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シナリオ詳細

初仕事は暗殺依頼
初仕事は暗殺依頼

完了

参加者 : 8 人

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オープニング


 傭兵……ラサ傭兵商会連合のとある商人街。
 今回は、『穏やかな心』アクアベル・カルローネ(p3n000045)から直接、依頼主のところに向かうよう言われたイレギュラーズ達。
 昼間、ラサへと到着したメンバー達は依頼人が経営する酒場へと向かうと、準備中の札の中から声がした。
「ローレットかい? そのまま入ってきておくれよ」
 中には、カウンターで開店準備を進めている酒場のママさん、ノラガナの姿があった。
 砂漠兎の獣種である彼女は年齢不詳だが、美魔女と噂されているのでその世代と思われる。
 褐色の肌は、日に焼けた影響もあるのだろう。この周辺の出身であることを思わせた。
 有力団体との縁を求めていたノラガナは、運び屋の邪魔をする厄介者……砂漠の大サソリ討伐をローレットへと依頼してきた。
 難なく撃破したローレットは、ノラガナの信頼に足る相手と認められたらしい。
「そろそろ、依頼の話をいいかしらね」
 彼女はここまでやってきたイレギュラーズ達へと冷たいソフトドリンクを振舞いつつ、話を始める。
 仲介のアクアベルすら入れずに直接依頼を頼んだ背景は、ノラガナの裏の仕事に関する内容が含まれていることもある。
 この為、他言無用にしてほしいという前提の元で、全員がその約束を交わしてからノラガナは説明を行う。

「実は、うちの子の仕事を手伝ってほしいのさ」
 ここからは、彼女も裏の顔を見せる。
 ノラガナは酒場を営む裏で情報の売買、武器売買の仲介をしている。そして、幼子を集め育てて各地へと派遣売却することもあるという。
「人身売買ではあるのだけど、そこは本人も理解の上では行っているよ」
 とはいえ、捨て子や孤児は、ノラガナに育ててもらった恩義がある。彼らはどこに派遣されようと、嫌だと言うはずもない。
 さて、そのうちの1人、レノという少年が現状、初依頼に臨むそうなのだが……。
「依頼内容は、この街の裏の取引を仕切っているドン・ピノーテの暗殺依頼だね」
 そいつは夜になればとある市場へと現れ、珍しい品々や武器などを高値で販売し、荒利を貪っているという。
 これによって、廃業してしまった商人も多い。ドンに怨み持つ者が集まって暗殺依頼を持ち掛けたのではないかと思われる。
 一方で、ドンに恩義を感じる者も少なくない。
 彼のおかげでこの街にもたらされた品も多く、他の街などとのパイプを太くし、街にとって確実に利益をもたらした人物とされる。
「人によってしまうのだろうけれど、アタシにとっては煙たい男だね」
 だからこそ、この依頼はレノの為を思っても成功させたいとのこと。信頼できるローレットだからこそ、頼みたいと彼女は言う。

 レノは今夜、遠距離からドン・ピノーテを狙うとノラガナに名言しているとのこと。
 闇市にいるドン・ピノーテは後方の座椅子が定位置。
 すでにこの場にいないレノは1人で、遠方から対象人物を狙い撃つと見られている。
「ただ、ドンは多数の構成員の他、ペニーニョって用心棒を雇っているよ」
 用心棒の腕を考えれば、ほぼ間違いなく狙撃は失敗するだろう。
 それが分かっているからこそ、ノラガナも黙っておけなかったのだ。
 その後、闇市全体を巻き込む程の事態になる。
 この混乱に乗じてイレギュラーズ達も突撃し、ドン・ピノーテの命を奪いたい。
「ローレットの名前を名乗るかどうかは、アンタ達に任せるよ」
 この依頼が成功すれば、少なくともレノの初仕事も建前として成功する。
 この街で顔が立つノラガナとしては、邪魔者が消えて仕事が非常にやりやすくはなるが、おそらく悪評は立ってしまうだろう。
 そうなれば、ノラガナと繋がりのあるローレットの悪名も上がってしまうだろうと彼女は告げた。
 いわゆる、汚れ仕事である。だからこそ、彼女は直接メンバー達との対話で依頼を持ち掛けたかったのだろう。
「それでも、お願いできるかい?」
 依頼内容を聞いたイレギュラーズ達は、改めてノラガナへと依頼を受けるよう返事し、彼女と握手を交わすのだった。

GMコメント

イレギュラーズの皆様こんにちは。なちゅいです。
悪依頼ですので、ご了承の上でのご参加願います。

関係者依頼ですが、どなたでもご参加いただけます。
ただし、今作は依頼人の希望もあり、
一定以上の名声のあるイレギュラーズのみ、
参加を募っておりますので、理解を願います。

●敵
◎ドン・ピノーテ
 50代、サングラス着用、
 いかつい顔をした恰幅の良い男性です。

 周辺一帯の密売を取り仕切るドンです。
 裏ルートで手を回して特定武器を買い占め、
 一般流通品よりも割高な値段で販売するなど、
 あくどい商売をしております。

 ただ、彼のおかげで生活できている者もいるのも事実で、
 彼の殺害は悪評にも繋がるものと思われます。
・魔弾……(A)神中単
・マグナム弾……(A)物超貫・万能
・手榴弾……(A)神遠範・火炎
・指揮……(P)レンジ2の範囲にいる味方の攻撃、命中+

〇用心棒ペニーニョ
 ドン・ピノーテに雇われた長身の男。
 黒い衣装にテンガロンハットを被っています。
・魔弾……(A)神中単
・クリティカルスナイプ……(A)物超単・致命
・ファニングショット……(A)神中扇・出血
・クイックドロウ……(A)物遠単・そのターンのみ、反応値+50

○構成員×10人
 ナイフ、剣、銃などで武装した組織構成員。
 個人の技量は並みといったところですが、
 集団となれば、数で押してくる為、危険な相手となります。

●NPC
〇レノ
 ノラガナが育て、とある組織に派遣売却された、14歳、犬の獣種の少年。
 暗殺技術を身に着け、今回が初依頼とのことですが、
 いきなり大きなヤマを任されたようで、緊張を隠せぬ様子です。
 暗殺技術の腕は構成員よりは高く、用心棒よりは下といったところ。
 暗殺用のライフル銃の他、リボルバー銃を使用。遠方からの狙い撃ちが得意です。

・バウンティフィアー……(A)物中単・連・レンジ2以上
・コンセントレイトスナイプ……(A)物超貫・万能
・アサルトスナイプ……(A)神遠単・必殺
・生存優先……(P)防御、回避+。攻撃、命中-。

○ノラガナ……美魔女と言われる程の年齢の女性。
 今回の依頼者です。
 砂漠兎の獣種、褐色肌。退廃的な雰囲気を感じさせます。
 傭兵の砂漠、とある商人街で酒場を切り盛りしております。
 幼子を集め育てて、各所に派遣売却といったこともやっています。
 ジュア(p3p000024)さんの元ブリーダーです。

●状況
 ラサのとある商人街において、裏の流通などを取り仕切るドンの暗殺依頼を受けたレノを助ける依頼です。
 夜、とある建物内で行われている闇市に参加しているドンを、レノが狙い撃つことになりますが、ほぼ間違いなく用心棒に狙撃を邪魔されてしまいます。
 コンクリート製の建物内で行われている闇市はちょっとした市場程度の大きさがあり、自由に動くことは可能です。
 レノを護りつつ襲い掛かってくる構成員や用心棒を倒し、出来るならドンの命を奪っていただきますよう願います。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●注意事項
 この依頼は『悪属性依頼』です。
 成功した場合、『傭兵』における名声がマイナスされます。
 又、失敗した場合の名声値の減少は0となります。

それでは、よろしくお願いいたします。

  • 初仕事は暗殺依頼名声:幻想10以上完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常(悪)
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年07月27日 22時06分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
蒼の楔
燕黒 姫喬(p3p000406)
猫鮫姫
サンディ・カルタ(p3p000438)
アニキ!
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
山賊
ジェイク・太刀川(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
クロジンデ・エーベルヴァイン(p3p001736)
受付嬢
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ

リプレイ


 夜、傭兵某所。
 酒場のママ、ノラガナから依頼を受けたイレギュラーズ達は、闇市が開かれるという建物を目指す。
「暗殺依頼か……」
 金髪に機械の四肢を持つ旅人の女性、『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)が徐に呟く。
「この依頼でコネが作れれば、私にも利はあるしね」
 自分達の仕事は後詰めのようなものではあるが、仕事を受けた以上はやってみるとゼフィラは意気込む。
 そんな暗殺依頼を、スーツ姿の男性『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)は敢えて選んで請け負っていた。
「先日、暗殺任務を一つしくじりましてね」
 寛治が請け負った依頼の標的は、王宮執政官エルベルト・アブレウ。
 戦場の混乱の内に命を獲ろうとしたが、流石にガードが堅かったということで、彼は今回、暗殺の初歩からやり直しに来たとのことだ。
「ラサの裏社会とか、よく知らないんだけど」
 傭兵出身ではあるが、砂漠の辺境にある隠れ里の出だという『悪意の蒼い徒花』クロジンデ・エーベルヴァイン(p3p001736)はそう前置きしつつ、さらに続ける。
「闇市とかやっているだけあって、孤児の裏社会への斡旋とか、縄張り争いとか実に物騒なんだねー」
「ドン・ピノーテのやり口は、買い占めによる市場の独占ですか……」
 今回の暗殺対象、ドン・ピノーテを暗殺した後、独占でなくなった市場に食い込めば、新しいビジネスになりそうだと寛治は見通しを語った。
「そういや、おれがかっぱらった武具を買ってもらった記憶があるねェ」
 普段、山賊を生業としている『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)の証言によれば、盗難品も扱いがあるらしい。
「なー、でもローレットから見たら、そういった処の方が商機は有るって言うことだよねー」
 クロジンデも幻想のローレット本部の受付も大分落ち着いたそうで、今回は参戦を決めたようだ。
「ああ──、悪党には相応の末路を」
 グドルフは自らが悪党と自認しているからこそ、ドンへと感情を込めずに告げる。
「……死んでもらうぜ」
「そうだねー。仕事に貴賤はねー。しっかり、サポートするとしようかー」
 クロジンデがサポートする相手。それは、本家本元から暗殺依頼を請け負ったノラガナの育てた少年だ。
「……本当に大丈夫なのか? レノって奴ァ」
 赤髪の少年といった容姿の『赤鬼の引き付け役』サンディ・カルタ(p3p000438)は、親にお手伝いを呼ばれる状況では、ただのガキでしかないと斬り捨てる。
 ただ、金銀妖眼が印象的な男装の医者、『死を呼ぶドクター』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)は違った見方をしていて。
「初依頼が暗殺、か。運が悪いと言うか。まぁ、難儀な運命のガキが居たモンだ」
 いきなり厳しい社会に放り出された少年レノの境遇に、レイチェルは同情する。
「こういう仕事は兎に角、場数を踏んでいくしかねえよな」
 すなわちレノを生きて帰らせる必要があると、狼の獣種、『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)は話す。
「んま、無事にお仕事頑張りまっしょ」
 ネコザメの海種、『猫鮫姫』燕黒 姫喬(p3p000406)も、少年の考えを尊重する意向だ。
「ガキが死んだら、寝覚めが悪いしな」
 ジェイクも気乗りしたようで、手伝うと名乗りを上げる。
「――なぁに、レノも死なせんし、ドンも葬るさ。其れがオーダーなら」
 レイチェルは目的の闇市が行われている建物を一度仰ぎ見てから、仲間達と共に中へと入っていくのである。


 イレギュラーズ達は、暗殺対象と肉薄する班とドンを狙撃する班の2手に分かれ、闇市へと突入する。
 闇市が行われる建物は市場のようになっており、あちらこちらの売人達が集まっている。
 予め、ジェイクが依頼者ノラガナから見取り図を借りており、それを元にしてイレギュラーズ一行は作戦を立てていた。
 先頭は、商人に扮した寛治。
 地元のコネ、そして、自らの名刺を使って闇市の守衛をパスし、同じ班のメンバーに護衛されつつ中を歩く。
「さあ、この魔力の込められたブレスレット、4,000から!」
「5,500!」
「7.000!」
 闇市で行われる競りに、商売人が集まる。
 その脇を寛治が「警備」スキルを活用し、闇市内を見回す。
「オッ、見ろよこれ。ゴミ売ってらあ」
 寛治の護衛として潜入するグドルフは並ぶ商品に興味を抱いて無防備、無関係を装うが、戦闘準備は怠ることなく敵の位置を確認していく。
 この場に散開して、見張りを行う組織の構成員。
 そして、奥で用心棒ペニーニョを従え、この場を取り仕切る恰幅の良いサングラス姿の中年男性ドン・ピノーテの姿がある。
「先に怪しまれても困るんだが……なるべく接近しておきてーな」
 遠くにドンを見据えたサンディは、ゼフィラ、姫喬らと示し合わせるよう行動する。
 一方で、狙撃班は2人。
 人の配置や流れなどを、クロジンデは超視覚と瞬間記憶で把握に努めていた。
 レイチェルもまた眷属として使役する蝙蝠を通し、敵の位置を確認する。
 さらに、彼女は気配を殺して闇市参加者に紛れ込み、護衛対象でもあるレノへと近づく。
 そのレノは今まさに、ドンにライフル銃を向けていて。
「…………!」
 雑踏に紛れる銃声。
 一直線にドン目掛けて飛ぶ銃弾を、黒い衣装を纏う用心棒ペニーニョが素早く抜いた銃で撃ち落として見せた。
「状況開始だねー」
 動き出すクロジンデ。
「抗争だ!」
「逃げろ、巻き込まれるぞ!」
 聞こえよがしに用心棒が発砲したこともあり、闇市はすぐに騒ぎとなる。
「襲撃に備えろ、何かが潜んでいるぞ」
 ペニーニョの声に応じ、武装したドンの手下……構成員達が動き出す。
 騒ぎとなる中、サンディは明らかに迎撃態勢をとる構成員へと接近し、出来るだけ纏めて槍を高速回転させて複数へと切りかかる。
 ゼフィラ、寛治らが用心棒と距離を詰める中、ジェイクが構成員達へと古い銃『アウローラ』を向けて。
「派手におっぱじめようか!」
 雑魚がいたのでは、ボスを狙うことはできない。
 早いうちに皆殺しにすべく、ジェイクは弾丸による鋼の驟雨を打ち付けていく。
「おっぱじめるぜ、野郎ども! おらあ、掛かってきな雑魚共!」
 生存本能を呼び起こしたグドルフも『山賊刀』を手にし、合わせて仲間達と構成員へと呼びかける。
 グドルフは手近な敵から、回し蹴りを浴びせかけていった。
「御膳立てのお仕事だからさぁ。そーゆー意味じゃあ、気楽よねっと」
 仲間達に続き、姫喬も敵の頭数を減らそうと、散開する敵目掛けて耀化鮫牙造御神楽宝刀『八尋火』を振るう。
 敵までは距離があるが、飛ぶ斬撃が宙を駆け抜け、銃を向ける構成員の体を切り裂いていく。
 回復役メインになろうと立ち回るクロジンデだが、敵味方の動きを見つつ序盤は攻撃に出る。
「数を減らせば、回復の手もそれだけ不要だからねー」
 心の奥底に秘めた悪意を、彼女は殺傷の霧として周囲に具現化した。
 それに包まれた構成員達は、体のあちらこちらに負った傷から血を吹き出し、呻いていたようだ。
「手際が良すぎる……」
 そんな感想を抱きながらも、ドンは自分を狙う相手へと手榴弾を投げつける。
 市場の内部で起こる爆発。
「「うわあああああっ!!」」
 それに、逃げる商売人達が悲鳴を上げていたのだった。


 市場内で始まる抗争。
 先程まで、商売人達の活気溢れる声で溢れていたのに、一変して剣戟と銃声音のみが響き渡る。
 ドンの暗殺に失敗したと悟ったレノ少年は、素早くその場から移動を始める。
 そんな彼へと飛んでくる手榴弾。駆け付けたレイチェルは咄嗟にレノを庇う。
「……俺は炎では燃やされねぇ。吸血鬼だがな?」
「あっ……」
 自らを庇ってくれたレイチェルに、レノは思わず声を上げる。
「……ノラガナも、レノが初依頼へまって死ぬなんざ、望んでねぇ筈だ」
 もちろん、レイチェルとてそれを望んではいない。
「レノはジュアの弟みたいなモンだろ?」
 2人の名前を出され、レノは少しだけ表情を綻ばす。
「はい、ありがとうございます」
「ともあれ、この場は……」
 レイチェルは事情説明もそこそこに、レノを狙う構成員目掛けて紅蓮の焔を発し、その体を燃やしていくのである。

 一方、ドンに肉薄を試みるメンバー達。
 とりわけ、用心棒ペニーニョを抑えるべく、ゼフィラ、寛治が距離を詰める。
 相手の獲物は銃だ。
 距離を取られるとこちらが不利とあって、近づくゼフィラは『波濤の盾』を叩きつけ、相手の足止めに当たっていた。
(出来れば、ドンから引き離したいが……)
 だが、用心棒ペニーニョがドンの位置も気にかけながら攻撃してくる。
「どいつの差し金だ……?」
 銃砲の放つ背後のドンは、この襲撃の依頼者について考えを巡らす余裕すら見せた。
「出来れば捕えろ。依頼主を吐かせてやる」
 ドンの指揮能力は確かなもので、自らの手下の士気を高めてくる。
 それだけに、寛治はドンの近場にいるペニーニョが得意とする間合いは避けるべきと判断して。
「……今日は、私の間合いで踊っていただきたく」
 紳士用の『長傘』を振るう彼は格闘でペニーニョへと鮮やかな傘捌きで攻め立て、合間に銃撃も浴びせかけることで敵を翻弄する。
「くっ……」
 小さく声を漏らすペニーニョは反撃としてファニングショットを発し、近場の2人に銃弾を撃ち込む。
 仲間が傷つくのを見れば、戦場を細かく移動するクロジンデが力を高めた治癒術で仲間達の傷を塞いでいく。
「回復飛ばすには、回復したい対象さえ見えていればいいんだからねー」
 打たれ弱さを自認するクロジンデはしっかりと戦況を俯瞰しながら、回復手としての役割を全うしていた。
 そんな中、ジェイクが遠方から降らす銃弾。
 それらを浴びる構成員達を、メンバー達がさらに攻め立てていく。
「押すや引くやの籠遊び。息せい引っ張りゃ彼岸はこちらってね!」
 宝刀を手に、姫喬は構成員へと切りかかる。
 決して技量は低くない敵だが、剣での斬り合いは姫喬に分があり、彼女が一気に相手を切り伏せてしまう。
 グドルフはある程度、ドンの指揮が及ばぬ程度に構成員を引き剥がし、そいつらの攻撃を引きつけながらも刀でぶった斬っていく。
 距離を取ろうとする敵には、グドルフはすかさず追いすがって。
「よお。逃がすと思うかい」
 グドルフは躊躇なく構成員の体を切り裂き、地面に沈めていった。
 構成員を攻めるメンバー達は、徐々にその数を減らしていく。
 敵へと巻き起こす竜巻を見舞うサンディ。
 2体を倒し、近場に構成員がいなくなったことを確認したサンディは前方にまだピノーテがいることを確認する。
「ぐぬぬ……」
 構成員を全て倒されたことで、退路を探し始める敵をサンディは見て。
「逃走阻止しねえとな」
 サンディはすかさず敵の足元へとギフトを使い、カードを放つ。
 だが、敵も管理能力はなかなかのもの。それを飛び退って躱して見せたのだった。


 ドン暗殺を狙った射撃から、始まった抗争。
 すでに、外へと避難した人々は争いが収まるまで、ただ見守るばかりだ。

 内部では、ドン・ピノーテの命を狙うイレギュラーズ達に対し、用心棒ペニーニョが抵抗を続ける。
「ドン、早く避難を」
「ぐぬう……」
 決して、警備に手は抜いていなかった。構成員も力量は確かな者ばかりだったはずだ。
 だが、2勢力を同時に相手する形となったドン勢力は対応が後手に回り、気づけばペニーニョのみとなっている。
 そのペニーニョは並外れた銃の腕を持ち、レノを狙って発砲しようとしていたが、近距離から傘で攻め立てる寛治と遊撃で立ち回って銃弾を撃ち込むゼフィラに抑えられてしまう。
 それでも、ペニーニョは2人を相手にして優勢に立ち回っている。
 さらに、彼らが縦に並ぶタイミング、ドンのマグナム銃が2人を纏めて撃ち貫いてしまった。
「伊達にドン張っているわけじゃないのでな」
 その威力はかなりのもので、撃たれた2人は傷口から血を流す。
 だが、クロジンデがすかさず仲間達を癒やしていく。
 皆が上手く個々の対応に注力しているおかげで、思った以上に敵の意識はレノから逸れてきている。
 それだけに、クロジンデは比較的楽に、傷つく前衛陣の回復に専念できていた。
 序盤はペニーニョ優勢な状況ではあったが、構成員が全て倒れれば状況は逆転する。
 ジェイクは一度狼の口づけを浴びせてペニーニョを弱体させれば、仲間達の攻撃が一気に集まることで敵は表情を歪ませた。
「いいハジキを使っているようだが、それじゃ俺には勝てねえな」
 仲間が敵を牽制する間にリロードしたジェイクは、ありったけの弾丸をペニーニョへと放っていく。
 刹那、展開される弾幕を防ごうと身構える敵へとサンディが接近し、邪魔する相手に対する怒りを暴風となして浴びせかける。
 間髪入れずに寛治が人を喰ったような動きで攻め立て、長傘で斬り、突き、銃撃を浴びせ、予測させぬ攻撃で相手の動きを止めてしまう。
「ぐうっ……」
 ペニーニョの足がもつれたところで、その背後へとゼフィラが近寄る。
「悪いね。ま、お互い雇われの身の上だ。恨みっこ無しという事で一つ」
 そう言いつつ、ゼフィラは回転式拳銃『Model27』を敵の頭や胸部へと撃ち込む。
「この、俺、が……」
「ペニーニョが……なんということだ」
 目を見開いて崩れ落ちたペニーニョに、ドン・ピノーテも苦虫を噛み潰すような表情を見せる。
 敵はなんとか入口へと向かおうとしていたが、メンバー達がその退路を断ちつつ、レイチェルと共にいるレノへと視線を走らせた。
 明後日の方向を見るピノーテに迫った姫喬。
 彼女はまるで風のごとくそいつの体をさらい、強く投げ飛ばしていく。
「そもそも、アンタみたいに悪辣に相場イジる連中は好きにゃなれないのよね~」
 誰が上流を握っていようとも、程度を超えてしまえばさすがに他勢力から恨みを買っても仕方ないと、姫喬が諭す。
「この結果、多少なりマトモんなんなら、それで稼ぐ悪名なんざ、天義守ったのとおんなじよーなもんよ」
「ぐぬぬ……」
 ドンは自らの功績に胡坐をかいている間に、敵を作りすぎていたということだろう。
 ジェイクも敵が移動する市場の出入り口へと回り込み、そこから銃弾を撃ち込んで牽制する。
 銃弾を避けるべく、手榴弾を投げつけてくるドン。
 それが別の仲間を狙ったことを察したレイチェルは、『神』の呪いを弾丸に込めて敵へと撃ち込む。
 この状態ならばと、皆、戦闘態勢を維持したまま武器を下ろす。
 サンディも銃を構えるレノを見つめて。
(ここで自信と覚悟と腕が示せねーなら、暗殺者やめるべき。マジで)
「おのれ……ぃ!」
 マグナム銃を向けたドンに対し、一呼吸したレノはその脳天を撃ち抜いて見せた。
「ヒュー。なるほど、腕は悪くねえ。後は経験だけってこったな」
 その腕に口を鳴らすグドルフは、無様な屍を晒すドンに視線を落とす。
「闇市っつうゴミ山で眠るワケだ。悪党にゃ似合いの末路だね」
 それが街の流通に力を尽くし、その街の流通全てを我が物にせんとした男の最後だった。


 闇市で起きた抗争は、ドンの死によって幕を引く。
 まだ市場は慌ただしく人々が駆け回っているが、そこにはすでにイレギュラーズ達の姿はない。
 少し離れた目立たぬ物陰にイレギュラーズ達とレノが身を隠し、人の波が途切れるのを待つ。
「今回は良かったねぇ。加勢があったよ」
 姫喬から話を聞いたレノ。この場のイレギュラーズ達がノラガナに依頼され、自分の支援をしてくれたことを知る。
「次回は一人で頑張れると良いね。……ほんとに、頑張れる?」
「ええ、次こそは」
 そう覚悟を見せたレノへ、サンディが問う。
「お前、今ここで俺を殺せるか?」
「えっ……?」
 サンディもレノと同様に孤児だが、誰に拾われることもなく浮浪者として、何の覚悟も努力もせずにここまで生きてきた。
 その問いに戸惑うレノへ、サンディはさらに続けて。
「それがお前の進もうとしている道だぜ、レノ」
 ――悩むなら、今引き返せ。覚悟はあんのか?
 しかしながら、レノも自らの本意ではないとはいえ、ノラガナの希望でこの稼業に身を置くことに決めた。
「ノラガナママの期待は裏切れません」
 レノはそう言い切るに留まり、本当にしたいことまでは言及しなかった。
 そんな彼に、ジェイクが一言。
「この世界で生きていくなら、生き残る事を考えろ」
 自分にできるアドバイスはこれくらいだと、ジェイクはレノに告げて身を引く。
 人波が途切れたところで、メンバー達は人の視線を避けるよう移動する。

 途中で、自分の組織に戻ると話すレノと別れることに。
「いつでも、自分で決めるといいよ。自分の道、ね」
 とりあえず今日はゆっくり眠ろうと姫喬が告げ、彼を改めて労ってから送り出す。
 一行はそのまま、完了報告へと酒場へ出向くことにする。
「さて、レノの働きについて、ノラガナに話してやらないとな」
 レイチェルは今回の1件と合わせ、縁のあるジュアのことも話そうと考える。
「親は子供が元気か知りたいモンだろ?」
 お節介ではあるのだが、ノラガナの気持ちを慮るレイチェルに同意しながらも、メンバー達は夜道を歩いていくのだった。

成否

成功

MVP

レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
蒼の楔

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
ギリギリの公開となり、申し訳ございません。
初めての悪依頼でしたが、
いつもの依頼と違った心構えのプレイングを感じました。
今回はご参加、ありがとうございました。

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