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シナリオ詳細

巨大スイカ割り!
巨大スイカ割り!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 とある森の中。木々をへし折りながら巨大な何かが転がっていく。
 硬く、重い、その球体は加速を付け高速で転がっているが、傷が付く様子もない。
 それは緑色の球体で縦縞のような模様が入っている。その表面には蔦のような物が絡み付き、身を守っているようにも見えた。

 そうして加速を付け、転がりながら、謎の球体は山の麓にある村に向かっていった。


 地鳴りのような音が村に響く。村人達は皆、各々の作業を中断し、音が聞こえる方へと集まって行きその音の原因を理解する。

「!?!?」

 何か球体のような物が転がってくるのが見える。そしてそれは一直線に村へと転がってきていた。
 驚きで動けなくなる者、本能的に逃げる者、村を守る為と武器をとる者。一斉に慌ただしくなる村人達。

 それから数秒後、球体は村へと到達した。

 球体は轟音と共に砂埃を巻き上げながら村の小屋を粉砕し……停止した。
 砂埃が収まるとその球体の正体が明らかになる。

 そこにあったのは巨大なスイカだ。どう見てもスイカだ。いや、サイズはかなりおかしいが……



「皆さん! 依頼なのです!巨大なスイカを退治して欲しいのです!」

 スイカ退治ね。うん、夏だもんね。暑いもんね。あぁ今日もユリーカは元気だな。そんな事を思いながらも耳を傾けるイレギュラーズ達。
 どうやら、巨大スイカの討伐というのが今回の依頼のようだ。練達製か?とかいう声がどこかから聞こえた気がするが、多分気のせいだろう。

「山から転がって来たらしいのです。問題はそのスイカが来てからは、何となく他の作物に元気がないみたいなのです。」

 村人達に直接危害を加えてくるわけではないが、巨大スイカが来てからは村で栽培している作物も、成長遅い物や実がならない物が増え、どんどん元気が無くなっているそうだ。
 どうやら、最初に村人達が巨大スイカを見た直後に、蔦が急激に伸び始めた事があったらしい。その時に根を張ったのではないか、との事だ。

 作物に影響があるのはまずいと、村人達もどうにかしてみようと試みたのだが……
 蔦は根を張ったり実(本体?)を守るだけではなく、近づくと攻撃にも使用してくるようで、最初に向かっていった村一番の屈強な男が一撃を与える事には成功したが、直後に吹き飛ばされてしまったようだ。男曰く、全力で叩いたそうだが、スイカには傷は付かなかったようだ。
 それならば遠距離から! と、物を投げつけてみたり、猟銃で撃ってみたりと、色々してみたが、実自体の強度が高く有効な手は打てなかったそうだ。

 焼いてしまおうかとも考えたが、村のほとんどの建物が木材で出来ている事や、「おっきなスイカを食べてみたい!」という子供の声もありローレットに依頼したそうだ。

「そんなに危険な物ではないようなのです。」

 吹き飛ばされた村人も軽い打撲しかしておらず軽症だったらしい。

「そんな訳で、スイカ割りなのです!」

 ローレットには今日も元気な声が響いていた。

GMコメント

 ようこそ、イレギュラーズの皆様。Fofoと申します。
 夏ですね。今回は巨大スイカと戦って頂きます。

 ●オーダー
 巨大スイカの排除
 ※食べられるような状態にしてあげると村の子供たちが喜びます。

 ●巨大スイカ
 直径8mの球体です。表面はかなり硬く、屈強な村人が桑で叩いても傷すらつきません。
 スイカの中心から半径5m以内に入ると蔦が攻撃してきます。
 こっちに来るなーという感じの攻撃なのでダメージは軽いですが押し出すような形で攻撃してきます。
 身の危険を強く感じると少し強めの攻撃をしてくるので注意してください。
 何故こんな大きくなったのかは不明です。
 無駄に大きいですが中身は甘くておいしいです。

 ●フィールド情報
 村の入口付近。もともと小屋があった所。開けた場所ですので特に障害物等はありませんが、周りには見に来た村人がいます。広範囲技等を使用する際はお気をつけて。
 天候は晴れ。太陽が元気に日光を届けてくれてます。

 ●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。


 よろしくお願いします。

  • 巨大スイカ割り!完了
  • GM名Fofo
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年08月12日 22時05分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
ぷろふぇっしょなる!
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
五行絶影
美咲・マクスウェル(p3p005192)
見敵必殺
リナリナ(p3p006258)
おにくにくにく
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
未知の語り部
レイリ―=シュタイン(p3p007270)
背を護りたい者
シュラ・シルバー(p3p007302)
魔眼破り

リプレイ


 燦々と輝く太陽。雲一つない空。そしてうるさい虫の声。これぞ夏! そんな天気の中、イレギュラーズ達は村に到着する。
 歓迎ムードの村人達との挨拶もほどほどに、スイカの元へと案内された。


「スイカ! スイカ! でっかいスイカ!!!」
『やせいばくだん』リナリナ(p3p006258)がそのまま突っ込んでいきそうな勢いでスイカに近づいて行くが、スイカのある程度手前でピタッと停止する。これ以上進むとスイカが反応すると直感的に感じ取ったのか、その位置で戦闘態勢を整える。眼が食べ物を前にした子供の様にキラキラしているがきっと気のせいだろう。
  その後ろではゆらゆらと泳ぐようにしながら『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)がスイカを確認しようとしていたのだが……
(……何か視線を感じますわ!)
 村人達数名から発せられる視線を感じとったのだろう。周囲を見回すと村の少年少女達が自分をじーっと見ているのが分かった。やけに目がキラキラしている気がする。
(このスイカ…きっと割って見せますの!!)
 身の危険を感じたノリアは決意を固めスイカをしっかりと観察することにした。
「何と言うか……これは……」
 少し楽しそうな表情をしながら『寝湯マイスター』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)はスイカを見つめる。
 故郷で沢山のびっくり植物を見てきたウィリアムだがこのサイズのスイカは初めてみたようだ。
「……うん、良い物をみたね。」
 じっくりとスイカを観察し、ある程度満足したウィリアムは未知のスイカの味を期待しながら村人への声かけを始める。
『大剣メイド』シュラ・シルバー(p3p007302)は大剣を担ぎながら昔の記憶をたどっていた。
(巨大スイカですかー……)
 元居た世界で食虫植物を見た時の事を思い出していたようだ。
(ともあれ、これがスイカであるならば調理できないはずはないのです!!!)
 これはスイカだ!そんな感じで昔の記憶を吹っ切ったシュラは村人達に離れるように声をかけた。
 皆がスイカを観察している間『見敵必殺』美咲・マクスウェル(p3p005192)は村の大人達と話をしていた。
「焼こうとしなかったのは正解だね。植物は燃えるから火が利くっていうのは―――」
 スイカを焼いてしまおうと考えていた大人達とコミュニケーションをとっているようだ。燃えない上に周辺被害まで起こる可能性があったという事をしっかりと教えている。今後の村人達にも必要な知識だ。
 それならどうしたらよかったのか、そんな質問を受け、それに対する回答。といった感じにスイカに向かって歩いて行く美咲。
「……危ないから下がって見ていてね」
 雰囲気の変わった美咲を見てスッっと下がる村人達。そんな村人達をみて変化しようとしていた瞳の色が黒く戻る。これで心置きなく回答を示す事ができそうだ。
「中をくり貫いたら、住めそうな大きさだな……」
 二本の尻尾をゆらゆらと揺らしながら目標を確認していた『五行絶影』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)がポツリとつぶやき村人達の中へ戻って行く。
 子供達に目線を合わせる用に少しかがみながらちゃんと食べられるようにすると約束し、スイカに向かって歩きだす。
(すぐに美味いスイカを食わせてやるからな)
 背中に子供達の視線を受けながらタマキは二本の武器を手に取った。

「おっきなスイカ食べてみたいよね!」
 子供達の声に答えたのは『夢見る狐子』ヒィロ=エヒト(p3p002503)だ。ヒィロ自身もスイカを食べてみたい! という気持ちはかなり大きいようだ。子供達もそんなヒィロに対して親近感を覚えたようだ。おねーさん達に任せなさい!そんな感じで胸を張るヒィロ。
「皆はあっちでいい子にして待っててね!」
 さりげなく避難誘導を行うとスイカに向かって走り出していく。

 今だ、がやがやとしている村人達に『背を護りたい者』レイリ―=シュタイン(p3p007270)が声をかける。
「皆さん、これからスイカとの戦闘を始めます。危ないので安全な場所に避難をしておいてください」
 丁寧に、村人達に誠意をもって。そう思い発した言葉は村人達をまとめて動かす。不安や期待、色々な思いを持っていた村人達が戦闘範囲外に避難していく。

 妙な生物の討伐などイレギュラーズからすればよくある事。結局、たかがスイカである。しかし村人達全員がただの大きいスイカだと思えている訳ではない。未知の、謎の、巨大な異物。そう見えている人もいるはずだ。そんな思いを持った大人達はレイリーの言葉に安心感を持つ。
「西瓜は倒し次第、村全員で食べて楽しみましょう!」
 食べるという事。それはこのスイカを倒すという事。絶対的な自信の表れ。
大丈夫。これはただの大きいスイカ。そう思えるような言葉だった。



 そうしてここにいるイレギュラーズ全員が村人達に背を向ける。
ここからは仕事の時間だ。標的は目の前の球体。オーダーは、スイカ割り。



「たまきさん、シュラさん、これを……」
 戦闘が始まる前に、ノリアはタマキとシュラにふしぎな貝殻を渡す。加護の力を持った貝殻は彼女たちを強化する。
 さぁ、これで戦闘の準備は整った……。

「リナリナ突撃ー!!!」
 待ってたゾ! といった感じに獲物をみつけた時の獣のごとく、リナリナがスイカに向かっていく。スイカの射程圏内にはいるとわしゃわしゃと蔦が動き出す。下からは足を止めるように、左右からは押し出すように、数本に分かれた蔦が迫る。
「蔦が怖くてスイカが食えるかー!」
 蔦なんてどうでもいい! と言わんばかりに、足に絡まる蔦を振り払い、左右から迫る蔦を叩きつけ、一直線にスイカに向かって行く。
 
 それとほぼ同時に動き出したのはレイリー、ヒィロ、シュラの三人だ。
 レイリーは自身を囮とする為、先陣を切り、蠢く蔦の中へと突撃してゆく。
「今からスイカ割りを始めます!」
 レイリーは叫ぶ。スイカに言葉は理解できないだろう、だが気配や音を感じ取る事はできるようだ。レイリーの放つ気配に向け蔦が伸びる。上下左右前面の全方向から蔦が向かってくる。ひるまず前に進もうとするが蔦は足に絡まり、思うように前へ進めない……。足を止められたレイリーの眼前へと蔦が迫る。
(ここで下がっては攻撃が皆さんに行ってしまう……!)
そう判断したレイリーは蔦を避ける事無く受け止める。足を踏みしめ、絡む蔦をも利用し、なんとか吹き飛ばされる事だけは回避し攻撃を受け止め続ける。

 その隙をシュラは見逃さない。蔦がレイリーに集中している隙にスイカへと肉薄し一撃を叩き込む。
「硬くても! 壊す力があればっ!」
 シュラの持った、身の丈ほどもある紅蓮の大剣が赤い軌跡を残しながらスイカへと振り下ろされる。質量、重さ、そして単純で明確な力による攻撃。丸いスイカがたわみ、ヒビが入る。
 危機を感じたスイカは残った蔦をシュラへと向けた。正面から蔦を受けたシュラは後方へ飛ばされるが、とっさに大剣を地面に突き立て体制を立て直し再びスイカへと向かう。

「いくよーーっ!!!」
 シュラと入れ替わるようにヒィロがスイカへと向かう、蔦の本数も減り道が開けた所を駆け抜けていく。狙いはシュラの攻撃で出来たヒビ、いくら硬くても弱くなった部分になら攻撃は通りやすい。
 正確にヒビに一閃を加えると大きくなった中が少し見え、ヒビから汁が漏れ出す。
(ちゃんとスイカっぽい! 食べられそう!)
 そう思った直後、突如地面から伸びた根がヒィロを襲う。
「っ!!!」
 直撃した。誰が見てもそんなタイミング。
 しかし、生き抜くために研ぎ澄まされてきた直感は伊達ではない。こんなスイカ程度の不意打ちなどぬる過ぎる。
 瞬時に体を回転させ根を回避すると後方に飛び退く。

 ひび割れたスイカ、漏れ出す汁。
 そして、蔦の動きが止まった……




 シュラとヒィロの連撃により大きなヒビの入ったスイカ。流れ出す汁。村人達の歓声の声。
 しかしそんな中、依然警戒したままのイレギュラーズ達。

 後衛に位置する美咲もまた、冷静に状況を判断していた。
(この手のやつって、倒せたって確証が持てないのよね……)
 そう思った数秒後、蔦や根が急速に伸び、暴れ始める。速度も、長さも本数も、全てが先ほどとは全く違う。
 「やっぱり……ね。」
 向かってきた蔦が急に凍り付く。瞳の色が変わったのに気が付けた人はどれだけいたのだろうか。周りから見れば急に凍ったように見えるだろう。
 急速に伸び、こちらに向かってくる蔦を一瞬で凍らせ、後退しながらさらに追撃を入れる。
 追撃を入れるといっても美咲が行った行動は「見る」事。魔眼を持った美咲に必要なのはただそれだけの行動なのだ。瞳の色が変わるたびに蔦は凍り付き、雷により焼かれていく。

 「すごいね……おっと!!」
 スイカの動きを観察していたウィリアムは、伸びてくる蔦を後方に下がりながら回避すると、横に向かって魔術を放つ。空間に衝撃が走り蔦が圧し潰された。
 押しつぶされた空間の後ろには小さな子供とその母の姿。きっと、倒せた思って寄ってきてしまったのだろう……
「怪我をしたらせっかくの美味しいスイカも魅力が半減だ」
 ウィリアムはやさしく微笑みながら、非難を促す。
(さて……狙ってみようかな)
 母子が避難できた事を確認したウィリアムは攻撃に移る。超遠距離からの対城魔術がスイカのヒビを狙いゴンゴンと音を立てる。
(近接戦は苦手だからね。ここから割らせてもらうよ!)
 轟音と共にヒビはどんどんと広がってゆく。

 「……っ!!」
 前衛でひたすら耐え続けていたレイリーだったが、蔦や根の攻撃も増えとどまる事が難しい状況になりつつあった。戦闘が始まってから今までずっと、攻撃を自分に向け続けていた事もあるがそれ以上にスイカの変化が問題だった。
 最初はただ単純な物量だけだった、しかし先ほどからは速度や威力が上がり、更に蔦の数自体も増えているという状況だ。攻撃に対し一切引く事もなく、常に自分に攻撃を集中させてきたが、現在は一人で耐えるのは難し状況になってきている。

「レイリーさん!!!」
 蔦を受け続けるレイリーの元へノリアが向かう。最初からずっと、一切引く事なかったレイリーが、少しずつ後退させられているのに気が付いたのだ。
 スイカの行動を少しでも抑制できるように攻撃を加え続けながら、空を泳ぐようにしてレイリーの目の前に移動する。
 ノリアはつるんとしたゼラチン質のしっぽを大きく伸ばし、わざと隙を作り蔦の攻撃を誘発させると、大きく伸びた尻尾を蔦が絡めとり、捕縛される。尻尾を掴まれぐるぐると振り回され、投げ飛ばされ、蔦に叩かれ、吹き飛ばされる。それでもノリアの尻尾は伸びたままだ。吹き飛ばされてもひるむことなく前線に戻って行く。吹き飛ばされて、前線へと戻り、そしてまた吹き飛ばされる。それでも大きく伸びた尻尾を隠すことはなく蔦を受け続ける。
「叩かれるくらい、大したことありませんの!!」
 食べられる側であったノリアからすれば叩かれ、吹き飛ばされようと、食べられる事に比べればなんてことなはい。
 弱肉強食。弱の肉は、強の食なり。弱い者は強い者に食べられる。それは当然の事なのかもしれない。
 ……しかし、食べるのであればそれ相応の抵抗を覚悟をする事。そちら側にいたノリアだからこそ、良くわかっている事だ。
 それ故に、スイカの行動を予測できた。たとえ攻撃を受けても、必死になって、蔦を、根を、振り回し、抵抗してくる事を。
 分かっていれば対処は簡単だ。それ以上の力を見せつければいい。ノリア自身に決定打が打てないのなら、それをサポートすればよいだけの事。
 だからこそノリアはこの行動を選択した。

 そして最初から今まで、前衛で戦っている者がまた一人。
 自由奔放な動きで蔦をいなし、ボコンボコンと音を立てながらスイカを殴り続けているのはリナリナだ。
(皮硬い! でも……美味そうな音!)
 激化した蔦の攻撃の中にいても攻撃の手を止める事なく殴り続ける。最初からずっとそうしていたのだろう。リナリナがいたあたりの皮はへこみや剥がれ、亀裂などが入りかなりの損傷を負わせていた事がわかる。スイカも蔦で応戦していたようだが、少ない本数の蔦ではリナリナの動きを捉える事は出来なかったようだ。
 しかし、唐突にリナリナの動きが止まる。下から生えてきた根に足を取られてしまったようだ。根は足に絡みつくとリナリナを逆さに持ち上げる。
「ギャーーーース!!」
 足を持ち上げられ空中で逆さま状態のリナリナ。じたばたじたばたと暴れてみるが根が緩む様子もない……。というか、このままでは色々とまずい!!
 持ち上げられたままのリナリナを蔦が襲う、体を捻らせ、回り、どうにか避けようとはしてみるが命中重視の蔦がぺちぺちと攻撃を加える。はっ! とリナリナの表情が急に明るくなる。何かいい手段を思いついたようだ。
 「顔自由!」
 確かに顔は拘束されていないし、スイカのほうを向いている状態だ。
 「すーーーーっ…… ガォォォォォォォォォォオォ!!!」
 空気がびりびりと震える。リナリナ曰く「三つ首肉食大恐竜の声真似」だという。三つ首恐竜かわいいな……
 もともと入っていたヒビがさらに悪化し、音を受けたスイカの動きが停止する。

 それに合わせ、前衛、後衛全てからスイカへ、攻撃が集中する。シュラの赤い大剣がスイカのヒビを狙い、ヒィロの一閃が蔦を打つ。
 防御を固めていたレイリー、ノリアも攻撃に参加し、根から解放されたリナリナも少し楽しそうにスイカをボコンボコンと殴っている。
 後衛からは、美咲が根や蔦を凍らせ、ウィリアムが魔術で叩き潰す。
 個人個人の力を生かした適材適所な戦い方だ。

 そんな状況を見ながら汰磨羈は集中力を高める。この時を待っていた……。皆の攻撃が集中し、スイカの身動きが取れなくなるこの瞬間を!!!
「狙うなら……」
 汰磨羈はスイカのヒビの位置や味方の位置を確認し、位置を調整する、そして気を高め練り合わせ、狙いを定め、構え……
「真っ二つだ!!!」
 斬り上げる。汰磨羈が放ったのは厄狩闘流「太極律道」が一つ、刋界剳。汰磨羈により放たれた波動は空を割き一直線にスイカのヒビに向かって行く。
 
 そして……

 音も立てずにスイカは真っ二つに割れた。ヒビを中心に、綺麗に真っ二つに。露わになったスイカの中身は鮮やかな赤い色。飛び散る汁。


 そうして、スイカの討伐は完了した。



「あまーーい! うまーーい!!」
 スイカの討伐が終わり、村人たちと共に食する事になったイレギュラーズ達。
 リナリナが真っ先に飛びつきべたべたになりながらもとびきりの笑顔でむしゃむしゃとスイカを頬張る。すごくおいしそう……
 パット見はスイカだけどここまで大きいとちょっと食べるのに抵抗感があった村人たちも、そんなリナリナの姿を見て、スイカに手を伸ばしてゆく。
 
 切り分けを担当したのは汰磨羈、シュラ、ヒィロの3人だ。
 一人目の汰磨羈は投げ飛ばしたスイカを空中でスパパッとかいう効果音が付きそうな感じで切り分ける。あぁ……もうなんかおじーちゃんは固まってるし、少年は目キラキラ状態。
 忘れずに子供たちの所にも持っていく汰磨羈。約束したからね。
 2人目はシュラ。大剣でスイカを切るというなんとも豪快な切り分け方だ。大剣で綺麗に切るのは難しい……まぁでも結局食べるし問題ない! 女の子が大剣を普通に使ってるのをみて村人(屈強な人)が筋トレとか始めそうになってる……
 村人から牛乳をもらってスイカシェイクも作ったようだ。牛乳嫌いな子もシェイクなら食べていたみたい。
 3人目、ラストはヒィロ。流石に3人いたら1人くらいは普通の切り方をする。……と思うのが普通だと思う。でもそんなわけないのがイレギュラーズクオリティ。
刺突と連撃が一気にスイカを襲ったと思ったらあら不思議。きれいな食べやすい形に……
 
 ヒィロからスイカを受け取った美咲は急に塩を取り出し、シャーベットまで作ったようだ。フレッシュなスイカを使ってるし、暑い日にシャーベットはすごく合う。でも、一気に食べると頭が痛くなる……と美咲が言おうとしたがすでに頭を抱えてる人が数人いるようだ。イレギュラーズも含めて……!!!
 ウィリアムはスイカを食べるのもそこそこに、森へ向かっていったらしい。草をくっ付けながら帰ってきたけど、森の中にさっきのスイカみたいなのがないか探しに行っていたようだ……。結局スイカはなかったようで少し残念な表情をするウィリアムだったが、村人はほっとしたような顔をしていた。ウィリアムが森を探しに行った事で森の中が安全だと分かり、もう転がってくる事はないだろうと思えた事がその表情を作り出していた。さっきみたいなスイカがいるのに確認しに行けるのなんてイレギュラーズぐらいだからね……
 一番平和に食べていたのはレイリーだ。村人のみなに囲まれながら楽しくスイカを食べている。平和が一番。
 
 ……一方その後ろでは

「食べてもおいしくないですわぁぁぁー……!!!」
尻尾が綺麗だなーと見つめていた少年と、狙われてる!(食料として)と思ったノリアの鬼ごっこが始まっていた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

皆さま、お疲れさまでした。
スイカ割りはいかがだったでしょうか。イレギュラーズを一般目線から見るととんでもない人たちに見えてるんだろうなーと思いながら書かせていただきました。
楽しんでいただければ幸いです。
ありがとうございましたー!

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