさきです』道子 幽魅(p3p006660)は民家に立てこもり、膝をかけてぷるぷるしていた。
「うぅ……だ、騙され……ました。
 ど、どど、どう……しよう? ゲーム、なんです……よね?」
 見回してみても実にリアルな廃墟である。
 リアルじゃないのはいつもぼろぼろの服を纏っていた幽魅(むらさきです!)の服装が新品みたいになっているくらいである。
「それに……ぱ、ぱ、パン、ツ……力って……なに……? なにが、なんだか……分かんない……」
 頭を抱えてまるくなる幽魅(むらさきです!)。
 そんな彼女が、持ち前のビビり性ゆえだろうか、野外の物音を察知した。
「幽魅さん、【むらさきです!!】のぱんつは私が頂くから」
 『うすいぴんく』セティア・レイス(p3p002263)の声である。
 その時になって理解した! 自覚した! 今が……パンツでパンツを洗うパンツバトルロワイヤルの最中であると!
 恐怖! 絶望! 圧倒的絶望!(立○ボイスで)
「お願いします……パンツさん! どうか……私を……!」
 両手を祈るように組み、目を瞑る幽魅(むらさきです!!)。
 その声を聞きつけたセティアが、窓をかち割って飛び込んできた。
「ぱんつがなくても、さくらんぼ餅で隠せばいいから!」
「かくせません……!」
 シュワーと炭酸飲料みたいな音を立てて飛び出す光の手。
 セティアの伸ばしたキラキラハンドが幽魅(むらさきです!!)の両足の間へと迫る!
 はぎ取られてしまうのか! 露わになってしまうのか!
 ギャラリー(いるのか?)がガッツポーズで身を乗り出したその瞬間!
 バキーンと音をたててパンツ型のフィールドが形成され、キラキラハンドが阻まれた。
「これは……PTF(パンティーフィールド)! パンツをとられたくないという一心がパンツの壁を作ったのね!」
 急にキャラと声優が変わったセティアが炎の中でサラシまいて太鼓を叩きながら解説した。
 そして、ハッと何かを察知して光のゲートへと飛び込み消えていく。
「たす……かった……?」
 ほっと息をつく幽魅(むらさきです!!!)。だが、まだ安心できるような状況では無かった。
 彼女の立てこもる廃墟には、『ぴっちりブラック』ネージュ・クラウベル(p3p006837)が迫っていたのだ……!

 砂の風吹く島の大地に、長いコートをはためかせ、ネージュはニヒルに歩いている。
「ゲームの勝利に興味は無い。だが、俺のパンツを渡すつもりはない。これは……」
 眉間に中指をあて、遠いセピア色の記憶を振り返る。
「姉さん……姉さんが選んでくれた、このパンツぁなぁ!」
 スパーンと自らの尻を叩くと、ネージュは廃墟へと飛び込んでいった。
 窓をクロスアームで突き破り、床を転がり、愛用の秘剣カツオノエボシを抜く。
「建物の中に何か有利なものが……ハッ!」
 振り返るネージュ!
 頭を抱えて丸くなっている幽魅(むらさきです!!!!!)!
「むらさきぃぃぃいいいいいいいい!!!!」
「ひいいいい…………!!」
 自分のパンツの色を大声で叫びながら飛びかかる男がいたら誰だって悲鳴をあげる。
 勿論PTFだってはる。
 突撃が壁に阻まれたことで、ネージュは奥歯を噛みしめた。
「俺の隙をついて……俺の、俺の姉さんを奪うつもりだったか!」
「な、なんの……はなし……で……」
「問答無用!」
 幾度となく繰り出される剣。ラッシュ。猛攻。作画が崩壊したのかアニメーターが万策尽きたのか、めちゃくちゃに歪んだネージュがめちゃくちゃに剣をPTFに叩き付けまくる。
 これだけの攻撃の前に、パンツの壁も次第にヒビがはしっていった。
 『ここまで必死なら一枚くらいあげてもいいんじゃ……』みたいな気持ちが隙になってしまったのだ!
 もうすぐ壁が破れる……という、その時。
 バチン、とネージュの手がパンツ破壊フィールドに触れた。
 慌てて飛び退くネージュと幽魅(むらさきです!!!!!)。
 二人は急いで窓や玄関を抜けて野外へ飛び出すも、その様子をセティアが十本くらいの手でうねうね手招きしながら待ち構えていた。
「ネージュさん、黒いぴっちりのぱんつもらうね、パイで隠せるっておもう」
「全門のセティア、後門のフィールド……だが、姉さん愛のぱんつが誰かの手に渡るくらいなら……!」
 ネージュは爽やかな笑顔を浮かべ、自らフィールドの中へと飛び込んでいった。
「最期まで一緒だよ、姉さん……」
 しゅおしゅおと消えていくネージュ。
「ネージュさん……!」
「黒ぴっちりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」

 ネージュ(黒ぴっちりパンツ)――戦闘不能(リタイア)!

 この後、すぐにセティアVS幽魅(むらさきです!!!!!!!)の戦いが始まるか……と思われが。
 セティアは黙ってゲートを潜りその場から逃げ出してしまった。
 なぜか?
 そう、パンツ嗅覚に鋭い読者諸兄にはおわかりであろう。
「ククク――クハハハハ――ハーーッハッハッハッハッハッハ!!」
 豪快な三段笑いと共に、馬に跨がった『ゴールデンパンツ』リュグナー(p3p000614)が現われたのだ!
 それも、全身にパンツというパンツを纏った変態として。
 否、この姿はもはや変態ではない。『怪人』である!
「我はキングパンティスト!この黄金に輝くパンツに選ばれし者だ。
 アイテム強化の為にパンツを消費する貴様らに、我は負けぬ!
 貴様らは、今までに売った乙女のぱんつの枚数を、強化素材にしたレリックぱんつの枚数を覚えているか?
 我は――――ゼロだ!!」
 福山声で叫ぶと、馬の上でリズミカルに腰を左右に振りながら幽魅(むらさきです!!!!!!!!!!)へと迫った!
「ひっ……ひ……」
「我がマーシャルパンツを受けるがいい! トゥッ!!」
 馬上から跳躍、回転、あとなんやかんやして、リュグナーの手にはむらさきのぱんつが握りしめられた。
 『嫌ァー』と言いながらしゅおしゅお消えていく幽魅(むらさきです!!!!!!!!!!)。
 リュグナーは自らのパンツを一枚馬にかぶせると、手綱をひくかのようにゴムを引っ張った。
「ゆくぞ馬(バ)ンツ! 破壊フィールドを振り切るのだ! ンナァーッハッハハッハッハッハ!」

 幽魅(むらさきです!!!!!!!!!!)――戦闘不能(リタイア)!

 二階建て民家の二階部分に陣取った『黒レース』アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)は、手にパンティライフル、腰にパンツガンをそれぞれ装備し、窓からそっと外側をうかがった。
 木の陰からこちらを見ているのはセティアだ。存在を感づかれたが、まだ攻めてはこない。
「アリシアさんの黒のぱんつもらう、黒蜜で隠せばいいから」
 とか、危ないピンのネタみたいなことをぶつぶつ言っている。
 なぜなら野外と屋内、そして階段にパンツ地雷を複数設置していたからである。
「地雷の存在に気づいてる? まさかね……」
 呼吸を整え、相手が動くのを待つ。
 その間に、自分の腰にそっと手を当てた。
 いつもと異なるヴィクトリアンメイドドレス。その長いスカートの内側にあるのは黒いレースのぱんつであった。
 意外にというべきか、むしろイメージ通りにと言うべきか、アリシアはセクシー系の下着を好んで着用していた。
 『ぱんつは穿いた上で自身を魅せるもの、そもそも下着は身体の防護以外にも自身をより引き立たせる為とも言われているわ』とめちゃくちゃ真面目に語るさまはすごくアリシアっぽかった。
「ぱんつとはいえ勝負事で負けるわけにはいかないわ。無限のぱんつよりも至高の一着があることを、証明してあげる」
 と、そこへ!
「クハハハハハハハハ!!」
 馬ンツの蹄をうちならし、リュグナーが猛烈な速度で民家へと迫っていた。
「馬鹿ね、そこは地雷が――」
「クハハハハハハハハ!!」
 馬が地雷を踏むたびにパンツが爆ぜる。
 対してリュグナーが全身に纏ったパンツはその一枚一枚が衝撃をやわらかく逃がし彼の肉体に一切の傷を与えなかった。
「怪物め……!」
 階段をショートカットで滑り降り、窓を突き破って野外へ飛び出すアリシア。
 野外にとめておいた馬にジャストで跨がると、すぐさま馬を走らせた。
「クハハハハハハハハ!!」
 パンツを頭上で振り回し、ブラックジャックめいた投擲によってパンツを放つリュグナー。
 アリシアが振り向きざまにうとうとしたパンツガンにひっかかり、手から奪い取られてしまう。
「くっ……!」
「この聖杯――いや、聖パンツには何人たりとも触れさせはせぬ!」
 さらなる速度をあげ、アリシアにおいつくリュグナー。
 アリシアはパンツライフルによるバースト射撃を浴びせながら牽制をしかけるも、彼のパンツを弾がすべっていくばかり。さらなるパンツショットによってアリシアの手からパンツライフルが撥ね飛ばされた。
「どうした! 貴様のパンツはその程度か! 所詮は黒いだけのパンツよ! 我が着衣のひとつとなるがいい!」
「黒いだけ、ですって……?」
 スカートの内側からもう一丁のパンツガンを引き抜くアリシア。
「レースの柄をよく見なさい」
「ぬっ……!」
 至近距離で放たれた銃撃が、リュグナーの額に直撃する。
 彼の目元を覆っていたパンツが破れ、リュグナーは驚きの表情で地面へと落馬した。
「馬鹿な……!」
 パンツを奪い取れるか。アリシアはそう考えたが、ここで控えているセティアに襲撃される危険は犯したくない。
 アリシアは馬の速度をあげ、その場から撤退。
 転げ落ちたリュグナーは、腕に巻いていたパンツを広げて新たに頭へと被った。
「パンツが無ければ即死だった……か。黄金のパンツをもつ我としたことが、ぬかったな」
 だが二度目はないぞ。リュグナーは笑いながら新たなポイントめざして走り出した。

 『黒以外になくね? 俺』シュバルツ=リッケンハルト(p3p000837)は怪物と相対していた。
 両手に鋏を握り、威嚇の姿勢をとるシュバルツ。
 彼の目の前には。
「アアアパンツウオオオオアアアアアアアアア!! アアラアアアアアア!!!」
 狂えるパンツの獣。パンツモンスターと化した『白ドロワーズ』ヨハン=レーム(p3p001117)が頭からパンツ被って暴れていた。
(どうしてこうなった……!)
 パンツゥーと言いながら宙返りをかけ飛びかかってくるヨハン。
 シュバルツは素早く飛び退き、ハサミの斬撃によって牽制する。
(しかし何もせず負けるのは俺のポリシーに反する行為だ)
「良いだろう。やってやる……やってやろうじゃねぇか!」
 シュバルツは覚悟を決めると、自らの腰を叩いて見せた。
 勝負の行方はEXAでもクリティカルでもない。パンツ力だ。
 そのためには……!
「聞け! 俺のパンツは黒(シュバルツ)のボクサーブリーフだ!」
「……!?」
 ぴたりとヨハンの動きが止まる。
「確かに派手さやデザインは他のぱんつに劣るかもしれねぇ。
 だが、なんといってもその履き心地とフィット感は他のぱんつには無い特徴だ」
「<ピー>のポジションがですか!?」
「<ピー>とかいうな!」
「超BIGのポジションがですか!」
「超BIGとか言うんじゃねえ! いらねえ誤解を受けるだろうが!」
 シュバルツ(超BIG)はハサミを握りしめた。
「一度履いたらもう他のぱんつには戻れねぇ代物なんだよ………!」
「ならその超BIGを解き放ってあげますよ……ノーパンという解放をもってねエエエエエエエエエエエエ!!!!」
 キシャーといいながら飛びかかるヨハン。
 シュバルツ(超BIG)はガード姿勢をとるが、あまりの怪力に吹き飛ばされ、金網を突き破って民家の壁に激突した。
 民家激震。
 その内側では……。

「ひいっ」
 揺れる民家の内側で、『白うさちゃん』アニー・メルヴィル(p3p002602)が震えた。
 マジックハンドを握りしめ、二人の戦いが終わり逃げる隙が出来るのを待っていた。
(履いてるぱんつを奪われるって……よくよく考えたらこれお嫁に行けなくなるのでは?
 そんなの絶対いやです~! まだ王子様にも出会っていないのに!)
 アニーは数世紀くらい独身を貫き賢者みたくなってる自分を想像して震えていた。
「奪われるくらいなら奪ってやる……おねがいうさちゃん、私に力を貸して!」
 すっくと立ち上がったアニーのスカートが謎の風にめくれ、縫い付けられた白うさちゃんアップリケが誰にともなく露わになった。
 このウィンクをしたうさぎちゃんこそがアニーの女子力でありアニーのパンツ力である。
 そんなアニーが他者のパンツを奪うと覚悟したとき、アニーとパンツはひとつとなった。
 ウィンクしていたうさぎちゃんが両目をカッと開き、その内側に『結』『婚』の字を光らせる。
「まってて私のバージンロード! いま行くわ私のウェディングブーケ!」
 てやーといって窓を突き破り野外へ飛び出すアニー。
 マジックハンドを勇ましく構え着地した彼女――を、前に!
「ぐわあああああああああああああああ!!」
 突如としてヨハンが苦しみだした。
「なんていう純白のパンツ力! ぼくの、ぼくの心が……パンツの呪いが……浄化……されて……」
 ふわーっと爽やかそうな顔になったヨハンの頭からパンツがしゅおしゅおと消えていき、彼は膝を突いた。
 『え、え?』と戸惑っているアニーのもとへと這いずり、自らのはいていたパンツ(ドロワーズ)をシュッと脱いでアニーの手に握らせた。
「アニーさん……僕は…邪悪なぱんつぢからに支配されていたのですね……。
 僕はもうダメです……か、代わりに……お願いします……キングパンティストを……倒して……」
 がくりと力尽き、消えていくヨハン。
 アニーはその間ずっと『え、え?』といって困惑していた。
 倒れた姿勢から起き上がるシュバルツ(超BIG)。
「キングパンティスト……? まさか!」
 ハッと振り返ったその瞬間、彼の背後の壁が崩壊した。
 両腕に大量のパンツを巻き付けたリュグナーが、パンツタックルによって破壊したのだ。
「クハハハハハハ! パン勝ツを我が手に! パンツの奇跡を知れぃ!」
 黄金のパンツ力を纏って襲いかかるリュグナーに、シュバルツ(超BIG)は思わず戦慄してしまった。
「体力を温存して漁夫の利を狙うつもりだったんだがな……全く、バケモンにばっかり狙われて参るぜ」
 シュバルツ(超BIG)はクールに前髪をなで上げると、ハサミを放り投げてリュグナーへと突撃した。
「奴のパンツ力は強大だ。俺の超BIG……じゃなかったボクサーブリーフじゃあパンツ不足だろうな。だが」
 リュグナーをガシリと掴みそのまま崩壊した壁を抜け屋内へと押し込むと、足を払って床に押し倒す。
「何ッ!?」
「一矢報いることはできる」
「貴様、まさか……!」
 迫るパンツ破壊フィールド。
 叫ぶリュグナー。
「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「後は頼んだぜ……クイーン……」
 シュバルツはフッと笑うと、リュグナーと共に消えていった。
 残されたアニー。
「え? コレ被るんです?」
 手に握らされたヨハンのパンツを見て、いやいやいやいやと小さく首を振った。
「こんなことしたらもっとお嫁に行けなくなっちゃう! だめ! パンツかぶりダメ! 私は――」
 と、立ち上がったその時。
 ピシューンという鋭い音と共にアニーの腰が打ち抜かれた。
 正確には、彼女の腰のパンツのゴムが打ち抜かれた。
 はらりと落ちるパンツ。
「そん……な……」
 振り返ると、ずっと遠くにスナイパンツライフルを構えたアリシアの姿があった。

 シュバルツ(超BIG)――戦闘不能(リタイア)!
 リュグナー(ゴールデンパンツ)――戦闘不能(リタイア)!
 ヨハン(狂えるパンツモンスター)――戦闘不能(リタイア)!
 アニー(白うさちゃん)――戦闘不能(リタイア)!

 怒濤の展開を見せるパンツバトルロワイヤル。
 刻々と狭まるフィールドの圏内に立つ、アリシア。
 残る一人が誰なのかを、彼女は既に予感していた。
「そこにいるわね、セティア」
「……」
 ゆらりと木の陰から現われるセティア。
 八人中四パンツが破壊フィールドによって消失した今、二枚はアリシアの手に。そして残る二枚はアリシアとセティアの腰にあった。
 つまり、この一騎打ちに勝った方が次なるキングパンティストとなれるのだ。
 同時に、構える。
「負けないわ。黒蜜じゃあ、パンツの代わりにはならない」
「わたし負けないから」
 同時に走り、同時に撃つ。
 セティアの放った光の手と、アリシアの放ったパンツナイフ。
 交差した後、セティアはがくりと膝を突いた。
 腰を裂かれ、切れたパンツのひもがはらりと垂れ下がっている。
 だがしかし。
 アリシアの黒セクシーパンツはセティアの手に強く握られていた。
「まさか……私が負けるなんて、ね」
 アリシアは苦笑し、その場にどさりと倒れた。

 アリシア(黒セクシー)――戦闘不能(リタイア)!

 第一回キングパンティスト――セティア!!!!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 第二回Pantu Under Battle Game!をお楽しみに!

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