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シナリオ詳細

暑いぞ! そうだ、狼を狩ろう!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「暑くなってきましたね……」
 氷が浮かぶグラスから、ストローでずずっと飲み込んだ『蒼の貴族令嬢』テレーゼ・フォン・ブラウベルク(p3n000028)は染み渡るような心地よい冷たさにほうと息を吐く。
「姫様。少しよろしいでしょうか」
 ぼう、と積もった書類の束から視線を逸らしながら部屋の中に視線をさまよわせていると、不意にそんな声がした。
「どうぞ~」
 随分と間延びしてリラックスした様子の声は、相手が誰か分かっているからだろうか。
「では、失礼いたします」
「クラウスさん、こんにちは。傭兵参謀自らいらっしゃるほどの事件が起きたんです?」
 言いつつ、割と自堕落な所を見せている辺り、そんなことはないと察しているようだ。
「それほど大きな案件と言うほどでもないのでしょうが、そろそろ片付けておいた方がいいかと」
 きょとんと首を傾げるテレーゼにクラウスと呼ばれた眼帯の男は手を組んで言う。
「先の激戦で討ちそびれ、領内に散り散りに逃亡した魔物がいくつかおります。これらを討伐したいなと」
「あー……たしかに、そうですね。これまでは傭兵団の皆さんにお任せしてたんですよね」
「ええ、ですが、少々仕事が多くなりつつあります。正直な話、人員も足りません。我々傭兵の数を増やすのも難しいでしょう」
「まぁ、正直今の人数が限界だと思ってます。それで、どうするというのでしょう?」
「はい。ローレットの方々は色々とお仕事がある様子。
 せっかくですから、彼らに頼むのはいかがでしょう?
 我々は仕事の負担が減り、ローレットは活躍の場が増え、姫様は治安維持ができる。
 全員に利益があるかと」
「たしかに! ではせっかくですし、さっそく一つお願いしましょうか!
 近くに魔物と買いましたっけ?」
「でしたら――」
 テレーゼが目を輝かせて言えば、クラウスが少し考えてから言う。


「こんばんは、初めましての方々もおられるようですね。テレーゼ・フォン・ブラウベルクと申します。ぜひ、魔物退治をお願いしたいと思いまして」
 ローレットに訪れた君達は、依頼人だというゆらりと三つ編みを揺らして少女に微笑みかけられた。
「幻想の南部に炎を帯びた魔物が出没していて……これを討伐してほしいのです。
 炎狼と呼ばれる、毛並みが炎で出来た狼っぽい魔物なんです。群れで生きる奴らです」
 そう言って、テレーゼは君達の方へ資料となる羊皮紙を差し出した。
「この子達が生息しているのは、焼け落ちた森になります。
 元々は綺麗な森だったのですが、今は見る影もありません。見晴らしはいいと思います。
 人の行くような場所ではないので、これまでは優先度が低かった形ですね」
 そこまで言って、テレーゼは少しばかり沈痛な面持ちを見せる。
「ただ、今回、皆さんにお願いするにあたって、先に密偵をお願いしたのですが、どうにもその中の一匹が異様に成長をしてしまったらしく、これは皆さんに至急、討伐をお願いしたいなと」
 そう言われながら、資料を見れば、わざわざ一枚を使って別の資料が用意された炎狼を見る。
「なにとぞ、よろしくお願いします。ただ……くれぐれも、無理だけはなさらぬよう、お願いしますね? 皆さんが傷つくのはあまり見たくないので」
 テレーゼはそう締めくくると、ポンと手を叩いて、微笑みを浮かべた。

GMコメント

さて、今晩は皆さま、春野紅葉でございます。

ではではさっそく。

●オーダー
炎狼を討伐する

●敵戦力
<大炎狼>
 一際デカイ一匹です。割と強いです。群のボスに当たります。
 ただし、この個体が潰れたとしても他の個体には何の影響もないと思われます。

大炎陣 神自域 威力中 【火炎】【業火】
紅蓮爪 神近扇 威力中 【火炎】【業火】
焔突撃 神遠貫 威力大 【万能】【炎獄】
咆哮  神特レ レンジ2以内の味方の命中、回避を上昇

<炎狼>×15
 普通の狼程度のサイズ感です。普通です。

炎爪 神至単 威力小 【火炎】
炎牙 神至単 威力小 【業火】
炎弾 神遠単 威力小 【火炎】【業火】

<共通項>
回避、反応、EXAがずば抜けて高く、神攻、HPが並、抵抗、防技は低めです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 暑いぞ! そうだ、狼を狩ろう! 完了
  • GM名春野紅葉
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年06月04日 21時55分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)
死を呼ぶドクター
テレーゼ嬢と民の為に狼狩りだな。
…俺は暑いのは嫌いだ。奴らのせいで気温上がってるンじゃねぇか?


◆行動
ウィッチクラフトで五感共有の鴉を使役、上空から味方と狼の配置を把握する
焼け落ちた森なら見通しは良い筈。1つの視点より2つの視点だ。


◆戦法
短期決戦狙いでHPや防御系統が高くない所を突く
狼が素早くとも…俺のウリも魔力(神攻)と精密さ(命中)だ。確実に当てて、確実に狩る。


◆戦闘
戦闘不能時パンドラ使用
移動の必要が無い時は攻撃集中
範囲攻撃は味方を巻き込まない位置取りで放つ

序盤は範囲攻撃で炎狼の数を減らし炎狼が半数以下で大炎狼狙いに変更
上記を満たさない場合も8T目以降は大炎狼狙いに移行

大炎狼相手の時は前に踏み込み、得意なR2~R3の間合いで立ち回る
奴らの炎は耐性で防ぐ。俺が得意な魔術も炎ーー簡単に燃やされる気はねぇ。

炎狼は血河千槍陣でより多くの敵を巻き込む様に攻撃
可能なら大炎狼も纏めて串刺しに出来たら上々だ。
炎狼を1撃で葬れる時は味方と標的を変え、1撃で葬れない時は標的を合わせる
範囲を使えねぇ時は一番弱ってる敵に単体攻撃

大炎狼には悠久のアナセマで呪いを刻み付け、呪い付与後は俺の血を対価に憤怒ノ焔を放つ
奴が弱った味方を狙う時、ブラッドウィップで縛って動きを阻害
…てめぇの相手は、この俺だ。余所見すンなよ?

APが尽きたら弓による神秘属性通常攻撃
その間に右半身の術式でAPを回復するぜ。(武器による充填)
ヨハン=レーム(p3p001117)
寂滅の剣
炎狼……恨みはないが魔物は魔物、俺はただ戦うのみだ……。
せめて苦しまぬよう。

まず俺は多数の炎狼を引き付ける側に回る。大炎狼はシラスが何とかしておくらしいからな。
ライトニングシールドを副行動で付与、名乗り口上で大勢を巻き込み【怒り】の付与を徹底する。
大炎狼と上手く切り離せるよう位置を調整しよう。何匹から攻撃されようが受け止めてやる。仲間へのダメージを抑えるべく、ひたすら【怒り】を撒き続け、火炎などによりHPを消耗した際は防御集中+イモータリティだ。ルフトが炎狼の殲滅に尽力するようだな、彼の攻撃力を最大限に活かせるよう耐え、守り切ってみせよう。状況によってはHPが危険な仲間を対象にかばう行動も選択肢に入れるぞ、俺の前で仲間は絶対に落とさん。

恐らく大炎狼が残ると思うが、後半は消耗しているであろうシラスやHPが危険域に達している仲間を決死の盾でかばい、頭数が落ちないように最大限の注意を払う。回復が間に合っているようであれば攻撃集中からのクロスブレードだな、【足止】か【崩れ】を付与できたら上出来だろう。紅蓮爪の範囲攻撃で3人に被害が及ぶ所を決死の盾で受けきれたら確実にアドバンテージをとれるが、焔突撃も注意しておく必要があるな。クロスブレードと名乗り口上、かばうの配分も状況状況で決めよう。つかんだ有利は絶対に手放さんぞ。

こんな所で負けてたまるか!
HPが0になったらパンドラを使って復活だ!
シラス(p3p004421)
閃翼
暑ぃ……これから夏だってのにこんなの放っておけるかよ!

▼主な目的
さて、俺の役目はデカイ一匹を引きつけておくこと。
大炎狼に猫騙しで【怒り】を狙い、上手いこと決まったらそのまま戦場の端で外側を向けて固定するぜ。
狙いは三種類の範囲攻撃(大炎陣、紅蓮爪、焔突撃)のどれを使われてもダメージを受けるのを俺一人だけに絞ることだ。

▼行動等
「いよう、この俺が遊んでやるぜ犬ッコロ!」

多少すばしっこくても俺も術からは逃げられねえぜ。
開幕は零域(アーリーデイズ)を併用して、命中を高めて猫騙し。

大炎狼の戦場の端への誘導が済んだら、副行動はまた毎ターン零域に当てる。
そうして高めた守りで大炎狼の攻撃をしばらくは凌ぎたい。
主行動は【怒り】を与え続けるためにそのまま猫騙しを連発。

俺が零域を維持できるのは良くても8ターン。
出来ればその間に大炎狼を沈めたいところ。

【痺れ】と【ショック】も入って【怒り】の維持が楽になったら、攻撃に烙印も混ぜていく。
俺自身の攻撃も勿論だが、レイチェルが一撃入れる前に【恍惚】を決めて、大ダメージを狙うぜ。
「へっこいつは効くだろう?」

大炎狼が片付いたら他の炎狼の始末に加勢。

やれやれ、森が元に戻るのに何年かかるんだろうな。

▼その他
俺にはデザイアの【火炎耐性】がある。
ただ、実際に焼かれたら、初めは怯んだ振りをして見せる。
それで敵が油断して勢いづいたら、隙を見て反撃を決めてやりたい
桜咲 珠緒(p3p004426)
要救護者
心頭滅却すれば火もまた涼し、とは言いますが
単に麻痺してませんかと思う今日この頃
炎狼が増えたから暑いのか
暑いから炎狼が増えたのか
どうあれ、討伐が済めば、多少は涼しくなるのでしょうか

戯言はさておき
敵は多く、危険です
どなたも倒れぬよう、血を吐いてでも回復手の務めを果たしましょう

まず、クローズドサンクチュアリ
自身が立ち続けなければ、他者は護れません
それ以降の副行動は、かけ直しを除いて全て移動に使います

ヨハンさんが炎狼を引き付け、他の方が攻撃で数を減らす
シラスさんが単身で大炎狼を引き離す
桜咲は、この双方に回復を行き渡らせられることが望ましいのです
位置を多数の側に寄せつつ天使の歌で複数名の回復を行い
シラスさんの傷が大きいと見たらミリアドハーモニクスを飛ばす
範囲回復の最効率化や、誰も射程を外さないために、周辺把握と位置調整は欠かさず行います

なお、近距離でも、集中攻撃を受けたり負傷が偏っていたら単体回復で注力です

負傷の回復が優先ですが、炎のBSを多重に受けた方が複数いたら
超分析にて回復を試みます
手早く適切な消火を指示できれば、被害も抑えられるでしょう

自身の負傷は、付与の再生と範囲回復に含むことで済ませますが
倒れた場合はパンドラ使用で立ち上がります

AP切れ、充填が間に合わない際は、自身を盾とし、攻撃手を補助します
殴るのは不得手ですが、痛みに耐えるのは……
慣れを通り越して無意識で行えますので
ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)

パンドラ復活有
アドリブ絡み称号歓迎
迷惑かけない様に
範囲味方巻き込みNG
ダメージ&ロスト留意

黒衣の軍師服でフード目深に被る
何か思う所があるのかもしれない

心情
幻想種として……いや、俺個人として見過ごせそうにないな
互いに自然に生きる身
言葉は不要だろう
強者に狩られ糧となれ

※過去の出来事が深層心理で疼き自覚はないが不安定かつ相当顔色が悪い
上記の影響でギフトが安定せず暴発の可能性有
範囲攻撃で敵を倒せたか確認にギフト使用
ギフト効果で燃え盛る死体を二桁見ると常時ギフトON状態でOFF不可に
戦闘後まで行動思考に支障なく保つが戦闘後は魔槍を支えに皆の無事を確認すると精神過負荷で気を失う

戦闘
自然会話とモンスター知識合わせ敵の動き等予測しこちらが後の先を取れる様に皆に提案し詰める
事前に皆と役割や作戦等話し合い齟齬を無くし連携意識

終始炎狼担当
大炎狼の攻撃範囲に入らない
立ち位置調整&始まりの赤→攻撃集中し魔砲
狙いはヨハンさんの怒り付与が届かずシラスさんに向かうか近い敵を巻き込む
魔砲はレイチェルさんとの連携意識
2発使っても数が減らせなければ3発まで

シラスさんや弱った味方狙う敵を優先し魔力撃使用
弱っている敵は通常攻撃の必殺で確実に仕留める
魔力撃と通常攻撃の使い分け残AP考慮
無傷の敵がいなければ魔力撃1回分残る様に
ヨハンさんと連携し殲滅速度上げる

炎狼殲滅後
大炎狼へ魔力撃
後は持てる力で

後日
種まきや植樹で元の森の復元を
ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)
極夜
さてと狼狩りか。
張り切るのはいいが…水分補給はしっかりと、熱中症に気をつけろよな。

●行動
単独行動は控えて連携を意識…なんてめんどくさすぎるけど、これも依頼成功のためだ。一緒に頑張ろうじゃないか。

●戦闘
炎狼狙いで中距離から遠距離の間合いを維持するぜ。
移動しないときは攻撃集中で少しでも攻撃力を上げることにしよう。

序盤は仲間を巻き込まないようにルーン・Hで攻撃。大炎狼が巻き込めるんなら一緒に凍らせてやろうか。
ルーン・Hが仲間を巻き込みそう、混戦してきたときはスキルをシャドウオブテラーに変更する。
その時は誰かとターゲットを合わせて炎狼を袋叩きにするわ。どんなに素早くても囲めばなんとかなるだろ。
APが足りないときは…仕方がないから溜まるまでは遠術で攻撃するか。
素早いから間合いを詰められるかもしれねぇな。その時はシャドウオブテラーか魔弾て対処しよう。

炎狼を殲滅したあと大炎狼が残っているなら加勢に入ると思う。
シャドウオブテラーか遠術で攻撃したいが体力が残っているのか分かんねぇな。
出来ることをやるさ。

炎は火炎耐性で防御。耐性があるっていっても熱いんだろうなぁ。まぁいいさ、燃やせるもんなら燃やしてみろよ。犬っころが。あーちょっとこれは調子に乗りすぎたかもしんね。

※戦闘不能時はパンドラ使用

アドリブ歓迎
オールド(p3p006823)
幼き機獣
アドリブ、絡み、称号歓迎

【目的】
炎狼たちを倒す

【心情】
狼、生きてる。
けど、オールド、たちにとって、狼、いると、困る。
だから、倒す。

食べるため、違う。けど、生きるため、だから。頑張る!がぅ!

【行動】
オールド、範囲、攻撃、できない。だから、炎狼、に、「多段牽制」で、攻撃、足止め、する。
時間(8ターン以降)か、狼、数が減る(半分を切った段階)で、大炎狼に、「多段牽制」して、足止め、する。

攻撃、多分、あたらない。だから、いやがる、こと、するの!ガゥ

ただ、大炎狼、ひきつける、仲間、いる。
迷惑、ならない、動き、心掛ける、よ!

「オールド、オオカミ、倒す!熱いの、我慢、する!」
「ガゥ、あたらない。なんでー?」

全部、終わったら、狼、に、手を、合わせる!
弔う、こうする、聞いた。命、取る、から、ちゃんと、弔う!ガゥ!
グランツァー・ガリル(p3p007172)
土繰れ
目的
敵の足止め

動機
ふむ。イレギュラーという身になってからのデビュー戦ですが、ちょっと荷が重い場に来てしまったかもしれないですねえ。
それでも、皆様の足を引っ張らないように頑張らないとですよう。
森や大地が燃え行くのを黙ってみてる、というのもあまり気持ちのいいものじゃないですからねえ。


戦闘
大物は皆様にまかせ、数の多い炎狼さんたちを相手取りますよお。
確実に相手に先手を取られる、というのが分かっているのであれば、それに合わせて手を考えましょう。
多少の火傷も覚悟のうえ。ミスティックロアで自身の魔力を高めますよお。

敵を倒す、ということよりもその動きを縛る、ということに比重をおきますよお。
マジックロープで一匹ずつ、麻痺を与えて相手の動きを乱しましょうねえ。
味方の皆様の火力を信じてこそ、自分は攻撃をせず、支援に徹しますよお。

事が済みましたら、燃えてしまった環境の復興に勤しみますよお。



戦闘不能時パンドラ使用

リプレイ


「暑いのは嫌いだ。奴らのせいで気温上がってるンじゃねぇか?」
 目を細めて『死を呼ぶドクター』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)はウィッチクラフトで五感共有する鴉で敵陣の様子を眺めながら、不快そうに外套で汗をぬぐった。
(暑ぃ……これから夏だってのにこんなの放っておけるかよ!)
 汗を流す『閃翼』シラス(p3p004421)はこれから戦う敵の事を考えて心の中で叫ぶ。
(心頭滅却すれば火もまた涼し、とは言いますが、単に麻痺してませんかと思う今日この頃)
 じりじりと照りつける太陽を見上げて『要救護者』桜咲 珠緒(p3p004426)は小さくため息を吐いた。
(炎狼が増えたから暑いのか、暑いから炎狼が増えたのか。
 どうあれ、討伐が済めば、多少は涼しくなるのでしょうか)
 パタパタと手うちわで扇いで、もう一つ息を吐く。
 さすがに、これを倒すだけでは気温をどうこうできないかもしれないが、倒したら何となく涼しく感じるかもしれない。
(幻想種として……いや、俺個人として見過ごせそうにないな)
 黒衣の軍師服でフード目深に被る男――ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)は尋常じゃない顔色の悪さを見せないようにぐぃっとフードを目深に直す。
「さてと狼狩りか。張り切るのはいいが…水分補給はしっかりと、熱中症に気をつけろよな」
 そういう 『極夜』ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)は、水分補給用の水稲から水をコップに分けて差し出していく。
(狼、生きてる。けど、オールド、たちにとって、狼、いると、困る。だから、倒す。)
 ウィップソード状のしっぽをゆらゆらと動かしながら『幼き機獣』オールド(p3p006823)はぎゅっと手を握る。
(食べるため、違う。けど、生きるため、だから。頑張る!がぅ!)
 やる気いっぱいのオールドの隣にいる『土繰れ』グランツァー・ガリル(p3p007172)はイレギュラーズとしては初陣であった。
(ちょっと荷が重い場に来てしまったかもしれないですねえ。それでも、皆様の足を引っ張らないように頑張らないとですよう
 森や大地が燃え行くのを黙ってみてる、というのもあまり気持ちのいいものじゃないですからねえ)
 母なる大地を尊ぶ「大地信仰」の信奉者たる彼は、燃える大地へ思いをはせる。
(炎狼……恨みはないが魔物は魔物、俺はただ戦うのみだ……。せめて苦しまぬよう)
 そんな一方で、淡々とした様子で『寂滅の剣』ヨハン=レーム(p3p001117)は白き大剣を握っていた。
 見れば既に炎狼らが思い思いに動く場所に近い。
 とっくの昔に燃え尽きた大地で、彼らは酷くひっそりと生息している。
 ――けれど、それが今だけである確証は万に一つとしてないのだ。


 ――バチバチバチッ
 膨大な雷エネルギーがヨハンの身体から迸る。
 戦場に雷鳴が轟き、その音に気づいた炎狼達が俄かに立ち上がる。
 大炎狼の咆哮が、戦場をつんざいた。
 それに呼応するように遠吠えした獣たちが、イレギュラーズの方へと疾走する。
 距離を詰めた数匹が次々にヨハンへと飛びかかり、炎を纏う爪牙で切り裂いていく。
 しかし、高度な防御技術で築かれた死角なき方陣は炎狼達の攻撃の一切を意に介することなく、静かにその場にあり続ける。
 シラスはこちらへ向かってくる多数の炎狼達とすれ違うようにして大炎狼へと至近すると、パンッと手を叩く。
「いよう、この俺が遊んでやるぜ犬ッコロ!」
 不吉な手拍子に大炎狼が目を数度またたかせ、雄たけびを上げた。
 遠吠えが響く。
 大炎狼が爪で薙ぎ払う。その時にはすでに、シラスの意識は超集中の領域に到達していた。
 ひどく遅く感じる爪の動きを見据えながら、超高速の演算が走る。
 最低限、最小限の動きで、シラスは静かにその薙ぎ払いを受け止め――流す。
 ジュッと微かに皮膚を焼いた痛みさえも、既に不要だと排除する。
「我、罪を裁く者なり」
 レイチェルは静かに呟いた。
 右半身に刻まれた鮮烈たる緋の魔術式が緋色の輝きを見せ、沸き立つ。
 静かに大地へと侵食した鮮烈たる赤が一斉にイレギュラーズ達の方へ走りこんでくる炎狼達の一部の足元に死血の海を顕現させると、刹那。
 幾つもの血槍が狼たちへと奔る。数匹が尋常じゃない回避能力を見せ躱す一方で数匹が貫かれていく。
 珠緒は神霊の加護を自らの奥底に留めて己を聖域と化すと、静かに狼から間合いを取りつつ、彼らの注意を引く二人のどちらへも自らの治療術が届く位置へと動き出す。
「互いに自然に生きる身。言葉は不要だろう。強者に狩られ糧となれ」
 珠緒に対応するように動いたルフトは静かに手を敵に向けてかざす。すると、そこにぽっかりと穴が開き、無数のゲイボルク・ロベリアが中から姿を現わした。
 無数のソレを炎狼の集団へと走らせると、射線上にいる全ての炎狼を貫く魔槍が、一直線上に血の彩りを大地に加えていく。
(単独行動は控えて連携を意識…なんてめんどくさすぎるけど、これも依頼成功のためだ。
 一緒に頑張ろうじゃないか。)
 ペッカートが魔性惨華を複数の炎狼がまとまる場所に向けて投げると、呪符から不可避の雹が降り注ぐ。
 広域に降り注ぐ雹が炎狼を貫けば、当たり切らなかった雹が蒸気を上げてじゅうと音を立てる。
「ったく、熱すぎんだろ。犬っころが」
 若干のけだるげさを含み、異界の悪魔は炎狼にじっとりと目を向けた。
「ガゥ! オールド、オオカミ、倒す!」
 オールドは走り込むと一匹の狼にローズラヴァーを振るう。バシバシと多段に打ち込まれた鞭に怯んだ炎狼が声を上げる。
「それでは、行きますよぉ」
 グランツァーがソーサラーワンドを掲げると、その先端から魔力のオーラが現れ、一匹の炎狼を捕縛して締めあげる。
 炎狼の数は多い。それでも強力な範囲攻撃により、その数は比較的短時間に減っていると言っていい。
 ヨハンの名乗り口上に気をとられた数匹の炎狼は、至近して彼に爪牙を突き立てる。
「どんなに惨めであろうとーー俺は」
 一度は折れ、故郷に帰ることを選択した少年は、複数の爪牙のうち、致命傷たりうるものを霊樹の加護深き大剣で捌き、それ以外は受け止めていく。
 ヨハンが自らの力で耐え忍ぶのは、高火力を有するルフトとレイチェルによる砲撃を最大限に活かすためだった。
 その当の本人、ルフトは、燃え盛る炎狼の死体を見やり、己が精神力を燃やしながら、空間に穴を開けて無数の紫槍を打ち出した。
 これは自らの定めた最後の一撃。連続する紫槍が、更なる複数の炎狼を穿ちーーそれの瞬間、彼の双眸が空色の輝きを増した。
 ルフトへと近づく炎狼へ、ペッカートは呪符を向けた。再び放たれた無数の雹が、炎狼を切り刻み、凍て付かせていく。
 それを躱した数匹が、その矛先をペッカートへと切り替えて突撃してきた。
 珠緒はヨハンとグランツァーの消火活動から一旦視線を変え、炎狼の爪牙を受けた仲間達へと癒しの力を込めた歌を紡ぐ。
 明朗かつ穏やかなその歌は、多数の傷を受けるイレギュラーズに神聖なる福音をもたらしていく。
 大炎狼と一人相対するシラスは、都合3度目となる超集中を始めた。
 大炎狼の猛攻は一人で捌ききるにはあまりある。それでも、猫騙しを用いて得た機を逃すことはない。
 伸びてくる炎を纏う爪とすれ違うように走り抜け、懐に潜り込むとともに、岩を割り、鉄を裂くほどに練り上げた魔力を纏う足で刈るように薙ぎ払う。
 込められた格闘術式が大炎狼の肉体を蝕んでいく。 
 レイチェルは自らにすがりつかんとする炎狼から既に標的を大炎狼に改めていた。
 他のイレギュラーズなぞ眼中に入れず、目の前の敵に集中する大炎狼が、シラスへめがけて突撃を仕掛けんとする瞬間、レイチェルの血を媒介とした憎悪の焔が鞭となって駆け抜ける。
 しなりながら走った鞭は、大きく開かれた大炎狼の口を縛り上げ、無理やり閉じさせた。


 戦いが始まってから少しの時間が経った。
 ずきりと、痛みが走る。シラスは一瞬だけ動きを止めた。
 大炎狼が小さく唸り、爪でシラスを薙ぎ払わんと腕を向け――
「大丈夫か?」
 ――しかしその猛威は、彼に到達しなかった。
 ヨハンは後ろに隠したシラスへ問いかける。
 炎狼の処理は既に全て終わらせた。残りはこいつ一匹だ。
「あぁ」
 炎への耐性を有している以上、危険なのは大炎狼の攻撃一つ一つが有する威力のみ。
 それもまた、楽観視できるものではなかったが、暴れに暴れるその威力が自分一人にだけ被害をもたらすという意味で、シラスの存在は大いに意味があった。
 背後で珠緒がシラスへ賦活の力をもたらしていくのを感じながら、ヨハンは防ぎ切った大炎狼を見る。
 こちらを巨体で睥睨する大炎狼に、少年は静かに剣を構えた。ボウと霊樹の加護を有した大剣が輝きを見せる。
「悪いが、負けられない」
 そんな小さな言葉を残して、ヨハンは霊樹の大剣をそのまま振り抜いた。光の斬撃は十字の軌跡を描き、大炎狼へと叩き込まれた。
『ォォオオォ』
 大炎狼が痛みからか叫ぶ。
 それを受けて、次に動いたのは、傷を回復させたシラスだった。
 若干、戦闘に向かぬ体勢から、急速な動きを見せると、大炎狼の懐へ入り込み、全身のバネを使って跳ぶ。握った拳が、大炎狼の顎を撃ち抜けば、術式が大炎狼を蝕んでいく。
「へっこいつは効くだろう?」
 叫ぶ大炎狼にそう告げ、ちらりと味方の方に視線を向ける。
 その時、炎が大炎狼へと走り抜けた。
 炎は存在するとも知れぬ『神』の呪いを伴い、大炎狼に刻まれた数多の能力を更に強固に刻みつける――同時に、その身に強烈な一撃となって焼き付けていく。
「俺の得意な魔術も炎――てめぇの炎に掻き消される気はねぇ」
 髪の間から見える金銀妖眼が大炎狼と交わった。
 ルフトは大炎狼の視線が向いていないことをみとめると、走り出した。
 身体をかがめ、大炎狼の懐に入り込むと、ダンッと強く足を踏みしめ、跳ぶ。
 魔力を乗せた紫槍は、真っすぐに大炎狼の心臓辺りを刺し貫いた。
 じんわりと、大炎狼の血が、その毛を濡らす。
 ペッカートは目を閉じていた。
 大炎狼が放つ炎にあてられた影が揺らめく。 
 ――否。大炎狼の焔に合わせて蠢くのは、カモフラージュだった。
 ペッカート自身の意思で操られる影は、密かに大炎狼の足元に伸びていくと、無数の刃となって脚部を強烈に引き裂いていく。
 オールドの鞭が引き裂かれた大炎狼の脚部に複数の一撃を打ち込んだ。
 さらに続くようにして、グランツァーがもう片方の足へマジックロープを走らせた。
『グォォォォォォオオオオオオ!!!!』
 一瞬、大炎狼が今日一番の雄たけびを上げた。
 その瞬間、大炎狼の身体からあふれ出た炎が、ぽつりぽつりと大地へ降り注ぎ――円を描きながら燃え広がっていく。
 ヨハンが珠緒とシラスを庇う中、燃え広がった大炎陣は、イレギュラーズの多くを巻き込んだ。
 それだけでは終わらない。尋常じゃない反応速度で大炎狼はぎらりとイレギュラーズを見据え――全身の炎をより一層掻き立て、走り出した。
 射程圏内のイレギュラーズ全てを踏みつけ、走り抜けたかと思うと、そのままくるりと反転して再び同じ場所を走る。
 パンドラの輝きが戦場に幾つか開いていく。

 それから更に少し経った。
「殴るのは不得手ですが、痛みに耐えるのは……慣れを通り越して無意識で行えますので」
 広域に天使の歌を奏でる珠緒は静かにそう言って、多数の味方を一緒に回復させられる位置に移動しながら回復を繰り返していた。
 時には大炎狼と近距離に近づくことになった時もあるが、自らの再生能力と天使の歌による祝福で充分に賄っていた。
 何よりも、回復手にしては彼女の頑強さはかなりの物だった。
 自分が潰れることは絶対にしないという意地すら感じ取れた。
 もしも、もしも仮に以前の世界での彼女を知る者がこの彼女を見たら、信じられるだろうか。
「もうじきだろうな……いけそうか?」
 シラスはふらつく大炎狼を見上げて声を漏らす。
「つかんだ有利は絶対に手放さんぞ」
 ヨハンが小さくこくりと頷く。
 無傷とはさすがに言えないが、軽傷言っていいだろう。
 雄叫びを上げる大炎狼が腕を振り上げた。
 その動きは、今までより遥かに遅い。単純に疲弊しているのだろう。
 振り下ろされる前足にヨハンは霊樹の大剣を合わせるように振るう。
 ガツンッ――やや重い。けれど、決して押されない重さだった。
「今だ!」
 応じるようにまず動いたのはペッカートだ。
 自らの影を動かして、魔性は再び敵を切り刻む。
「あーちょっとこれは調子に乗りすぎたかもしんね」
 そんな軽口を叩きながら、伸ばした影で、大炎狼の後ろ脚を切り刻む。
 それに続くようにして、走り出したルフトはペッカートの切り刻んだ足をそのまま足場にして空へ。
 くるくると回転しながら、紫槍を叩き込む。
 鮮血が更にルフトのフードに散っていく。
 それに続くのは、シラスだった。
 大きく跳び上がると、ヨハンが抑える前足をそのまま足場にして走り抜け、横顔辺りで大炎狼を思いっきり殴りつけた。
 大炎狼が大きく崩れ、どさりと大地へ横たわる。
 引く唸り声と共に、起き上がろうとする大炎狼に対して――静かにレイチェルは視線を向けていた。
「憤怒、そして復讐の焔こそ我が刃。復讐の果てに燃え尽きるのが我が生なり」
 告げられた呪文と共に、浮かび上がった円陣から紅蓮の焔が溢れ出す。
 自らの血を媒介として、煌々と燃え盛る憎悪の焔が、術式により大きく隙を見せる狼へと食らいつく。
 断末魔の雄叫びが尾を引きながら消えていく。


 戦いを終わらせてから少しの休憩をはさんだイレギュラーズは、まだ戦場にいた。
 提案をしたのはルフトであった。
 精神的過負荷により気を失っていた彼は、目を覚ましてすぐに森の再建に種まきをしたいと言って、それに他のイレギュラーズが合意をした形である。
「ガゥ! 元通りに、なりますように!」
 ぽんぽんと種を植えて軽く土を叩くオールドは、そう言って祈るように手をこすり合わせる。
「環境の復興は必要ですからねぇ」
 グランツァーは自らの信仰もあってノリノリである。
「くれぐれも熱中症にはなるなよ」
 戦闘終了後には疲れて腰を落としていたペッカートも復活してから何やかんやで手伝っている。
「やれやれ、森が元に戻るのに何年かかるんだろうな」
 苗木をしつつ、シラスは少しだけ肩をすくめる。
 その様子をヨハンは静かに見つめていた。
「これで多少は涼しくなるでしょうか」
 首をかしげる珠緒に、さぁなと返すのはレイチェルだ。
 戦いの終わり、焼け落ちた森は、小さな、新しい始まりを見せようとしていた。
 この時期には珍しい、心地よいそよ風が、それを肯定するように吹いていく。

成否

成功

MVP

桜咲 珠緒(p3p004426)
要救護者

状態異常

オールド(p3p006823) [重傷]
幼き機獣
グランツァー・ガリル(p3p007172) [重傷]
土繰れ

あとがき

倒れないヒーラーって……怖いですね……

なんてことはそれはさておき。
お疲れ様でした。

MVPは回復手であったあなたへ。
多彩な回復方法と頑強さ、すごいです。

それでは、皆様の植えた苗木が、いつか再び彼の地を森へと変えんことを。

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