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シナリオ詳細

<クレール・ドゥ・リュヌ>猟狗死して狡兎嘲笑う

冒険中

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

オープニング

●戻ってきた男。
 薄く白みがかった青の空。小鳥がさえずり、鶏が鳴く。
 それを聞いた人々が起床する、なんてことのない一日。
 しかしその日は、ほんのちょっぴりだけ、普通とは異なる一日だった。
 朝陽が昇るよりもやや早い。町の入り口に、一人の男が立っていた。
 土に汚れ、やや錆びついたようにも見える鎧、その上に草臥れた毛皮。装いを見るに、猟師であろうか。入り口から中を、ぼうと見つめている。
 やがて、いつものように小鳥と鶏が歌い始め、人々が起き出せばその姿はすぐに人々の目に止まる。
「貴方! 帰ってきてくれたのね」
「あぁ……遅くなって済まない」
 30代ほどの女性が男に向かって安堵した様子を見せれば、男がぎこちなくそう言って答える。
 男はそのまま、女性と共に彼女に家へと帰ってい
「ギヨーム……本当にギヨームさんなの!?」
「あぁ、義母さん。帰ってきたよ」
「あぁ、良かった……良かった……うぅ」
 男――ギヨームが家の中に入ると、中にいた女性が目を見開いて、ギヨームの肩をがっしりと掴んで、震える手を動かしながら、首を伝えて頬に手をおいた。
 老境に差し掛かるその女性は、ギヨームの妻らしき女をそのまま成長させたかのようにそっくりであった。
「ご、ご両親が生きていれば、こんなに喜ぶことはないでしょう……あぁ、本当に、ギヨームなのね……アネット、今日はご馳走にしましょう」
「ええ、母さん、そうしましょう」
 女性――アネットが今にも泣きだしそうな震えた声でそう言って、母親の手を握った。

●紛れる男
 それは、ほんの少しばかりの違和感だった。
 人々はその違和感には気づけなかった。
「やあ、ドナルドさん。今日も元気がいいね」
 町の中ほど、パン屋の主人に男が笑いかける。
 話しかけられたパン屋の主人――ドナルドは、一瞬、目をぱちくりとさせた後、申し訳なさそうに頭を下げる。
「おはよう、そっちも元気でなによりだ」
「あははっ、だろう? 俺はそれだけが取り柄でね」
「そうかそうか……それはいい。だが……すまない、名前を忘れてしまって――」
「やだなぁ。俺だよ、俺、――だよ」
 男が答える。答えを聞いたドナルドは、ほんの一瞬、誰だ、と言わんばかりに眉間にしわを寄せ、ほんの一瞬後には目を開く。
「おお、すまないすまない。しかし、大きくなったな。以前は――」
 一見すれば、幼い頃を知る人物が思いもよらぬ成長した姿に驚いたように見えるやり取りだった。
 しかし、態度の変化は明らかに露骨であった。
 それはまるで認識を挿げ替えられたような、異様な感覚。
 もっとも、ドナルドはそんなことを一切気づいてない。
 あるいは、その違和感さえも挿げ替えられたかのようで。

●天蓋落ちて浄土霞む
 天義、聖教国ネメシスが都――フォン・ルーベルグ。
 規律正しく、信仰に厚い者が多くを占める白亜の都。
 しかしながら、隠し切れぬ公然尾の事実と化した黄泉返り事件はそんなフォン・ルーベルグの市民にとっても少なくない衝撃を与えた。
 親しい誰かが、在りし日の姿のまま自身の元へ戻ってくる。それは、如何に『禁忌』と理解してようとも、如何に模範的な生活を心がけていようとも、否定し難き喜びだ。
 それを咎めるべき立場のネメシス指導部にとっても権力の基盤であるフォン・ルーベルグ市民――しかも“心”なる形なきものが相手ではあまりに大体的な行動は起こせない。
 そんな不本意な膠着状態は、まるで時限爆弾が爆ぜるように、唐突に終わりを告げる。
 フォン・ルーベルグを中心として、各地で暴動事件が起き始めていた。
 その、急速に、ほぼ同時期に燃え広がる狂気の渦に関して、君達は以前に遭遇していたある事件を思い出す。
 幻想楽団『シルク・ド・マントゥール』――嘘つきサーカスの齎した『原罪の呼び声』を。
 しかし、サーカスの時のように露骨な旗印は存在しなかった。
 だが、黄泉返りとこの暴動を、一切の無関係と断言するのはほぼ不可能であろう。
赤の他人であったサーカスと、死んだはずの大切な誰か――どっちがより大きく感情を揺さぶれるのか、そんなもの誰の目にも明らかだ。
「ローレットが対応していてマジで良かった。してなかったら水面下に潜んでた爆弾は今の比じゃなかったぜ」
 そんなことを、レオンは君達に言っていた。

「――皆様に依頼があります」
 イレギュラーズが以前に黄泉返り事件で関わったカーティスからそう言われたのは、その狂気の対処に君達が専門家と言わんばかりに駆り出されたばかりの頃だ。
「皆様のおかげで、天義の暴動事件の火種は小さなもので済んでいると思います。実は、フォン・ルーベルグからやや北に行ったところに、黄泉返り案件が隠れていました」
 そして――運悪く見逃されたその火種は爆発した。
「なぜ分からなかったのか。その理由は――黄泉返りの対象が“行方不明者”でしかなかったからです。
 どこの誰が火種なのかは分かっています。どうか、この町に急行し、この黄泉がえりを討ち取っていただきたい。
 恥ずかしながら。私はまだ、鍛えなおしている最中でして……あの時のようなことにならぬように、最善を尽くしたいのです」
 そう言って一度頭を下げたカーティスは、再び口を開く。
「黄泉返りと思われる人物は名をギヨームと申します。銀髪碧眼の引き締まった肉体をした男であったとのこと。
 かなり腕のいい名うての狩人で、近隣では多少は名を知られていたようですね。魔物の群れと戦うために数ヶ月以上家を空けることもあったとかでそれもあって発見が遅れたようです」
 生前のギヨームをどれだけ再現できているのか分からない――とはいえ、無抵抗で地に還ってくれそうにはない。
「その名うての狩人が、どう死んだか、気になってやみません。事故ならともかく、もし殺されたのなら、誰が――あるいは、何が」
 カーティスはそう言ってそのまま黙考し始めた。

GMコメント

こんばんは、春野紅葉です。
さて、そういうわけで天義で勃発した暴動事件をおふたつほどご提供な感じです。

●オーダー
 暴動の鎮圧および黄泉返りの捕縛、討伐。

●戦場
 フォン・ルーベルグのほど近くにある小さな町。
 田舎すぎず都会すぎずの郊外風味が強い町です。
 現在、暴徒達は強欲に、貪欲に、抑えていたものを解き放ったような雰囲気を見せています。


●敵対勢力

・ギヨーム
 銀髪碧眼の狩人風な人物。カーティス曰く、黄泉返りであろうとのこと。
 戦闘力はそこそこあります。
 距離を問わぬオールマイティな戦闘スタイルを持ちます。
 反応、命中、回避、CTが高め、物攻とHPは並、防技、抵抗は低め。

散弾・扇 物近扇 威力小 【防無】【致死毒】
滅弾・域 物遠域 威力小 【万能】【体勢不利】【流血】
連剣 物至単 威力中 【弱点】
連弾 物中単 威力小 【氷結】【足止め】

・暴徒×30人
 棒や農具などで武装した暴徒達です。
 ぶっちゃけ雑魚です。

・――
 名称不明、謎です。
 異様な迫力と正体不明の能力を用いている様子。
 皆さんがこの事件で鉢合わせることはないでしょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <クレール・ドゥ・リュヌ>猟狗死して狡兎嘲笑う 冒険中
  • GM名春野紅葉
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 出発日時2019年05月18日 23時59分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険中です。結果をお待ちください。

参加者一覧(8人)

ヘルモルト・ミーヌス(p3p000167)
強襲型メイド
デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)
大いなる者
ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)
黄昏夢廸
エリザベス=桔梗院=ラブクラフト(p3p001774)
特異運命座標
ニーニア・リーカー(p3p002058)
平原の穴掘り人
アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)
希望の蒼穹
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
チアフルファイター
アクア・フィーリス(p3p006784)
カースウルフ

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