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シナリオ詳細

<クレール・ドゥ・リュヌ>罪罰コッペリア

冒険中

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

オープニング

●例外事象
「恩に着る、と言えばいいか」
 目前で自嘲を帯びた苦笑を浮かべた初老の男には苦悩の色が積み重なっていた。
 状況に酷く疲れ果て、五十代半ばという年齢以上に老け込んで見える彼に、騎士――シリウス・アークライトは小さく首を振ってみせた。
「いえ、当然の事です」
 理知的にして篤実たるシリウスの口調はこの天義(ネメシス)で理想的な俊英の一人と謳われた当時のものと変わらない。将来を大いに嘱望され、末は聖騎士団の重鎮かと期待された彼が任務の最中で行方を消したのはかれこれ数年前の出来事である。
 国民が、峻厳の白獅子が、フェネスト六世すら大いに惜しんだ彼の失踪はフォン・ルーベルグで話題を集めた『悲劇』だった。彼の残した子、『死力の聖剣』 リゲル=アークライト (p3p000442)が天義上層に否が応無い期待を受けるのは、その血筋も完全に影響がないとは言えないだろう。
 さて、そのシリウス・アークライトがこの場に居る。
 大いなる苦悩を抱えた一人の男と共に。
「大恩あるコンフィズリー卿の為と思わば、この程度。
 むしろ、我が身、我が手、我が剣が――今一度貴方のお役に立てた事、これ以上の僥倖はありません。それは我が悲願であり、我が贖罪でもあるのですから――」
 その一言が動乱のフォン・ルーベルグに訪れた例外事象――強欲の冠位が『クレール・ドゥ・リュヌ』と称する大舞台に存在する新たにして重大なキャストの正体を告げていた。
「すまない」と頭を垂れた彼の名をイェルハルド・フェレス・コンフィズリーという。
 言わずと知れた近世天義の汚点、『コンフィズリーの不正義』の主役であり、没落したコンフィズリー家の前当主、あのリンツァトルテ・コンフィズリーの実父であった。
 ネメシス王宮という伏魔殿より『帰らなかった』彼がこの場に居る意味は、シリウスのそれとは大いに異なる。あくまで『行方不明』とされているシリウスと異なり、王宮の中の事情通はイェルハルドが処された事を知っている。つまり彼は今フォン・ルーベルグを騒がせる黄泉帰りの一端であるという事だ。
「……しかし、本当に良いのか、シリウス。
 卿も今は――うむ、今は『色々と』立場もあるのだろう?
 卿の仲間こそ、今この国を揺るがす根源に当たる、のだろう?」
「そしてわしが今この場に居る理由でもあるのだろう」とイェルハルド。
「御気に為されますな」とシリウスは慮るイェルハルドを一蹴した。
「我が身、冥府魔道に堕ちようとも、何を為すべきか決めるのは我が信念のみ。
 元より、貴方に生かされたこの命――生かされた以上は、このネメシスでは叶えようのない真の大願(せいぎ)を遂行せんと誓った想いは一つも曇っておりません。
 ……この国に正義が無いならば、劇薬を以って制するのも良いでしょう。
 さりとて、私は貴方に道化の真似事をさせる心算は無い。
 返しきれぬ恩を受け、リンツァトルテから父を奪った私が――どうしてそんな事を出来ましょうや」
「うむ……」と重く唸ったイェルハルドが大きく息を吐き出した。
『月光人形(クレール・ドゥ・リュヌ)』なる罪業を背負わされた者共は今、まさに聖都を動乱の渦に落としている事だろう。自我はある。記憶も曖昧ながら存在する。そんな自分も本来ならば愛する息子の元へ赴いて、彼を『呼ばねば』ならなかった事だろう。
 されど、そうならなかった理由がこのシリウスだった。
 七罪なる女の『舞台』をサポートする魔種達の一人にシリウスが居た事がイェルハルド最大の幸運だった。黒衣の女に「私にお任せを」と進み出た彼はイェルハルドを手元に残し、リンツァトルテとの接触を『禁止』したのだ。イェルハルドが比較的状況を正しく理解しているのも無論、シリウスの説明によるものだった。
「聖都には奥方も居た筈だ。彼女(ルビア)については」
「我ながらの偽善――感傷、他人を侵そうとするのに愛する者だけは守りたい等と。騎士の風上にも置けぬ卑怯に違いありますまいが、彼女の身に類が及ばぬよう手を回しております。故に、卿はせめて、この動乱が静まるまで――心安らかに」
 全ての説明を終えたシリウスにイェルハルドは重く深く頷いた。
 我が手を汚さなかったとしても何かが変わる筈も無い。
 目の当たりにした訳ではないが己の行動から『不正義』の烙印を押されたコンフィズリーが、リンツァトルテが歩んだ道のりを考えるだけで目頭が熱くなるのも事実。
 だが、愛しい息子を抱きしめる事は叶わない。
 シリウスがルビアを抱きしめる事が出来ないのと同じように。
 それは約束された不幸を呼ぶ事しかないのだから――
 何事もなかったのならばこれは物語の幕間に過ぎまい。
 されど、不都合ばかりのこの世界はそんな優しさを認めまい。
 むしろ不具合ばかりを『都合良く』。この時、既に不穏の影を認めたという通報を持ちて、二人の元にもネメシスとローレットの戦力が接近しようとしていた。

 ――余りに濃密な運命を、因縁をその手に携えて。

GMコメント

 YAMIDEITEIっす。
 EXですが、重要な同行NPCが二人居る為、参加人数は八人です。
 以下詳細。

●任務達成条件
・『月光人形』の破壊

●状況
 フォン・ルーベルグで同時多発的に生じた狂気伝播事件。
 これをローレットのレオンは魔種の仕業であると考え、多発していた『黄泉帰り』が狂気を伝播させるアンテナの役目を果たしていると読みました。
 ネメシス指導部と共同作戦をとったローレットはフォン・ルーベルグ及び近郊、黄泉帰りの関与が疑われる暴動等の鎮圧に動き始めましたが、その内の一件、市民の通報によって連合部隊が派遣されたのが本件です。

●同行者
『峻厳たる白の大壁』レオパル・ド・ティゲール 及び『不正義の騎士』リンツァトルテ・コンフィズリーが同行します。
 レオパルはとても強く特に耐久性が高く回復やBS解除の支援もこなします。
 リンツァトルテはそれなりの腕前で足手まといにはならない程度です。

●シリウス・アークライト
 行方不明になった元天義騎士。
 メタ的に言うなら彼は現在魔種となっており、黄泉帰り事件の首謀に連なる者です。
 PCは現場で遭遇するまでは彼が相手である事は知りません。相談等は知っている前提で打ち合わせをしてくれて大丈夫です。
 シリウス・アークライトは将来を嘱望された俊英で、レオパルの『先輩』です。レオパルは彼を慕っていました。(年齢的にシリウスの方が幾つか上です)
 能力は不明ですが、騎士としての剣の腕前は相当のもので魔種と化した今となってはとんでもない強敵になっていると言えるでしょう。

●イェルハルド・フェレス・コンフィズリー
 コンフィズリー家の前当主。リンツァトルテの実父。
『コンフィズリーの不正義』で帰らなかった人。彼を倒す事が依頼の達成条件となりますが、リンツァトルテがどういう反応をするかは読めない所です。

●髑髏騎士
 全部で十二体。甲冑を纏った骨の騎士。シリウスに貸し与えられた兵力。
 近接攻撃を中心にしますが、遠距離攻撃もこなします。
 毒、出血系の殺傷力の高いBSを備え、攻撃に呪いと呪殺属性を帯びます。
 又、全ての個体が自己再生能力を持っています。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

 失敗も十分有り得ます。
 又、展開次第で今後のストーリーに影響を与える可能性があります。
 以上、宜しければ御参加下さいませ。

  • <クレール・ドゥ・リュヌ>罪罰コッペリア Lv:12以上冒険中
  • GM名YAMIDEITEI
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 出発日時2019年05月18日 23時59分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

参加者一覧(8人)

ポテト チップ(p3p000294)
優心の恩寵
リゲル=アークライト(p3p000442)
死力の聖剣
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
山賊
ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
愛の吸血鬼
ムスティスラーフ・バイルシュタイン(p3p001619)
ムスティおじーちゃん
ハロルド(p3p004465)
聖剣使い
コロナ(p3p006487)
ホワイトウィドウ
アイリス・アベリア・ソードゥサロモン(p3p006749)
黒鴉の花姫

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