PandoraPartyProject

シナリオ詳細

カモン! 春生まれ!

完了

参加者 : 13 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●春、生まれ、だと……?
 
 
 い   ま   さ   ら    !?
 
 
「そう、いまさらなんだよ」
『黒猫の』ショウ(p3n000005)は深いため息をついた。
「いや、誰かやってくれるだろうなーって淡い期待を抱いてるうちに、春終わっちゃうじゃん、明日から夏(6/1)だよってなっちゃってね。まあ仕様上、外見年齢は変わらないシステムなうえに公開自体間に合わない可能性が高いんだけど、そこはそれ、ザサエさんシステムでも誕生日は全力でお祝いしたいよね。まあ夏生まれもちゃんと出すから勘弁してよ」
 そういいながらショウは依頼書を取り出した。

「練達のトッキョディスティニーランドから依頼が来ている。春生まれ、つまり、3・4・5月生まれのイレギュラーズとその友人たちをナイトパーティーへご招待だ。知ってる人は知ってるかもしれないけれど、トッキョディスティニーランドはホテルデレラシス城を中央に広がっている歓楽施設だ。期間中は花火をあげて盛大にお祝いするらしい。
 ホテルデレラシス城はダブルの部屋が今なら大出血無料サービス中だよ、ふたりでベッドでごろごろしながら大きな窓から花火を眺めるのも乙だね。そうそう、ホテルのロビーではスイーツパーティーを開催しているよ。腕に自信のある人は自分でケーキを作るのもいいかもしれないね。
 友達がたくさんいる人は、ディスティニーランド名物ナイトパレードを見学するのもありだよ。周りの屋台では小物やお菓子が大盤振る舞いだ。独り身でも楽しめると思うよ。
 ん? 俺? 留守番だよ……楽しんでおいで」
 

 漆黒の幕に一筋の光が昇っていく。空が光を抱いて色を変える。ここは練達、トッキョディスティニーランド。旅人たちが故郷をしのんで作った楽しくもどこかものがなしい場所。
 ドン! 腹に響く音が響いて夜空に花が咲いた。
 赤い光が夜空に飛び散り、きれいな正円を描いて緑に変わる。そして光は黄金へ変化してしなだれ、漆黒へ吸い込まれていく。パラパラと火薬の燃え尽きる軽い音があなたの耳へ届いた。
 ドン! またひとつ花が咲く。それを背に十二人の天使が空へ飛び上がる。
 花火と同じ黄金色の髪をなびかせ、純白の衣を着た天使たちがラッパを吹く。同時に足元でいくつもの影が動き出した。
 ライトアップされたそれらは小さな羽根を背負った愛らしい玩具の動物たち。ねずみ、ねこ、いぬ、トカゲ、馬車を引くロバたち、かぼちゃを思わせる馬車の窓からは新緑の民に似た人工精霊が艶然と微笑をこぼす。踊りながらそれへついていく覆面をしたアンドロイドの娘たち。髪へ結った花が散り、甘い香りがあたりへ漂う。心惹かれるままに列へ入れば、彼女らは笑みを浮かべあなたの手を引く。
 
 踊りましょう。今夜は。
 歌いましょう。今夜は。

GMコメント

いらっしゃいませ、3・4・5月生まれのイレギュラーズ。
お祝いしたい方は生まれ月や交友関係を問いません。俺は屋台のおっさんとしてもくもくとがんばるぜも、もちろんありです。仲良くきゃっきゃしてください。
なお。名声値は練達へ加算されます。

一緒のシーンに登場したい方は、待ち合わせタグをご利用ください。
独り身の方はてきとうにまぜくります。

以下、トッキョディスティニーランドで振舞われる小物
オリジナルなものを持ち込むのももちろんありです。ロバとかね。

星屑クラッカー
 金平糖とリボンを詰めたクラッカーです。色は鳴らした人の気分によって変わるとか変わらないとか。デフォルトは金色です。

手のひら花束
 誰でも簡単にマジックができる手品の種。これをにぎって、適当な呪文を唱えるとポンと音がして花束が生まれます。どんな花束になるかは術士の腕によるようです。

レインボーマフィン
 七色のマフィンに星型のクッキーが刺さったお菓子です。おもいきってかぶりつくと奇妙奇天烈な味わいが口中に広がり多幸感が味わえます。

ディスティニーチーズケーキ
 真っ白なケーキに芝生を思わせるベビーリーフと羊をかたどったチョコレートが添えられた濃厚なチーズケーキ、チーズ好きにはたまりません。ついついおかわりをしてしまうことから無限チーズケーキと呼ばれているとも。

パームワインの実
 甘くて滋養あふれるヤシの木酒の入った実。穴を開けてストローで飲むのが通。
 20歳未満&年齢Unknownはアウトー!

※当シナリオにはNPCの参加が可能です。

  • カモン! 春生まれ!完了
  • GM名赤白みどり
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2019年06月17日 23時40分
  • 参加人数13/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 13 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(13人)

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者
零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
Q.U.U.A.(p3p001425)
ちょう人きゅーあちゃん
アニー・K・メルヴィル(p3p002602)
零のお嫁さん
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
ミシャ・コレシピ・ミライ(p3p005053)
マッドドクター
ロク(p3p005176)
クソ犬
アルメリア・イーグルトン(p3p006810)
緑雷の魔女
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
フィーア・プレイアディ(p3p006980)
CS-AZ0410
マナみ(p3p007192)
月の国の魔法使い
カルト・セラピー(p3p007194)
氷輪童熊
リルカ・レイペカ・トワ(p3p007214)
魔性のちっぱい

リプレイ

●お祭り開始
 夜空に咲く花火。白亜の城を染める光の共演、その美しさは筆舌に尽くしがたい。
 その真下の広場では、無数のアンドロイドたちや機械のおもちゃたち、そしてイレギュラーズが集っていた。
 七色に輝く髪の少年がお立ち台によじのぼり、拡声器を手にした。
「宣誓! 我々は! 春生まれを、誠心誠意、心ゆくまで! 祝い、寿ぎ、歓びたおすことを! ここに誓うんじゃん!」
 イエエエエエエエエエエエエエ!
 叫びが夜空まで轟いた。口笛が響き、花びらが舞う。
 月を背負ってムーンサルトする影が一つ。Q.U.U.A.だ。でっかいカボチャを頭にかぶり、ペロペロキャンディを振り回しながら飛び跳ねる。足元から紙吹雪が舞い散って、彼女の軌道を遅れて描く。
「きましたちょうじーーーん、きゅーあちゃーん! はっぴばーすでー! みんな、おたんじょうびおめでとー! たくさん出しものがあるから、いっぱいおいわいできるね!」
 少年、カルトは客たちの盛り上がりにむふんと満足気に笑って、再び拡声器を口元に当てた。虹色の瞳がきらりと光る。
「はぴばー、おれ。はぴばー、みんな。お誕生日おめでとう。お誕生日じゃない日おめでとうじゃんな。お正月と誕生日とシャイネン・ナハトは何回来てもおけおけだし。ギャルしかり、ヤンキーしかり、若者は徒党組んでなんぼだし。目が合えば友達よ、明日も会えれば親友じゃろ! 目指せ一大勢力!」
 ヒャッハアアアアアアアアアアアアア!
 クラッカーが鳴り、手のひら花束が空へ投げ上げられる。大きく開いた花火といっしょに花束が咲いた。そこで人波がモーゼのごとく割れ、一頭の古ロリババアが台車を引いて走ってきた。真っ白なテーブルクロスとリボンで飾られた台車の上には、はみ出さんほどの巨大なバースデーチーズケーキ。
「さささささあさあきゅーあちゃんたちといっしょに、たべたりうたったーりしよう! HAHAHAはっぴーばーすでーい、HAHAHAはっぴーばーすでーい、おめーでーとうーじぶんーにー!」
 Q.U.U.A.が分身し、列をなして踊りだす。流れるテクノアレンジバースデーソングは彼女たちの口から漏れ出す生音だ。ライブさながらの熱狂があたりを包み込み、いくつものフォークがケーキを狙う。そのフォークたちから古ロリババアをかばっているのはロクだ。
「ちょ、ちょ、うちの子には手を出さないでね! いや、おいしいけど、一応今日の主役の一人だから! え、イレギュラーズじゃない? そんなこと言わずにさァ! わたしディスティニーランドに来てみたかったんだもん! 夢の国!」
「わかる。わかるわー。私も噂を聞いてどんなところか気になってたし?」
「わかってくれるマナみ! すてき、マジ女神! 奇縁合縁塞翁が馬、目と目合えば友達尊み!」
 ロクがそのわんこ(犬じゃねえ!)じみた手で器用にワイングラスをかざす。マナみも杯を受けて赤ワインの入ったグラスを打ち合わせた。かしましい広場でグラスの奏でる澄んだ音が高く響く。こう見えて両者成人済みなのだ。
「牧場でお留守番しているロバたちも全員連れてきたかったなァ……。ところで、マナみの誕生日っていつなの?」
「4/1」
「ワオ、エイプリルフール!」
「ああそうだよ必ずそう言われんだよ! あー腹立つ!」
「へーい、4月生まれみっけ! おれは23日、超めでてぇ記念日、どっかの世界で初めて無線通信した日、ちな年は214!」
 ビールのジョッキを高く掲げ、カルトが乱入してきた。
「なにっ、214だと? それでその外見かよ! ……なんか負けた気分」
「勝ちとか負けとかないっしょ今夜は。ロバもロクもマナみもQ.U.U.A.も春生まれ祝いたい、いーじゃんそれで? カンパーイ!」
 ぺたんこの胸を押さえるマナみ。カルトはにっと笑って彼女とジョッキを打ち合わせる。
「そんじゃレッツゴーデレラシス城! ふわふわのベッドもスイーツパーティーのおやつも奇天烈なスイーツもおかしな玩具もみんなで楽しむし! そしたら、旅人の言ってた醜餓苦虜吼(しゅうがくりょこう)みたいでウケんじゃんな!」


 陽気な音楽とともに、ナイトパレードは進んでいく。
 それをBGMにして、カフェのオープンテラスで、フィーアとリディアは出会った。
 煌びやかな作り物。旅人たちが故郷を偲んで作ったという世界で、フィーアの姿は何故か生気を感じさせて、一羽のハーモニアをひきつけたのだった。
「あなたもイレギュラーズ?」
 リディアの問いにフィーアはこくりとうなずいた。
「私は5/1生まれのリディアです。あなたは?」
 フィーアはやや逡巡したのち唇を開いた。
「フィーアです。誕生日は……ああ、そういえば4月生まれと登録してましたね。前の世界での名前を誕生日にしましたから、10日生まれといいうことになっています」
「まあすてき、春真っ盛りですね」
「そういうものでしょうか。私にとって誕生日はあまり価値はありませんが、祝って頂けるのであれば嬉しく思います」
「そういうものですよ。お祝いに一曲披露いたしましょう」
 リディアは木漏れ日のように微笑み、大きく息を吸い込んだ。ナイトパレードの単調なメロディにのびやかなリディアの声が重なる。時空を越え、戦う者たちへの応援歌。胸の奥が熱くなり、それが涙となってこぼれ落ちてきそうなピュアな歌声。リディアが歌い終えたとき、フィーナは熱心に拍手をした。
「きっとすばらしいと称するのでしょう。ありがとうございます」
「夢のようなひと時をプレゼントできたでしょうか。であれば、うれしいのですけれど」
「お礼にチーズケーキを奢らせてください。「誕生日にはケーキで祝うものだ」と上官に聞いたことがあります」


「ダブルの部屋が無料かー……太っ腹だなー」
 そのダブルベッドに大の字で横たわって、零はためいきをついた。そわそわして落ち着かない、その理由はきっと……。
 扉が控えめにノックされ、零は飛び起きた。
「失礼いたしま~す、ご主人さ・ま」
 茶目っ気たっぷりの微笑を浮かべて、一人のメイドが入ってきた。アニーだ。3/9生まれの零を祝うために一日メイドに扮してやってきたのだ。
「お。おおおう。おう。まあ、なんだ。ゆっくりしてくれ」
「まあゆっくりしては御奉仕できませんわ~」
「あ、そうだな! あはははっ!」
 ぎこちない会話に、零は冷や汗をかいた。清楚なロングのメイド姿はアニーによく似合っていた。整った顔立ちに施された薄化粧が妙になまめかしくて。
「そういえば御奉仕って何をすればいいのでしょうか……」
 突然の爆弾投下。それってつまりなんでも聞いてくれるって事? 都合よく解釈しちゃうよ? 零はアニーを手招きした。
「じゃ、じゃあ、もうちょっとこっちに来て」
「は~い」
「で、目を、閉じて……」
「はい」
「あ、ちょっと上向いてくれる?」
「はいな」
 零はぐぐっとアニーへ顔を近づけた。頬が熱い。汗がたれる。そのまま固まること数分。
「あーーーーだめだめ! やっぱこういうのは! 命令とかご奉仕とか抜きで! ちゃんと!」
「ほえ?」
 零は意を決してアニーの両肩をつかんだ。
「俺と一緒に花火を見てくれ」
「は~い」
 いつもと変わらないアニーの微笑みに、なぜかほっとする。そのままふたりで花火を楽しんだ。
「……うん。来て良かった。アニー、ありがとう。良い誕生日になったよ」
「うん……私もいっしょに来れてよかった……」


 ホテルの一階では乙女の夢、スイーツパーティーが開かれていた。
 クッキー、マカロン、チョコレート、いろいろあるけど、やっぱりケーキ。
「特にチーズケーキは絶品らしいのよね。ふふ、4/1には間に合わなかったけど、誕生日、おめでと、フラン!」
 と、ウインクするアルメリア。ほわあと歓びで頬が真っ赤になるフラン。
「そ、そういえばお誕生日ってものがあったねアルちゃん……!」
「お互い召喚されてから大変だったからすっかり忘れてたわね」
 お皿いっぱいに盛ったスイーツの山をもりもり減らしながら乙女たちは幸福に酔う。
(新緑にいた時は家族がいっぱい好物作ってお祝いしてくれてたなぁ……なつかしい)
 フランの横顔へちょっとだけさした影に気づかないほど、アルメリアは鈍感ではなかった。フランの鼻の頭がピンと弾かれる。
「こ~ら、今アンタの眼の前にいるのは誰?」
「……アルちゃん」
「正解。私をスルーして物思いにふけってんじゃないわよ」
「えへへ、ばれちゃった。それにしてもあたしも17か……。ん? 17? アルちゃんより2つもお姉さん? やったあ!」
「何がやったあなのよ。2歳の差なんて私達にとって誤差もいいところじゃないの」
「ふふん、おねーさんだぞー、おねーさんだぞー、アルちゃん、今日はおねーさんに甘えてもいいんだよ?」
「魅力的な申し出だけど遠慮しとくわ。だって私が祝う側だもの。気の利いたプレゼントは用意できなかったけれど、ここのおやつ代は私が出すわ」
「えっえっ、奢ってくれるの!? 前言撤回、おねーさんぶるのやめた! アルちゃんだいすき!」
「あら、お姉さんはもう撤回? じゃあ今度は私がお姉さんぶるわよ?」


「遅ればせながら、誕生日おめでとう、チャロロ」
「チャロロくん! お誕生日おめでとうだわさ!」
 ミシャとリルカ、二人の手でぽんと音がして紫陽花の花束が姿を表した。祝いの言葉とともにそれを受け取ったチャロロは目を丸くして二人を見た。
「あ、ありがとう。ハカセ……と、リルカ。リルカまで召喚されちゃってたの?」
「そうなんだわさ。や~いいオンナは神様がほっとかないっていうかぁ。びっくりした?」
「うん、それより、オイラたちが元いた世界はどうなってるの? ……まだ魔獣は攻めてきてるんだよね?」
 リルカはチャロロを元気づけるように笑みを作り、彼の肩を軽く叩いた。
「大丈夫、あたしたちの世界……トゥスクルモシリは守られてるのよさ。あたしが鍛えてきた後輩たちががんばってくれてるだわさ」
 勇気づけるようにリルカはチャロロをやさしく抱きしめる。ミシャもまたチャロロへ寄り添い、その頭をなでた。
「12才おめでとう。そうね、もう12才になるのね。この世界へ来てから2年以上経ったわけね……。故郷のことは心配だけれども私たちが残してきた戦果や技術はしっかりと残っているはずよ。今日はっパレードの光に身を任せて楽しみましょう」
「そっか……、いつか帰れるといいな。でも戻り方もわからないし、二人がそういうなら信じてこの世界でがんばるしかないね」
「だわさ! そういえばチャロロの誕生日って4/25でよかった?」
「29だよ、リルカ!」
「あはは、ごめんごめんだわさ~」
 笑い声をたてながら軽い足取りでパレードの方へ逃げていくリルカ。それを追うチャロロ。そんな二人をほほえましく眺め、自分も一歩踏み出すミシャだった。

成否

成功

MVP

カルト・セラピー(p3p007194)
氷輪童熊

状態異常

なし

あとがき

春生まれの皆さん、お誕生日おめでとうございます。
主に私の都合で時期外れなシナリオとなりましたが、楽しんでいただければ幸いです。
MVPはなんか人生楽しんでる感じのカルトさんへ。
称号、「一日ご主人様」を零さんへ、「一日メイドさん」をアニーさんへ、「おねーさんだもん!」をフランさんへ、それぞれお送りしております。

ご奉仕と聞いてこれしか思いつかなかった私はちょっとどうかしている。

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