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シナリオ詳細

荒れ狂う魔槍祭の鎮魂依頼
荒れ狂う魔槍祭の鎮魂依頼

完了

参加者 : 8 人

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オープニング

●魔槍の由来
 昔、昔、かつて『幻想』が大国として安泰していた時代の頃のお話。
 王都のとある所に「大魔術師」と呼ばれる男、フーダニットがいた。
 彼は魔術師としての実力は確かだったが、人間性に問題があったそうだ。
 ある日、とある事件を起こした彼は、都を追い出されて田舎へ逃げたという。
 その後、地方で魔術師として返り咲いたらしいが……。

『幻想』国内の辺境の地でとある町が生まれた。
 その町はまだ名がない真新しい町だ。
 人々は、町のシンボルというか特徴が欲しかった。
 そこで当時の町長が「大魔術師のフーダニット先生に名付けて貰おう」と言い出す。
 フーダニットはこの依頼を受けてニヤリと笑う。
 快く引き受けた彼は、数日後、とある大きな魔槍を持って来て町長に渡した。
「この魔槍は私が丹精込めて創った伝説の魔槍です。四大元素の魔力が込められています。それらの根源的な魔力の槍という意味で『オリジンランス』と言います。ぜひこの魔槍を貴殿らの町のご神体としてお祀り下さい。きっと魔槍のご加護で貴殿らの町は未来永劫栄える事でしょう」
 町長を始めとして町人はこの大魔術師と言われた男の言葉と魔槍を信じてしまった。
 それ以後、「マジックランスタウン」と名付けられたその町は魔槍を祀っている。
 毎年、夏に魔槍祭が開かれているのだ。

 大魔術師フーダニットは笑いが止まらなかった。
 なぜなら、あの魔槍は……未来のいつかの時点で……××が起こるのだから!

●魔槍祭
 今年も『幻想』国内にある田舎町のマジックランスタウンで魔槍祭が開かれた。
 休暇中であるあなた達も本日は魔槍祭の一般客として楽しみに来た所だ。
 この日、あなた達の中には、祭りの屋台やパフォーマンスを楽しんだ者もいた事だろう。

 暑い真夏の中、沢山の人々で賑わった祭りはいよいよ佳境だ。
 夕刻が迫り、魔槍祭のシメが行われる。
 町長が従者から大きな古い槍を受け取った後、ステージへ上がった。
 そう、この槍こそがかの有名な伝説の魔槍である。
 あなた達の中にはこの魔槍が見たくてお祭りに来た者もいた事だろう。

「本日は私共『マジックランスタウン』が主催する『魔槍祭』にご参加くださり誠にありがとうございます。そもそも、今、私が抱えていますこの魔槍はですね、かつて『幻想』が大国と呼ばれていた名高い時代の頃、大魔術師フーダニットより授かった四大元素の魔槍であり……」

 町長が講演を続ける中、ギャラリーには『黒猫の』ショウ(p3n000005)の姿もあった。ショウはメモを取りながら、ふんふん、と熱心に聞いている。情報屋という職業柄、常日頃から情報収集を欠かしていないのであろう。

 さて、講演もそろそろ終わる頃……。
 ぎゅるるる、ぎゅういいいん!
 魔槍が突然、光り出しては、浮遊してぐるぐる回る!
 そしてあろう事か、町長を薙ぎ払ってぶっ倒したのだ!
 魔槍はステージから飛び出して暴れ出す。
 舞台やら屋台やらは破壊されるし、人々も襲われているではないか!?

●即席の鎮魂依頼
 きゃー、うわー、こえー、逃げろー、と現場は大変混乱している。
 そんな中、ショウはナイフを構えて戦場に立っている。
「お願いします、ローレットの情報屋さん! 荒れ狂ってしまった魔槍を鎮めて下さい!」
「え? ちょっと待ってよ? オレはただの情報屋さ! オレは依頼を受ける方ではなくて出す方なんだよね!?」
 と、言っている場合ではなかった。
 放っておいたら魔槍は次々と人々を襲って殺す事だろう。
 しかも周辺には手下のスピリットまで湧いて一般参加者達を襲っているのだ。

 かん、かん!!
 槍とナイフで剣戟を交わし、乾いた金属音が響き渡る。
 身のこなしならばショウもかなり素早いので互角に戦えるかと思いきや……。
 かーん……!!
 魔槍が思い切り薙ぎ払い、ショウのナイフが飛ばされてしまった。
 そして突貫して来る!

「うわっ!! おっと……」
 とっさの所でショウはバク転して貫通攻撃を避けた。
 だが、ナイフが弾き飛ばされた時点で既に勝負はついている。
 追い込まれた情報屋は……。

「あ! キミ達じゃないか! なぜここに!? いや、それよりも、だ。今ここで依頼していいかい? 状況は見ての通り。祀られていた魔槍が何かの弾みで荒れ狂って暴走しているよね? この魔槍の討伐が今回の依頼内容ね……?」
 ショウが解説を完全に終える前に次の攻撃が来る!
 ショウは、おおっと、と空中回転して回避した。
「と、いう訳で、バトンタッチだね! オレは戦闘向きじゃない。戦闘ならぜひともキミ達に任せるよ? ちなみにオレは一般参加者達の避難誘導を手伝うから。よかったら、避難誘導にも何人か送って貰えると嬉しいかな……じゃ!」

 休暇の所、大変申し訳ないが、荒れ狂った魔槍をどうにかして頂きたい。
 魔槍祭、いや、もはや鎮魂祭となったお祭りの主人公はイレギュラーズの皆さんだ。

GMコメント

●目標
 以下の2つの目標が依頼の達成条件。
 1.荒れ狂う魔槍(オリジンランス)を討伐する。
 2.魔槍祭の参加者達の安全を確保して被害を最小限に抑える。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●ロケーション
 今回の舞台は、『幻想』国内のとある田舎町マジックランスタウンのお祭り会場です。
 ご神体として崇められていた魔槍の暴走により会場は大変混乱しています。
 ちょうどお祭りに参加中の皆さんは現場に鉢合わせたというパターンです。
 なお、突然の戦闘になりますので強化スキル等の事前付与はできません。

●敵
 荒れ狂う魔槍(オリジンランス)×1体
 今回の荒れ狂った祭りの元凶となる魔槍です。
「オリジンランス」という別名もある通り、四大元素の根源の魔力を持つ槍です。
 槍の形状も重騎士が持つような「ランス」(突撃槍)であり、大きな槍です。
 魔力が強い上に槍術という武術も使います。
 この魔槍が今回の敵陣のボスであり、最終的な討伐対象です。
 戦闘方法は以下。
・炎の槍術(A):魔槍が炎をまとい槍術で攻撃。物近貫ダメージ。BS業炎。
・氷の槍術(A):魔槍が氷をまとい槍術で攻撃。物近貫ダメージ。BS氷結。
・地の槍術(A):魔槍が泥をまとい槍術で攻撃。物自範ダメージ。BS泥沼。
・風の槍術(A):魔槍が風をまとい槍術で攻撃。物自範ダメージ。BS窒息。
・スピリット無限創造(P):魔槍が倒れない限り、手下のスピリットが続々と創られます。
・飛行(P):常に飛行状態です。
・特無(P):魔槍の神秘的な力のバリアにより神秘攻撃が効きません。

 スピリット×初期20体
 魔槍の手下達です。と言っても指揮系統はなく魔力で勝手に湧き出たモブ敵です。
 その名前の通り、燃えている魂のような姿をしています。
 あまり強くないですが、会場を襲っていますので一般参加者達にとっては脅威です。
 戦闘方法は以下。
・スピリットアタック(A):神至単ダメージ。スピリットが体当たり等で攻撃します。
・スピリットマジック(A):神中単ダメージ。スピリットが飛び道具の魔法で攻撃します。
・魔槍依存(P):魔槍が倒されない限り、スピリットは倒されても延々と復活します。
・飛行(P):常に飛行状態です。

●選択肢
 荒れ狂った魔槍祭を鎮める為、イレギュラーズが即座に参入します。
 具体的には2つの目標がありますので、【A】か【B】のどれかの枠で戦いましょう。

【A】班 戦闘班
 この班はボスである魔槍を仕留める事を最終目標とします。
 一方で、次々と湧き出るスピリット達の相手もします。
 スピリットの注意や攻撃が【B】班に向かない事も目標とします。
 参加者達の安全確保に関しては、基本的に【B】班に任せます。

【B】班 避難班
 この班は混乱しているお祭り会場の中、一般参加者達の避難と安全確保を目標とします。
 助けたり誘導したりするべき一般参加者は、軽く100名は超えると思って良いでしょう。
「避難場所」はお祭り会場から外へ出せばとりあえず避難はできたとします。
 道中で戦闘する場合もありますが、基本的に敵撃破の為の戦闘は【A】班に任せます。
 なお、味方NPCとしてショウがこの班にいますが、「プレイング」で指示がなければ「リプレイ」では特に登場しません。

●GMより
 先日、『海洋』でも夏祭りがありましたが、『幻想』でも夏祭りがあってもいいかも?
 ですが、『幻想』の事ですから、お祭りの最中に呪われた槍とかが暴れ出して、うわー、きゃー、大変だー、イレギュラーズ助けてー! みたいなお祭りになるかもしれません。
 そんなお祭り騒ぎを形にしたのが当シナリオだったりするとか、しないとか……。

  • 荒れ狂う魔槍祭の鎮魂依頼完了
  • GM名ヤガ・ガラス
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年07月28日 23時15分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
ウォリア(p3p001789)
終焉の騎士
実験体37号(p3p002277)
イギョウノショウジョ
ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統
アルム・シュタール(p3p004375)
堅牢なる楯-Servitor of steel-
ヴォルペ(p3p007135)
満月の緋狐
天狼 カナタ(p3p007224)
彼方の銀狼
チェルシー・ミストルフィン(p3p007243)
魅惑の魔剣

リプレイ

●突撃
 会場は荒れ狂う魔槍とスピリットの出現により大混乱だ。
「ってちょっと、待ってよ、『黒猫の』ショウ(p3n000005)!」
 バトンタッチを受けた『魅惑の魔剣』チェルシー・ミストルフィン(p3p007243)は、慌てながらも即座に短剣を抜き出して構える。
 そして魔槍と睨み合い、剣戟を交わすが……。
 かん、かん……かきーん!
 短剣が弾き飛ばされてしまった。
「魔剣VS魔槍? そんなもんないわよ、そもそも私歌姫だし、白兵戦なんて無理!」
 なんでこんな事になったのか?
(魔剣の精霊として、魔槍に興味があって今回のお祭りに参加したのに……。 講演が始まったと思ったら、槍が急に暴れ出して人を襲うって……やばくない?)
 魔槍はチェルシーの都合等知った事ではなく突撃して来る!
 ガキィン!?
 思わず目を閉じたチェルシーだったが、そこに現れたのは?
「『矛盾』と言う言葉をご存知ですカ? ト言ってもワタクシも人から聞いた言葉なのですガ。この場合さしずめワタクシが『決して穿けぬ盾』ですネ」
 突撃を物ともせずに盾で受け止めて語るのは『堅牢なる楯-Servitor of steel-』アルム・シュタール(p3p004375)だ。強い仲間の登場にほっと一息つくチェルシー。
 情報屋は『キミ達』と先ほど呼び掛けていた。少し離れた所にアルムもいたのだ。

「祭りがあるってことで、魔槍について多少の下調べはしたが、実物が動いているのを見るとまた違った趣があるな。……まあ、ここまで乱暴者でなければ、な?」
 魔槍からやや距離のある所で『彼方の銀狼』天狼 カナタ(p3p007224)はそうぼやく。彼は人ごみをかき分けて、魔槍との戦闘に加わるべく急ぐ。
 そんな急ぐカナタに向かって、スピリットの大群が押し寄せて来た。
 敵陣もボスまで行かせるつもりはなく睨み合いになったが……。
 至近距離で囲まれた所で、カナタが突然、尾を立てて踊り出した。
「ぽこちゃか♪ ぽこちゃか♪ あおん♪ あおん♪ さっさと潰れちまえ雑魚どもが♪」
 周辺にいた敵陣はぼこぼこにされて道を空ける以外なかった。

 カナタとは別方向の遠方から『イギョウノショウジョ』実験体37号(p3p002277)が混雑を回避しながら急ぎ足で魔槍の場所へ向かう。道中、スピリットとも遭遇したが、戦闘から離脱し、ひたすら急ぐ。
(せっかくのお祭り………凄く楽しみだった。魔槍焼き食べていたのに……。早く終わらせて、魔槍焼き、また食べたい)
 急ぐ道中、子ども、老人、怪我人が……人魂に絡まれていた。
 救助を担当する仲間にでも任せたいのだが、彼らとは今、距離がある。
 やむを得ず……。
「この卑怯者! 弱者を狙うな。ワタシ、相手になるよ!」
 実験体37号が名乗り上げると敵陣の注意と攻撃は彼女へ向かう。
 少女も防御力強化の戦闘態勢に入り、勢い良く拳をぶっ放す。

 魔槍から一番距離がある位置にいたのは『穢翼の死神』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)だ。焦っている彼女は冷静な『神様』と会話していた。
「武具の力が発動して起きる事件がまたとはね?」
『今回はかなり好戦的だ、油断するなよ?』
「うん、油断しないよ。ただ折角の休日を潰されたんだからちょっと乱暴に行くよ」
『広場を壊すなよ?』
 早く仲間の所へ駆けつけたいが……。スピリット達が群がって来る。幸い、彼女はかなり遠方にいた為、周辺に人がいないので……。
「やっぱり少しだけ広場を壊しますが、緊急時の手段という事で皆さんごめんなさい!」
『やれやれ。行くぞ、魔物共!』
 ティアは翼をはためかせて呪いを巻き散らかす。
 呪いを受けた人魂達は苦しみもがきながら消滅していった。

***

 魔槍が暴れ始めた頃、救助に向かう仲間達もいた。
「ローレットの者だ。誘導を行うので指示に従い、押し合わず落ち着いて避難してくれ!」
 人々を率いるのは『終焉の騎士』ウォリア(p3p001789)だ。
 てきぱきと仕事をこなすが、内心、穏やかではない。
(御神体とまで語られる魔槍が奉られていると聞いてな……一目見たいと願い来たまで……__武器としても、食材としても。……しかし実物を目にしてみれば大した暴れ馬……否、暴れ槍か……。まずは皆を会場の外へ導かねばなるまいよ)

 ウォリアとはやや距離がある所で、『満月の緋狐』ヴォルペ(p3p007135)は保護結界を張り巡らせるべく躍動していた。
(いやー、おにーさん、さすがに参ったよ。せっかくのお祭り騒ぎを楽しんでたら、魔槍が暴れるだと!? さーて、おにーさんのお仕事は、建物崩壊による被害の増加を防ぎつつ、避難経路が遮断される事を防止、と)

 ヴォルペが仕事をしている所に『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)が慌てて走って来た。
(はあ、はあ……。まあ随分と急な話であるなあ? 早急に事態を収めねば惨事となろう。ここは一肌脱いでやるとするか!)
「魔槍はどこだ!?」
 ダークネスは魔槍と戦闘している班に参戦したかったが、少し遅かったようだ。
 焦っている彼女にヴォルペがにこやかに話し掛ける。
「あのさー、よかったら、こっち手伝う?」
「うむ、どうにも出遅れてしまったらしい。魔槍はあちらに任せるとするか。……であれば、我の戦場は此処であるな!」

●救助
 救助に向かった3人は頑張って避難誘導をするが、どうにも会場は混乱を極めている。
 堪りかねたダークネスがステージ中央にまで上がり、魔法マイクを手に取る。
『静まれぃっ!!!!』
 大音量のマイクで腹から声を出して叫び、一喝したのだ。
 パニック状態だった民衆の数割がダークネスの方を振り向く。
『貴様らの身の安全は我らが保障する! だがしかし、身勝手に暴走するような者はその限りではない! 助かりたければ先ずは落ち着くのだ! 貴様達をこの場から速やかに撤収させる故、我の声に従え!』
 救助に来たイレギュラーズの登場を理解した者達の中には士気を高めた者もいた。今まで烏合の衆のように慌てていた人達の中には、少し冷静さを取り戻し、相互に助け合うようになる者もいた。
 その後もダークネスの指示に従い、女性は子どもの手を引き、男性は老人を介助し、皆、会場外へと逃げて行く。
 だが、全ての人が素直に従う訳でもなく……。
「おい、俺を早く逃がしてくれよ! ガキや女や老人なんて後でいいだろ!」
 ざわざわと会場にまた乱れが生じる。
 ダークネスはマイクで一喝する。
『貴様は女子供も老人も見捨て、己の安全だけを確保したいと言うのであるな! よかろう! 祖先や子孫にそう報告するが良い! 俺は腰抜けですとな……』
 口論のやり取りを終えるだけの時間もなく、スピリット達が乱入して来る!
 逆上していた男性近辺が襲われるが、ダークネスは即座に助けに入る。
 スピリットを投げ技で倒し、その後も続々と現れる敵陣を相手取るが……。

 ウォリアは救助センサーを駆使して、地獄のような混乱の中にいる人達を助ける。
 瓦礫に埋もれている人がいれば障害物を除去して救助する。
 スピリットに襲われている人がいれば火炎攻撃で敵を燃やし尽くす。
「歩けない怪我人には肩を貸してやってくれ。会場さえ出てしまえば一先ず安全だ」
 人々をそう鼓舞し、士気を高めつつ、皆で会場外を目指す。
 ウォリアの周囲には人が沢山集り、整列し、皆で励まし合って前を進む。
 これもウォリアの統率力のお陰である。
 しかし、時には離れ離れになった人達もいて。
「子供や家族が見当たらない場合は申し出ろ、捜索に対応する」
 ちょうどショウがやって来たので、指示を出す。
「すまないが逸れた要避難者の合流の手助けを願いたい。センサーによると、場所は……」
 情報屋も「了解したよ」と頷いて即座に向かう。
 もう少しで、出入り口まで着くが……。
 そこにスピリットの大群が邪魔に来た。
「魔物は排除する。皆、オレの後ろに下がっているんだ!」
 終焉騎士は名乗り上げ、人魂達相手に拳闘を仕掛けては打ちのめす。
 お世辞にも強いとは言えない魔物だが、続々と数が湧いて来るし、復活もする。
 やがて、ウォリアの方が数に押され……。

 ヴォルペの救助は順調だった。
 怪我をしている人がいれば肩を貸して出入り口まで連れて行く。
 老人達を襲っている魔物がいたら魔物を倒し、彼らをウォリアのグループへ合流させた。
 泣いている子どもと探している母親のペアを見つけては無事に護送した。
 何とかなりそうだ、と仕事に慣れた頃……。
 どうも魔物の数が増えたらしい?
 人々はパニックを起こして逃げ回っている。
「あっちに逃げろ!」
 ヴォルペはシンプルに出入り口を指さし、叫ぶ。
 それでも魔物はさらに増え……。
 やむを得ないので……。
「おにーさんはヴォルペというよ! そんなに構って欲しいなら、遊んであげよう!」
 名乗り挑発のヒット&アウェーだ。
 スピリット達は攻撃していた人々から振り返り、ヴォルペを襲い始める。
 ヴォルペは沢山の敵に追われ、逃げ回るが……。

 時間が経つと同時に救助の友軍が不利になっていくようだ。
 スピリットは復活する上に増えている。
 魔槍の魔力で創造と再生を無限に繰り返しているのだろう。
 しかも要救助者は未だにいて、人々を助けるのと引き換えに勇敢なヴォルペが落とされた。
 ウォリアとダークネスは互いに背を任せながらも、スピリットの大群相手に奮闘する。
 それぞれ、既に1回ずつ起死回生のカムバックを果たしているが……。
 あとほんの少しで、今いる多数の要救助者を出入り口まで避難誘導できるのだが……。
「__負けるものか……。__あと少しの辛抱だ……。ダークネス__まだ、やれるか?」
「ふん、悪の総統を舐めて貰っては困る。仮に我らが撃破されたとしても此の場は守護する!」

●対魔槍
 救助が開始された頃には、アルム達は魔槍との戦闘を開始していた。
 アルムが魔槍と周辺の敵全てに向かって宣告する。
「ワタクシはメイドのパラディン、アルム! この身、この盾。容易に砕けると思わぬ事でス!」
 魔槍達が今の挑発にはかっとなる。
 奴らは魔力が高くても単純な魔物なのだろう。
 魔槍は氷の神秘を発揮し、アルムへ突撃する!
 周辺の手下達も追撃するかのように、続々と突撃に向かう!
「ワタクシの防御技術と抵抗力を見くびって頂いては困りますネ? 多少の攻撃ならば、状態異常含め、ワタクシには効きませんわヨ?」
 怒り狂う魔槍や人魂には何の事やらわからない。
 敵勢の猛攻を何度も受けるが、アルムは高い防御技術で凌ぎ、時にカウンターも入れる。
「アルム、大丈夫よね? 体力の残りが危なかったら遠慮なく言ってよね!」
 後衛のチェルシーは、たまに貫通攻撃等も受けるが、癒しの術でアルムを支える。
 戦闘が開始されてからそれなりだが、役割分担が上手い2人は未だに健在だ。

「アオーン!(愉しい祭りをぶち壊した無礼者はさっさと退場願おうか!)」
 どこかから狼の遠吠えがすると思ったら、カナタが走って来て登場だ!
 現れたと同時に不吉な咆哮をヒット&アウェー攻撃で魔槍に喰らわせ、友軍側に到着。
「よお、待たせたな!」
 と再会を喜ぶ間もなく、魔槍は燃え盛り突撃して来る!
「おっと!」
 軽く攻撃が突き刺さったが、カナタはそこまで堪えていない。
「炎だったらこの短刀の魔炎耐性で全然効かねえぞ?」
 仲間が3人になったので、陣形を組み替える。
 前衛はアルムが防衛し、周辺の魂をカナタが刃で仕留め、チェルシーが呪い歌で倒す。
 数という点では押されていたが……。

「そこの魔槍! キミは許せない。絶対に、止めるよ!」
 そう名乗り上げて現れたのは実験体37号だ。
 防御力を高める構えを取り、手元からはショットガンの拳ががつんと入る。
 魔槍はショックで抵抗力を落しながらも反撃に出る。
 氷の突撃槍が実験体37号を突き刺した。
 彼女は氷結攻撃を受けて少し手元が狂うが、今ぐらいならばまだ大丈夫。
「遅くなった。ごめん!」
 いやいや、来てくれて助かりました、と友軍から歓迎を受けた。
 4人になったので戦術が増えて友軍側はやや優勢になる。

 仲間が増えるのは魔槍側も同じだ。いや、それ以上だ。
 魔槍の魔力に引き寄せられて魂が続々と湧いて来る!
 しかし、とある瞬間、大量の魂が呪いと共に蒸発していった。
 そう、彼らを呪い殺した死神とは……。
「遅くなってごめんなさい。ここまで来るのに時間が掛かってしまいました」
『すまんな。敵が多くてな』
 もちろん魔槍はこれ以上の敵勢の登場を歓迎していない。
 荒れ狂った旋風を巻き起こし、イレギュラーズを窒息させるべく暴れ回る。
 スピリット達を前衛の盾にしつつ、魔槍がティア側に向き直り回転攻撃で来る!
「きゃあ!」
『く!』
 斬撃の嵐を受けティアが悲鳴を上げる。

 5人揃った仲間達は魔槍へ向けていよいよ距離を詰める……。
 しかし、戦場にハプニングは付き物だ。
「ママ、たすけて!」
「うわああん、怖いよ!」
 一瞬、チェルシーは耳を疑った。
「え? 子供?」
 アルムは、はっとする。
「逃げ遅れた子達ですワ!?」
 狂って荒れている魔槍はチャンスとばかりにギラりと光る。
 少女達を血祭にあげるべく、動き出す!
「させないわ!」
 少女達の一番近くにいたチェルシーがとっさに庇い、魔槍の突撃を受けてしまう。
「チェルシー様!」
 アルムは急いで、次の突撃からチェルシーを庇う。
 しかも追撃は魔槍からだけではない。
 続々と湧き出るスピリットからの攻撃が連鎖し、痛恨に入り、炸裂する。
 チェルシーもアルムもパンドラの欠片を消耗しながらも少女達を守りつつ応戦する。

 他の3人も、湧き出るスピリットの対処に大忙しだった。
 敵の数が増えれば増える程、友軍は不利になる。
 このまま数で押し切られれば……。
 互いに背を向けながら進む3人。
 魔槍の近くまで来ると、カナタ、実験体37号、ティアが互いに顔を見て頷く。
 短期決戦だ。次の一撃で魔槍を落す!

 魔槍が大回転をすると同時に、地の魔力が輝き、どろどろの泥沼が出現する!
 仲間達は所々斬撃で切り裂かれ、泥の足止めを喰らい動きが鈍る。
 対する魔槍側は長期決戦に持ち込むというのか!?
 カナタはパンドラの欠片を弾かれようとも果敢に向かって行く。
「その程度の攻撃で怒れる狼が止まると思うなッ!」
 実験体37号はパンドラの欠片を飛ばされながらも依然と前進する。
「ワタシ、頑張るよ。絶対に負けられない!」
 ティアは起死回生のカムバックを果たしながらも接近をあきらめない。
「それでも私達は……倒れませんよ!?」
『全くだ、無能な魔槍め!』
 ついに至近距離まで追い詰めた。
 3人は悪魔のようにぎらりと笑う。
「ガルル!!」
 カナタは怒りで狂暴化した上、既に理性が飛んでいた。しかも感情もない。
 魔槍の側面は狼の毒牙に勢いよく齧られ、部品がぼろぼろ壊れる。
「一気にケリをつけるよ。必殺の全力アッパー!」
 壊れかけている魔槍に実験体37号が全力で拳の一撃を打ち込む。
 ぱらぱらと壊れていく魔槍はふんわりと上空を舞いながらも魔力が零れ散る。
「終わりです!」
『これでお終いだ!』
 ティアは暗器に魔力を充実させ、落ちる魔槍に鋭利な物理斬撃を十字で浴びせる。
 物理アタッカーの精鋭達から本気の攻撃を受け続けた魔槍は不幸だ。
 最後はずたぼろに壊れ、バキっとへし折れて、地に果てた……。

●事後
 ウォリアとダークネスが覚悟していたその時……。
 突然、激しい光と共に周辺のスピリット達が全滅したのだ!
 仰天している2人の所へ、ヴォルペに肩を貸して歩くショウがやって来た。
「人魂は魔槍と依存の関係にあったのかな? 魔力の供給源である魔槍が倒れた事により消滅したのだろう」
 ウォリアが、__ぐはは、と笑う。
「流石に魔力切れか。まあ、戦い甲斐はあったな」
 ダークネスも豪快に笑う。
「ふはは、何はあれども我らの勝利だな?」

 魔槍没後、人魂は既にいないが、会場は所々壊れている。
 実験体37号は瓦礫を怪力で持ち上げて、逃げ遅れた人を助ける。
「生きてる?」
 ティアは周辺の倒れている人達に声掛けをした。
「大丈夫ですか? 意識はありますか?」
『おい、立てるか?』

 カナタも周辺の人達を助けながらもふと思う。
(しっかし、何で今更暴れだしたんかね。罠であるなら一体誰が(Who done it)? ……フーダニット……? たしか、かの大魔術師は既に亡くなっていると聞いたが……。後でショウと話してみるか……)

 アルムとチェルシーは助けた人達から感謝されていた。
「おねーちゃん、ありがと!」
 アルムは子ども達に囲まれ嬉しそうに照れていた。
「ワタクシ達はローレットとして当然の事をしただけですわヨ」
 町長は感謝するものの泣き出す。
「うう……。私達の魔槍が……」
 チェルシーはとても良い事を閃いた。
「だったら、魔槍じゃなくて魔剣であるこの私をシンボルにすれば? 地名もマジックソードタウンにしたらどう?」
 町長ははっとする。その手があったじゃないか!

 後日、魔槍祭は魔剣祭として改められた。
 チェルシーがセクシーな巫女衣装で歌い踊る祭りになった事で、めでたし、めでたし!

 了

成否

成功

MVP

ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統

状態異常

ウォリア(p3p001789) [重傷]
終焉の騎士
ダークネス クイーン(p3p002874) [重傷]
悪の秘密結社『XXX』総統

あとがき

この度はシナリオへのご参加ありがとうございました。

お祭りなのでイベシナか!?
と思いきや、お祭りを壊す純戦のシナリオでした。
楽しんで頂けたのであれば幸いです。

ところで、お祭りといえば、僕は屋台の料理が大好きです。
作中にも「魔槍焼き」なるものがアドリブで登場しましたが、どんな味なんでしょう?
たぶん、イカ焼きやたこ焼きなんかを魔槍の形にして合体させたような揚げ物かもしれませんね。

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